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37,000人分の〇〇をするためのプロジェクトマネジメント術

日本の会社1社あたりの平均従業員数は何人か知っていますか?

日本の企業数382万社、従業員数4794万人(平成26年経済センサス-基礎調査より)、ということは1社あたりの平均社員数12.5名です。(もちろん大企業から個人事業主までありますが)

弊社の税務顧問や経理代行業務のお客様も、平均的にはそのぐらいの規模のお客様が多くなってきます。そんな中、顧客数3社で従業員数トータル37,000人分の「年末調整」を行うという業務を弊社で請け負うようになって4年が経ちました。

少なくともボリュームの上でいかにビッグプロジェクトかということがわかります。これだけボリュームインパクトがある業務は普通の士業ではなかなか体験できません。

年末調整業務とは

年末調整自体は多くの方が一度はやったことがある手続きでしょう。

ここでお話する年末調整業務では、企業の人事部から委託を受けて、申告書作成(個人の家族情報や保険情報を印字したもの)、クライアント企業の各拠点への送付・回収、従業員様からの問合受付、申告書のチェック、不備があった場合の従業員様への連絡・不備解消、申告書内容のCSVデータ化を行っています。

税理士法人での通常の税務業務や経理代行業務は、月々の定例業務がメインの仕事なので、業務のスケジュールやボリュームの調整をするのがなかなか難しく、このような常に帯である仕事に上乗せで、秋から年末にかけて年末調整業務が発生します(これは企業の人事担当者の皆さまも同じ。この時期人事は大変です。)

したがって、社内でもこのプロジェクト専任でやれるメンバーの確保がかなり難しく、大きなボリュームの業務量を最小限の人数で、効率よく業務を進めることが必要です。

プロジェクトマネジメントはスケジュールの作成と工程の洗い出しから

そこでプロジェクトマネジメントが必須になります。

ITやアウトソーシング業界では当たり前のこの視点も、一般的な士業の世界ではあまり意識されないものかもしれません。

・どのようなスケジュールで業務をすすめるのか

・そのためには何人の人が必要になるのか

・そのボリューム、スタッフを回せるだけのファシリティは?

・外注できる部分はどこで、どの業者に頼むのか

・限られたコストでどのようにして品質を高めるのか

・売上、コスト、利益はどのくらいを見込むのか・・・

上記のような様々なポイントをスケジュールに起こして、工程を分解し、何をいつまでで誰がやるのかを明確にしていきます(WBSの作成)



最も大事なことの一つは「納期」

年末調整はいつのお給料でされるか決まっていますので、とにかく納期までに全申告書のチェックを終わらせ、不備を解消し、データ化する必要があります。

そこで、あらかじめ1枚当たりのチェックにかかる時間、不備率や工程ごとの配置人数等を見込んで、毎日の作業完了の目標件数を扶養控除申告書、保険料控除申告書、住宅ローン控除申告書といった書類ごとに立てていきます。

1秒の短縮が37000秒=616時間の短縮になる

しかしながら当然計画通りには行きません。スタッフの方一人一人の持っているスピードや適性、クライアントのスケジュール変更などによって、刻々と状況は変わります。毎日目標に対する進捗を確認し、スタッフの配置を変更したり、フローを入れ替えたり、マニュアルを追加したりして、どうにか目標通りに進むよう試行錯誤を繰り返します。

一人の申告書にかける時間を1秒短縮したとしたら、1秒×37000人=37000秒=616時間の短縮ができます。少しの削減は大きく活きるし、少しのムダが大きな遅延にもつながりますので、常に効率を意識して取り組んでいます。

チームの人数30名の重み

またチーム運営の中で大事なことはコミュニケーション。今回のプロジェクトの場合、大学生~主婦まで幅広い年齢層の方に短期パート・派遣で集まっていただき、管理者も含め総勢30名を超えるチームとなりました。

短期とはいえ、未経験で不安を抱えている方もいれば、業務に慣れていて周りに影響力を持つようなタイプの方もいます。人間が30人も集まれば、いいこと・悪いこと色々発生するので、スタッフの方の会話や様子を敏感にキャッチして、滞りなく気持ちよく業務が回るようなフォローや雰囲気づくりが大事だと思っています。また業務の課題や効率化へのポイントはスタッフの皆さんとの会話からわかることが多いので、その意味でも積極的なコミュニケーションが求められます。

チームで働くことは、難しいことも多く私自身まだまだ至らないことばかりですが、幸いなことに研修なども受けながら日々勉強しています。

人事担当者の方が安心できる年末を送れるように!

短期とはいえ、山あり谷ありの業務ですが、最終的に納期を達成し、品質もお客様に満足いただけると、プロジェクト終了後の達成感はとても大きいです。
会計事務所業界では基本的には継続案件が多いので、期間限定のプロジェクトはまれです。多人数で一気に集中してピークのあるお仕事はある意味一つにまとまる一体感も高まります。

「全部お任せできて、今までで一番楽な年末でした!」

「町田パートナーズさんは品質がいいからね!他の会社に紹介したよ」

そう人事担当者の方に言ってもらえると、また来年ももっともっと改善できるよう頑張ろうと思えます。

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