What we do
Kei Ishikawa Consulting Inc. は、グローバル事業を進める企業——日本発の企業が海外に展開する場合も、海外発の企業が日本に進出している場合も——その本社と現地の間にある構造的なギャップを診断し、再設計する仕事をしています。
具体的には、以下のようなプロジェクトを引き受けています。
1. Japan GTM Diagnostic (3〜4週間)
本社側 (HQ) と日本側 (現地) の双方を一次情報として直接ヒアリングし、組織・市場・意思決定プロセスの構造的ギャップを診断するパッケージです。最終成果物は、本社向けの構造ギャップマップ、HQ↔日本のコミュニケーション断裂の特定、そして90日のアクションプランをまとめたレポートです。
短期間で「何が本当の課題なのか」を構造的に整理することで、次の意思決定の精度を上げることを目的としています。
2. Strategy & Execution Framework (4〜6週間)
診断の結果見えた構造課題に対して、戦略レベルでの再設計を引き受けるプロジェクトです。マーケティング戦略の組み直し、HQ↔現地のガバナンス再設計、KPI と定義の整合など、具体的な「打ち手の設計図」を作るところまでを担当します。
3. Governance & Alignment Support (8〜12週間)
大規模な変革や、複数の部門・地域をまたぐガバナンス再構築が必要なケース。本社の経営層・取締役レベルとの議論まで含めて、組織全体のアライメントを取り直す中長期の伴走を引き受けます。
4. 月次顧問・四半期レビュー (中長期)
診断や戦略設計を経たクライアントに対して、その後の運用フェーズでの継続的な伴走を行います。月次顧問契約、または四半期に一度のレビューセッションを通じて、構造の維持と微調整を支援します。
---
業界は特定の領域に絞っていません。B2B 産業機器、医療機器・製薬、エンタープライズ SaaS、消費財ブランドなど、多様な業界の HQ↔Japan 案件に関わってきました。
「マーケティングだけ」「セールスだけ」という機能単位の支援は行いません。事業全体の構造を見て、必要な打ち手を逆算するアプローチが、私たちの仕事の中核です。
Why we do
理由は、ふたつあります。
ひとつめは、構造的にこの「司令塔機能」が組織から消えていく時代だからです。
グローバル化が進んだ過去 20〜30 年で、多くの企業は「地域別の組織」をフラット化してきました。Japan VP、International President、Regional Head——かつて存在した「本社と現地を翻訳する役割」が、組織図上から削減され、代わりに機能別のグローバルチームが直接現地と接続する形に変わっています。
効率化としては正しい判断でした。しかし、その過程で「意思決定の翻訳者」が組織内に存在しなくなり、本社のロジックと現地の現実が、構造的に擦り合わせられない状態が常態化しました。
代理店やパートナーは、与えられたスコープを実行するのが仕事です。彼らに「組織横断で目的を統合する司令塔」になることを期待するのは、構造的に無理があります。
その「翻訳者の不在」が、グローバル事業の成功確率を構造的に下げている——これが、私が今この仕事をしている理由です。
ふたつめは、私自身が本社側と日本側、両方の現場に長期間いた経験を持っているからです。
新人マーケターだった頃、私は日本の現場で、海外本社から降りてくる戦略を実装する側にいました。本社のフレームは美しかった。けれど、日本の現場では必ずどこかが噛み合わない。顧客の意思決定のタイミング、代理店との関係性、社内の決裁プロセス——本社のフレームでは見えない layer で動いているからです。
その後、ある米系の B2B 企業で、本社マーケティング側に embedded で入る役割を任されたとき、今度は逆向きの視点を持つことになりました。日本側のリアリティを本社の意思決定に翻訳する立場です。
両側にいた経験から見えてくるのは、本社も日本も「自分の正しさ」で動いているのに、その間の翻訳が誰にもできない、という構造の不在でした。
その役割を、職業として引き受ける人が必要だと、強く感じるようになりました。
「マーケティングは施策ではなくビジネスである」——この原則を、日本と世界の間でもう一度当たり前にすること。それが、Kei Ishikawa Consulting Inc. を立ち上げた理由です。
How we do
私の仕事は、必ず「上流 (upstream)」から始まります。
戦略の前。施策の前。最初に時間をかけるのは、以下の 4 つを徹底的に理解することです。
- ビジネスモデル:何で売上を作り、どこで利益が出ているのか
- 市場構造:日本市場の競合、チャネル、顧客セグメントが、本社の理解とどうズレているか
- 顧客の意思決定動線:実際に決裁者が何を判断材料にしているか
- 組織のコンテキスト:本社と現地の権限分担、KPI 設計、コミュニケーション経路
ここを飛ばして「マーケティング施策の最適化」から入ることは、私はしません。場合によっては、ヒアリングの結果として「今はマーケティング施策を増やすべきではない」「現在の代理店契約を整理する方が先」「そもそも本社が想定している ICP が、日本市場で機能していない」といった結論に至ることもあります。
---
ヒアリングは、両側を一次情報で直接行います。
これが、私の仕事の差別化要素です。
本社側 (HQ) と日本側 (現地)、それぞれのキーパーソン3〜5名に、私自身が直接インタビューします。通訳や翻訳業者を間に挟みません。本社側は英語で、日本側は日本語で、両方ネイティブレベルで聞き取り、ニュアンスや暗黙の含意、組織内の力学まで含めて読み取ります。
代理店や大手コンサルが「報告書」を納品するのに対して、私が納品しているのは「文脈の中での判断」です。これは、両言語ネイティブで、両側の現場経験を持つ人間にしかできない仕事だと考えています。
---
プロジェクトの規模は、テーラードに設計します。
クライアントごとに、診断スコープ・成果物・フォーカス領域を柔軟に組み直します。大手の標準フレームをそのまま当てるアプローチは取りません。
3〜4週間の短期診断から、8〜12週間の Governance 再設計、そして月次顧問契約による中長期の伴走まで、文脈に応じて最適な engagement model を提案します。
---
最後に、私は「全部やります」とは言いません。
広告運用、キャンペーン実行、コンテンツ制作、デマンドジェネレーション——これらの実行レイヤーの一般受注は、原則として行っていません。私の強みは、その上流の「設計図」を作るところにあり、実行レイヤーを抱え込むと、本来の司令塔機能としての判断力が鈍るからです。
クライアントが既にお付き合いしている代理店・パートナーを活かす形で、構造を整え直すのが基本姿勢です。
「施策の前に、構造を整える」——これが、私たちが仕事を進める基本のやり方です。