株式会社LITALICO 奈良岡(ならおか) 総合広告会社営業、映像制作会社の起業、⼈材会社経営企画職を経て、ブライダル大手企業の本社マーケティング戦略部長に着任。その後、介護業界大手企業にてマーケティング部門責任者および人材紹介事業の責任者を歴任。2020年、株式会社LITALICOに中途入社ののち、立ち上げ間もない業界特化型SaaS事業の事業責任者として、障害福祉施設向け事業の全体統括および新規事業開発を担当。 今年で事業開始から5年目を迎えるLITALICO仕事ナビ。2020年12月には福祉施設向けソフトウェアを開発する福祉ソフト株式会社をM&Aするなど、大きな変化があった。ここで業界特化型のSaaS事業を責任者として牽引しているのが、奈良岡だ。
彼は大学卒業後、総合広告代理店へ就職。その後28歳で映像制作会社を起業し、31歳で再び企業に会社員として就職。一貫して新規事業に携わり、社会課題にも向き合うキャリアを形成してきた。
「総合広告代理店時代には、多くのクライアント様の事業成長をマーケティングの側面から支援してきました。 『事業そのものを作り、世の中に問うていく』こと自体に面白みを感じていて。 起業家の父の影響もあって、28歳でブライダルに特化した映像制作会社を起業しました。当時、ブライダル業界の映像制作は古い映像技術が主流だったのですが、最新の映像技術を業界に新規導入したことで事業が順調に拡大しました。新たな価値を生み出し、業界で先駆者となれた実感がありましたね。」
ー起業した会社が軌道にのっていた中で、31歳で再度一般企業への就職に転身した奈良岡。背景には何があったのだろうか。
「自分が今後どのように成長していきたいかを考えたときに、映像制作のビジネスモデルだと労働集約型のため、このままでは”線形”の成長しかできないと感じたんです。線形というのは、仲間集めが成功すれば売上はどんどん上がるし、できなければ売上は下がる一方、というシンプルな形ということです。多岐にわたる分野で自分のスキルを伸ばしたいと考えたことが転職のきっかけでした。 当時の事業で自分の求める成長が実現できなかったのは、自分の経営者としての力量不足もあったと思います。 しかし、企業の一員として組織の在り方やマーケティングを再び学び直すことで、結果的にこれから先一緒に働く仲間を幸せにすることにも繋がるのではないか、 とも考えるようになりました。だから一旦事業を畳み、企業に就職する道に戻ったんです。」
ー会社員に戻ってからの奈良岡は、様々な企業で自身の強みを活かし、事業を急成長させる立役者となった。
「もっと大きなスケールで事業を動かしたいと思い、大手結婚式場の運営会社に転職しました。都内の旗艦店舗の統括支配人を経て、結婚式場の集客全体を掌握する本社マーケティング戦略部部長に就任。その後、年間30億超の広告予算を運⽤し、前年⽐110%を達成しました。ただ、当時からブライダル業界は婚姻率の低下や、披露宴を実施しないお客さまの増加に煽りを受けていて。このマーケットでこれ以上成長し続けるには限度があるなと感じたんです。 少子化の煽りを受けるブライダル業界にいたからこそ、逆に高齢化や生産年齢人口の減少などの社会課題に向き合う必要性も感じました。やるからには、全く別の領域で戦ってみたいなというチャレンジ精神もあったかもしれません。対極にあるマーケット=福祉だと考え、その中でも特に高齢者介護で最大手の企業に転職することにしました。」
ー高齢者介護に転職してからも、様々な新規事業を牽引し大きな成果を出したという。
「例えば、マーケティング x セールス x マネジメントの統合化スキルを武器に、社内に点在していたマーケティング組織を集約し、戦略を実⾏するための環境を整備することに注力しました。また、人材紹介事業部門の責任者としてもアサインされ、重要な領域だったにもかかわらず成長が鈍っていた領域の立て直しも行いました。」
ーこれまで携わってきた企業それぞれで確実に成果を出し、一見すると順風満帆なキャリアを描いてきた奈良岡だが、LITALICOへ入社した経緯を聞いてみた。
「 入社の一番の決め手は、LITALICOにしかないパワーがあると感じたことです。 LITALICOには直接支援の実践と、長年に及ぶ自分たちの店舗経営のノウハウが蓄積されていて、そこに業界内での圧倒的な強さの秘訣があるなと。福祉施設のための経営課題解決をしたいというのは前職でも思ってはいたのですが、 LITALICOでは表面的な経営支援ではなく、より深いところまで入り込んだアプローチができると感じています。 私たちが施設を対象に支援できる事柄は、経営に関する課題から、現場のスタッフの育成・採用に至るまで、非常に幅が広いんですよね。ここに大きな差があり、やるからには直接支援の店舗を全国に260以上持つLITALICOの強みを最大限活かしながら事業を推進したいと思い、入社することに決めました。」
ーLITALICOに入社後は、どのような仕事に挑戦しているのだろうか。
「入社直後は、 ①福祉施設の経営改善の手段として利用者を獲得するメディアソリューションと、②福祉施設での支援の品質を高めるための教材や研修コンテンツを整えていく運営サポートサービス に携わりました。実際に福祉施設のお客さまとのコミュニケーションを取る中で、多くの事業所が抱えている経営課題が明確に浮彫になっていったんです。それが、 施設で毎月発生する請求業務に関するもの だったんです。」
ー請求業務とは、福祉施設などの支援記録を国へ報告することで、社会保障費を基とした給付費用が支払われる仕組みに基づく業務のことだ。行政と顧客、双方への請求関連の作業が大量に発生する。
「一連の手続きがとにかく煩雑な一方、この手続きをしないことには施設の売上が立たないんですね。この業務に対する改善サービスは、非常にお客さまからのニーズが高く、着手すべき優先順位も高い課題だと感じました。」
ー奈良岡が入社してしばらくした後、2020年12月に福祉施設向けソフトウェアを開発する福祉ソフト株式会社のM&Aプロジェクトが動き始めた。
「内製化して開発しようと考えていた請求業務支援のサービス開発が、LITALICO初のM&Aにより早期に実現したんです。 福祉の請求業務に関するプロフェッショナルたちとチームを組んだことで、プロジェクト開始から約1年ほどで新規サービスの1つとして『請求ソフト』が提供開始となりました。 」
ーLITALICO全社で捉えても、奈良岡の入社後1年間は特に変化が大きかった。その中で、奈良岡自身が事業責任者として力を入れて取り組んだのは何だったのだろうか。
「私が入社した頃は14名程度だったチームも、今や50名規模(2021年夏当時)の組織まで拡大しました。 お客さまへの価値提供できる量を最大化するために、採用活動にも力を入れて取り組んだ1年でした。 サービスを通じて施設の経営課題が改善することで、より質の高い支援を現場で利用者の方へ提供できる。そんな循環を作っていけたらと考えています。お客さまにサービス導入による成果を体感してもらうために、販売後のサポートをこれまで以上に手厚くする取り組みも実施しました。」
「私たちは、お客さまのことを『パートナー』と呼んでいます。LITALICOジュニアやLITALICOワークスのような直営事業を展開しているのでお客さまからは『自分たちの競合じゃないか』とお声をいただくこともあります。 でも、私たちが本気で『障害のない社会をつくる』というビジョンを実現するには、LITALICO一社の頑張りだけでは限界がある。だからLITALICOのサービスを導入いただいているパートナーの皆さまの想いも取り込み、業界全体に貢献できるプロダクトやサービスを開発し続けることが使命のひとつなんです。 ビジョン実現のために、私たちがすべきことは山のようにあります。LITALICOのノウハウをもっとたくさんのお客さまへ届けていきたいし、他社の施設での良い支援事例を、他の施設にも拡げていくような活動もいいですよね。 福祉業界全体が一丸となって、現場で届けられる支援をよりよくするための循環を生み出せるプラットフォームを目指したいです。 」
ー2022年に入ってから、奈良岡の新たなチャレンジも始まっている。福祉領域全般の業界No.1プラットフォーマーを目指すLITALICOは、これまで障害福祉に特化した分野で事業を推進してきたが、 近接する介護領域でも新たな新規事業を立ち上げることとなった。
「介護領域はレッドオーシャンではありますが、LITALICOグループ全体として、ゆりかごから墓場まで、顧客がさまざまな人生の『障害』に直面したときの選択肢を増やしたいと考えています。市場規模22兆円を見込む成長業界のDX化を推進し、自社開発のSaaSプロダクトで顧客の本質的な経営課題を解決していきます。領域を拡大し、さらに多くのお客さまにサービスを使っていただくことでLITALICOとしての利益が創出され、その利益を投資に回し、新規プロダクト開発もしくは既存のプロダクトの改修をする。そんな好循環をつくり、結果的にお客さまに付加価値を提供していきたいですね。」
ー最後に、LITALICOの未来の仲間になる方々メッセージをお願いします。
「人生、一度きりですが、その中でも仕事と向き合う時間は圧倒的に長いんですね。 私自身、そこで一緒に働く仲間や仕事を常に大切に思える人でありたいですし、同じように仕事にも仲間にも愛情をもって働ける方 がジョインしてくれたら嬉しいです!」
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