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|まちづくり領域記事|「関わりしろ」をデザインする—6curry&が創る新しい飲食店の形

※本記事は、当社が運営する会員制スパイスカレー店「6curry&」のnote記事の転載です
 ぜひ、6curry&の公式ページも訪れてみてください!

本記事は、6curry&というサービスが「他社の飲食店やコミュニティと何が違うのか」「社会に対して何を提供しているのかーを「関わりしろ」というテーマで自分達のサービスを定義した考察記事です。
(書き手:6curry&店長 一平さん)

目次

  1. ポジショニングの再考:食を楽しむ場か、つながりを楽しむ場か
  2. 6curry&が提供する「関わりしろ」
  3. 関わりしろの例
  4. 他店との比較:ポジションから見た6curry&の狙い
  5. 6curry&の未来:関わりしろをさらに拡張するために
  6. 結びに:関わりしろを持つ飲食店がもたらすもの

改めて、私が6curry&を始めたのは、ただ美味しいカレーを提供するだけではなく、食を通じて人と地域をつなぐ「場」を作りたいという想いからでした。6curry&は「食べる」だけではなく、食を共に「創る」体験をデザインすること。つまり「関わりしろ」のある飲食店を目指しています。

ポジショニングの再考:食を楽しむ場か、つながりを楽しむ場か

6curry&の成長とともに、私たちは常に「この店がどうありたいのか」を考えてきました。私が考える6curry&のポジションは、単なる「食を楽しむ場」に留まらないものです。もちろん、美味しいスパイスカレーを楽しんでもらうことは大前提です。しかし、それだけではなく、6curry&では人と人がつながり、新しい価値や体験を共に作り出す場でありたい。

そこで、6curry&をポジショニングマップに落とし込むと、縦軸には「食を楽しむ場 ↔︎ つながりを楽しむ場」、横軸には「関わりしろがない(消費体験)↔︎ 関わりしろがある(共創体験)」という軸が見えてきます。

↑食を基点とした場のポジショニングマップ

この軸に沿って私たちの立ち位置を見つめ直したとき、これまでは右下の「繋がり」を第一優先にしてきましたが、まずは「食を楽しむ場」からスタートしていくことにしました。

この決定は、前回の記事で書きました「アソシエーション」と「コミュニティ」という切り口から思考してきました。

そして、コミュニティはアソシエーションの先に輪郭を成すものと捉え、6curry&は「食を楽しみながらも、関わりしろのある場」を狙うべきだという答えにたどり着きました。

6curry&が提供する「関わりしろ」

では、具体的に6curry&ではどのような「関わりしろ」をデザインしているのでしょうか。

まず、6curry&は会員制を採用しています。これは、来店する人がただお客様として食事を楽しむのではなく、私たちと一緒に店を作っていく「メンバー」として関わってもらうための仕組みです。
例えば、「一日店長」というプログラムを通じて、メンバーが店の運営に参加し、新しい発見や挑戦をする機会を提供しています。これにより、食事を提供するだけの一方通行の関係ではなく、共創する体験が生まれます。

次に、6curry&のもう一つの大きな柱であるスパイスカレー。私たちは、地元の農家と協力して、地域の食材をふんだんに使ったカレーを作っていきたいと考えています。
このプロセスにも、ただ仕入れて提供するのではなく、農家さんとの対話を重視し、時には一緒にフィールドに立って新しい料理のアイデアを生み出していきたい。こうした地域との関わりも、私たちの店が持つ「関わりしろ」の一環です。

関わりしろの例

食材を作る(畑部の活動で種まき、土づくりをする様子)

料理をつくる(発酵部が調味料を作る)

飲食店を作る(メニューを書く、お皿洗いをするなど)

空間を作る(可動式のテーブルで最適な配置をみんなで作る)

つながりを作る(エプロンを着て、スタッフと一緒に人を繋ぐ)

他店との比較:ポジションから見た6curry&の狙い

他の飲食店と比べて、6curry&の独自性を語るために、他社の事例にも触れたいと思います。

消費体験寄りの飲食店として、例えば高級レストランを挙げられます。これらの店は、洗練された料理を提供し、お客様がその味やサービスを受動的に楽しむ場です。顧客は食事を消費し、満足感を得る。しかし、6curry&とは異なり、食に関して能動的な関与は少なく、提供されるものを「受け取る」ことが基本となります。

一方、つながりを重視する飲食店の例としては、シェアキッチンやコミュニティカフェがあります。ここでは、料理を作る過程そのものが重要視され、参加者同士の交流が主な目的となっています。しかし、食そのもののクオリティは必ずしも重視されていない場合や、既に存在しているコミュニティ内のクローズな関係に留まり、専門的な食体験とは異なる軸で運営されることが多いです。

6curry&の未来:関わりしろをさらに拡張するために

私たちが目指す未来は、「関わりしろのある飲食店」をさらに拡張し、地域全体を巻き込む場を作ることです。今後は、新しいプログラムとして、メンバーが地域の食材を使ってカレーの開発に直接参加する「カレー創りワークショップ」を企画しています。また、地域イベントやマルシェへの出店も増やし、より多くの人に6curryの世界観を体験してもらいたいと考えています。

また、ブランドとしての認知拡大にも力を入れています。これまでのコミュニティ的な場づくりに紐づいていた「EXPERIENCE THE MIX」というコンセプトから、よりローカルでアソシエーション的なものを目指すためにコンセプトを一新いたします。(新コンセプトについては次の記事で!)

新コンセプトを軸に、食事を通じて地域を盛り上げ、人と人とのつながりをさらに強化していきます。私たちは食の力を信じています。そしてその食が人々をつなぎ、地域に貢献できる未来をデザインしていくのが6curry&の使命です。

結びに:関わりしろを持つ飲食店がもたらすもの

関わりしろのある飲食店という形態は、単なる「食べる」だけの体験を超え、そこに集う人々が能動的に関与し、共に新しい価値を作り出す場です。6curry&がそのポジションを確立し、私たちは食と人とのつながりの可能性をさらに探求し、未来を切り拓いていきたいと思います。

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