ー2016年にランドネットに入社したYさんはご自身の身体に障がいを抱えながらも社会復帰をし、現在は主に取得した謄本等の情報を社内のデータベースに登録し管理する業務を行っています。
現在は、フルリモートで10:00~18:00が勤務時間です。
大体13:30から休憩を頂いて、17:30にその日の業務内容の報告などをラインのテレビ電話で報告して、18:00ぴったりには上がらせて頂いています。
在宅で作業していても、密に連絡を取り合いながら、困ったことがあれば相談に乗っていただけているので、「一緒に仕事をさせて貰えている」「私、働けているんだ」という実感が湧いて凄く嬉しいんです。正直、社会復帰は難しいと思っていたので…
急な吐き気に襲われ、一生腹膜透析をしなくてはならない身体に
ーYさんが体調の変化に気づいたのは2015年の4月頃のことでした。
それまでは稀に吐き気がしたりすることはあったのですが、急に頻度が上がり、吐き気が治まらなくてそのまま入院することに。
検査の結果、腎臓の病気が悪化しており、後一ヶ月遅ければ命に関わる所でした。
それでも1日に5回腹膜透析(お腹にチューブを通して透析する治療法)をしなくてはいけない身体になりました。
ーその日を境に、病気と共存しながらの生活が始まったYさん。何気ない日常を過ごすことすら大変なことも多かったそうです。
とにかく身体が疲れやすくなりました。最初は薬の交換も上手くできず、身体が辛くなることもありました。4、5時間置きで薬を交換することを考えると、必ず家に帰らなくてはならないため行動も制限されるので、また今までと同じように働けるのか不安は大きかったです。
病気をきっかけに、新たに出来ることを探しキャリアチェンジを
見た目からは分かりにくいですが、お腹に薬を入れてますから、まっすぐに立つことや、歩くのもぎこちないので、座って落ち着いた環境で出来る仕事を探して前向きにチャレンジしてみようと思いました。
ー以前は接客業が好きでアパレル関係の仕事をしていたそうですが、ランドネットでは全く未経験の業種でデスクワークへとキャリアチェンジしました。
いくつか探す中、ランドネットでお話を聞いて障がい者への理解や受け入れ体制に魅力を感じて、働かせて頂くことになり無事に社会復帰を果たすことが出来ました。
いざ働き始めて感じた戸惑い
働く前には、こんな身体でまともに働けるのかどうか、パソコンも正直ついていけるのか?という不安はありましたし、何よりも、入社当時は透析の関係で4時間しか働けなかったので、こんな短い時間しか働かなくて迷惑ではないだろうか?という心配もありました。
実際に働き始めてみてからは、仕事自体はレジュメを使いながら教えて貰ったので問題なく出来ていましたが、急に身体が痛くなったり、頭痛に襲われたり、自分自身の身体に対して戸惑いを感じることが多くありました。
そんな不安の中、意外にも周り方からは「悪くなる前に休んだ方がいいよ」とお気遣い頂いたり、急な休みに対しても「気にしないでいいからね」と快く承諾してくださったり・・・本当にありがたかったですね。
‟出来なくてしょうがない” 上司の言葉や社会に触れることで、自分の身体を受け入れられるようになった
ー健康だった頃とは働き方だけではなく「働く」という考え方も変わったと言います。
以前は多少無理をしてでも”自分に与えられた仕事を完璧にこなしてこそ仕事″だと思っていたんです。
ですから実際に働き始めてからも、身体が痛んで思うように仕事が出来ないことが本当に情けなくて悔しくて、自分を責めることもありました。
そんな時、上司から世の中の動き、周りの人のこと、とにかく色んなお話を聞くなかで、‟皆、それぞれ色んな事情を抱えて仕事をしているんだ“、と当たり前のことですが、忘れていたことを思い出しました。
私は母子家庭で子供と2人きりだったこともあり、いつのまにか視野が狭くなっていました。
「何故私だけが?」「私はもうダメなんじゃないか」という想いが巡ってより気持ちが閉鎖的になっていました。
ただこうしてランドネットに入社して、無事に社会復帰することができ、色んな方の話やアドバイスを聞き入れることが出来るようになってから、スッと心が軽くなりました。
「こんな私でも会社の役に立てている」と思えるようになってからは潔く「この身体なんだから無理はしない」「だめなものはしょうがないじゃないか」と思えるようになりました。
ー本当に生きる選択をして良かったのか?そんな葛藤もあったYさんが前向きに捉えられるようになったのは、上司の影響が大きかったそうです。
正直な話、病気を患った時は子供のために生きる選択をしたので、思った以上に辛い闘病生活にその判断が正しかったのか、自問自答することもありました。
それでも「Yさんのおかげで助かったよ、役に立ってるよ」といつも声をかけてくださった上司のおかげで、“子供のために生きるのではなく、人の役に立てる世界が私にも出来たんだ。”と自分の存在価値を見いだすことが出来ました。
自分の状況を受け入れ、前向きに捉えられるようになったのは本当に上司のおかげだと思っています。
障がいを抱えて社会と気持ちのズレが生じても、あきらめないで歩み寄る
障がい者になるということは「誰かに頼って生きていく」ことと隣り合わせです。
社会復帰する上で大切なことは、人に迷惑をかけることを怖がらずに、諦めないこと。
障がいというちょっとしたハンディを「自分の個性だからしょうがない」と受け止めて、自分のレベルにあった目の前の目標をこなしていくことで、社会復帰に対する意欲も湧いてくると思います。
ランドネットで働き始めて実際に感じたことは、企業側も障がいを理解しようとしてくれていて、差や孤独感も感じさせないことです。だからこそ、私に出来る範囲のことを精一杯励み、出来るだけ貢献できるようになりたいと、働く意欲も湧いて、現在頑張れています。
双方が歩み寄る気持ちを察知し理解することで、障がい者雇用の際に感じる認識のズレが少しでもなくなればよいなと思います。