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サクセスの定義を行ったら、CSのやるべきことが明確になった話

こんにちは!経営管理SaaSのログラスでカスタマーサクセス責任者をしている浅見と申します。

この記事は【ログラス Business Advent Calendar 2022】の第4日目(12月4日分)にエントリーしています!

年の瀬も近づいておりますので、CSチームとして2022年意識して取り組んだことについて書いてみようと思います。

この記事は、以下の方に特におすすめです。
・カスタマーサクセスの立ち上げを行っている方
・PMFが見えてきたプロダクト開発に関わる方
・カスタマーサクセスの浸透をより進めていきたい経営者の方

注意:文章構成等の便宜上、本記事では「お客様」ではなく「顧客」と表現しています。予めご了承ください

目次

  1. なぜサクセスを定義することが大事なのか?
  2. ライトサクセスとディープサクセス
  3. Loglassの価値提供範囲
  4. Loglassにおけるライトサクセス
  5. Loglassにおけるディープサクセス
  6. サクセスを定義して何が変わったか?
  7. その1:サクセスが夢物語ではなくなった
  8. その2:CS各人の責務が明確になった
  9. その3:採用活動でも説明しやすくなった
  10. まとめ

なぜサクセスを定義することが大事なのか?

カスタマーサクセスに向き合う皆さま、「お客様がサクセスした状態ってどんな状態ですか?」という質問にどのように答えますか?

個人的にカスタマーサクセスの最終地点は言ってしまえば事業のミッション実現かなとも思っていますが、足元のタスクをミッションに一本線で繋いでいくことはかなり難しいものです。
それ故に、私たちは本当に顧客のペインを解消しているのか?という問いを抱えて悩んでいるCSの方も何人かお会いしてきました。

また、BtoB SaaSにおけるCSの守備範囲は広く、現場ではやる/やらないの意思決定が難しく疲弊していることも多くあります。

よって、我々は「何をもって顧客に価値を提供できていると判断するのか?」という極めて重要な問いに向き合い続けていくことがとても大切なのです。
経営管理クラウドLoglassでもこの問いに対する定義を進めていった結果、とても良い効果が見られました。

ライトサクセスとディープサクセス

まず、今回のお話をする上で大事な考え方として、ライトサクセス/ディープサクセスというのものがあります。これは国内カスタマーサクセスの第一人者である山田ひさのりさんが提唱している考え方になります。


BtoB SaaSに携わる人なら意識しておきたい、顧客のための「ライトサクセス/ディープサクセス」という新定説
このブログの読者で、CSに関する方ならおなじみ、ALL STAR SAAS FUNDメンターの山田ひさのりさん。今回は、山田さんが独自に考案したというカスタマーサクセスにおける観点から見た「ライトサクセス/ディープサクセス」について、寄稿してくださいました。 この考えは、ALL STAR SAAS FUNDと山田さんで開講した 「SaaS CS集中講座」 ...
https://blog.allstarsaas.com/posts/2types-of-success


以下、抜粋です。


私は、CSにおける「サクセス」とは2種類に大別でき、それらを「ライトサクセス」と「ディープサクセス」と呼んでいます。ライトサクセスの定義は(顧客の)現場にサクセスをもたらしている状態です。そして、ディープサクセスとは(顧客の)経営にサクセスをもたらしている状態です。多くのSaaS関係者はこのことを体感していますが、明確に意識している人は少ないかもしれません。社内のビジネスサイドの方から「うちのプロダクトはROIを問われたときに弱い」といった会話が出てくるのであれば、この2つの概念を正しく理解していない可能性があります。

参照:ALL STAR SAAS BLOG ”BtoB SaaSに携わる人なら意識しておきたい、顧客のための「ライトサクセス/ディープサクセス」という新定説”


この定義はとてもわかりやすいものだと思っていて、ひとえにサクセスと言うと、どうしても抽象的・概念的なものになってしまいがちなのですが、顧客の「誰」や「どんな業務プロセス」の役に立っているのか?を明確にすることで、状態像が一気にイメージ付けられるようになります。

また、そのサクセスは時として別々に発生するものである、と考えることで、カスタマーサクセスの活動や機能開発においても評価がしやすくなると思っています。

では、次に経営管理クラウド「Loglass」で定義するライトサクセス・ディープサクセスについてお話します。

Loglassの価値提供範囲

経営管理クラウドLoglassは、経営管理の基本業務である予算策定・予実管理の業務フローをプロダクト上で再現しつつ、そこから先の経営分析までサポートしています。

Loglassの全体像

主に経営企画の方々が扱うプロダクトですが、Loglassで収集されていく予算・実績データなどは経営企画の方だけではなく、それらに責任をもつ事業部や意思決定を行う経営陣も触れていくものになっています。

よって、Loglassのステークホルダーは経営企画のみでなく、極端に言えば全社の各セクションが含まれていると言えます。

なお、経営管理なにそれ?という方は弊社セールスの髙橋が書いたこちらをお読みください!(めちゃわかりやすいです!)


ログラスって結局何が凄いのかよくわからないよね。を解決できるnoteがこれだ~「Loglass」を使えば全部解決編~|高橋優斗
高橋です。こちらは二部構成の後編になります。前編では「経営管理がいかに大変な業務であり、Excelで運用するとめちゃめちゃつらみである」という事を書き記してきました。そちらを読んでない場合はまずはそちらから読んで頂ければと思います。 という訳で後半はやっと「Loglass」に触れていきたいと思います。 ※前編を読んでいないとわからない内容になっていますので、必ず前編を読んできてください・・・!
https://note.com/yy1933/n/n7937c1d1ace0



Loglassにおけるライトサクセス

まずはライトサクセスから。先ほどの業務フローに則り、ライトサクセスの責任範囲を示します。

ライトサクセスの責任範囲
  • 定義
    既存の経営管理の業務をLoglassに置き換えて、負担となっていた業務から現場を開放すること
  • 対象
    経営企画(現場)
  • ライトサクセスで目指すもの
    Loglassを基軸とした経営管理業務フローの構築、その結果もたらされる業務効率化
    経営管理業務の属人化脱却
    情報のアクセスコストやコミュニケーションコスト減
  • どのようにして測るか(例)
    予算収集の締日を早めることができた
    予実データの算出がn日短縮できた
    これまで1担当者でやっていた設定を複数体制でメンテナンスできるようになった(属人化からの脱却)
  • どのようにして実現するか
    責任主体:オンボーディングチーム
    方法:プロダクトのオンボーディングを通した業務移管

Loglassにおけるディープサクセス

次にディープサクセスです。ライトサクセスとは、明確に提供価値が変わっていきます。

ディープサクセスの責任範囲


  • 定義
    Loglassから得られる情報や示唆を起点に、経営会議や会社の意思決定が進んでいく状態をつくること
  • 対象
    経営会議参加メンバー(取締役・役員・事業部長など)
  • ディープサクセスで目指すもの
    各種経営指標のLoglassへのインストール
    表計算ソフトでは実現できなかった分析スキームの構築
    上記に伴うLoglassを基軸とした経営会議資料等の作成フロー構築
  • どのようにして測るか(例)
    利用機能の拡張
    利用アカウント数の増加
  • どのようにして実現するか
    責任主体:アダプションチーム
    方法:中期活用計画の策定、高度な分析機能の提案

サクセスを定義して何が変わったか?

このライトサクセス/ディープサクセスの定義を行ってから、明らかに私たちCSの現場の動きが変わったなと思っています。その点についてあげていきます。

その1:サクセスが夢物語ではなくなった

冒頭でも述べた通り、サクセスは果てしなく遠いものとして捉えられがちですが、プロセスごとに状態像を言語化することで「この顧客はサクセスしているのか?」という質問に対して一定の解像度をもって答えることができるようになりました。

これはプロダクトをつくっていく中でもとても意味のあることだと思っており、CSだけでなくプロダクト開発の投資判断にも使えるものかと思っています。「xxxの機能を開発すべきか」という議論になった際に、ライトサクセスを後押しするものか?ディープサクセスを後押しするものか?を前提に置くことで、(一概には言い切れないですが)前者であればオンボーディング期間の短縮、後者であればNRR(Net Revenue Retention:売上継続率)など、どんな事業KPIにインパクトが見えそうかまで検討できるようになります。

その2:CS各人の責務が明確になった

オンボーディングやアダプションそれぞれがどのようにしてサクセスに寄与するのか、どこに責任をもつのかが明確になりました。特にアダプションは中期的にどのように顧客の支援をしていくのかを設定していくのが難しいのですが、ディープサクセスを定めることで具体的なアクションへと落とし込みやすくなりました。

また、ログラスでは目標のフレームワークにOKRを利用しているのですが、各人の責務が明確になることで設定もしやすくなり、運用にも改善がみられました。

その3:採用活動でも説明しやすくなった

最後に派生した効果になりますが、採用活動においてもいい影響がありました。
私自身の考え方として、カジュアル面談などでチームの活動を紹介する際には、まずはそのチームが担うミッションをお伝えするのが大事だと思っています。(タスクはその時の事業フェーズにおいて変容し続けるためです)
サクセスが言語化できるようになるとその実現がチームのミッションとなるため、一貫性や意義をもって業務説明もできるようになりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?前述の山田さんの記事でも記載がありますが、この取り組みはCSチームにとどまらず、全社でプロダクトの提供価値の目線合わせができたのでとても大きな成果を得られました。

実際にその後のアクションとして、顧客への活動履歴をライトサクセス/ディープサクセスで分けながら記載して共有しはじめておりまして、ここからプロダクトの進化すべき方向性についても議論が広がっています。

サクセス定義について言語化を自社でまだされていない場合は、チーム内、ないしは全社を巻き込んでいきながらディスカッションしていくことをおすすめします!

一方ですべての事業においてサクセス定義が必要な訳ではないとも思っています。
例えばリリースして1~2年くらいの事業であれば、そもそもディープサクセスの実績がない、ということもあると思いますので、その際にはN1の顧客にしっかりと向き合いながら、どうすればより提供価値を大きくできるか?ということを目標に落とし込んでいくのがいいかもしれません。

今回の紹介が、1つのユースケースとして皆さんの参考になれば幸いです。

最後に(宣伝コーナー)

お読みいただき、ありがとうございました!
2022年12月はログラスのアドベントカレンダーを25日まで毎日更新してます!
私のこの投稿は4日目時点でして、まだまだ続く予定なのでぜひ御覧いただければ嬉しいです。

adventar.org

また、ログラスでは超全力で採用活動を推進しております!
カスタマーサクセスはもちろん、ビジネス、プロダクト、コーポレートのほぼ全職種で募集をしておりますので、ぜひ興味をもっていただけたらお話しましょう!(今時点で興味をもっていなくてもお話しましょう)

私自身がなぜログラスに入社したのか、という想いはこちらのnoteに書いていますが、今も変わらずまっすぐ事業に向き合いながら、素敵な仲間たちと仕事ができています。


上場企業の事業責任者だった私が、SaaSスタートアップのCS立ち上げにジョインした話|あさみゆうき
あさみです。8億年くらいぶりにnoteを書きます。 最近引っ越しもしたりと環境の変化もめちゃくちゃあったので、自己紹介記事も書き直せばなと思います。。。 さて標題の件ですが、2年ほどお世話になったLITALICOを退職し、ログラスという会社にジョインしました。(やや強気なタイトルで恐縮です、、、) この記事は、 ・身近な方々への近況報告 ・絶賛採用強化中のため、ぜひ会社を知ってほしい ・自分と似た環境の方にスタートアップへの転職イメージが伝わればいいな あたりを目的にして話を進めていきたいと思います! こ
https://note.com/yukiasami/n/n4496400cfe01

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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