鎌倉新書の官民協働事業部で、自治体向けの営業として活躍する北村さん。BtoBの広告営業からキャリアをスタートし、現在は「おくやみコーナー設置」や「オンライン申請導入」といった自治体のDX推進を手掛けています。
営業スタイルの変化や葛藤、そして自治体伴走型営業の面白さについて、詳しくお話を伺いました。
1. ゼロからのスタート。「守・破・離」を意識して徹底的に行動した広告営業時代
――入社当初(2024年〜2025年7月)の担当業務を教えてください。
自治体で配布される「おくやみハンドブック」や「エンディングノート」といった終活関連冊子の広告枠を、地域の関連事業者様にご提案していました。掲載が決まった後は、広告のデザインや文言のアドバイスから校了まで一気通貫で担当。単なるテレアポにとどまらない伴走型の営業を行っていました。
――広告営業の現場で得られた一番の糧は何ですか?
一番の学びは「とりあえずやってみる」ことです。質を追うにも、行動数に裏付けられた自信やノウハウがなければ、商品の魅力を自分の言葉で語ることはできません。自分らしい営業スタイルを見つけるためにも、まずは既存の型で数をこなし、「守・破・離」を意識して行動することの重要性を学びました。
2. 「提案を直接コントロールできない」もどかしさと、自治体営業の壁
――2025年8月に自治体向け冊子の営業職へポジションチェンジされましたが、当時の心境は?
自治体営業は入社前から興味があった分野だったので、心機一転頑張ろうというフレッシュな気持ちでした。仮説をもとにストーリーを組み立てて提案することが好きだったので、提案相手が自治体職員様になることで、自分の強みがより活かせるのではないかとワクワクしていました。
――民間企業向けと自治体向けで、営業スタイルの違いや難しさはありましたか?
最大のギャップは「誰に向けた、どんな性質のツールか」という点です。
民間向け広告はターゲットの購買欲求を刺激する「尖った表現」やスピーディな成果が求められます。しかし自治体向けの冊子は、お年寄りや深い悲しみの中にいるご遺族など、すべての市民が安心して使うための行政インフラです。特定の層だけに響く表現ではなく、平易な言葉への翻訳や公平性・正確性が何より重視されます。
また、民間営業のように決裁者との価格折衝でその場の商談を覆すことはできず、どれだけ担当者様に熱意が伝わっても、判断は「自治体全体の方針や公平性」に委ねられます。提案を直接コントロールしきれないもどかしさを経験しました。
3. 「すべての市民が迷わず、安心して使える」行政インフラを届ける
――2026年2月からは「おくやみコーナー設置・DX推進」を担当されていますが、どんな価値を届けている実感がありますか?
誰もが望んでご遺族になるわけではありません。だからこそ、そうした方々の負担を直接軽減し、寄り添う仕組みづくりには非常に大きな意義があります。住民の皆様には「安心と利便性」を、自治体様には「業務効率化と質の高いサービス」を届けることで、地域社会を長く支え続ける行政インフラとしての価値を提供できていると感じています。
――自治体営業を通じて、ビジネスパーソンとして視野やスキルはどう広がりましたか?
その場での交渉が効かない自治体営業では、相手のニーズを仮説立てるだけでなく、近年の動向や周辺自治体の動きを踏まえた事前準備が不可欠です。「相手の状況を理解した上で提案している」と伝わるよう、自分なりのストーリーを乗せてアプローチする意識へと変化しました。
4. チームと自治体を巻き込み、壁を乗り越える
――ポジションが変わる中で、「変わらない営業の本質」は何だと思いますか?
「常に横並びでいること」です。扱うサービスや相手が変わっても、結局は人と人。上から目線にならず、下手に出すぎることもなく、対等な立場で相手と同じ視点を持って伴走することが最も重要だと実感しています。
――自治体とのプロジェクトで「ワクワクする瞬間」と「ハラハラする瞬間」を教えてください。
- ワクワクする瞬間: サービス導入の先にある「より良い未来」のイメージを担当者様と共有し、同じ目標に向かって走り出した瞬間です。
- ハラハラする瞬間: 公募型プロポーザルへの参加時です。定められた仕様に沿って厳正に審査されるため準備に余念なく取り組みますが、プレゼン中の相手の反応や鋭い質問があった時は毎回緊張感があります。
――社内チームや自治体担当者と協力して壁を乗り越えたエピソードはありますか?
現在取り組んでいる「おくやみコーナーの開設支援業務」は、庁内の複数課にまたがるヒアリングが必要な一大プロジェクトです。当初は各課の多忙さからスケジュールのズレや認識の齟齬が生まれ、頭を悩ませていました。
そこで先輩方に相談したところ、「職員の方が庁内調整しやすい伝え方やスタンス」のアドバイスをいただき、折衝方法を工夫。結果として各課との連携がスムーズになり、プロジェクトを軌道に乗せることができました。社内のバックアップと自治体様との協力関係があったからこそ乗り越えられたと感じています。
5. 今後の目標と求職者へのメッセージ
――今後、鎌倉新書で実現したいビジョンを教えてください。
地域や自治体ごとに「終活」や「おくやみ手続き」に対する考え方は千差万別です。画一的な提案が通用しない難しさがあるからこそ、現場で課題に直面する職員様や、ご遺族の心情に寄り添う「現場ファースト」の視点を磨いていきたいです。
将来は、自治体固有の課題を解消できる専門知識と高い折衝力を身につけ、「おくやみインフラの構築」プロジェクトを牽引できる存在を目指します。そして、「おくやみ分野において、誰もが迷わず安心できる行政インフラの確立」を実現していきます!