皆さんこんにちは、MAMORIOの泉水です。
さて連載上では初日が終わったCESですが、あっという間に会期が終了してしまいました。
この間には様々なドラマがあったのですがとてもここには書けない話になってしまうので、それは土産話にしていただくとして、レポートを続けていきます。
過去記事
HWスタートアップに夢は残っているか?海外初心者COOのCES2019訪問記(その1/開催を前にして)
HWスタートアップに夢は残っているか?海外初心者COOのCES2019訪問記(その2/いざ、ラスベガスへ)
HWスタートアップに夢は残っているか?海外初心者COOのCES2019訪問記(その3/土日の観光)
HWスタートアップに夢は残っているか?海外初心者COOのCES2019訪問記(その4/ついにCES開幕)
時差との戦い
CES参加2日目となる1/9(日本時間1/10)の朝、私は寝てる間に溜まったメールのチェックに追われていました。
日本との時差が17時間、こちらから見ると+1日-7時間前ですので0時に寝ようとすると日本は夕方。
こちらで仕事を終えたい20時頃に日本は昼。
そういうわけで大変しんどいです。
深夜2時、3時で同行者が寝ている間にお電話を頂いた時なんかもヒヤヒヤしました。
それでも昔と違って今は優秀なメンバーが一緒に働いてくれているので、僕に直接来ている案件まで一部巻き取ってくれたりと非常に助かっております。
LVCC South
Las Vegas Convention Center、通称LVCCはCESのメイン会場となります。
Eureka Parkが各国のスタートアップエコシステム同士の殴り合いだとするならば、LVCCは、エレクトロニクス企業同士の殴り合いです。
LVCC内には会場が大きく分けて3つあります。
・North
・Central
・South
2日目は最も僻地でありながら非常に広大な敷地を誇るSouthを攻めることにしました。
Southの特徴として、比較的もう間もなく手に入れることが出来る(もしくは既に売っている)製品がこぞって出展されるというところでしょう。
実は私もそうですが、人によってはSouthが一番面白いという人もいらっしゃいます。
ちなみに、明日行くCentralやNorthは基本的には 大企業が描く未来という感じです。
[昨年に引き続き今年もHey Googleなモノレール。1回乗るのに5ドルもかかります。笑]
最も注目を集めたデバイス
さて、会場に到着しました。
多くのメディアでも取り上げられていますが、おそらくスマートフォンの未来を描くデバイスとして2019年にトレンドに躍り出るのが、【フォルダブル(折りたたみ)スマホ】でしょう。
私の記憶ではCES2013からSamsungが折りたたみ可能なディスプレイのコンセプトを提唱していました。
同じ年にはコンセプトムービーも出していました。
【参考】https://www.youtube.com/watch?time_continue=68&v=MKG7XRsG9KQ
あれから丸5年が経ち、ここ数年はGalaxy S9あたりから折りたたみが標準になるのでは?と言われ続けていましたが、結局S9シリーズはS8シリーズのInfinity Displayのコンセプトを踏襲したモデルとなりました。
そんな夢の折りたたみスマホですが、ついにCES2019にて中国企業のROYOLEからそのモデルがお披露目されることになりました。
それがROYOLE FlexPaiです。
[ROYOLE FlexPai]
このモデルは既に市販されているものですが、多くの方が初見だったようで非常に大きな人だかりが出来ていました。
Samsungのコンセプトモデルは谷折りでしたが、このモデルは山折りとなり、表面に有機ELパネルが露出する形になっています。
実際に動作している場面も見てきましたが、ROYOLE自体が本来はスマホメーカーではなくディスプレイメーカーであるためか、スマホとしての完成度は低く、非常にもっさりとした動作になっていました。
また、二つ折りした際も結構な厚みがあったり、ディスプレイにシワがよっていたりなど、未完成な部分が多くあったのも事実です。
しかしながら、【技術力が弱い】と思われている中国メーカーからこうした製品が世界初として発売されていること自体が時代が変わったと認識せざるを得ない部分かなと思います。
その他、様々なソリューションが展示されておりましたが、昨年まで多くのスペースを確保されていたドローン関連などは奥に追いやられていたことなどを鑑みると、目立つ位置にはNintendo Switch関連やワイヤレスチャージャー、ヘッドホン関連など、実用品が多く展示されていたのが今年の傾向でした。
特にワイヤレスヘッドホンといわゆるモバイルバッテリー関連は一体何社展示されていたのか不明なほど多くのメーカーで賑わっていました。私には正直な所違いがわかりませんでしたが・・・。
スマホアクセサリー業界も過当競争で非常に大変そうです。
その中にあって、明らかに異質、いったいどうやって搬入したのかわからなかったのが、日本でも農業関連では有名なJOHN DEEREの巨大収穫機でした。
このタイヤが人の大きさほどもある巨大な機械を使って一気に収穫するそうです。もはや、家電なのか?という問いはありますがとてつもないインパクトがありました。
また、CESを通して輝いていた日本企業が実は数社ありましたが、その一つが日本電産(Nidec)です。
彼らの基礎技術が使われているという話は自動車メーカーも含め多くのブースで名前を聞きました。
[地味な存在かもしれませんが、こうした分野で異彩を放つ企業というのは非常にかっこいいですね。]
通称チャイナパビリオン
その他、LVCC Southの外れにはもう一つ大きなテントがあります。
私が勝手にチャイナパビリオンと呼んでいるゾーンです。
実は今回大きな異変がありました。それが中国企業の不在です。
もちろん、先のROYOLEもいましたし、HaierやHUAWEI、DJIなど日本で有名なメーカーも出展を行っていましたが、それでも中国企業の存在感が昨年に比べても薄い印象がありました。おそらく、米中貿易戦争の様子を反映したのではないかと思っていますが、それでも中国の、特に深センのODMメーカー等が集積しているのがSouthのテントでした。
ここの人たちはまさに深センさながら、言われたものはなんでも作るぞ!という人たちの集まりで、これはこれで弊社のようなメーカーにとっては良きパートナーになってくれそうなメーカーが集まっていました。
[このメーカーは、家電量販店等でよくみかける商品をよく見せるための什器を作っているとのこと。価格もかなり安く早速コンタクトを取ることにしました。]
[にわかに話題の翻訳機を作るメーカーもかなりの数いました。]
[明らかに某自動車メーカーの六連星をインスパイアしたロゴを持つ謎の会社]
こんな混沌としたテントの中で唯一癒やしを与えてくれた日本のスタートアップもあります。
ユカイ工学さんです。世界中で話題沸騰中の猫のしっぽつきクッションのQooboと、新開発のコミュニケーションロボットBOCCO emoちゃんが出ていました。場所も入り口入ってすぐで非常に目立っていました。
今回のBOCCOは【会話が出来る】のだそう。
[BOCCO emo]
Eureka Parkに負けず劣らずカオスなLVCC Southですが、この日も重い機材を背負いながら3万歩近くを歩いて閉館時間を向かえました。
夜は某巨大中国メーカーの関係者の方と食事するなどして終了です。
さて、この後の残り2日間はLVCC Central及びNorthと初日に回りきれなかったSands Expo会場を回ったのですが、この辺は既に多くのメディアで取り上げれているので置いておいて、次回は所感のまとめに入りたいと思います。
また、会期終了後には話題の量産地獄でイーロン・マスクを苦しめている話題のTesla Model3を丸1日借りて、あちこちに運転してきたので、番外編としてそちらについても追々書いていきたいと思います。