「入社後、どんなふうに成長できるのか」「どんな人がこの会社で活躍しやすいのか」。就職・転職を考えるうえで、気になるのは制度や待遇だけではなく、実際に働く環境や、そこで求められる姿勢ではないでしょうか。今回は人事担当者に、入社1年目の成長イメージ、選考で大切にしていること、そしてマッチポイントらしい組織のあり方について聞きました。
PROFILE
人事担当 鈴木 未来(すずき みく)
新卒・第二新卒採用を中心に、面接対応、入社後のフォロー、1on1などを担当。候補者一人ひとりの経験や価値観に向き合いながら、「この会社でどう成長していけるか」を大切に採用活動を行っている。
INTERVIEW
Q. 配属から1年。まず、どこまでできるようになれば合格点ですか?
A.
入社直後の3ヶ月間、各部署を回る研修を通じて会社全体の繋がりを理解したのち、本配属となります。1年後には、担当業務において周囲から『あなたに任せれば安心だ』と信頼を寄せられ、自ら判断して動ける土台が整っている状態を目指してほしいと考えています。もちろん、その時点ですべてを学び切っているわけではなく、まだまだ教わることや吸収することはたくさんあります。実務の土台をしっかり身につけながら、次のステップに進んでいる状態をイメージしています。人事としては、その頃には社内に「この人を目指したい」と思える存在を見つけて、自分なりの目標を持って働けていると理想的だと思っています。
Q. マッチポイントは製版分離の分業制のスタイルをとっていますが、分業制にはどんな成長のメリットがありますか?分業制だと『一部しかできない人』になりませんか?
A
マッチポイントの分業制は、単に作業を細切れにするためのものではありません。新卒の皆さんには、担当領域の専門性を深めながらも、あえて『業務の全体像』が見えるように、いくつかの案件では一気通貫で全工程を担当していただく機会を設けています。
特定の領域に集中して時間を使い専門性を高めつつ、一つの案件を最初から最後までやり遂げる経験を積む。この両輪があるからこそ、自分の仕事が前後の工程にどう影響するのかという『本質的な理解』が深まり、早い段階で優先順位のつけられる、視野の広いプロフェッショナルへと成長できます。
Q. マッチポイントで評価されるのは、どんな人ですか?
A.
最初のうちは、まず基本を素直に身につけて、マニュアルや教わったことをきちんと実行できることがとても大切です。基礎がないまま自分流だけを出してもうまくいきません。一方で、ずっと基本だけを繰り返していても成長は止まってしまいます。基礎が身についた後は、自分で考えて試し、失敗しながら改善していく力が必要になります。最初は「素直に吸収する力」、その先では「自分で考えて前に進む力」の両方が大切です。
Q. 入社後に急成長しやすい人の共通点はありますか?
A.
まずは、言われたことをきちんとやり切れる人です。そのうえで、自分から周囲にアドバイスを求めに行ける人は伸びやすいと思います。たとえば、「このやり方で進めているけれどうまくいかない。どうしたらいいですか」と自分から聞きに行けるかどうか。しかも1人だけではなく、いろいろな人のやり方を聞いてみて、その中から自分に合うものを選べる人は強いです。成長が早い人ほど、受け身ではなく、素直さを持ちながら自分から学びに行っています。
Q. 逆に、マッチポイントに合いにくいのはどんな人ですか?
A.
「まあ何とかなるだろう」と曖昧に進めてきた人は、少し苦労するかもしれません。この仕事は、なんとなくでは進められない場面が多くあります。だからこそ、最初にうまくいかなかった時に、「自分はまだできない部分がある」と受け止められることが大事です。また、周囲に対して、『自分にないものを持っている』と素直に認め、立場に関わらず誰からも学び取ろうとする姿勢があるかどうか。そのどん欲さが、成長のスピードを決定づけます。吸収しようと思える姿勢も重要です。壁に当たった時に、それを成長のきっかけにできる人ほど、長く伸びていくと思います。
Q. 選考で見ているのは『能力』それとも『姿勢』? 結局のところ、何が決め手になりますか?
A.
一番大きいのは、やはり素直さです。自分と違う意見に出会った時に、すぐに否定して終わるのではなく、まず受け止めてみることができるか。アドバイスに対して、「自分はそうは思わない」「非効率ではないか」と内心では感じたとしても、まずは「やってみなきゃ分からない」と割り切って、愚直に取り組めるか。 そういった姿勢が成長の差になります。とりあえずやってみる姿勢があるか。そういった点を見ています。それに加えて、失敗や困難をどう乗り越えてきたかも大切です。部活やアルバイトなど、理不尽さや難しさのある環境でも、自分なりに踏ん張ってやり切った経験があるかどうか。あとは、仕事に必要なコミュニケーションが取れるかどうかも重視しています。雑談が得意かどうかではなく、わからないことをそのままにせず、必要な相手にきちんと聞きに行けるかどうかを見ています。
Q. 面接では、どんな質問が多いですか?
A.
過去の経験について伺うことが多いです。学生時代に何を頑張ったか、失敗したことや挫折したことはあるか、それをどう乗り越えてきたか。そういった話の中から、その人の価値観や向き合い方を見ています。大事なのは、話をうまく盛ることではありません。面白く話せるかどうかよりも、その経験を自分の中でどう受け止めてきたか、そこから何を学んだかが伝わることの方が大切です。また、面接は複数回あるので、1回目と2回目で話の整合性があるかどうかも見ています。
Q. 『自由な社風』『フレックス』というキラキラした言葉の裏にある、厳しい現実を教えてください。
A.
一言でいえば、「自由には責任が伴う」ということです。働き方の自由度がある一方で、仕事の結果や姿勢はきちんと見られています。自分を律することができる人でなければ、この自由を活かすことは難しいと思います。決められた時間やルールの中で動く方がやりやすい場面もありますが、フレックスの環境では、自分で考え、自分で管理する力が必要です。だからこそ、自由さだけに惹かれるのではなく、その背景にある責任や覚悟も含めて理解してもらいたいと思っています。
Q. マッチポイントならではの社風や空気感はありますか?
A.
あります。ただ、言葉にするのは少し難しいですね。私の感覚では、「ちょっと変わっている」がちゃんと受け入れられる会社だと思っています。誰かが自分と違っていても、「そういう人だよね」と自然に受け止められる空気があるんです。前ならえで揃えるというより、「人は人」と考えられる人が多いので、多様性をかなり自然に受け入れている組織だと感じます。だからこそ、いろいろなタイプの人が入りやすい会社なのかもしれません。
Q. 人事として、印象に残っている出来事はありますか?
A.
ある社員が、進路に迷った時に最初に相談しに来てくれたことは、とても印象に残っています。会社に残るか、新しい挑戦をするかで悩んでいたのですが、私は「どちらが正しいか」ではなく、「自分がどちらを大事にしたいのか」で決めていいと思う、と伝えました。結果としてその人は新しい道に進みましたが、辞める前にきちんと相談に来てくれて、お互いに前向きな形で送り出せたことは、とても良い出来事でした。人事の仕事は、入社の時だけでなく、その人の人生の節目にどう向き合うかでもあると感じています。
Q. これから、どんな組織をつくっていきたいですか?
A.
背中を預け合える関係性のある組織にしていきたいです。自分の苦手なことは、この人に任せればいいと安心して頼れること。そして自分は、自分の得意なことでしっかり力を発揮すること。一人ひとりが全部できる必要はなくて、それぞれの強みを持ち寄って組織として成果を出せる状態が理想です。私たちはそれを「集合天才」と呼んでいて、そういう組織をこれからもつくっていきたいと思っています。
人事からのMESSAGE
マッチポイントが大切にしているのは、最初から完成された人ではありません。素直に学び、壁にぶつかりながら、自分で考え、周囲に頼り、少しずつ前に進める人。その積み重ねの先に、専門性も、自律も、そして「背中を預け合える関係性」も生まれていくのだと思います。自由さの裏にある責任まで引き受けながら、ひとりではなくチームで成果をつくっていく。そんな働き方に惹かれる方にとって、マッチポイントはきっと、成長の実感を持てる場所になるはずです。