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CREATORS’s STORY|Designer 髙橋 桃子|見栄えだけではない“綺麗に整える”デザイナー

全スタッフの中で在籍期間が一番長く、クジラの成長・変革を支えたデザイナーである髙橋 桃子。

同年代のスタッフからもスピード感が欲しいプロジェクトなど、ここぞというときに指名される対応力の高いデザイナー。

デザイナーとしてのルーツやプロジェクトとの向き合い方などを、代表の矢野、ディレクターの平林がインタビューしました。

デザイナーとしてのルーツ

矢野:潤くん(平林)が2020年に入社して、最初にプロジェクトメンバーになったデザイナーって桃ちゃん(髙橋)じゃない?

平林:そうですね!

最初は、真面目でおとなしいイメージで、「ちょっとオタクっぽい…?」くらいの印象でしたね。笑

平林:社内の会議でも、お客さまへの提案でも結構しゃべる姿を見てからは印象が随分変わりましたね。

矢野:専門学校卒業して入社してきたときはまだ20歳やったのに、こんなに大きくなって…

入社したばかりの頃は、仕事してるイメージよりご飯たくさん食べるイメージやったわ!

平林:僕が初めて一緒にやったプロジェクトでは、お客さまへの提案資料もすごく良かったんでちゃんと“仕事デキる”イメージでしたよ!

オリジナル洗面を提案するときのCGパース資料に感動して、記念撮影したくらいです。

矢野:いやぁ本当に素晴らしい。娘の成長見てるみたいやわ。笑

じゃあそんな桃ちゃんの経歴あたりから聞いていこうかな。

髙橋:なんかすごく恥ずかしいですね…

髙橋:工業高校卒業後に、中央工学校OSAKAのインテリアデザイン科を卒業して、2016年にクジラに入社しました。

高校進学の時は、産業デザイン科か建築科で悩んだけど、ギャルが多い産業デザイン科を避けて、建築科に進みました。笑

構造的な勉強が多かった高校時代に、パソコンを使って空間のインテリアを考えるのがすごく楽しくて。就職も一応考えたんですけど、ピンと来なかったので専門学校に進学しました。

矢野:そしてクジラに面接に来たわけやなぁ。

平林:20歳で入社してからの成長ぶりを聞いていきましょう!

Works|Designer 髙橋 桃子

戸建リノベーション

平林:この戸建リノベーションはものすごく遊び心満載の案件っていう印象。

髙橋:お客様がしっかりと自分達のこだわりを伝えてくれる印象でした。

平林:アウトドアっぽいイメージの要望が多かった?

髙橋:キャンプ好きなご夫婦だったので「土間収納を作ろう」「庭先でキャンプしたい」というお話も聞いてました。
特に土間収納では、広さや細かい仕様などをたくさん議論させて頂きました。

矢野:土間収納のデザインテイストを2パターン出すって珍しいよね。

髙橋:実際にはこれ以外にも、木目の縦向き・横向きを提案したり、棚板の位置と収納力をお客様と議論しましたね。

髙橋:最終的に「土間収納を広くすることで、第二のリビングのような使い方はどうですか?」と提案したのが採用されたのが嬉しかったです。

矢野:第二のリビングって暮らしを豊かにするポジティブなイメージが思い浮かんでいいね!

髙橋:リビングのプランもすごくこだわりました。

①ダイニングテーブルなどを置かず、リビングの床でゆっくりしたい
②キッチンに立つ奥様と、リビングに座ってくつろぐ旦那様の目線の高さが合うようにしたい。
③リビングの開放感は確保したい。

髙橋:お客様のリビング周辺への希望をしっかり実現しようと思った時に、「リビングの床を上げると、圧迫感が出る」「リビング部分・キッチン部分・その他の動線の配置が難しい」などの課題が出てきました。

矢野:プラン図面ってお客様の暮らしに3次元で“不都合・不便が無いか?”を検証しないといけないから大変よね。

髙橋:そうですね。そんな時にリビングとは別件で、断熱工事について施工管理スタッフと話していたのですが、屋根の葺き替え工事の際に外部から断熱工事をする方法を選べば、リビングに吹き抜けを作ることができるし、同時に天井部分の下地を現しにする見せ方も実現可能なことに気づきました。

矢野:リビングのこの開放感、本当に良いよね。

髙橋:リビングの真上にあたる居室を解体して吹き抜けを作るというプランにお客様もご納得頂けたので本当に良い空間ができたと思います。

オフィスリノベーション

矢野:今日お邪魔しているこのオフィスもデザインしたよね。

髙橋:エントランスやオリジナルデスクの塗装をしたのが思い出です。オフィスとして使うお客様の事業に対する想いだけでなく、こだわりや特徴もたくさん伺ってプランしました。

▼オフィスリノベーションのお客様インタビュー

インタビュー|育てるから、愛せる。クジラとRANA TAILが創る新しいオフィスの形
こんにちは、クジラ株式会社です。わたしたちは、未来に繋がる「カッコいい」を創るワンストップリノベーションチームです。 今回は、2年前にオフィスリノベーションを行った株式会社RANA TAIL(ラナテイル)の坂本様とクジラ代表の矢野の対談を実施。オフィス完成に至るまでの裏話と、新オフィスで働くメンバーのリアルな反応をうかがってきました。 ― ...
https://kujira.ltd/magazine/19636/

矢野:もともとクジラとお付き合いのある会社のオフィスリノベーションだったけど、お客様側のどんな部分に注目してデザインに反映させたとかある?

髙橋:お客様が「既存のオフィスで使用しているホワイトボードがすごく使いやすい」とおっしゃってたのが気になって。同時に「新オフィスではホワイトボードを壁に設置するときに、スマートにしてほしい」という要望も頂きました。

髙橋:クジラのホワイトボードを見るたびに、「古くなってくると、(文字を)消した跡が残ってくるなぁ」とも思っていたので、このプランでは使いやすく、清掃しやすく、かつスマートになるような方法を考えました。

かなりの数のホワイトボードをネットで検索した結果、全ての条件を叶えるホワイトボードが販売されていることを知って、それを会議室に設置することが決まりました。

矢野:よし、クジラのホワイトボードも変えよう。笑

デザイナーとしてのステップアップを感じた瞬間

矢野:2022年春、入社7年目を迎えるけどここまでのデザイナー生活の中で、ステップアップを感じた瞬間ってあった?

髙橋:2020年にSEKAI HOTEL Fuseの客室デザインをやった時ですね。

髙橋:SEKAI HOTEL Fuseとしては7軒目のリノベーションでした。

翔さん(デザイナー/松尾)がSEKAI HOTEL Fuseの全体的なデザインコンセプトを「泊まれる町工場」にしていて、今までの6軒がそのコンセプトをしっかり体現してきていたので「これは失敗できないな」という気持ちでいっぱいでした。泣

このプロジェクトのデザイナーがまだ誰か決まっていない時に、同年代のスタッフに「立候補したら?」と薦められて思い切って手を上げました。

矢野:ステップアップに繋がった部分はどんなところ?

髙橋:「これぞリノベーション」というプロジェクトでした。

とにかく「どこを残すか?」「どこを新規で作るか?」「再利用できる材料は無いか?」など、現場に足を運んでは、大工さんやチームメンバーと打ち合わせをして、すぐに図面などの資料修正…ずっとこれの繰り返しでした。

特に「古いものをどう使うか」についてはとても良い経験になりました。

矢野:現場の解体工事で出てきた廃材を、うまく綺麗にして空間に再利用してたよね?

髙橋:キッチン上の壁面と、外壁部分に使いました。

髙橋:さらに外部はシャッター上の部分もそのまま使ったので、商店街の景観を変に変える事なく進めることができたかなと思います。

矢野:話を聞いてると、かなり濃厚な経験になったみたいやね。どんなところがデザイナーとしてステップアップしたと感じてる?

髙橋:予算の使い方のメリハリですね。

デザイナーとしての手間をかけても、コストはしっかり予算内に納まるように「どこにお金をかけるべきか」という感覚をこのプロジェクトで掴めたと思います。

クジラのデザイナーとして

平林:普段デザイナーとしてこだわっているところも、ディレクターとして聞いておきたいな。

髙橋:うーん、上手く言えそうにないんで1時間くらい待ってもらっていいですか?笑

矢野:髙橋先輩がそこまで言うなら待とうか。

平林:待ちましょう。笑

髙橋:うーん…。

デザイナーって自分が提案したもので、お客様の白黒はっきりする結果重視の仕事ですよね。でも、一番重視される出来上がり以外にもこだわりたいなっていつも思っています。

矢野:どんな部分?

髙橋:CGパースとかはわかりやすくデザインって感じの制作物ではなくて、お客様や職人さんが見る図面とか詳細資料ですね。

膨大な情報をやりとりするための図面や詳細資料なので、“綺麗に整える”ことを大切にしています。

平林:完成したものだけでなく、プロセスがスムーズに進んでいくように段取りするのもデザイナーの仕事ってことかな?

髙橋:そんな感じですね!

綺麗に整える

髙橋:私結構すぐ忘れちゃうんで、とにかく「その日にやる」ことをこだわっています。

自分の仕事が遅れたり、やる事を忘れてたりすれば支障が出るのはまず現場ですし、支障が出て謝りに行くのはディレクターですよね。

トラブルが起こらないにしても、お客様も含めたプロジェクトチームが円滑に回るように図面や詳細資料はとにかく即日作業して、細かいところも綺麗に整えるようにしています。

入社当時のデザイナーの先輩に「とにかく即日やること」を厳しく言われて、続けてきて良かったと思います。

矢野:プロジェクト全体を良い結果に導くために、デザイナーが“綺麗に整える”ってめっちゃ良いなぁ。他にも何かこだわっていることある?

髙橋:お客様にも社内メンバーにも雑談を増やす事にこだわっています。

前述した戸建てリノベーションでの土間部分の話でも、お客様の要望とディレクターの意見は「土間収納を作って、庭でちょっとしたキャンプができるように」っていう内容だったんですけど、お客様と雑談を重ねるうちに、“お客様が庭でキャンプしている”イメージがどうしても湧かなくて。

そこで直接的なニーズだけでなく、雑談から得た情報を参考にお客様のインサイトについても予想できたので、「第二のリビング」っていう提案に喜んで頂けたと思っています。

矢野:すごくコミュニケーションを大切にするデザイナーやなぁ。

髙橋:コミュニケーションで言うと、社内では会話の内容を“疑う”ようにしています。

矢野:プロジェクトメンバーの意見を疑うってこと?

はい。お客様に一番近いのはディレクターですけど、実際にそこに住んだり使ったりする主役はお客様なので、社内で出たアイデアにも「本当にお客様目線になっているアイデアなのか?」と考えるようにしています。

矢野:チーム全体のパフォーマンスまでデザインしているような印象を受けるね!本当にちゃんと整えられている。

矢野:最後にこれからについて聞いてもいい?

髙橋:クジラって一定のスキルが認められると名刺の色が黒に変わるじゃないですか? ここからは黒名刺になれるように努力したいなって思っています。

具体的にはお客さまの潜在的な欲求をデザインで返して(翻訳して)、感動してもらえるような仕事ができるようになりたいです。
リノベーションのアイデアをデザインで「ジャンプアップさせる」ようなイメージですね。

そのためにも、他のデザイナーの良いところを模倣することも地道に続けつつ、デザイナーとしての引き出しを増やしていく必要があります。普段から、ふと「良いな」と直感的に思った建物だったり、空間のディティールを写真に残しておくようにしてるんですけど、今後は「なぜ良いと思ったのか」を自分の言葉で説明できるように努力していきたいと思います。

建築系の人って理系の人が多いけど、文系の人が得意とするような抽象的な価値の言語化にもチャレンジしていこうと思っています。デザインする上で重要な「言語化しづらいイメージ」についてもうまくお客様やチームとコミュニケーション取れるようにがんばります!

ポートフォリオ|Designer 髙橋 桃子

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