-- 学生時代のお話から伺っていきたいのですが、小澤さんはどんな学生でしたか?
親族で柔道の私塾を経営していて、常に4,50人のムキムキな中高生と共に暮らしていました。笑
その中には海外の方も多くいらっしゃったので、様々な文化が混ざり合った空間だったと思います。
なので物心ついた時には海外にとても興味がありました。また、家族もそんな私を想ってアジア圏の国々に連れて行ってくれたので、様々な経験が出来た学生時代でした。
-- となると就職も海外関係のお仕事だったんですか?
そうですね。最初に就いた仕事は、外資の貿易事務でした。
とはいっても、受けた理由がなんとなくだったので、入社してすぐに向いていないことが分かりました。特に、言われたことだけやる。という働き方に疑問があったんです。
あの頃は「多様性がある環境で」「もっと広い世界に飛び出したい!」という想いを常に持っていたのを覚えています。
-- 自分に合わない仕事を続けるのはつらいですよね。
そうなんです、だからここから飛び出す準備をしようと考えました。
当時勤めていた企業は副職もOKだったので、日中仕事を終えた後、バイトを掛け持ちで行ったんです。正直本当に大変でした。でも目標の為なら!としゃかりきに頑張り、お金を貯めに貯めてイギリスに向かったのは本当に良い思い出です。
永住も視野に入れるくらい充実した時間を過ごせましたが、就労ビザが出ず帰国を余儀なくされました。
でも折角英語も話せるようになったし、これを生かさない手はないと思いました。
そこから、「海外配属になればビザ取得のチャンスもある」ツアーコンダクターになるべく、
日本の旅行会社に入社したんです。
-- 実際働いてみて如何でしたか?
結果は残せたと思います。最初の半年で日本国内すべてを巡り、翌年にはアジア支部に異動になりました。その後、本当にたくさんの国を巡ることが出来たので、ピラミッドや有名な建設物を飽きるほど見れたのはいい思い出です。笑結果的に理想としていたキャリアを描くことが出来ました。
-- 世界中を駆け巡ったからこそ言えるセリフですね。 その後のキャリアについて教えてください。
旅行会社に在籍する中で結婚して子供が生まれる等、様々なライフイベントがあり、子育てに専念する為に退職しました。その後、友人が経営する小さな商社でアパレル商社の営業として転職。沢山の会社に飛び込んで売り込んだ記憶があります。この時代も正直大変でした。ただ、新規開拓をする中で胆力を付けたり考え方を学ぶ良い機会だったと思います。
--実際どんな業務を行っていたんですか?
基本的には飛び込み営業で、様々なアパレル会社を巡りました。商材としてアクセサリーや腕時計、バッグなども扱っていて一回一回の商談が会社の命運を掛ける戦いでしたね。笑
-- メンタルが鍛えられそう…。
そうですね、緊張する事はもちろんありました。ただ、それ以上に営業の仕事も楽しかったんです!
というのも、扱う商材を調べつくして、お客さんに魅力を120%届ける。そうする事で自然とお客さんのニーズに応えられるようになり、その経験の蓄積が「自分が営業をする意味」にも直結していきました。
また、知識の蓄積が、自信に直結する事を学べたのも良かったです。最終的には、次の世代が育ってきた事もあり、しっかり引き継いで転職に至りました。
-- どんな時も楽しみながら結果を出していると思うのですが、何か秘訣はありますか?
強いて言うなら、私の人生の行動指針である「相手(お客様)に楽しい時間と笑顔を届けること」を実践し続けているからだと思います。
一生に一度の経験の経験に携わる
ツアーコンダクターになって一発目の仕事で大きな失敗と学びを得たんです。
そこから仕事への向き合い方が変わりました。
その学びが「相手に楽しい時間と笑顔を届ける」なんです。
-- どんな経験をしたんですか?
東京と神奈川に四国のお客様を案内する仕事でした。
その際、序盤で大きなミスをしてしまい、焦りと悲壮感で半ば投げやりな気持ちでツアーを進行してしまったんです。後半に皇居見学のセキュリティチェックで、ご年配のご夫婦の奥さんが病気の都合で非常に時間が掛かってしまい…。もちろん仕事なのでしっかり対応しましたが、気持ちが凹んでいたので内心では「皇居はいつでも行けるんだから、諦めて外で待っていて欲しい」と思ってしまいました。
-- 色々散々だったんですね…。
何とか帰りの羽田空港にたどり着き、解散しようとすると先ほどのご夫婦の旦那さんが、私にお礼の品をもってきてくれました。喜びよりも、「何故?」という気持ちが先行したのを覚えています。ツアーコンダクターとして迷惑をかけ続けていた、と思い込んでいたからです。理由を聞いてみると「自分は戦時中、皇居内で軍人として働いていたんです。そこに妻を連れていきたいとずっと思っていました。私達にとって最後の旅行になる中で、精一杯頑張ってくれてありがとう。」と伝えられました。
-- その方にとっては大切な一回だったんですね。
私は自分の事しか考えず「皇居はいつでも行ける場所」と思っていて。
実際はその人の「一生に一回」に携わる仕事なのだと改めて気づかされました。だからこそ仕事は毎回全力を注がないといけない。みんなが一番笑顔に楽しく過ごせるように行動することで、自分の幸せにもつながる事が分かったんです。そのあと直接お手紙とハンドメイドの木彫りの人形を頂きました。
この人形を見るたびに「初心を大事にしよう」と思える宝物です。
仕事のやりがい、葛藤、そして仲間
-- そんな中で何故ワットでキャリアアドバイザーになったんですか?
「自分自身がキャリアに対して悩んだことがあるからこそ、その経験を生かして人の助けになれる」と思ったからです。私は海外で働く事も多かったので、コロナで渡航が難しくなっていく世の中を見て、「自分が出来る事が消えてゆく」という錯覚に陥りました。
そんな中、キャリアアドバイザーの方に悩みを聞いてもらい不安から解消される、という体験をして思ったんです。「この仕事を私自身が出来れば私の人生の行動指針を体現できるのではないか」と。
そこから、その仕事ができる会社を探しました。その中で、時短勤務であったり女性の働き方のサポートが充実しているワットを見つけたんです。
面接する中で担当者や社長の言葉を聞いて「ここでなら私の想いを叶えられるかも」と思って入社に至りました。
-- 実際キャリアアドバイザーとして働いてみていかがですか?
様々な社員の方々のお話を聞く、聞いて聞いて本当の悩みを見つけサポートをする仕事だと思っています。対人コミュニケーションなのでやり方も千差万別。勉強することが本当にたくさんあります。
お母さんとして働く、そして生きる
-- 時短勤務をしているという事でお子さん達との時間もしっかり取れていますか?
基本的17時半には上がることが出来るので、家族の時間はしっかり確保出来ていると思います。
ただ、働く時間を言い訳にはしたくないので、効率よく時間内に作業を終えられるように常に意識しています。
-- ストイックに仕事に打ち込んでいてかっこいいです!
一日の流れとしてはどのような流れになりますか?
まず朝起きて、子供たちとランニングに出かけます。走り終わった後は、「今日も、1日、事故ない、楽しい1日でありますように♪GO GO GO GO~!」と子供たちと叫んでいます。笑
みんなが元気に、健康に過ごせるおまじないなんです!ここから、在宅の日もあれば出社の日もありますがその日できる事をしっかりとこなして仕事を終えます。その後、家族のご飯を作ったり、習い事のお迎えに行ったり、一緒にサッカーをしたりと、仕事後もママとして色々やっています。夫は本当に仕事が忙しくどうしても、私が動かなければいけないこともあります。だからこそ私ができる事は全力でやりたいんです。たまに全力を出しすぎて子供たちに引かれる事もありますが。笑
-- 毎日とても楽しそうでありハードな印象もあるのですがお休みの時間はあるんですか?
まとまった休む時間があるというよりは、スキマ時間を見つけて自分のリフレッシュをすることが多いですね。朝早く起きて走ったり、電車で本を読んだり。ただ、それ以上に日々の生活でストレスを貯めないことが重要だと思っています。言い換えれば、日常の様々なことに対して「楽しむ意識」を持つことが私の心の支えになっているんです。
-- 素晴らしいですね!ただ、実際にそのような生活を送るのって難しくないんですか。
勿論そう思えない時もあります。でも些細な事から、ポジティブに捉えられるようになった経験があって。それがツアーコンダクター時代のエジプト観光の時でした。連続で見るピラミッドに飽きる日本人観光客に比べてアメリカ人グループは飽きるどころか、どれも初めて見たように楽しんでいたんです。一回一回で新しい楽しみ方を見出していました。「結局捉え方次第でモチベーションって変わるな」と改めて気付かされた瞬間でしたね。
そこからは、日々の生活に対して「大変なこと」よりも「楽しみを見つけること」に重点を置いて生きています!
-- メンタルのコントロールが本当に上手ですね! 日々の中で意識している事はありますか?
家族と「毎日楽しく一緒に笑顔を貯金する」ことを意識しています!
元々もう一度仕事をしようと思ったのも、「いつか子供たちが海外に興味を持った時、安心して送り出せるように」と思ったのがきっかけです。学生時代自分が興味を持ったことに対して家族が応援してくれたように子供たちにも、全力で人生を楽しんで欲しいと思っています。そして子供たちが巣立って時に壁にぶつかったとしても、この思い出という名の貯金を使って乗り越えて欲しいという想いがあります。
-- 本当にご家族を愛されているんですね!
もちろん喧嘩もするし腹が立つこともあります笑
でもそれ以上に、家族にとって「ママはどんな時でもあなたの味方だよ」という意志を思って日々過ごしています。そして、私自身も子供たちから色々なものを貰っているからこそ、「カッコいいママでいよう!」と仕事も頑張れているんだと思います!
-- これからも全力で家族の為、社員の為にみんなをいい方向に導いてください!
ありがとうございました!