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【社員インタビュー vol.8】多くの経験から培ったUI/UXデザイナーの知見を役立てたいーーーUI/UXデザイナー J・Sさん

黒塗りのハイヤーで打ち合わせに

ーーデザイナーとして実績を積まれていますが、どのようにお仕事を始めたのですか?

もともとは、グラフィックデザインのプロダクションにデザイナーとして所属して、広告系の仕事を中心にやっていたんです。接待で派手にお金を使うような、大手広告代理店が大活躍する、広告業界が今よりも勢いのある時代でした。

企業の広告は、スポンサーとなる企業と、ビジュアルを担当する私たちデザイナー、そして広告代理店がチームとなって作ります。私が所属していたプロダクションは、当時には珍しくあちこちに支社を持つ組織だったこともあり、大手家電メーカーや旅行会社など、大企業がスポンサーとなる大きめの案件もこなしました。

ところが、バブルがはじけて、プロダクション内の上の人たちがどんどん辞めていってしまい、当時まだ経験の浅かった私がスポンサーとの打ち合わせに行かざるを得なくなってしまいました。二日酔いで出社したら、突然スポンサー様との打ち合わせに行くことになり、戻った社内でのオリエンで、ただでさえ未熟だった私が冴えない報告をするものだから、上司を怒らせたこともありました。

当時はまだバブル時代の残り香があり、豪華な黒塗りのハイヤーに広告代理店の方と同乗してスポンサーとの打ち合わせに行くなど、そういった経験も含めて今ではありえない経験をさせてもらいました。

そういった「社会に揉まれる」経験をしていましたが、私の所属していたプロダクションは、バブル時代にしていた不動産投資の影響で巨額の負債を抱えて倒産してしまいました。

どうしようかと思いましたが、プロダクション時代の上司などが「ちょっと手伝って欲しい」と仕事をくれて、紹介してもらうお客様からまた別のお客様を紹介されて、と関係がつながっていって、フリーランスとして仕事をするようになりました。

今も続く専門学校の講師業をはじめる

ーー現在も従事している、デザインの専門学校の講師の仕事は、この頃からでしょうか?

そうですね。プロダクション時代の先輩が講師をしている専門学校があり、「講師が足りないからやって欲しい」とお願いされたのがはじまりです。今でも週2コマ受け持っていますが、楽しい仕事です。

この専門学校は学生も講師を評価します。いわば講師の通信簿です。
ありがたいことに、当時から今まで毎年良い評価をいただいています。そういったこともあり、どんどん学校からの授業の依頼が増えて、多い時には週に5日やっていました。あまりに講師業が多いので、デザインの仕事のお客様はほとんどお断りしなければいけない状況で。学校の夏休みや冬休みのときだけお引き受けしていていました。

講師業はとても楽しくやっていたのですが、あるとき週2日になってしまい、「さあ、困った」となりました。フリーランスは雇用契約を結ぶわけではないので、先方の事情で仕事が急に増えたり減ったりします。その影響を直に受けてしまいました。

ただ、若い学生さんの感覚が肌で感じられるというメリットもあり、今でもこの専門学校での講師業は続けています。当時も今も、楽しく続けられている仕事の1つです。

個人でのデザインの仕事に本格的に取り組む

ーーそれから、個人のデザイナーとして本格的に取り組んでいくのですね。

専門学校での講師の仕事が減ったことは、少なからず私にとって打撃でした。しかし、今考えれば良かったなと思います。ほぼ講師の仕事だけでずっとそのままだったら、今もっとも楽しんでいるデザインの仕事とちゃんと向き合うことはなかったのですから。

とはいえ、仕事の方から飛び込んでくることもなく、自分から仕事をいただきにいかなければいけませんでした。プロダクション時代の先輩を訪ねたり、順番に広告代理店に飛び込みで営業に行ったりしましたが、なかなか良い仕事につながるようなことはありませんでした。

追い打ちをかけるように、定期的に仕事をいただいていたWebサイトのデザインの案件が、お客様側で内製化するとのことで契約が無くなってしまい、本格的に「どうしよう」となったとき、プロダクション時代の同期から「手伝って欲しい」との助け船がありました。

彼は、フリーランスで、企業イベントのブースのデザインなどを手がけるフリーランスとして活躍していました。ちょうど近くに事務所を構えていたので、たまたま遊びに行ったら、「そんな状況だったら、今自分は忙しいから手伝って欲しい」と言ってくれたのです。

それから、彼のデザインの仕事に協力するようになり、そのうち彼も「直接お客様とやりとりをしていい」と言ってくれて、次第に仕事も増えていきました。このときは泣きそうになるくらい嬉しかったです。今でもそういった関わりのある方々には、とても感謝しています。




一人のお客様と懇意になると、また別のお客様を紹介してもらい、というわらしべ長者のような紹介の輪が広がっていきました。この時点で、UI関係のデザインの仕事をするようになってきました。当時はまだスマートフォンはありませんでしたので、主にパソコンで使用するソフトのアイコンやタッチパネルのデザインをやっていました。

IT関係のデザインの仕事は、案件自体が当時はまだそんなに多くなく、大体はプログラマーの方が片手間にやるようなものという認識で、今私がやっているUI/UXデザインと呼ばれる分野は確立されていませんでした。

そうして、ほぼ道なき道を進む形になったのですが、だからこそ自分のやりたいようにすることができ、IT系のデザインの仕事は楽しい・稼げる・得意だという印象を持つことができました。

企業の経営戦略も経験しつつ、クリエイティブの仕事に腰を据える

ーーそれから、IT系のデザインの分野に注力していくのですね。

そうですね。個人事務所での仕事もだいぶ充実してきたころ、ソフトウェアやWebサービスに関するデザインを手がけることも多くなってきました。その結果、ユーザー数が増えたり、デザインをリニューアルすることで収益も上がったりと、デザイナーとしての仕事が目に見えて付加価値をつけられるようになりました。

その関わりから、手掛けた複数のコンテンツのうち、ビジネス系ソフトやWebコンテンツをまとめてブランド化してプロモーションを行ったことが、経営グループ全体へのマネタイズ構築に貢献していきました。代表取締役としてスタートアップ、運営に携わったこの経験はデザイン業とはまた違ったものでした。

ただ、その会社の任期満了と共に、「やっぱり自分の残るデザイナー人生は、もっとクリエイティブなことをしていたい」と強く思うようになりました。

しかし、会社の経営に携わった10年を経た間、業界も成熟しUI/UXデザイナーとしての働き方も変わりました。私もこれまで長く続けていたフリーランスのデザイナーとして働くよりは、そのアプリやサービスの開発者とチームを組む必要があると思い始めたのです。

グラフィックデザイナーの仕事のやり方として、広告系は単発の案件を次々とこなすイメージですが、アプリやWebコンテンツとなると話は別です。単発ではなく、長い期間関わることになります。アプリや提供サービスの更新やアップデートのたびにどんどんデザインもブラッシュアップしていく必要があるからです。

もちろん、トレンドも変わればデザインも変わります。OSが変われば、そのアップデートに対応してデザインも変えなければなりません。そうしないと、いいサービス、いいアプリであり続けることはできないのです。

IT系のデザインの仕事や、デザインを生かしたコンテンツの運営は、そうした業界の仕組み上、それなりの規模のチームで行なった方がより人の役に立つものが提供できる。そう考えて、一人で仕事をするよりは、組織の中で仕事をしたいと思うようになりました。

実際は、そこまで論理的に考えて動いているわけではなくて、「楽しそう!」と感じる方に動いているだけなのですが(笑)

ランウェイを選んだ理由

ーーそこで、仕事の場としてランウェイを選んだのですね。

まずお伝えしたいのは、今とても幸せだということです。今までのフリーランスとしての活動やソフトウェアの運営は充実していましたが、それと違う新たな働き方を選んでいる今に、とても満足感を覚えています。

実は、就職・営業活動をしている中で、とても大きな話もありました。しかし、一番「楽しそう!」と思ったのがランウェイだったんです。大手の会社にはない自由闊達さを面接では感じました。

大きな組織では、ある意味でのクリエイティブな業務で、革新的なものを生むことには適さない側面もあります。逆に、小さすぎたり、尖がりすぎた業界も自分には合わないなと思っていました。

近年、web3関連の仕事もしており、NFTアートを作ったりしましたが、まだ自分の中では、大きな可能性は感じるものの確実に社会に貢献できるまで成熟はしていないものという位置づけでした。

その点、ランウェイは、確実に役に立つものを提供し、それにより収益をあげ、それにより周りが潤うという地に足をつけた事業をしていると感じています。熱量高くありながらも、現実的で、なおかつ面白い。ランウェイはそのへんのバランスが取れていると思います。

フリーランスをしていた頃、若い時は特に、家族を養っていけるのかという不安を感じることもよくありました。もちろん、そのことが一つの指針となりデザインという仕事と本気で向き合う後押しをしてくれたことに感謝しているのですが、その一方で、今現在は家族が皆自立し、ひと段落してホッとしている自分がいます。

そんな今だからこそ、義務感よりも「働くことを楽しみたい」「気持ちよく役に立ちたい」という欲求がとてもあります。だから、先端産業の開拓でありながらもしっかりと世に役立つ活動をしているランウェイを本能的に選んだのかもしれません。

IT系のデザインの正解とは

ーーUI/UXデザイナーとして考えるデザインとは、どのようなものなのでしょうか。

端的に言えばデザインには、演出(インパクトや、印象付けなど)と、最適化(分かりやすさや操作性など)の両面があると考えています。UI/UXデザインは、最適化の部分がかなり重要です。しかし自分は、そこにあえて意識して演出効果への開拓にも、可能な範囲で踏み込んでいきたいと考えています。

この相反するともいえる2つの面を両立させるところが、自分の腕の見せ所であり、UI/UXデザイナーとしての仕事の面白味でもあります。最適化もしつつ、何か人の深層心理下で「シュッとしてるなぁ」「可愛いなぁ」といったいいイメージを効果的に持たせていきたいです。

そういうとユーザーからの反応を前提としたBtoCのプロダクトがイメージしやすいですね。でも、BtoBでも「演出」をする価値は大いにあると考えています。例えば在庫管理アプリがあったとして、そこにも、触っている人が心地良かったりなどのデザインの美学は存在します。工具でも、かっこいいデザインのものが良いですし。

インターネット黎明期の逸話で、ネジの販売サイトという話があります。工業製品の部品のひとつであるネジを作っている会社が、一般向けにネット販売をし始めたんですね。特殊なネジを1個から買えるような販売サイトです。

サイトデザインも、工業部品らしからぬちょっとポップなイメージでした。その特殊性からメディアに取り上げられたりもしたのでしょう、ジワジワとPVも上がってきたそうです。するとどうなったか。話題になって多くの人たちに認知された結果、特殊なネジを探していた大手メーカーの目に止まり、そこから次々と大型案件につながったのです。

そんな逸話のように、広く一般に訴えるデザインで認知を広げた結果、BtoBにつながるということはあるのです。ランウェイも、自社コンテンツを生む構想もありますが、そういった意思も、とてもその方向性には共感しています。開発スキルの向上にも繋がりますね。


ーー長い間デザインに携わることで得られたその知見を、ランウェイでも存分に発揮していってください!どうもありがとうございました!

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