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世界を測るものさしとは何か? 働き方を選ぶ

きっと働いていると、上手くいかないことも出てくることかと思います。そんな時、自分のいる世界に、その世界限定のものさしの存在を強く感じる事と思います。平たく言えば、評価基準や判断基準、思考パターンです。私も業務の中で気付きがあったのでいくつかお伝えしたいと思います。


たとえば普段、私たちが問題にぶちあたった時、どう対応するでしょうか?

科学的思考法

おそらく、ひとつひとつ確認して何が起こったのかを把握しようとすると思います。「分ければわかる」ことを前提にどうすれば問題が起きないか?を考えます。質より量の世界です。これは科学的思考法と呼ばれ、問題を切り分けて単純化した現象で理解するという手順を踏みます。特に日本のものづくりの現場ではこの方法が根強く支持され、今も日本の技術力の源になっています。今あるものを安易に転用しないので、当初の目標の変更は考えずに高度で難易度の高い物事にチャレンジする事になります。クリアした暁には高度な技術と数多くの経験に裏打ちされた勘が養われます。結果的には量をこなすことで質を確保できるのです。しかし、問題が複雑な場合、時間不足か体力切れで最終目標までたどり着かないリスクが付きまといます。原因を取り除くことで問題を改善していきますが、その原因が複数ある場合は検証するパターンが多くなり、時間や体力が足りなくなるのです。万能ではなく、使い方を間違えるといたずらに時間と体力を浪費していくことになります。また、対処療法にとどまり、根本的改善に至らないことも多くあります。キーワードは「なぜ?」。

*この思考法を実践する際に、なぜなぜ分析がよく出ますが、注意があります。なぜなぜ分析が効果を発揮するのはあくまでも原因の追究の時であり、原因が想定の範疇を超えた納得できるものではない場合も当然あります。しかし、普通は当たりをつけて検証していくかと思います。この場合、答えを狙いすぎると目標を外れる危険や答えをそのまま受け入れられなくなる可能性があり、答えを歪めることにつながります。原因追及や改善は有効な手法ですが、自分の想定が完全に正しいという前提で進めていくと思わぬタイムロスにつながってしまいます。

カラシニコフの設計思想

一方で「カラシニコフの設計思想」というものがあります。こちらは量より質を重視します。設計段階で基本的な性質として決定されるその前に防止対策を打ち、未然防止を試みるというものです。極端条件から問題の発生のしにくさを考えます。そのため、どこまでやれば問題が起きるか?から問題ない状態を割り出すのですが、ピンとこないかと思いますので簡単に説明します。カラシニコフの設計がすごいのは、泥に汚れ、砂にまみれ、強い衝撃を与えられたとしても壊れない製品を作ったことにあります。過酷な環境下でも確実に機能する製品を作りました。どんなに機能性に優れていても何かの理由で機能しない製品が多い中で、機能性は普通だけどいつでもどこでも使える製品を作ったのです。その製品は作りが単純で扱いやすいものとなりました。この、カラシニコフの設計思想では極端な数値を選んで数を絞るので、細かく一つ一つを見ていくことはしません。予測に対する信頼度・精度がより高いサンプルを選んでいきます。これなら問題の量によって対策を割り出す時間が左右されることはありません。しかし、早い段階で手を打つ必要があります。医療業界で言う『予防』にあたります。

*日本製品は様々な仮定・検証・改善を繰り返す中で、起こり得るトラブルを防ぐような製品の設計をしていくようになりました。その為、上質で信頼性の高いものを求めるようになったのです。その最たる例が車です。私は前職、車にも関係する仕事だったのですが、日本製の車は初期コストが高いものの、購入後20年は使え、壊れにくいことで評判でした。最近では壊れた時を想定した設計になっている為、壊れても修理が簡単で修理代がかからずトータルで見ると意外に安いです。耐久性に優れています。ちなみにアメリカ車や韓国製の車は安くて故障してもそこまでひどくはありません。トータルでは普通です。ドイツ車は持っているとステータスになりますが、故障したときの壊れ方は激しく修理代が高くつきます。(例えば、BMWのクーラントホースやエキスパンションタンクなどの故障による水漏れは経年劣化で起きやすい故障ですが、一度故障すると走行不能になったりします。故障を防ぐメンテナンスはこまめに欠かせない車と言えます。中古車の場合、劣化の程度を確認する必要があり、目安は大体製造から5年です。BMWはそもそも安全性重視の観点から定期的なメンテナンスを前提として作られている車のため、パーツ交換はこまめに行う必要があります。あまりメンテナンスしなくても済むことを重視する日本と違い、海外ではメンテナンスしながら長持ちさせることを重視しています。)

評価

バリデーションとアセスメントが普段多く目にする評価方法かと思います。①アセスメント:査定や評価、見積を使い、レベル別に数字を振り分けて数値がいくつか見る方法です。成績表で言う5段階評価などです。通常、業務をこなしていると定量化することで実力や価値を見定めようとする場面は多いかと思います。②バリデーション:認定・承認、検証で、基準に達しているのかいないのかを見ます。合否判定によって、合致していることを証明しようととします。成績表で言う『可』『不可』などです。

よく、SPIとかIQで適性診断!とか言うかと思いますが、最近では『それだけでは人間の価値を測ることはできないのでは?』と言われるようになってきました。そして、『IQよりEQで優秀人材を~』という話が出てくるようになっていますが、そもそも定量的に人間の能力を測って良いものなのか?という疑問が根底にあるように感じます。

…とまあ、ここまでまじめに考えてみましたが、ちょっと息抜きがてら別の視点で考えてみます。組織という世界では評価される場面が増えると思います。では、どこが評価を左右するのか?考えてみました。ものさしとはちょっと違うかもしれません。しかし、おそらく物事を進めるにあたって関わってくるひとつのポイントなんじゃないかなと思います。

器用か不器用か

最近、気付いたのはコレです。器用な人と不器用な人はやっぱり違います。自分が器用か不器用か?を知る簡単な方法は、「一発でまっすぐに紙を切れるか?」です。大抵、器用な人は1回から数回でクリアします。不器用な人は5回以上やっても多分少し歪みます。※紙を一発でまっすぐに切ること自体は訓練によって可能です。内容によっては、経験を重ねることでさまざまな要領を掴み、コツがわかりやすくなって結果的に器用になることは出来ます。※私は不器用な方なのですが、器用な人の強みを目の当たりにしてある意味、納得しました。(正直、設計の現場でやっていくなら手先が器用な人の方が向いているのかも?)

ここからもう一歩発展させると、器用で頑張らない人不器用だけど頑張る人の存在が見えてきます。この中でレアタイプは、器用だけど頑張ってきた人です。最強です。周りの人にプラスの影響を与えながらガンガン出世します。出世スピードは並みではありません。逆に、器用で頑張らない人が組織の管理職になってしまうと、会社に不和と不信をもたらします。一生懸命の気持ちがわからないからです。結果、ある時、努力せず選んだ小手先のテクニックが通用しない状況におちいり、上手くできなかった他人を責め始めます。今まで自分のおかげで物事スムーズに行っていたのに、上手くいかなくなったのは他に要因があるに違いない、と考えがちだからです。これを放っておくと責められた人間がどんどんいなくなり、最終的に『自分以外、誰もいなくなる』なんて恐ろしいことになります。このタイプは管理職になってつまづきやすいです。器用な人は上手くいかないケースにぶち当たると、それを乗り越えるのが結構大変です。ひどくすると『なんでも上手い事やるけど、そこそこ止まりだよね』と言われて傷ついたりします。正直、精神的に打たれ弱いです。しかし、もしそうなっても大丈夫です。器用な人は頑張ると普通にすごいのです。無意味に思える失敗の連続から成功が生まれる瞬間があるのを理解すると最強です。ちなみに、不器用な人は失敗することに比較的慣れているので忍耐力があり、失敗したときのダメージも普通です。また、ある日失敗の中から何かを発見したりします。

要領の良い人とどんくさい人

上記の器用さと似ているかもしれません。しかし、要領のいい人とどんくさい人は求めるものが違います。要領のいい人は物事の丁度いい加減を知っています。やりすぎたり不足することがなく、最小限の労力でそこそこの結果を出します。ココぞというところだけ丁寧にやるのです。また物事の機微がわかるので、言われなくても不足した情報を適当に自分で補います。要領がいい人は、物事をシンプルにとらえて考えます。テーマは、どこで手抜きできるか?』しかし、どんくさい人は周囲の期待に100%答えないといけないと思い込みがちです。理想とのズレを恐れるので、自分で情報の不足を補えません。要領が悪い人ほど考えすぎて、自分で物事を複雑にしがちです。テーマは、どこまで完璧に近づけるのか?』この両者の求めるものの違いは精神面での負担に大きく表れます。正直、完璧になんて普通達成できません。しかも、どんくさい人の方がプレッシャーが大きい中で成果を出そうとするので難易度が高くなります。成功確率が下がるのです。時に物事の組み立てが上手く、甘え上手で気配りもでき、立ち回り得意な世渡り上手である要領のいい人がうらやましくなることもあります。しかし、先程書いたように、要領のいい人というのは器用な人と同様、失敗する機会が少ないのです。失敗経験の積み重ねからコツを身に着けていった人には勝てません。ちょっと上手くいかないとすぐに投げ出してしまうのです。また、どんくさい人の強みは、失敗で身に着けた忍耐力と精神力です。今の世の中、短期でそれなりの成果を求められる職場が多いかと思いますので、どちらかというと生きずらいかもしれません。しかし、悪いことばかりではありません。また、時間をかければ要領をつかむことも可能です。どの分野も最初は継続と忍耐が必要不可欠なので、時間勝負になればこちらのタイプの方が大成することがあります技術を習得するのに必要なのは「どんなに成果が出なくても、やり続けることができる」ことです。

やりたいことをやるのか、できることをやるか

これは自分が何をしたらいいかわからなくなった時や、何を判断基準にしたらいいか迷った時に考えることがあるかもしれません。人事担当が、研修期間中でまだ所属部署が決まっていないメンバーに言っていた言葉でずっと印象に残っているものがあります。熱く語っていました。

「いや、俺は今何ができるかは聞いてないんだよ。何がしたいの??…これができます!って言ってやってみて、でも実際は周りより出来なくて諦めてばかりでしょう。多分、自分が出来る事だけで考えたら、貴方より出来る人は現状沢山いるから、このままだとできる仕事が見つからないよ。けど、何がしたいかによって、その人より出来るようになる可能性はあるでしょ?今は、何ができるかじゃなくて何をしたいか聞いているんだよ、俺は」

一見、厳しい事を言っているようにも聞こえたのですが、しかし、愛のある言葉だな!と思ったものです。当時、私は設計部で全く別の業務をしていたのですが、近くで聞いていて納得感しかありませんでした。当時はできるとは言い切れないものの、やりたい仕事をやっていました。毎日大変でしたが、充実していました。実力不足を実感する毎日でしたが、それでも嫌とは思わなかったです。今は設計事務として頑張っていますが、またやりたいことを見つけたので出来る事はまだ少ないものの何とか続いています。多分、周りよりできることを仕事にすることは上手くいきやすいです。でも、周りよりできる事がないと思っている人については、やりたいことを仕事にしても上手くいくと思います。


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