社会全体でデジタル化が進む一方、私たちの暮らしのインフラを支える自治体などの公共現場では、依然として強いアナログ文化と深刻な業務負荷が大きな課題となっています。当社では、自社プロダクトを展開する監査くん部が、この公共DXを力強く牽引しています。今回は、執行役員 兼 監査くん部 部長を務める中山にインタビュー。サービス立ち上げの背景から、Salesforceプラットフォームを基盤とした「自治体特化型SaaS営業」ならではの面白さ、そしてチームで目指す公共DXの未来について詳しく話を聞きました。
Profile
中山(Nakayama)
執行役員 兼 クラウド事業部(公共コンサル部・監査くん部・セーフくん部)部長
上智大卒業後、日立製作所でSE・PMを経験。2019年にIT FORCEへ参画。Salesforceコンサルタントとして活躍後、2021年には自社製品の立ち上げを牽引。2026年4月より執行役員に就任し、現在は新設された「公共コンサル部」「監査くん部」「セーフくん」のトップとして組織をリードしている。
福祉の現場を守る。指導監査・検査が行き届かないという社会課題
ーー『監査くん』が立ち上がった背景と、解決しようとしている社会課題について教えてください。
『監査くん』は、自治体における指導監査・検査業務を支援するために誕生したSaaSプロダクト(パッケージ)です。
福祉分野には、児童福祉施設、老人介護施設、障害者支援施設など、地域の人々の生活に密着した重要な施設がたくさんあります。こうした施設が適切に、かつ法令に則って運営されているかをチェックするために、行政職員等による指導監査・検査が行われています。
しかし実際に現場の方にお話をお伺いすると、自治体職員様の業務負担が非常に大きいという現実が分かりました。資料のチェックやデータ入力などに忙殺され、本来実施すべき施設への監査・検査が行き届いていない現状があったんです。
行政の目が十分に行き届かないと、最悪の場合、不正の発生や不適切な運営につながりかねません。これは巡り巡って、地域住民や市民の皆様の安心・安全に関わってきます。直接現場に指導に行き、”行政が見守っている”と施設側に理解させることは非常に重要です。そのために、監査の実行件数をしっかりと確保できるように自治体職員様の業務負荷を軽減すること。これが、『監査くん』で挑戦・解決している公共DXの重要課題です。
「デジタル庁のお墨付き」に近い評価と、現場に感動をもたらすデータ活用
ーー実際の現場では、どのような点が評価されているのでしょうか?
自治体の現場では、紙のデータをExcelに転記して、そのデータをわざわざまた紙に印刷してファイリングするような、アナログな管理が多く残っています。『監査くん』を導入することで二重入力の手間がなくなり、入力されたデータはそのままデータベース化されます。過去の履歴もすぐに追えるようになり、「データの透明性と検索性」が飛躍的に高まる点が非常に喜ばれています。
また、大きな強みとして「デジタル庁のお墨付き」に近い評価をいただいている点があります。調査を経て、汎用的に使える製品として紹介されているため、自治体様へ提案する際にも非常に大きなアドバンテージになります。自治体職員様の負担を軽減しながら、自治体ごとの個別事情にも柔軟に対応できるバランスの良さが評価されています。
種をまき、時間をかけて花を咲かせる「自治体向けSaaS営業の醍醐味」
ーー民間企業の営業や一般的なSI(受託開発)と比べ、自治体SaaS営業ならではの特徴はありますか?
自治体営業の最大の特徴は、「予算化のサイクル」と「意思決定プロセス」にあります。前年度の予算要求時期に合わせて提案を行う必要があり、初期のご相談や検討フェーズから実際の導入・契約まで、最短でも8ヶ月〜1年ほどかかります。
ある程度の予算内であれば「随時契約」という形でうちの製品を採用してもらえることもありますが、それは稀です。前年度の段階で自治体様にて予算化が進められ、年度の切り替わりで契約に向けて進める。納期も3月や4月に固定されていることが多いです。そこは民間との違いを感じます。
また、自治体は「ベンダーロックイン(特定の業者に固定されること)」を嫌うので、比較検討を求められます。予算化したとしても、入札で負けてしまうことも当然あります。
根気がいる仕事にはなりますが、実際一番鍛えられるのは「ストーリーを作る力」だと感じています。
自治体のお客様自身がまだ明確に課題だと認識していない部分に対して、「実はここがボトルネックですよね」と気づきを与え、現状(As-is)から理想(To-be)への架け橋を一緒に描いていくことです。短期的な売上を追うのではなく、じっくりと種をまき、芽が出て、何年か先に大きな花が開くのを育てる感覚ですね。一つひとつの積み重ねで信頼関係を築き、ゴールに辿り着いた瞬間の達成感は格別です。
また、自治体職員の方々は数年ごとに部署異動をしながら法律や周辺知識を学び、地域のために奔走されています。民間とは異なる視点や高い素地・志を持った方々と対等に議論し、伴走できるのはこの仕事ならではの学びであり、非常に興味深い経験です。
年齢や年次に関係なく裁量を持って挑戦
ーーチームの雰囲気や、若手の活躍機会についてはいかがですか?
若手の方には、どんどん挑戦してほしいと思っています!
『監査くん』はSalesforceプラットフォーム上で構築された完成度の高いパッケージSaaSです。そのため、個別の受託開発のように泥臭く複雑な仕様調整に追われる必要がありません。「このSaaSを導入すれば、業務がこのように改善されます」という価値提案や、カスタマーサクセス視点での本質的な顧客課題の解決に集中できます。
若手であっても裁量があるので、主体性を持ってプロジェクトを動かしやすく、自治体という大規模な案件・公共DXの推進に携われるのは、ご自身のキャリアにとっても大きなアドバンテージになるはずです。
ーー開発チームや他部門との連携はいかがですか?
監査くん部は営業・開発・カスタマーサポートで構成されており、週次定例で密なコミュニケーションをとっています。
現場の営業がヒアリングしてきたお客様の「将来的なご要望」や、カスタマーサポートに届いた「現在の課題」はすべてシステム上に集約し、優先順位をチームで議論して決めています。大きなテーマについては、マイルストーンを長めに設定してじっくり検討していますね。また、プロジェクトによっては公共コンサル部ともタッグを組み、お客様の課題解決のためにお互いの強みを活かした最適なチーム体制で臨んでいます。
社会課題の解決に、公共DXでじっくりと本気で向き合いたい方へ
ーー最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
『監査くん』は、行政のデジタル化を通じて「市民の安心な暮らし」を支える、社会貢献度の高い事業です。
短期的な成果に一喜一憂するのではなく、お客様の課題に寄り添い、長期的なストーリーを描きながら社会に大きなインパクトを与えていきたい方には、これ以上ない面白い環境だと思います。
社会課題の解決に挑戦したい方、公共DX・自治体特化型SaaS営業という成長市場で自身の営業スキルや事業開発スキルを試したい方は、ぜひ一度お話ししてみませんか?