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20新卒の現在地 #3【UXデザイナー&UIデザイナー】

20年度新卒社員10名による連載企画「20新卒の現在地」。

第3回は、UXデザイナーの髙野 真衣(たかの まい)と、UIデザイナーの田中 貴哉(たなか あつや)です。同じデザイナー職ですが、まったく異なるスタート地点から走り出した2人の1年目を振り返ります。

まったくの未経験からスタート。最初は不安だった

UXグループへの配属は予想外でした。実は、自分は人事部かも、って思ってたんです(笑)。

なので、配属が読み上げられた瞬間は驚いて、心臓がバクバクしたのを覚えています。同時に「自分にできる?」という不安が一気に押し寄せてきましたね。

そんなスタートでしたが、7~9月に研修があったんです。そこで得た学びを実際に業務に活かせるようになると、「自分にもできることがあるんだ」と思えて不安は和らいでいきましたね。

最初の目標は「モデレーター」

UXデザイナーの業務のなかで、ユーザーインタビューを行う「モデレーター」はとても重要な役割です。サービスの改善点を洗い出すには、ユーザーの声を直接聞く必要があります。

しかし実際には、ユーザー自ら言葉で伝えてくれることはニーズ全体の5%にも満たないそうで。そこだけを改善してもだめで、ユーザーが潜在的に感じている、残りの95%を引き出さないといけないのだと、先輩から教わりました。

8月にはじめてインタビューに参加したとき、短時間でユーザーと信頼関係を築いて色々と話を聞き出す姿に憧れ、モデレーターへの挑戦が目標になったんです。

ただ練習を始めると難しくて……。先輩に勧められた書籍や過去のインタビュー記録を読んでみても、やはり実践しないと感覚は掴めませんでした。

▼読んだ本の一部をご紹介
・『マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書』(著)奥泉直子,山崎 真湖人,三澤直加,古田一義,伊藤英明 (出版社)マイナビ出版
・『アジャイル・ユーザビリティ ―ユーザエクスペリエンスのためのDIYテスティング―』(著) 樽本徹也 (出版社) オーム社

そこで同期に相談して、練習としてインタビューに付き合ってもらいました。録画を見て、「ここは誘導した話し方だったな」「オウム返しがうまくできてないな」など、改善点を見つけていったんです。

11月、ついに外部被験者へのインタビューで、初めてメインのモデレーターデビューを果たしました。とても緊張しましたが、周りの先輩からも「おめでとう」と言われ、UXデザイナーとして一歩前進できた気がしました。

新規事業へ参加。うまくいかないことも……

1月頃から、新規事業へ参加することになりました。子ども向けサービスのリリースに向けて動くのですが、メンバーは私と先輩UXデザイナーの2人だけでした。

多くの業務のなかでもとくに大変だったのは、子どもへのインタビュー。元々子どもは好きだったのでそこまで不安はなかったんですが、いざやってみると大人以上に難しかったですね。

オンラインでの接し方が掴めず、どう話しかけて良いのかわからなくなってしまって……。こちらの緊張が伝わってしまい、心を開いてくれませんでした。そんなとき先輩は、最初に仮面ライダーの話をしたりして、引きつけるのが上手だったんです。それを見て、相手と信頼関係を築く大切さを痛感しましたね。

ほかにも先輩のインタビューを見て学ぶことは多いです。言葉の使い方や深掘りのポイントなど、参考になる部分ばかり。やっぱり先輩の姿をよく見て、真似をすることは大事だと思いますね

挑戦し続けた先にある道へ

当初あんなに不安だったUXデザイナーでしたが、なって良かった! と今は思っています。未経験でも色々と学んで経験を積めば、UXデザイナーとしてやっていけるんだ、と自信を持てました。

こう思えるのも、周りの人にたくさんサポートしてもらったおかげです。先輩にいつでも質問や相談ができたり、同期にも協力してもらったり……、とても助かりました。

今後の目標は、まず現在担当している新規事業のリリースです。 今は目の前のことを全力でやって、こういう細かい目標の達成を積み重ねていきたいと思っています。今のうちに色々と挑戦して、いざ自分のやりたいことが見えたとき、どんな道でも進める準備をしたいんです。

近くやりたいことで言うと、1つのことを追求する経験もしてみたいです。リサーチの業務が楽しいと思っているので、自分が得意なことを極める挑戦もしたいと思っています。

上司からひとこと:UX/UIコンサル UNIT Mgr・橋本綾子
モデレーターデビューのときはかなり緊張していたものの、しっかり準備して立派にやり遂げました。元々コツコツ真面目に取り組む姿勢がありましたが、配属当初から多くの経験を積んで、自分の考えをしっかり話せるようになってきました。
誰も経験したことのないリモート1年生で戸惑うことも多かったと思いますが、わからないところをそのままにせず、積極的に調べたり、先輩に聞いたりしてしっかり自分のものにしていってくれました。2年目に入り、自分が好きなこと・やりたいことにアンテナを巡らせつつ、多くの経験や観察の中からUXデザイナーとして何を軸にしていきたいか見つけていってもらえればと思います。


学生時代より、今の方が楽しい

元々専門学校に通っていてデザイナーとして入社しましたが、やはり学生とプロのデザイナーとでは大きな違いがありました。

学校では、自分の好きなものを作って終わり。でも会社では依頼者がいて、求められたものを限られた時間の中で作る必要があります。相手を納得させるためにロジカルな設計をする。当たり前ですが、“なんとなく”では作れません。

僕は今の方が楽しいです。学生のときは自分の技術向上のために行うだけだったのが、今は依頼者のため、ユーザーのためにやっているので、モチベーションが上がります。少し無茶な依頼が来ても、それにどう対処するか考えるのも面白いですね。それに、表面的なものだけでなく、裏側にある定義や意図を考えていく方がデザインにも落とし込みやすいと思っています。

デザインだけじゃない。提案力も身に付けた

配属後は、本当にさまざまな業務に携わりましたね。『au Webポータル』や『mediba+』の記事のバナー作成を担当したり、mediba20周年のロゴを制作したりと、デザインの経験を積んでいきました。しかし、デザイナーの業務はバナーやロゴを作るだけではありません。

新しくUX/UIコンサルの業務を担当することになりました。依頼主のWebページの離脱率を下げるのが目的です。

そこではUXグループとチームになって、課題発見から提案まで一通り行いました。相手に持っていくまでにはデザイン案だけではなく、メリットとデメリット、予想数値、競合事例などデザイン以外の知識もたくさん必要でした。

そこで、Webサイトのアクセス数値が分析できるGoogle アナリティクスの知識をつけたくて、同期のデータアナリストの左海くんにお願いして教えてもらいました。提案で使う数値をわかりやすく表にする方法も教わり、本当に役立ちましたね。

ここで提案力がつき、デザイン以外のビジネススキルも得られました

あるとき、なんと役員会で僕が提案する機会があったんです。政府が新しく創設した「デジタルの日」の賛同企業としてmedibaも参加したいと上司に話したことがきっかけでした。

難しいかと思ったのですが、この経験で得た提案スキルを発揮して、参加を受け入れてもらうことができました。今後もデザイン以外の業務を色々と経験して、幅広くできることを増やしていきたいですね。

デザインにとどまらない学びを

1年間で最も大きかった学びは、何でも「自分ごと化」して考える大切さです。どんな業務でも受け身にならず、自分から予想して動くこと、そして頼まれたこと以上の成果を出すことを心がけています。

2年目からは、グラフィックデザインのスキルを付けたいなと思っています。今後求められることがあると思うので、自分でiPadとApple Pencilを買って練習中です。

また、デザイン以外だと、開発側のフロントエンド領域や情報アーキテクチャについても学んで、デザイナーという枠を超えて自ら積極的に動ける人になりたいと考えています。

将来的な夢として、「プロダクトを作るためのプロダクト」に携わりたいんです。Figmaのように、ものづくりをするうえで欠かせないツール、それ自体を作るデザイナーになりたいですね。そこがより良いものになれば、それを使っているサービスやプロダクトのクオリティも上がっていく。いちばん影響力が大きいと思っています。そういうものづくりの根幹に関わっていきたいです。

上司からひとこと:UI1G Sr Mgr・高柳亜矢
ひたすら改善提案をして、却下されてもめげない姿勢にとても感動しました。私に初心を思い出させてくれ、上司として恥ずかしくない行動をしなければならないと改めて思う機会になりました。
最初は積極的に発信するタイプではありませんでしたが、今は自分から提案したり、学んだことを周りに教える活動が増えてきました。田中さんの活動により周りが感化され、「自分も……!」と動き始めるきっかけになっており、本当に良い風を吹かせてくれています。色々なことにアンテナを張り、ぐんぐん吸収していく姿はデザイナーの中でピカイチ。たくさんのインプットとアウトプットを繰り返して、よりUIデザイナーとしてプロになってほしいです!
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