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【SDGs Stories】100年企業に向けて常光が目指す未来 〜医療機器・診断薬事業本部編〜

2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」。

2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標として、17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

この持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)への取り組みが全世界に広がる中、常光も各事業部門で「2030年までに達成すべき持続可能な開発目標」を設定。取り組みを開始しました。

今回は、医療機器メーカーとして独創的な技術を用いた製品を提供する医療機器・診断薬事業の本部長 檀上に「医療機器・診断薬事業として取り組むべきSDGs」について話を聞きました。

▼略歴
医療機器・診断薬事業本部長 檀上 雄介
大学で経営学部商学科を専攻した後、金融関連事業の営業職に就く。医療従事者である家族の存在をきっかけに医療を身近に感じ、26歳の時に常光へ入社。大阪営業所に所属し、医療機器メーカー事業の関西・四国担当の営業として売上に貢献してきた。大阪営業所の所長、営業サービス部の部長を経て、2022年4月より医療機器・診断薬事業本部長に就任する。

※本記事に記載の所属・内容については公開時点のものです。

SDGsの取り組みがスタート。まずは「知ってもらう」ことが大切

ーーまずは、医療機器・診断薬事業本部の紹介からお願いします。

医療機器・診断薬事業本部は、常光の創業17年目となる1964年からいわゆる「メーカー事業」として、各種医療機器および遺伝子検査キット等の体外診断用医薬品の開発、製造と国内外への販売を行ってきました。 

中でも日本初の血液検査用「セルロースアセテート膜電気泳動装置」は主力製品として、1964年から実に50年以上もの間、事業を支えています。

さらに、1973年には血液や透析液等の電解質分析装置を開発・投入。本事業のもう一つの柱として、国内のみならず海外約30か国以上へ展開し「性能の良い日本製品」と海外ディーラーからも信頼をいただいています。常光ブランドの医療機器を生み出し、世に送り出す事業です。

ーー今回、常光ではSDGsの取り組みをすることになりました。本取り組みに対する檀上さんの思いを教えてください。

これからの時代、お客様・社会(環境)・常光の三者が「Win&Win&Win」の関係を築いていくことが大切です。今回のSDGsに関する取り組みは、三者間の関係をより良いものにし、常光の「創業100周年」を支える重要な役割になるだろうと考えています。

SDGsの各目標を達成するためには、すべての人が同じ目線を持つことが不可欠。我々、医療機器・診断薬事業本部も一丸となって、開発/製造部門は「製品をつくること」、国内外の営業および物流部門は「製品を販売すること」を通して社会的な価値を提供していきます。

取り組みはスタートしたばかりですが、医療機器・診断薬事業の本部長として、SDGsの活動を社内外に浸透させるというミッションに向き合っていく所存です。

ーー取り組みはスタートしたばかりということですが、SDGs活動を進める上で、今後どのような活動が必要だと感じていますか?

まだまだ継続した啓蒙活動が必要というのが正直なところです。

社内に対しては、今年7月に開催した経営計画発表会でも社長から「SDGsに関する目標」を含めたメッセージを社員に発信してもらいました。

しかし、それだけではなかなか浸透しないのが現実です。引き続き、事業部単位でもSDGsの理解促進を進めなくてはいけません。

現在、各部門長と連携して、経営計画発表会で率直に感じたことや疑問を社員にヒアリングしています。その回答を見た上で、私からも再度「常光のSDGs」について話していこうと思っています。

こういった地道な啓蒙活動の繰り返しになると思いますが、まずは「わからなかったら遠慮なく聞いてもらう」環境を作っていきたいですね。

また、十分な成果を出すためには、社内だけでなく社外の方の理解も必要になります。直近、常光のWebサイト上でSDGsの取り組みを発信し始めましたが、医療機器展示会に出展する際にも製品情報と合わせて、SDGsの取り組みも紹介していきたいと考えています。

医療機器・診断薬事業本部が掲げる目標:健康寿命の延伸と廃棄物の削減

ーー「SDGs17の目標」のうち、医療機器・診断薬事業本部として注力していきたい「目標」はありますか?

やはり医療機器メーカーですから「3.すべての人に健康と福祉を(以下、目標3)」は、根本となる目標です。常光ブランドの医療機器の製造・販売を通して、一人でも多くの人の健康と福祉に寄与していきたいと考えています。

加えて、ものづくりをする際には「廃棄するところまで考える」ことが重要です。医療用の機材は「使い捨て可能なプラスチック製品」が多く使用されています。

感染防止の観点から「使い捨て」であることは理にかなっている一方で、製造側は「廃棄量を減らす」「自然に還る素材を用いる」という対策を講じなくてはいけません。それが「12.つくる責任つかう責任(以下、目標12)」です。

また、プラスチックごみは海洋汚染の一因ともされ、昨今問題になっています。我々が製造の過程でプラスチックを減らしていくことで、「14.海の豊さを守ろう」につながると考えています。

ーー今回、SDGsを絡めた事業計画を新たに策定したと聞きました。今回定めた目標についてもう少し詳しく教えてください。

まず、目標3における日本の優先課題は「健康寿命を伸ばすこと」です。

日本は少子高齢化社会が進み、若い世代の医療費負担増や医療スタッフの減少が深刻になっています。いつまでも健康でいられれば、現在の医療保険制度の維持や医療スタッフの負担軽減につながるわけですね。

もちろん、これは当社だけでは実現不可能ですが、医療施設へ医療機器・検査装置を普及させることで、健康寿命の延伸に貢献できればと考えています。

そのため、目標3については「特定製品をそのターゲット分野の何施設に導入できるか」といったシェア率で表しました。

また、目標12に関して「脱プラスチック」というのは先ほどもお話した通りですが、当社ですと「医療廃棄物を削減する」というテーマもあります。当社の製品が「最終的にお客様先で廃棄される総量」を25%削減するという数値目標を掲げています。

従業員が健やかに活躍し続けるための「社会貢献×事業成長」

ーー最後に、今後の展望を教えてください!

今回のSDGsの取り組みは、2030年を見据えて計画を作りました。私自身の話をすると、現時点の就業規則では2030年は定年を迎える年なんですよね。

そんな中で、私がやるべきなのは、20〜30代の若手メンバーが「健やかに活躍できる環境」を残していくことです。

だからこそ、今回の中長期計画を立てるにあたっては「社会貢献を通して、事業を伸ばす」ことを意識しました。

SDGsの取り組みは、常光の社員にも「新しい視点」を与えてくれると考えています。目先の営業利益だけではなく、将来を見据えた広い視野を身につけることで、お客様に対しても「余裕」を持ったご提案が可能になると思うんです。

その余裕がお客様からの信頼につながり、事業も伸びていく。そうして得られた利益を社屋のメンテナンスや福利厚生といった形で社員に還元することで、従業員がますます気持ちよく働ける職場にしていけたら良いですね。




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