コミュニケーションなんて言葉が溢れている昨今。
木工の仕事において、
実は一番重要ではないかと思われる能力は、
このコミュニケーション能力。
スタッフ同士で打ち合わせる際も、
極力つくる時間を減らしたくないので、
いかに簡素で端的に、
でも漏れなく意思疎通するかはとても重要。
ましてや、相手が手を動かしているときに
相談するタイミングと内容は、
選択を誤ると人間関係が深刻なものになりかねない。
もっといえば怪我につながることもある。
そういえば修業時代に親方の様子を伺いながら、
いつ相談報告すればいいのかを
作業しながらずっと伺っていた覚えがある。
クライアントとのコミュニケーションなんて
いうの及ばずだが、
実は想像以上に難しいこともある。
そもそも機能的なところ以外は
デザイン要素に依るところが大きいため、
質問すること自体野暮なのだ。
だから、やりとりから汲み取っていく。
直接的質問は相手がつまらなくなるばかりか、
面倒に思わせることすらある。
ひたすら雑談を繰り返し、そこから要素を汲み取っていく。
わたしなんて一般の人と比べると、
趣味も生活も性格もずれているから、
雑談もなかなか噛み合わない。
そこを話術で強引に引きこみたいが、
うまくいかないことだってある。
でも大事なのは前向きに対話したいなって、
ひたむきに思い、声を発すること。相手の声を聞くこと。
心地よいって思ってもらえるように誠意を尽くすこと。
きっとそれを含めての、ものづくりだから。