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【スクエニLife】在宅勤務下でのコミュニケーション施策とは

スクエニLife

こんにちは。スクウェア・エニックス 人事部 大脇です。

スクウェア・エニックスの社員の働く環境にフォーカスした内容をお届けする「スクエニLife」。

今回は、在籍メンバー全員が在宅勤務を行っているローカライズ部に、「コミュニケーション」についての施策をお伺いしました。

在宅勤務制度導入後に中途入社したメンバーも多数在籍している部門での取り組みになりますので、是非お読みください!


ローカライズ部

ローカライズプロジェクトマネージャー 廣瀬敦子 / ジェネラルマネージャー 細川慎悟


現在のローカライズ部での在宅勤務の状況について教えてください。

細川:ローカライズ部の在宅勤務率は現在100%になりました。また、在宅勤務制度導入後の中途入社メンバーが約4割となり、在宅勤務前の会社を知らないメンバーも多くなりました。

自宅で作業が完結する業務でもありますしね。在宅勤務となる前と後において、部内ではどんな変化がありましたか?

廣瀬:大きく変わったのは、部署内のスタッフ同士で連携が取りづらくなったことでしょうか。部内アンケートを取ったところ、同じ職種同士は比較的コミュニケーションが取れているのですが、異なる職種間では改善の余地があるという結果も出ています。

在宅勤務開始前から在籍しているスタッフからは、「個人の体調面の管理がしづらい」「情報交換や気分転換ができない」などの声が、在宅勤務開始後に中途入社したスタッフからは、「顔と名前が一致するのに時間がかかる」「雰囲気がわからない」「質問がしづらい」という声が挙がりました。

アンケート回答はもともとのメンバー、新しく入社したメンバーからの回答も含まれていると思いますが、チームとして深刻な問題ですね。

廣瀬:はい。そこで、コミュニケーション施策をいろいろ立ち上げてみたんです。

①業務関連の施策

・Zoomで朝会、1 on 1定例、チーム定例、職種ごとのミーティング

・Slackのハドルミーティングで、いつでも気軽に話せる場作り(部員専用雑談 Channel)

・カメラありでZoom会議を開催

②業務外の施策

・部門主催オンラインランチ会:Slackの雑談Channelで告知。Zoomのブレイクアウトルームを活用し、ホスト1人が1部屋4~5人で話せるよう調整。トークテーマは自由。

・個人やグループ開催の「オンラインランチ会」

③中途入社社員向けの施策

・アイスブレイクセッション:中途入社社員1名+先輩社員3名で会話を行う

・ルーキー会:入社1~2年目の社員が主にゲームで交流

・部内SharePointサイトでリーダーが年始の抱負を語り、リーダーの社員のプロフィールページへ誘導

やってみて効果を感じた施策はありますか?

廣瀬:業務外施策なのですが、若手社員を中心にゲームをしながらざっくばらんに交流する「ルーキー会」は今も行われていて、同期の交流活性化につながっていると感じています。中途入社社員向けのアイスブレイクセッションも、人を知れるよい機会ということで、部員に好評です。

細川:あと、ローカライズプロジェクトマネージャーの週定例会では数十人が集まるのですが、アジェンダが少ない週などは10分程で終わってしまうこともあります。そこで、残り時間はZoomのブレイクアウトルームでランダムにメンバーを分け、半ば強制的に20分など時間を決めて雑談してもらいました。



面白い取り組みですね!みなさんの反応はいかがでしたか?

細川:最初はあまり積極的でないメンバーも多かったのですが、次第に「他チームの業務の進め方が分かって良かった」「ファシリテーションの練習になる」等のメリットを感じてもらえるようになりました。2ヵ月後にアンケートを取ったところ、約9割の方が継続を希望していましたね。

メリットを感じられることは重要ですね。反対に、上手くいかなかったり、参加者が減ってきたりした施策はありますか?

細川:カメラONのZoom会議を推奨したところ、しばらくは顔出ししてくれるメンバーも増えたのですが、数か月後には1/3 に減少し、今ではほぼマネージャー陣だけになりました。 ただ先ほどご紹介したローカライズプロジェクトマネージャーの週定例において、数十人で業務の話をするときは皆さんカメラOFFなのですが、ブレイクアウトルームで雑談をするときはカメラONで盛り上がっていたんです。この「少人数ではカメラありでも抵抗感が少ない」というのは、新たな発見でした。

廣瀬:あとは、オンラインランチ会は、開催当初は参加者が多かったのですが、最近では減っている印象があります。人によっては、Zoomだと会話が弾まない場合に間が空くのが気になるという意見もあるので、参加することが対面よりも逆に負担に感じる人もいるかもしれません。

細川:ただ、この変化には少しポジティブな意味も感じています。在宅勤務導入直後と比べると部内コミュニティが醸成されてきたので、あえて部が主催するオンラインランチ会に参加しなくてもコミュニケーションできる環境ができてきたのでは?と思っているのです。

新たなコミュニティが形成されつつあるということですね?

細川:はい。今後の課題は、プロジェクトや職種が異なり全く接点がない方同士の関係性をいかに育むかだと考えています。

廣瀬:他にも、現場が上手く回っているからか、「部下や後輩と十分にコミュケーションが取れている」と感じているリーダーがいる反面、実際は新人ほど「フィードバックがもっと欲しい」「上司や先輩に話しかけづらい」と感じているようでした。この意識の差はもっと埋めていきたいなと思っています。

コミュニケーション課題の解決にむけて、本当に様々な施策に取り組まれていますが、理由があるんですか?

細川:その理由について私なりに考えてみたのですが、ゲームのローカライズや翻訳作業って一見個人でこなせそうではあるのですが、実は人とのコミュニケーションがとても重要なんです。        ローカライズは日本語のゲームを外国語へ翻訳するだけ、と思われがちですが、実際は単純な翻訳ではなく、とてもクリエイティブな作業となります。                          例えば、ファイナルファンタジーに登場する状態異常に「カッパ」というものがあります。妖怪の河童がモチーフですが、外国には日本の河童の概念は存在しません。そのためそのままKappaと表記してしまうと海外プレイヤーには伝わりません。一般的に河童は「水辺・河辺の小鬼」を意味する「Water Imp」や「River Imp」と訳されることが多いようですが、英語版のファイナルファンタジーではシリーズを通して「カッパ状態」を英語圏でより馴染みのある"Imp"と表現しています。

ローカライズとはこのように現地化する作業なんです。つまりは、ストーリーやゲームに没頭できるよう違和感を取り除くことが重要で、ここにクリエイティビティが求められるのです。          トランスレーター(翻訳)チーム内でどうすれば違和感なく訳せるかをコラボレーションして考えたり、英語では成立してもフランス語・ドイツ語では違和感があるという時にメンバー同士でディスカッションしたりと、協力し合うことが必要なのです。

ローカライズ部は部員それぞれが個別のタイトルを担当していることもあり、クオリティを気にしなければ個人で完結する仕事ではあります。しかし「良いローカライズがしたい!」という目的は、どのメンバーも共通しているんですよね。                                 そのためにもコラボレーションやディスカッションが生まれやすくなるよう部内コミュニケーションを活性化させることが、結果として業務に活きてくるということを強く感じています。これが、ローカライズ部でコミュニケーション施策に力を入れる大きな理由です。

コミュニケーション施策をプロジェクトとして進めるには、何から始めるのがよいのでしょうか?

細川:ローカライズ部では、部門目標として「コミュニケーション課題に取り組む」を掲げ、最初に部内で目線合わせを行いました。各メンバーはそこからブレイクダウンして個人の目標を立てるのですが、同じ課題を感じているメンバーから「オンラインランチ会をやってみたい」等と提案を受けながら、割と自由に企画してもらっています。                                 そしてただ単にイベントを企画するのではなく、その先を見据えて「どのようにコミュニケーション活性化を実現させるのか」と、少し踏み込んだところまでを目標として立ててもらうようにしました。

ちなみに、参加は強制ではないんですよね?

細川:もちろん任意です。それだけに、コミュニケーションを取ることに消極的な方をどう巻き込んでいくかは今後の課題です。

消極的な方への働きかけは難しそうですね。業務とは無関係のように見えて、仕事につながるヒントが得られることもありますが...。

細川:そうですね。つまりは、わざわざ時間を割いてコミュニケーションを取ることに、どうメリットを感じてもらうかがポイントとなります。メリットの感じ方は人それぞれですので、とにかく様々な角度から発信し続けていくのが近道なのかもしれませんね。

ZoomやSlackを活用したり、色々な施策にチャレンジされているのはそういう背景があってのことなんですね。

細川:はい。我々が何かひとつのやり方を押しつけるのではなく、いろんな入り口があって「このコミュニケーションの取り方なら参加してもいいかな」って自然に思えたところから参加してもらって。最終的に、部員みんなが自分のやりやすい方法でコミュニケーションを取ることができれば、部門が推し進めている目標は達成できると考えています。

これまでの施策以外にも、最近、ローカライズ部では新しいコミュニケーション施策が始まったとお聞きしました。

細川:はい。部内にコミュニケーション専門のチームを立ち上げ、2022年11月からローカライズ部の人・組織・部門のことがわかるコミュニティサイトを立ち上げました。                 各自が登録したプロフィールを部員同士が閲覧し、同僚理解を深めてもらうのが狙いです。続けて、新人インタビューや組織について書かれたコラムを掲載する、オンライン部内報の立ち上げにも取り掛かっています。

部内コミュニケーションの活性化へ、かなり本気出していますね!

細川:コンセプトは「ローカライズ部の過去と現在と未来がわかる」です。サイトが活用される中で情報が蓄積されていき、部の「知るインフラ」になるといいなと思っています。

その他、新しく始めたアクションはありますか?

細川:Slack上に部内専用の雑談チャンネルがあるのですが、見ているだけの方がもっと参加しやすくなるよう、2週間に1度くらいのペースで、コミュニティチーム発信でテーマを投下しています。

盛り上がりやすかった議題や企画と反応がイマイチだった企画があれば教えてください。

細川:やはり「あなたの推しを教えてください」「ペットの写真を見せてください」といったカジュアルなテーマが人気ですね。                                    逆に「自慢のコレクションを見せてください」だったり、長文を書く必要があったりと、投稿に準備が必要となるテーマは反応が悪かったですね。あとは海外メンバーが多いので、国ごとのセンシティブな話題へ配慮し、全員にとって楽しいと思える環境をつくることが重要です。

なぜ「知るインフラ」が必要だという考えに至ったのでしょうか?

細川:2年ほど在宅勤務を行ってきた中で、我々なりに分析をしてみました。そういえば、出社していた当時って、新人が入ってきたり開発チームや他部署の人と会ったりすると、その人を知れたことがきっかけで新しいコラボレーションが生まれていたなあ...と。出会いがあれば「あなた○○が得意なの?じゃあ、何か一緒にやってみよう!」と、業務内・業務外問わず、人を知ったことがきっかけで新しいことが始まる流れがありました。今は会えないので、互いを知ることができない。まずは知る機会を作らないと良いコラボレーションに繋がらないな...と痛感したのです。

特に、ローカライズ部は約4割のメンバーが新規メンバーになっていますしね。

細川:はい、部として必要性を強く感じたので「知るインフラ」を立ち上げたのです。今後は部内コミュニティを醸成し、プロジェクトの垣根を超えた部員同士の業務コラボレーションを活性化したいですね。


最後に、これから応募される方へメッセージをお願いいたします。

今回はローカライズ部の取り組みについてお話をさせていただきましたが、会社全体でも在宅勤務下でのコミュニケーションについて、課題感をもって取り組んでいます。                    在宅勤務環境下でご入社いただいても周囲のメンバーと馴染めるよう、各部門でも様々な施策にチャレンジしていますので、安心してご応募ください。お待ちしております!


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