このレポートは、「組織」や「チーム」の「成長の秘訣」が垣間見える現場に潜入し、その様子をレポート形式でご紹介するシリーズ企画です。
今回はエンジニア社員が全員集まる、月1開催の「エンジニア開発定例」に潜入。メドピアのエンジニアが大切にしている「カルチャー」「サービスとの関わり方」「開発/技術への意欲」を、肌で感じる貴重な機会でした!
この記事を読んだ方が「まるでメドピアのエンジニアであるかのような気分になること」を目指してレポートしたいと思います。
約10年続き、ますます意義を深める月次定例
全エンジニアが集まり、担当サービスや開発案件について共有するこの会議は、CTO福村の発案で約10年間続いています。私が潜入した2022年1月の定例は、参加対象エンジニアの数が64名。CTO福村も「特に、直近3年間は予想を超えた組織拡大スピードで、各チームから共有する情報量もとても増えました。1時間では足りなくなってきたくらいです。」と話しています。
事業の成長と多様化が進むほど、横断的に情報共有を行うことの意義は深まっています。この会議では、必ず「会議の目的」「何を報告するか」を復唱することから始めます。
- 会議の目的
- 他の事業、他のメンバーが何に取り組んでいるのかを知る
- 報告内容
- 1カ月の振り返り
- 開発したサービス・機能の紹介や、リリース後の反応等
- 担当事業の状況
- 取組中の施策
- 追っている数値
- その概況(順調か不調か)
- シェアしたいトピック
- チャレンジしている開発や技術
- 好事例
- その他伝えたいこと
▲議事録の冒頭に会議の目的とアジェンダを必ず明記
シンプルではありますが目的とゴールを明示することで、参加者の目線が揃った会議運営ができるようになります。
コミュニケーションする
ではここからは、実際の発言を交えながら、会議の様子をお伝えしたいと思います。
福村さん「では今月の定例も始めていきましょう。まず最初に、今月入社の方は技術トピックを交えながら自己紹介をお願いします。」
ー今月入社された2名の社員の自己紹介
林さん(写真左)「前職では医療事務をしていましたが、エンジニアとして医療に関わりたいと思い、プログラミングスクールに通ってRailsを学びました。メドピアでも学ぶ過程を楽しみながら成長したいです。よろしくお願いいたします。」
伊藤さん(写真右)「よろしくお願いいたします。最近、家にSwitchBotを導入し、スマートホーム化を進めています。色んな家具家電のスイッチが簡単に操作できるようになり、部屋がかなり快適になりました。」
早速チャット上で「888888888888」「🎉🎉🎉🎉🎉」「👏👏👏👏👏👏」などのコメントが飛んでいました。
福村さんが「これで現在のメドピアのエンジニアは(2022年1月31日時点で)64人。技術職としては全体で70人弱となりました。」と改めてコメントすると、チャット欄では、
「64=2^6」「切りが良い」「キリが良い(2進数)」
…とちょっとマニアックな反応もありましたが、新しい仲間を歓迎する声が続々と挙がっていました。
64名いても豊富なコミュニケーション量
Web会議ルームの入室直後からチャットはどんどん流れていましたが、実際にこの回のチャットで出た発言は約120件。新入社員の挨拶のときももちろんですが、ひとつひとつのトピックごとに誰かが必ず反応します。人数が多いため全員の発言機会がとれないときもありますが、チャットを駆使してコミュニケーションをとるので、参加意識が全体でキープされます。これはメドピアだけ、というよりWebエンジニアらしい文化かもしれませんね。
▲チャットコミュニケーションの一部
サービス/事業を見る
続いて、メインパートである、担当サービスに関する情報共有です。
現在のエンジニア組織は4つのプラットフォームに紐づくサービスをつくるチームが約15チーム、横断型で基盤を支えるチームが1つあります。(詳しくは、エンジニア組織に関するこちらの記事もご覧ください)
各サービスで追っているKPI(会員数、DAU、利用件数など)を担当エンジニアから他のエンジニアに向けて共有。新しい機能の開発、パフォーマンス改善の取り組み等の技術的トピックはもちろん、担当サービスのKPI達成に向けた改善施策等の共有も行います。メドピアでは「サービスや事業を創るエンジニア」であることを大切にしていて、開発者自身がユーザー/顧客の反応(≒KPI)に向き合います。そうすることで担当サービスの意義や内容を深く理解し、愛着を持って開発することができます。
KPIに関しては非公開情報も含まれるため、この記事では抜粋したレポートになりますが、幾つかご紹介したいと思います。
・集合知プラットフォーム事業部(主なサービス:医師専用コミュニティサイト「MedPeer」)
担当の榎本さんの報告。
「MedPeerの会員数は、現在とても順調に推移しています。医師国家試験が近づいているため、昨年事業譲受した『みんコレ!』(医師国家試験合否予測サービス)の会員登録を介して、MedPeerの会員数がハイペースで増えている状況です」
これには「スゴイ!」「歴史にのせよう」などとチャット欄も盛り上がっていました。
※ちょうど本日2022年2月14日に出したプレスリリースでは、今回の医師国家試験では過去最高となる8,000人超の医学生にご利用いただいていることを発表し、現在も続々会員数が増えている状況です。
▲みんコレ!紹介ページ ※2022年2月14日時点
その他、フェーズがそれぞれ異なるサービス単位でも、その事業方針に沿った施策や開発状況を、エンジニア自身で、他のエンジニアに向けて共有していきます。
・メディカルビジネス事業部(製薬企業向けマーケティング支援の一環で「MedLedge」「MedPeer Talk」などを運営)
医師向け対戦型早押しクイズアプリ「MedLedge」の担当 大竹さんからは、
「今月は課金周りの開発を進めました。来月は、使っていただける医師の方を増やす施策を強化する方針で、いま運用しているランキングインセンティブの施策対象を拡大させていこうと思います。」
といった共有。
また、医師とMRが1対1でコミュニケーションをとれる常設メッセンジャー機能「MedPeer Talk」の担当、栗崎さんからは
「新規サービスのためフェーズとしては導入企業様とトライアル中の段階で、事業の軌道に乗るまでの基盤づくりをしているところです。いくつか機能をリリースしながら、並行してUI/UX改善も進行中です」
といった共有もありました。
▲「MedLedge」、「MedPeer Talk」各サービスイメージ
ちなみに、ここでの報告は、必ずしもテックリードやグループリーダーを担うエンジニアのみが発表するわけではなく、担当者を中心に複数のチームメンバーが伝えるなど、リーダー役でなくとも報告の担当を引き継ぐ場合もあります。
事業に対して全員が「われわれ意識(当社Credoでいう「当事者意識」)」を持つ方針はこういった運用にも表れています。
技術を見る
各事業/サービス担当チーム単位の報告の中では、技術面のアップデートに関する事例展開や情報共有もなされます。
・医療機関支援グループ CLINIC Support(MedPeer会員医師向けのクリニック開業・経営支援サービス)
草分さんから共有。
「ECRの拡張スキャンをしたところ、脆弱性の誤検知が多くて悩まされたのですが、イメージ内から使用していないGemfile.lockを消すと収まりました。gemが原因だったのでrack-user_agentは直しました。アップグレードしてもらえれば防げるかと思います。」
チャット欄では「OSSコントリビュート、すばらしいです👏」とのコメントが入っていました。
このトピックは後日、メドピア開発者ブログにもアップされました。詳しく知りたい方は是非こちらの記事もご覧ください!
・プライマリケアプラットフォーム事業部 kakari(かかりつけ薬局化支援サービス) / kakari for Clinic(かかりつけクリニック支援サービス)
保立さんからの共有。
「kakari および kakari for Clinicは今月(2022年1月)、Ruby3.1.0へアップグレードしました。そのときSegmentation faultに遭遇したので、bugs.rubyへ報告しました。再現コード作成などの経緯をテックブログに三村さんが書いてくれたので、是非お読みください。」
こちらもbugの発見からOSSに貢献した事例の共有でした。
まとめ
最後にエンジニア開発定例会に潜入してみて感じた、エンジニアチームの「成長の秘訣」を整理してみます。
・コミュニケ―ションの豊富なカルチャー、Credoに準じた「われわれ意識」
・エンジニア自身で事業を追うことにより「事業を推進する開発」を可能にしている
・技術面の事例共有にみる、積極的な研鑽とシェアの文化、OSS貢献への姿勢
「潜入レポート」と題していますが、実は今回初めて潜入したわけではなく、毎月人事メンバーの一部も参加させてもらっております。毎度、事業責任者と同じ目線で事業数値を語れるところや、何らかの技術的アップデートが必ず共有されるところなど、「事業」と「開発」に対する真摯さをもって実際にアクションしているのが、メドピアのエンジニアらしさだと感じます。
直近の3年で事業が3つ増えるほど急速な成長を遂げるメドピア。それらを積極的にリードしていくエンジニアメンバーの実直さが見られる会議です。
以上が、今回のMTG潜入レポートです。
「メドピアのエンジニアになった気分」になれたでしょうか?今後もメドピアの成長をリードするチームや組織の取り組みを続けてご紹介していきます!ご期待ください。
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