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法律分野の天文台をつくる - メンバー紹介 秋元

Legalscape でエンジニアとして働いている秋元大地です。東京理科大学大学院で天文学研究に従事したあと、今年 2020 年の 7 月に Legalscape に入社しました。本記事では、社員紹介も兼ねて、僕がなぜLegalscapeを選んだのか?をお伝えできればと思います。

まず簡単に自己紹介をさせていただくと、僕は物理畑の人間で、特に研究室では天文の観測屋としてやってきました。具体的な取組としては、C++ で銀河団のシミュレータを開発したり、人工衛星に搭載された望遠鏡の観測データを加工するパイプラインを Python で作ったり、 Julia でダークマターの質量を計算したりしていました。他方学外では、ドワンゴで N 予備校プログラミングコースの教材編集バイトをしていました。したがって多少は web 開発の素養があったものの、Legalscape が取り組む「法律」というドメインとはむしろ縁遠い分野でキャリアを歩んできました。

なぜ Legalscape を選んだか

研究室の先輩や同期ではシステムインテグレータや宇宙と縁のあるソフトウェアベンダなどに就職する人が多かったのですが、僕はそういった業種に絞らず、2つの軸で会社探しをしました。テクノロジーが人間を enhance, empower できると信じている人たちが集まっていること、そして長期的視点で社会を形作ろうとしていることです。

Legalscape は調べてみるとこの2つの軸に合いそうだし、AtCoderJobs に載っていたので「自分と同じコンテクストを共有していそうだな」と思い応募したのを覚えています。

そのころ読んだ CEO 八木田のインタビュー記事:

株式会社Legalscape - 東大IPC−東京大学協創プラットフォーム開発株式会社
第2回東大IPC起業支援プログラムに採択されている 株式会社Legalscape の八木田CEOへお話を伺ってきました。2017年度未踏アドバンスト事業にも採択されているAIベンチャーです。 法律業界のイノベーションに自然言語処理の技術で挑む、株式会社Legalscapeの知られざる姿に迫ります。 「まずは、事業概要のご説明をお願いします。」 ...
https://www.utokyo-ipc.co.jp/story/%E8%B5%B7%E6%A5%AD%E5%AE%B6%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E8%A9%B1%E3%80%80%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BElegalscape/

こうして Legalscape という、これまでの人生ではあまり縁のなかった法律分野の会社・メンバーと接していくことになったのですが、最終的な決め手は

  1. 採用プロセスで明確・具体的に得られたメンバー・仲間への信頼
  2. 長期的な視点で、社会のあるべき未来を自ら主体的に設計しアプローチすることへの共感
  3. 個人の意志・思考・信頼がダイレクトにインパクトに繋がる小さなチーム

この3点でした。

1. 仲間への具体的信頼

応募後、選考プロセスの一環として2ヶ月弱に渡り業務委託として一緒に仕事をしました。この期間を通じてお互いにフィットを見極めようというわけですが、ふりかえってみると最終決断に大きく資する時間でした。

この見極め期間を通じて Legalscape の議論・意志決定のスタイルを肌身に感じることができました。Legalscape ではオープンな議論を通じてそのときどきの最善解を導き出そうという文化や、意思決定におけるバランス感覚が重視されます。極端な選択を取ることなく、地味ながら良さのある選択肢を取ります。そして意思決定の結果を着実、徹底的に実行する志向があります。

これらの特徴は Legalscape が事業を進める上での戦略にも反映されていて、市場を破壊するぞと息巻くのではなく、ステークホルダーと協調をとりつつ戦略的がんばりポイントを抑えています。ふんわり例えるならば、手本となるのはギグエコノミーの労働法制議論に出遅れてしまった感のある Uber よりも、各国・各地域で行政に歩み寄ったことで拡大した Airbnb という感じでしょうか。

2. 長期的アプローチへの共感

僕はモットーとして、明るい未来が偶然来ることを期待するよりも、長期的な未来像を描いた上でその実現可能性を主体的に高めていこうと心がけています。

人生であれ社会であれ、未来の不確実性に対してリスクヘッジするだけでなく、一歩踏み込んで積極的に舵を取るというやり方もあります。リスクを分散しただけでその先が自然と決まるわけではなく、長期的な目的地を決めて到達をめざす人々がいて初めてフロンティアが拓けるのではないでしょうか。

この考え方と Legalscape の長期的アプローチは近いところがあると感じました。Legalscape は、複雑で入り組んだ法律情報を、分析・整理することでひと目で見渡せる景色のように描き出そうとしています。法律のプロフェッショナルがより高品質な仕事ができるよう、技術を用いて法的問題の解決を支援し、それを通じて誰もが優れた法的支援をより一層受けられる社会を目指しています。手元では、いま・ここにある課題を解決することに加えて、長い目で見て社会を質的量的に大きく変えうる取り組みをしています。詳しくは以下の記事を御覧ください。

はじめまして、Legalscapeです | 株式会社Legalscape
はじめまして。Legalscape(リーガルスケープ)のCTOの城戸(きど)です。 私たちLegalscapeは法 × 情報技術の リーガルテック(LegalTech) と呼ばれる領域でプロダクトを開発・提供しているスタートアップです。 今は弁護士や企業で法務に従事する方をターゲットにした、 リーガルリサーチを助けるプロダクト を作っています。 ...
https://www.wantedly.com/companies/legalscape/post_articles/226982
「民事判決のオープンデータ化」とは何で、なぜ必要で、なぜ私たちが関わっているのか | 株式会社Legalscape
こんにちは。Legalscapeの城戸です。 去る3月、日弁連法務研究財団が「民事判決のオープンデータ化検討プロジェクトチーム」を立ち上げました。この取り組みについては、6月8日に日本経済新聞の本紙にて取り上げられました。 判決の公開において、重要なポイントの一つがプライバシーへの配慮です。 ...
https://www.wantedly.com/companies/legalscape/post_articles/249198

3. 小さなチーム

サマーウォーズという映画には、対照的な2つの立場が登場します。物語の主たる舞台である OZ という超巨大ウェブサービスの「末端の末端の末端」を保守するアルバイトの高校生と、その OZ を自律的に乗っ取ろうとするスゴイ AI を開発した研究者です。劇中で研究者が自分の仕事をニンジャと形容するのですが、実は ninja は俗語で「優秀なソフトウェアエンジニア」とか「優秀なハッカー」を指すことがあります。

Ninja ほどではありませんが、今の僕は巨大なシステムの末端を触れる徒弟としてよりも、個人のスキルがより大きく効いてくる小さいチームで働くことに情熱を抱いています。Legalscape には、迅速な意思決定、個人の自律性の高さ、互いに仕事を任せられる相互信頼、低いコミュニケーションコストといった小さいチームのメリットがあります。このチームなら、メンバーの能力を活かして新しいテクノロジーを生み出すチャンスがあると信じています。

加えて、組織がフラットである点もいいなと感じました。自分はエンジニアリングマネジメントに興味があることもあり、今後組織を大きくしていくにつれて徐々に構造を導入し、専門性のあるチームの集合体として力を発揮できる仕組みづくりをしたいと考えています。

これからの Legalscape とお誘い

物理学者・天文学者たちは、この一世紀にビッグバン、ブラックホール、ダークマター、宇宙の加速膨張、ニュートリノ振動といった重要な概念を次々に発見・観測してきました。短期間でこれだけの進歩が実現したのは、これらを支える物理理論はもちろん、天体観測技術とデータ処理技術の高度化があってこそでした。

同様に、今はまだ散在し人間が紙や手作業で扱っている法律情報からも、リサーチシステムのような新たな「観測技術」を用いることで新たな知見や価値を生み出せると考えています。現在 Legalscape は、法令・判例・書籍などあらゆる法律情報を一元的に集約し、整理する(=観測できるようにする)ことに取り組んでいます。これがもたらす変化は、物理学・天文学と同様、非連続なものになる可能性を秘めています。

我々の長期的なゴールは、様々な舞台でご活躍されている方々の法律分野における知的生産を桁違いに効率化し、新たな知見や価値を国家規模でもたらすことです。そのために法律という領域のための天体望遠鏡、天文台を作ろうとしています。わくわくしませんか?僕は奮い立っています。面白そうと感じた方がいらっしゃいましたら、いつでもご連絡ください。

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