生餃子専門店「元気餃子」
鴻巣市下谷の夢工房翔裕園にある生餃子のテイクアウト専門店。製造から販売までを一貫して行い、新鮮でおいしい餃子づくりには障がい者の方が携わっています。餃子を買うことで就労支援にもつながります。
https://www.genkimuragroup.jp/genkimura/genkigyoza/
いよいよ4月を迎えますね🌸皆さまはいかがお過ごしでしょうか。この時期といえば新しい授業が始まったり、新しいアルバイトを始めたりすると思います。初めての環境に飛び込むときって、いろんな人と仲良くなって楽しい日々を過ごしたいからこそ、いつもよりドキドキして緊張してしまいますよね。
皆さまと同じ期待を持ちながらも、少し敏感だったり気を遣いすぎてしまうことで、普段の生活を送ることが困難な方々がいらっしゃいます。そういった方々と社会をつなぐ取り組みについて、今回はお話を伺ってきましたので、ぜひ最後までご覧ください!
今回のインタビューは社会福祉法人元気村 夢工房翔裕園の百合川施設長と職業指導員の鈴木さん、そして夢工房翔裕園が参加した外部イベントにおいて企画運営を行っていたメディクルード 社長室 新卒2期生の角中さんにお話を伺ってきました!
☝オンライン取材の写真です!写真左:百合川さん(左)・鈴木さん(右)、写真中央:角中さん、写真右:小西
今回の記事では、障がいをお持ちの方々の「社会とのつながりを持っていたい」という想いを叶えるために、グループ内部や外部企業と協力している取り組みを紹介していますので、是非ご覧ください!
国が推進している社会福祉法人の役割と障害者福祉の必要性ついて軽く触れておきたいと思います!
超高齢化社会、雇用環境の変化、地域の福祉ニーズの多様化にともない、高齢者・障がい者・児童の福祉のニーズは今後も高まっていきます。また、生活困窮者などの保護や権利擁護の活動・事業が急務とされています。 社会福祉法人が、こうした地域における福祉ニーズの中核的な担い手となり、セーフティネット、社会貢献の役割を果たしていくことが重要であると考えています(※1)。障害者人口は 2019 年 5 月現在、937 万人、うち在宅で生活している障害者は約 362 万人と推計されています。近年は、福祉施設や在宅から地域社会での自立 生活へ、また、就労系福祉サービスから一般就労への移行が進められています(※2)。
※1 出典:社会福祉法人 全国社会福祉協議会「第22回規制改革会議資料『社会福祉法人の使命、役割とセーフティネット・社会貢献の活動推進』」
※2 出典:社会福祉法人 全国社会福祉協議会「全社協 福祉ビジョン2020~ともに生きる豊かな地域社会の実現を目指して~」
これら昨今の福祉ニーズに対し、Genki Groupの中で新しい取り組みを積極的に行っているのが今回ご紹介する『夢工房翔裕園』です。
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《もくじ》
●Genki Groupで唯一の障がい者福祉サービス~夢工房翔裕園~
●障がい者を支えたい想いがグループの垣根を超える~番町SJEマルシェ~
●今後の展望
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小西)それではよろしくお願いします!今回のイベントのことについて聞く前に、夢工房翔裕園についてお伺いしていきたいと思います!どのような方が施設を利用されているのでしょうか?
鈴木)よろしくお願いします。まず夢工房翔裕園は障がい者の生活や就職を支援しています。そして「就職したい」「生活のリズムを整えたい」という想いを持った方がご利用されています。どのご利用者さまにも共通している想いは「社会とのつながりを持っていたい」です。
百合川)例えば障がいをお持ちの方は働きたくても継続できなかったり、職場での関係性を良くしていきたくてもコミュニケーションがうまくいかなかったりすることがあります。
小西)実際に障がいをお持ちの方がどのような想いを持っているかを知る機会が少なかったため、知ることができて嬉しく思います。
小西)夢工房翔裕園ではご利用者さまの想いを叶えるために、どのような事業を行っているのでしょうか。
百合川)私たち夢工房翔裕園は、「就労移行支援」と「就労継続支援B型」の2つの事業を運営しています。就労移行支援では、一般企業などへの就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います。就労継続支援B型では、一般企業などで就労が困難な人に、就労する機会を提供するとともに、能力などの向上のために必要な訓練を行います。
小西)幅広い方に手を伸ばせるんですね!お二人はどのような想いを持ち働かれているのでしょうか。
鈴木)障がいの有無に関わらず、個人を尊重しなければならないという想いを持っています。障がい福祉サービスでは、支援員の職員がご利用者さまを一方的に支援する立場ではありません。そのため、一つの生活の場としてや社会参加のためのステップとして利用してほしいと考えており、夢工房翔裕園での経験を活かし、就職までフォローしていきたいとも考えています。
小西)障がい福祉サービスは「障がいがあろうとなかろうと平等な関係が尊重される社会活動」を目指すからこそ、ご利用者さまと職員は対等な関係を取るべきなんですね!百合川さんはいかがでしょうか。
百合川)この事業所をご利用していただいている方々は障がいを持たれていますが、私たちと何も変わりません。不便なことはあると思いますが、それも私たちと変わらずで、どんな人間にもある苦手なことと同じだと思います。障がいがあろうとなかろうとどんな人にも苦手はあるので、困っている部分をみんなで補い、社会に出るきっかけにしていただきたいという想いを持っています。そのため、この事業所で色々な生産活動を体験して、できる所を取り組んでいっていただければと考えています。
小西)「障がい者だからといって特別なことは何もないんですね。どんな人も苦手なことがあって、それが『障がい』と名付けられているか否かだけなんだから、助け合っていくことは当たり前である。」という考え方が新しい発見でした。そんなお二人が働く夢工房翔裕園ではどのような就労体験ができるのでしょうか?
百合川)夢工房翔裕園の就労体験として、軽作業やパソコン作業だけでなく、VRによるソーシャルスキル向上なども行われています。VRでは面接体験や業務の受け方、シフトの相談、職業体験など様々なコンテンツを用意しています。他にもグループ内や地域の方とのかかわりの要となっている就労体験として農作業があります。この農作業ではいちごやサツマイモを育てています。また、食品加工も行われており、餃子や焼き芋の販売も行っています。
☝こちらの写真は夢工房翔裕園で実際に作られている「元気餃子」といちご農園です。
小西)そんなこともやっているんですね!ちなみに、ご利用者さまとしてはどのような特徴を持った方がいるんですか?
鈴木)ご利用者さまの特徴としては、8割の方が精神障害を持たれていますね。事業所としては、精神障害を持つ方にとって利用しやすい運営を行っています。例えばご利用者の方々が行っている作業を班で区切らないようにしています。これは、いつ休んでもチームへの責任を感じないようにするためです。精神障害をお持ちの方は日による体調の変化が大きいので、たとえ欠席がいても、他の利用者が関われる仕組みを整えています。
小西)ご利用者さまファーストの運営がされているのですね。Genki Groupは他にも多くの施設を持っていると思うのですが、グループであることでどういったメリットがあるのでしょうか?
鈴木)Genki Groupには挑戦を後押しする風土があります。実際に夢工房翔裕園では、生産している元気餃子を出荷する方法に悩んでいました。キッチンカーがあれば、生産・加工した商品を販売でき、就労も体験できるため挑戦したいと思っていたところ、キッチンカーを導入することができました。さらにグループメリットとしては介護サービスとのコラボレーションができます。実際にグループの介護施設にキッチンカーで訪問販売もできています。
小西)グループとして規模が大きいからこそ、ご利用者さまが作り出した就労の価値を100%届けるために臆することなくチャレンジできるのですね。グループが大きいからこそ手段が広がるんだと勉強になりました。
SJE(Sustainable Job Experience)=持続可能な就業体験
小西)ここまではグループ内の取り組みについてお伺いしてきましたが、グループ外では何か取り組まれていることはあるのでしょうか。
鈴木)はい。昨年11月に東京都千代田区にて番町SJEマルシェのイベントに出店、そして参加してまいりました。このイベントはダウン症などの知的障害者の就労体験と、地域の触れ合いを作るマルシェイベントで、Genki Groupからは夢工房翔裕園のキッチンカーを「Genki Kitchen」として出店しました!
☝番町SEJマルシェにて「Genki Kitchen」出店中の様子です!
☝こちらは夢工房翔裕園のキッチンカーです!
小西)就労体験や触れ合いを作るという点がまさに社会福祉法人の使命だなと感じました!番町SJEマルシェについてもう少し知りたいのですが、どのような目的で行われているのでしょうか?
鈴木)そもそもどういうイベントだったか説明していきますね。このイベントは番町SJEマルシェ実行委員会と12の協力・協賛企業が関わるイベントでした。
鈴木)内容としては、まずSJEという言葉通り持続可能な就業体験を進める活動を行っています。現状として、ダウン症や精神・知的障害を持つ方は、働きたい気持ちを持っていたり健康な体であったりしても、就業体験をする環境が少ない状況です。そのため、まずは障がいをお持ちの方の「特性」を知ってもらいたいという目的があります。また、ダウン症などの障がいを持つ多くのこどもや青年がマルシェという形を通じて就業体験を継続的に参加できる環境を作ったり、ここから実際に仕事として成立するものを、継続的に地域の企業と一緒に作っていくことが目的です。
小西)障がい者を支え続けたいという想いがあることにより、多くの企業や地域を巻き込むことができるイベントになっているのですね。それでは今回夢工房翔裕園としてはどのようなかかわり方をされていたのでしょうか。
鈴木)夢工房翔裕園としては、先ほどご説明した「Genki Kitchen」を出店しており、メニューとしては元気餃子・焼き芋ブリュレ・ブルーベリージャムなどを販売しました。中でも餃子をプレスして持ち歩きながら食べられるプレス餃子が好評でした!
☝お昼時は焼き餃子が人気で長蛇の列ができていました🥟
小西)メニューのラインナップも美味しそうな本格的なものが多く、興味をそそられます!夢工房翔裕園としてはどのような想いを持って参加されていたのでしょうか。
鈴木)接客の難しさを実感してほしいと考えていました。どんな声掛けをしてお客さまを呼び込むのか、呼び込んだ後にどのようにして購入していただくのか、お客さまはどんな気持ちで購入するのか、その一つひとつのコミュニケーションをどう行うのか、接客の全てが勉強になるため、難しさも含めて体験していただきたいと考えていました。
小西)販売や接客の中には多くの学ぶ要素が詰め込まれているのですね!
それでは次は角中さんにお伺いしていきたいと思います。角中さんよろしくお願いします。はじめに、どのような関わり方をされていたのでしょうか?
角中)ようやく私の出番ですね!よろしくお願いします。まず、私はGenki Groupのフロントとしてグループ外部である番町SJEマルシェ実行委員会の方々と直接やり取りをしていました。また、夢工房翔裕園の担当者である鈴木さんとやり取りをして、グループ外部とGenki Groupをつなぐ役割を担っていました。
小西)外部とグループをつなげる役割があったのですね。Genki Groupにどのような役割を求められていたのでしょうか?
角中)持続可能なイベント運営を求められていました。というのも、今回のイベントで終了するのではなく、今後も定期的にダウン症の方々の就業体験を作っていくことが求められていました。そのために、夢工房翔裕園として、キッチンカーの提供と餃子などの商品販売を通じて売り上げを出す必要がありました。売り上げを出すことで参加企業にとっても続けやすいですし、一般企業や世間からも認めていただくことができます。障がいをお持ちの方々に自分たちでしっかりとお金を稼ぐことができたと感じていただくことも大切ですが、今後も変わらず支え続けられるような運営が大切でした。
小西)目の前の利他の追求で終わりにするだけでなく、持続的により多くの障がいをお持ちの方々のために私たちが参画していたんですね。それでは実際にイベントに参加されて感じたことも教えていただけますでしょうか!
角中)イベントとして企画も多かったため参加者の年齢も幅広く、障がいがあろうとなかろうと関係なくみんなで楽しもうとしている雰囲気がありました。また、こどもの城合唱団という団体が参加されていて、ダウン症の方々と一緒に合唱するというイベントがありました。その場の空間には言葉では言い表せないような幸せな雰囲気がありました。この合唱を聞いて、障がいがあってもなくても関係ないんだなと思わされました。
角中)また、番町SJEマルシェの実行委員の鈴木さんもダウン症を持たれている方で、このイベント自体は鈴木さんが持続可能なイベントを実現したいという想いから始まりました。この想いに私たちGenki Groupを始め多く企業がこの想いに共感をしました。想いが人を動かしてこのような素敵な空間が生まれたんだということに感動しました。
実行委員 鈴木さんの想い
「ダウン症や障がいを持っていて、健康なからだであっても就業することが難しく、その体験をする環境も少ない状況です。そんな課題を知ってもらうと共に、就業体験を多くのダウン症などの障がいを持つこどもや青年が継続的に参加できる環境を作ったり、ここから実際に仕事として成立するものを、継続的に地域の企業さんと一緒に作っていきたいです。」
「出典:番町SJEマルシェ実行委員会 番町SJEマルシェ企画書」
小西)誰かのために何かをしたいという利他の熱い想いが人をつないでいるのですね!ありがとうございます。
小西)それでは最後に夢工房翔裕園として障害者福祉を実現していくうえでの今後の展望を教えてください!
百合川)障害者福祉の事業所を地域の中でメジャーにしていきたいと考えています。というのも、障がいを持たれている方が生産しているからという理由ではなく、生産している食品自体が「美味しい」ということから認知を獲得していきたいと思っています。そう思う理由としては、ご利用者さまの仕事が社会に認められているということを証明したいためです。今後も広報や露出にはどんどん力を入れて、認知され、ゆくゆくは東京から鴻巣に買い物に来ていただけるような人気商品(事業所)にしたいです。
鈴木)今回の番町SJEマルシェを経て、グループ外部の団体とも頻繫に連携はしていきたいと考えています。百合川さんがおっしゃるように元気餃子がメジャー商品になるように私たちも努力していきたいと思います。
小西)障がいの有無を関係なしに、商品として職として世間に認められることで、ご利用者さまと地域のためになっているのですね!
以上でインタビューは終了です!
障がいをお持ちの方が実際にどのようなことに困るのか勉強することができました。また、権威や金銭ではなく想いが人を巻き込みつなぐことに感動いたしました!
百合川さん、鈴木さんご協力いただきありがとうございました!
【是非ご購入ください!🥟】
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