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ICT化を通じて子どもたちと接する時間を増やしたい(病児・病後児保育所すくすくハウス 中村宗玄理事長)

こんにちは、人事兼広報の三輪です。

今回は弊社のサービス“くれいしゅ”を導入いただいた病児・病後児保育所 すくすくハウスの中村理事長(以下、中村理事)にインタビューを実施させていただきました。

導入のきっかけや決め手について、病児保育のICT化に関してなど、我々にとっても大変学びになる内容でした。

このインタビューではインタビュアーの三輪、インタビュイーの中村理事に加え、弊社営業メンバーの村田、技術メンバーの麻生にも同席してもらっています。

それでは本編へどうぞ。

三輪:まずは、くれいしゅを知ったきっかけを教えていただけますでしょうか?

中村理事:3年ぐらい前に東京で開催された保育博というイベントで、貴社のブースにくれいしゅが展示されていたことがきっかけです。

村田:ブースに立ち寄っていただいてありがとうございました。
中村理事とは初め、遠藤取締役が話されてましたね。その後、中村理事が興味を持ってくださっているとバトンを渡してもらい、窓口担当の私が引き継ぎました。

三輪:その結果、導入に繋がったわけですね。くれいしゅに対してご評価いただいたポイントや導入の決め手を教えていただけますか?

中村理事:当時お話を聞いたときは「くれいしゅも他社製品の病児保育システムと同様だな。」という感想でした。病児保育のシステムは他社製品で既知のモノがあったのですが、そちらは予約機能が中心ということで導入を見送っていました。私としては予約機能以外にも保育に関わる一連の流れをシステム化したかったんですね。その話をしていたら「カスタマイズしますよ。」とお答えいただきまして、施設に合わせてカスタマイズいただけるのならばとくれいしゅの導入を決めました。
他社でも同じく要望を伝えてはみたのですが、そういったことは難しいようで良い返事はもらえませんでした。

三輪:ICT化を推進する上でカスタムも可能な弊社サービスを選んでくださったということでしたが、具体的にはどのような課題を抱えていましたか?

中村理事:いろいろな部分に課題がありました。
保護者からの予約に関しては、すくすくハウスのホームページから予約ができる仕組みは既にありましたが、メールで通知する程度の簡単なものでした。それはそれで便利ではあるものの、受付以外に様々な業務もあるわけで、以降の作業はExcelを多用しながら手作業でなんとかこなしていました。まずはそこを改善したかったのです。また、予約から受け付けた情報を流用して市役所に提出するなどの2次活用もできたらなと思っています。

三輪:コスト面が云々ではなく機能に魅力を感じてくださったわけですね。

中村理事:そうですね。既存で利用していた予約システムに関しても、受け取り手がドメイン設定をしているとメールが届かないなどの課題がありました。トラブルも段々と増えてきていたので、予約をもっとスムーズにできるものに変更したいと考えていました。

三輪:ありがとうございます。技術の麻生さんに質問なんですが、くれいしゅを開発していく過程の中で、他社様の類似サービスも比較しながら機能面を考慮されていたと思います。中村理事がくれいしゅに魅力を感じてくださったカスタマイズ面に関しては、当初から想定して開発されていたのですか?

麻生:そうですね。病児保育に関しては元々あまり知見がなかったこともあり、自分たちだけで完結するのではなく、中村理事のような専門家の意見を参考にすることを前提に進めていました。もちろん、最低限の知識や業務フローは理解した上でです。今回の導入では、理事から感じたICT化や業務の効率化という強い意思に沿って、教えていただく姿勢で取り組みました。加えて、理事や職員の方々の意見をしっかりと反映させることができたのは、私たちが他の会社に比べても固定観念にとらわれず、柔軟に対応できたからではないかと感じています。そういった姿勢がシステム構築をスムーズに進める助けになったのではないかと思っています。

三輪:ありがとうございます。その点に関しては、お互いが持っていた「ものづくりや自社サービスをどう作っていくか」という考え方の軸と、中村理事が推進したいと考えていたICT化への思いがうまく噛み合ったわけですね。

三輪:では中村理事への質問に戻ります。くれいしゅを導入する際に何か困ったことはありましたか?

中村理事:はい。カスタマイズを依頼するにあたって、全国にある病児保育施設の中で多く採用されている標準的なルールとは異なる独自ルールが多々あること、また、自治体毎のルールが異なることも併せてシステム化してもらう上で、どう伝えることが適切だろう?と悩みました。

三輪:要件部分ですね。窓口担当の村田さん側ではどういったサポートをされていたのですか?

村田:中村理事とは、何度も連絡を取り合い、細かい要件の確認やミーティングを重ねていきました。
導入に至るまでの間だと、月に1回は必ず打ち合わせを行い、理事が目指していることや、すくすくハウスさんが実現したいと考えていること、私たちが提供できることの間にズレが生じないよう特に意識をしながら取り組んでいたと思います。

三輪:導入から現在にかけて、ご利用いただいている感想をお伺いしたいです。まだまだ発展途上の面もあるかと思いますが、現時点でのスタッフ様の反応はいかがでしょうか?

中村理事:当初現場のスタッフたちは、やり方が変わることに対してとても不安を感じていました。これまでのやり方にこだわることが多く、あそこが違う、ここが違う、こうならないのか、といった指摘が導入初期には特に多くあったように感じます。今ではそういった指摘もほとんどなくなり、以前でしたら予約メールが届く度にパソコンを開いて確認していたような手間も、もっと簡単にその通知から確認できるようになりました。予約状況がとてもわかりやすくなったのも大きな利点だと思っています。

三輪:確認の時間が短縮されたんですね。実際に導入して、大幅に時間の削減ができたというふうに感じますか?

中村理事:はい。以前の予約方法では、予約が早朝に入るため勤務時間外に職員のスマートフォンにメールが届いていたんです。出勤前にメールが次々に届き、出勤してすぐに起動して、その確認と予約可否の手続きをおこなうという流れでした。今では画面を開けばすぐに予約状況がわかるので、勤務時間外の負担も軽減されています。

三輪:余分に負担がかかっていた部分が軽減されたという感じがしますね。

中村理事:そうですね。
特に去年は利用者が非常に多く、予約開始の6時半から1分以内に定員上限に達することもありました。以前の予約システムだと、同じタイミングでメールが届いてしまうとカウントが重複してしまい、12件の上限に対して15件届いていたり、また、被ったことによって予約完了のメール通知が届かなくなってしまったりという問題もあったんですよね。メールが届かないことから同じ人が複数回予約を入れてしまうこともあり、それが原因で8時以降の電話対応も増えていました。
統計は取っていませんが、くれいしゅを導入したことにより電話対応の件数は明らかに減っていますね。

三輪:電話1本ごとに時間もかかりますし、定員を満たしている場合は個別でお断りの対応をしなければならないわけですよね。そういった対応が減ったのは大きな一歩ですね。

麻生:私からも質問させてください。くれいしゅを導入する際、職員の不安がおありだったとコメントされていましたが、中村理事からは今回の導入に対して職員の皆様にはどのようにご説明されていたのですか?

中村理事:ICT化による具体的なメリットを事前に説明しました。例えば、保護者からの欠席連絡をアプリで受けるようにすれば電話対応が減るといった具合に、メリットはしっかりと伝えるように心がけました。また、全てを一度にシステム化するのは難しいので、報告書など、アナログな作業も残しながら併用して進めました。覚えてもらう職員の負担を減らすために、段階的な導入を心がけましたね。ただ、併設している子ども園でICTを進めていたこともあり、職員の抵抗や不安はそこまで大きくはなかったですよ。

麻生:具体的な課題を示して、その解決策を提示されたんですね。導入が進みやすかったのも納得ですし、組織のトップがそういった働きかけをしてくれるのはありがたい限りです。

三輪:ちなみに、職員の皆様ではなく、保護者様側からくれいしゅについてのご意見やご感想など、中村理事に何か届いてらっしゃいますか?

中村理事:残念ながら、良い悪いのそういった具体的なフィードバックは受けていません。ただ、通常であればクレームや困りごとがあれば必ず私にも報告があるので、それがほとんどないということは、問題なく運用ができている証拠だと思います。

三輪:ユーザー側からのトラブル報告がないというのは、私たちにとっても励みになる喜ばしい成果です。それでは続いての質問に移ります。病児保育の運営をさらに改善するために、解決したい課題や、追加したい機能などはありますか?

中村理事:可能な限り、すべての業務をICT化したいと考えています。現状、日誌や日報の入力がまだできていないので、それをシステム化できると非常に助かります。また、利用者一人ひとりの体調や行動記録、たとえば熱が上がったり下がったりといった情報は、今は手入力で記録していますが、これも自動化できれば嬉しいです。少なくとも名前や病状などの基本情報をあらかじめ定型フォームに入力し、そのまま印刷できるようにすれば、業務負担はかなり軽減されるのではないかと考えています。そして、現状はできていない統計のデータを取りたいです。単一ではなく様々な角度から統計をとり今後に役立てたいです。

三輪:ありがとうございます。こういったご意見は窓口の村田さんには大変参考になる内容だと思いますが、タイムリーに何か計画していることはありますか?

村田:お話にあった日報や統計に関してですが、こちらは正直なところ初耳でした。そこに対しては運営する経営者の視点からすると、やはり様々な統計を取りたいというご要望があるのだなと感じましたね。すべての機能をすぐに実現するのは難しいかもしれませんが、お話いただいた内容を踏まえ、必要な機能を新たに追加することを検討していきたいと思います。

三輪:こうした要望が開発チームやエンジニアにとっては、結構大変な課題になるかもしれませんね。麻生さんは技術メンバーとしてどう感じましたか?

麻生:内容次第ではそうかもしれません。ただ、中村理事はフランクにお話していただけるので、大変ありがたいです。例えば、クライアント様からの要望に対して、こちらのアイディアを提案しても受け入れられないと否定されることもありますが、理事は柔軟に検討してくださいますし、いろいろと参考となる事情も教えていただけるのでとても助かっています。

三輪:お客様でもありながら、弊社のことを汲んでいただいて非常にありがたい関係ですね。

三輪:さて、中村理事への質問に戻りますが、ICT化を進めたいそもそもの理由を教えてくださいますか?

中村理事:はい。12年前に異業種からこの保育業界に関わるようになりましたが、最初に感じたのは、手間のかかる作業が多いなぁということでした。保育士さんたちは手書きにこだわる部分があって、毎年同じ書類を一から作り直すことが当たり前になっているんです。手書きが一つの愛情表現と捉えられることもありますが、現場が「忙しい、忙しい」と言いながら非効率な作業に追われているのは事実です。市役所に出す書類なども含め、多くの手続きが煩雑で、そこには効率化が必要だと思います。ICT化を進めることで、現場の保育士が子どもたちと関わる時間も増やせると考えています。もちろん、ICT化だけが解決策ではありませんが、大きな助けになると思います。また、特に大きな課題としていることがあります。それは運営している4つの施設(保育園、病児保育、小規模保育、学童)に対応するトータルなシステムが存在しないことです。園毎のシステムは多くありますが、法人全体で蓄積しているデータを共通して扱えず、小規模保育から子ども園、さらに学童に進む際にも、一からデータを入力し直す必要があります。せっかくあるデータを使えないのは無駄ですのでこれらを一つに統合し、効率的に運用できるようにできると嬉しいです。

三輪:過去の知見を現在関わる業界に活かし作業を効率化することの理由は、スタッフさんが子どもと関われる時間を増やせるようにということだったのですね。

中村理事:その通りです。

麻生:手書き文化において、例えば保護者に渡す報告書は印字だけですと、実際にどの保育士さんや看護師さんが関わっていたのかが見えにくくなるでしょうし、そうした血の通った部分や現場ならではの文化はシステムを作る私たちにはなかなか認識できないところでもあります。こうしてお話を伺えるのはとても貴重で嬉しいですね。

中村理事:今お答えした内容はすくすくハウスに関するお話でしたが、本来は自治体を含めて一つの大きなシステムで管理できることが理想だと思っています。ただ、難しいのは自治体ごとにやり方や制度、書類が違うことで、これが最大の壁ですね。国が制度を作っても、実際に運用するのは自治体ごとに独自の制度や書類があり、それがICT化の妨げになっています。システムを作る側も、自治体の数だけ異なるものを作らなければならないので、非常に大変です。この部分を一本化してもらえると、もっと効率化が進むのになと思います。

中村理事:くれいしゅについても施設単独での導入より、自治体全体で採用してもらうのが望ましいですね。そのほうが、データ連携も容易くなりますし、蓄積された統計データもより広義に活用できることになるでしょうし。今回、くれいしゅを導入した際に自治体の担当者から「月次報告書はデータで提出できますか?」と聞かれました。現状ではPDFでしか提出できないわけですが、施設と自治体とのデータ連携ももっと進めたいです。ちなみにその担当者さんはPDFを見て、名前や住所を手入力しているようです。

村田:おっしゃる通り、大きな課題だと捉えています。私たちとしても、自治体と施設の両方に働きかけ、連携を強化していけるよう引き続き活動していきます。

三輪:最後に、麻生さん、村田さんからお伝えしておきたいことはありますか?

麻生:私たちがくれいしゅを導入する際、当初は保育や看護業務の効率化を重視していましたが、事務作業自体の効率化にも大きな価値があると気づきました。いろいろと回答いただきありがとうございました。

村田:理事にはまだお伝えしていなかったかもしれませんが、弊社では病児保育の施設数を増やすためのコンサルティング活動も進めています。医療コンテナを利用した病児保育施設の実施を国やこども家庭庁に提案し、病児保育の母数を増やしていければと考えているのですが、この活動においても理事の知見やアドバイスをいただける機会があれば、ぜひお願いしたいと思っています。

三輪:それではインタビューは以上で締めたいと思います。中村理事、本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。お伺いしたお話の数々、非常に参考になりました。また弊社への期待も持っていただき嬉しく思います。その期待にお応えできるよう尽力いたしますので、今後ともよろしくお願いいたします。

皆様、いかがでしたでしょうか?

今回のインタビューを通して、くれいしゅが病児保育の現場に与える影響や、ICT化がもたらす効率化の可能性を改めて実感しました。中村理事や皆様からいただける現場の声をもとに、今後もより良いサービスを提供していけるよう取り組んでまいります。
病児保育に携わる皆様が、子どもたちと向き合う時間を確保できるお手伝いができれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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