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- 長津(COO):カドベヤCOO/弊社WEBディレクターの長(おさ)的存在
- 宋(UID):UIデザイナー/台湾出身
- 古川(Dir):WEBディレクター/クリエイティブ部マネージャー
- 竹田(Dir):WEBディレクター/サウナのためなら全国に出没
- 森山(Dir):WEBディレクター/無類のガジェット好き
- 越智(Dir・UID):ディレクター兼デザイナー/SEO周りを担当
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🔳 〇〇なUIは、いいUI
宋(UID):以前イベントに参加したことがあるUX TIMESのメディアでおもしろい記事があったので紹介します。
(引用元:『悩まないUIは、良く出来ているUI』 著:UX DAYS TOKYO 公式)
長津(COO):おもしろそう!
宋(UID):心理学的に人の思考には以下2つのシステムがあるようです。
- 「考えなくても分かる思考システム」
- 「考えないと分からない思考システム」
1つ目のシステムは、「考えなくても分かる思考」です。
考えなくても分かる速い思考、直感に近い思考。例えば、泣いている子どもの画像をみた瞬間に「泣いている」と感じる思考です。
2つ目のシステムは、「考えないと分からない思考」です。
計算や論文など考えないと分からない遅い思考。この記事では、分かりやすく直感的なシステム1で処理できるUIが良いUIという話をしています。
例えば、三菱UFJアプリを開くと、ワンタイムパスワードの利用登録完了のモーダルがでてきます。(再設定する場合はOK、継続する場合はキャンセルをタップする表記)
長津(COO):何をするべきなのか分からなくて思考が停止するよね。
宋(UID):直感的にOKを押す人が多いと思うのですが、そうするとワンタイムパスワードの再登録手続きに進んでしまうんです…。
長津(COO):すでに登録完了しているのに、もう一度手続きしないといけなさそうなモーダルだよねw
宋(UID):モーダルの案内を読んだという意味で間違ってOKを押す人は多いと思います。
長津(COO):だまされちゃう(笑)
宋(UID):他にも案内板の事例が載っています。この事例だと、ユーザーの現在地の向きとマップの向きがあっていないので、ユーザーにとって優しくないUIになっています。
長津(COO):駅の案内板マップは、ユーザーの向きにあわせて設計しているから分かりやすいよね。
宋(UID):必ずしも北が上じゃないですね。実は、台湾の大学に通っていた時、初めて駅の案内板のヒミツに気づきました。多分、台湾では日本に倣ってユーザの向きにあわせた設計にしたんだと思います。
長津(COO):方向音痴の人にとっては、まず北を理解するところから考えるよね。だから、案内板で北を上にして設計しちゃうと、「考えないと分からない思考システム」になってしまうからUIとしてはいまひとつ!
🔳 UIとメンタルモデルの関係性
宋(UID):他にも心理学ネタが多くておもしろい参考資料がありました。
(引用元:『メンタルモデル』 著:hisshy)
長津(COO):メンタルモデルって?
宋(UID):デフォルトの考え、マインドシートです。
長津(COO):事象に対するみんなの共通イメージのことか。
宋(UID):そうです。例えば、紫色のリンクはクリック済みのリンクだと思いますよね?
長津(COO):慣れというか慣習だね。例えば、スーパーマリオで「ジャンプしたらクリボーを踏める」というメンタルモデルがあるけど、逆に、ジャンプして死んじゃうゲームだと違和感を覚えるよね(笑)
宋(UID):チュートリアルなしでいきなり始まるゲームもありますしね。
長津(COO):そうだよね。だからジャンプしたら死んじゃうゲームでは、1個目の敵でジャンプすると死ぬことをチュートリアルで学習させるよね。
長津(COO):反対に、メンタルモデルに全くフィットしていないのが、佐藤可士和さんがつくったコンビニのコーヒーマシーンかな(笑)
宋(UID):マシーンがシンプルすぎて、説明付きのシールがべったべたに貼られていますよね(笑)
長津(COO):LargeとRegularの表記が、左からR・Lになっていて違和感を覚えるよね。日頃、Left・Rightで慣れているからなのかな。正に、記事でいう「考えないと分からない思考システム」。
宋(UID):HOTとICEも人によっては認識するのに時間がかかると思います。ターゲット層にあわせた設計が重要ですね。
森山(Dir):逆にメンタルモデルを悪用したケースもありますよ。
古川(Dir):この間、Lサイズの飲み物を買ったのに、マシーンのUIにだまされてSサイズの所にカップを置いちゃいました(笑)メンタルモデル悪用されました(笑)
長津(COO):故意ではないと思うけど…間違った方向に誘導されちゃったのね(笑)
🔳 『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』
長津(COO):記事にある「2つの思考システム」は、ダニエル・カーネマンという行動経済学者の名著『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』に載っている下記の概念に似ているね。
(引用元: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
- 「ファスト」
- 「スロー」
「ファスト」は、メンタルモデルでいう慣れや定常性バイアスから連想される「考えなくても分かる思考システム」と似た考え。
過去の事象から予想される根拠のない思い込みだね。例えば、4回連続で女性が通ったから次も女性が通るだろうと思うのが、ファストの考え。
「スロー」は、統計的な思考・確率論から導き出される考え。
同じ話で例えると、4回連続で女性が通ったからといって次も女性が通るとは限らない、確率的に50%だと判断するのがスローの考え。
なんでこの話をしたかと言うと、たしか人間は「スロー=確率論」で物事を認知することは不可能らしい。だから、AIアシスタントと統合した「ファスト&スロー」の思考でもって、様々な事象を認知していきたい(笑)
話は戻るけど、「考えなくても分かる思考システム」にフィットするようなデザインを設計してしまえば、時としてデザインは人を騙すことすらできちゃうよね。やっぱりデザインはそれぐらい大きな力を持っているよね。
なので、より良いUIデザインの設計思想としては、今回の記事にある「2つの思考システム」や「ファスト&スロー」は善良なデザイナーに必要な思考概念だと思うので、みなさん興味あったら本も読んでね。
じゃあ今日はここまで。アディオス!
〆