インヴァスト株式会社でグループを率いる川路猛代表取締役社長に事業や展望、それに会社の特徴や求める人材についてお話を伺いました。
インヴァストグループの事業や将来像、自身の役割について語った前編と、経営陣やスタッフなど「人」について述べている後編から構成されています。
前編はこちらからご覧ください。
アーリーリタイア可能な会社にしていきたい
もうひとつ、僕の仕事だと思っている点があります。うまくいけばアーリーリタイアできるくらいの資産を築ける会社はアメリカに多いですよね。そういう会社にしていきたいんです。
ー現状でアーリーリタイアにつながる可能性のある社内の施策は既に何かあるんでしょうか?
はい、経営幹部や役員は役割の重要性に応じて既に、ある程度の規模のストックオプションが付与されています。今、うちの会社の株価は900円弱くらいなんですが、予め設定した業績目標を達成して、株価が上昇すれば、かなりの資産額になるストックオプションを経営幹部全員が保有しています。株価が今の5倍くらいになれば、一人当たり数億円前後の資産を得るイメージです。
僕は富を分かち合うのはとても大切なことだと思っているんです。会社が発展したのに幹部が本当の意味で富裕層になれない会社っておかしいですよね?ですから、まだないものを今から作り上げていく皆さんや、その人がいるから、今まで成れなかった会社に成長出来るような仲間に対し、それが出来上がった時に、ある程度ドカッとお金が入るようにしたいんです。ですから、あとはみんなで業績と株価を高めていきましょうと、そんなふうに考えています。
この考え方は、いずれ制度化することについても検討しています。これから入社してくる方々、例えばある事業の責任者が、自ら率いる事業が発展し、業績が向上して株価が上がれば、会社から付与されたストックオプションの資産価値はこうなる、と計算できるような制度、またそういうストックオプションを、定期的に発行付与していくような仕組みの制度化を導入したいな、と考えています。
「誠実」で「襟を正し」「皆で分かち合う」こと
ートップとして事業を進めていく上で、一番やりがいを感じる、楽しい、と思われるのはどんなお仕事をしている時ですか?
会社が少しずつ強くなっていく、賢くなっていく、自分の能力を超えて、僕がやるよりすごいことをやり始めた時とか、同時並行で複数の業務が進む時とか、そのようなことを感じた時にとても幸せなというか、嬉しさを感じます。
例えば、昔ならひとつのプロジェクトに全員で一生懸命取り組んで1年、2年とかかっていたのが、今はいくつ同時に走っているんだろう?という感じですし、しかも五月雨式に年に2個、3個とリリースできる時もありますし。
また、自分より優秀な経営陣が周りにいますので、完全にそのジャンルについてはおまかせできてしまう、考え方をすり合わせておけば、自分より組織の判断のほうが優れていると感じるので、安心できますし、様々な方面について同時に考えることができるんです。
ー仕事をする上で大切にしている、心がけていることはありますか?
まず誠実であることが最も重要だと考えています。インヴァスト証券で言っているんですけれども、我々が手がけるべきサービスは、自分の家族に勧められるようなサービスであること、自分で使いたくなるサービスであること。そういうものじゃなければやらないようにしようよ、と心がけています。家族に勧められないものはやはり誠実じゃない、自分が売っているものを「これはやめといた方がいいよ」というのはおかしいですから。
経営においても第三者の専門家の批判に耐えうること、というのもよく言いますね。自分たちに都合の良い解釈や理屈じゃなく、利害関係のない第三者の専門家に説明した場合に、意見の相違は仕方ありませんが、まったくもってアウトだよと言われる経営判断ややり方というのは絶対にしない。
僕たち経営陣は、ある程度、企業経営における自由度があります。だからこそ、自由度があるが故に、自己規律は厳しくやっていこうと思っています。自らの襟を正そうということですね。
そして、みんなで頑張った結果は、報酬や資産形成という形で経営幹部やその先のみんなと分かち合えるような組織にしていきたいと考えています。会社が大きくなった時、株主だけが儲かったという会社では永続性がないと思いますし、優秀で、想いのある仲間が集まる会社はそうあるべきじゃないかなと。
我々の会社がもっと成長した時、いまいる人たちは大金持ちじゃなきゃ変だと思うんですよね。(入社して間もないスタッフの方を見て)君も含めてね(笑)。
オンオフの切替え明確なプロフェッショナル集団
ーインヴァスト株式会社の魅力を、これから入社を考える方にお話するとしたらどのような点を挙げられますか?
そうですね、まず我々は世の中にとって役に立つ、人々のお金の課題解決に役立つ金融ソリューションに挑戦している会社です。加えて、上場企業として財務基盤がしっかりしていますので、いわゆる労働環境もきちんとしていながらも、ある程度組織も小さいので、オープンフロアで風通しも良いと思います。ですから、少人数で意思決定でき、決定後、そく今日からスタートが可能なんです。動機が善であれば、皆も直ぐに賛成しますしね。情熱を持ってこんな事業を立ち上げたいという方にとっては、理想に近い場所を作ろうと思って会社を経営しています。
こんな事業をやってみたい、こんな挑戦をしてみたい、こういう課題を解決するサービスを作りたい、という方なら「一緒にやっていこうよ」となる会社ですし、合っていると思います。
また、世界をもっと良い場所にするための新規事業には先行投資も必要ですから、会社として取り組んでいこうと決めれば、信頼、時間、お金を十分に与えて待ちますので、情熱とアイデアのある方にとっては働きがいのある会社じゃないかな、と思っています。
ー社内の雰囲気、スタッフの皆さんについてお話しいただけますでしょうか。
社内の雰囲気は静かなんですよね。たぶん2つのタイプの人で構成されていて、ひとつは経験も実力も見識もあるプロフェッショナル。自分の専門分野があったり、優秀で聡明な人たち。
で、もうひとつのタイプが自分の得意ジャンルを作りに行っている若手の方。この2種類で、仕事中はみな、集中してオフィスがシーンとするので、小さめにJazzを流したりしてます(笑)。
ただし、お酒を飲みに行ったりご飯を食べに行ったらワイワイガヤガヤ、オンとオフをスパッと切り替えていますね。ダラダラと遅くまで仕事する人もいませんし、フレックスなので何時までいなきゃいけないというのもありません。コロナで6〜7割位は在宅勤務が定着しましたので、オフィスに来るのが何ヶ月ぶりって人もいますが、そこはテクノロジーを使って、上手く仕事を回しています。
その一方で皆、プロとしてのプライドを持って、クオリティの高いものを期限前に仕上げるのが当たり前になっています。データサイエンティストもいますし、公認会計士の資格を持っている人もいます。普通に英語を話せる人も半分くらいいますし。海外の子会社もありますからね。
役員たちの中にも上場会社の役員とか会社を経営してきた人が何人もいますので、ざっくばらんにどんな角度からの議論でもすぐにできてしまうんです。そうかと思えば皆でインヴァストカップっていうゴルフコンペをやったり、20代の若手男女が定期的に飲みにいく、「西元会」なるものも存在しています。僕は呼ばれた事はありませんが(笑)。こんなふうに、オンとオフの切替ははっきりしていますね。
ーいま、グループ全体で何人くらいいらっしゃるんですか?
国内外、役員を含めて、全部で120人くらいです。
「人間性」「知性」「やり抜く力」備える人材と働きたい
ー求める人材像として3つの要件、「人間性」と「知性」と「やりぬく力」が設定されています。この3つの点からどんな人材に入社してほしいのかという点についてお伺いできますでしょうか。
そうですね、誰しも嫌な人とは働きたくないですよね。相手の気持を理解することって、言葉で言うのは簡単なんですけれども、仕事ができる人で、プライドが高くて自分より年下の優秀な人間の提案を受け入れられない人って会ったことありますよね。ああいうのはイヤなんですよ。
理想は、真に人間力を持って、実力に裏付けられた自信もある人。自分よりも賢いと思ったらちゃんと襟を正して話を聞けるような、そういった意味での人間性が必要だと思うんですね。なので、先程の「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる」も、基本的にまず持っている側が譲らないと始まりません。
例えば権限を持っている人が「いいからやれ」というのは簡単です。しかし、そうではなく、「なぜそう思うんだ?」「君はどうしたらいいと思うんだ?」と譲るから、相手も仕事に真剣に取り組み、より良くなる改善案があれば、必ず耳を傾けてもらえると信頼し、話したくなるんです。こういう場面で、自分が奪うみたいな感じの人はアウトです。「人間性」にはそんな想いを込めています。
「知性」については、課題を見つけられる人で、ソリューションを考えることができる人、実行できる人。これらは知性がなければできません。全部できるひとは幹部級ですけれども、課題を見つけられないとか指示をするだけというのは、インヴァストは人数が少ないので厳しいんですよね。
最後、「やりぬく力」についてなんですけれども、選択した道を正解にしていく力だと専務の川上が言っていてその通りだと思います。例えば、当社に入社したけど、思っていた会社と違う、と感じてしまった時、「変な会社に入ってしまってなぁ」と腐ってしまうのではなく、むしろ、会社を自分色に変えていく位の姿勢があると良いと思います。いろいろな選択肢の中から、色々考えて選んだ当社が、思ったよりイケてなかったら、自分が周りを巻き込んで、良い会社に変えていく、選択した道を、正解にしていく、という意味です。
もちろん、途中で違ったら道を変えるのもアリなんですけれども、選んだ道が間違っていたから、即、なす術も無く失敗なんだ、ということではないという考え方の人と働きたいですね。だいたい実際のところ、うまくいかないことのほうが多いじゃないですか。本当に価値のある、意味のある大仕事って、大体苦難と困難の連続ですよね。そこを、やり抜いていく気持ちを持つ人と働きたいと思います。
ー川路社長の方からこれは話しておきたいという点はございますか?特に貴社を知ってこの会社を受けてみようかな、この会社で働いてみようかな、と思ってくださりそうな方々に何かメッセージがあれば。
そうですね、僕の持論なんですが、人間が成長するのは自分の後ろに誰もいないときだと思っています。自分が最終責任者として、何かの結果に責任を持った時、人は本当の意味で実力を身につけると思います。
インヴァストは主力であるFXや海外金融事業だけじゃなく、世の中の役に立つ新事業を立ち上げていこうと挑戦している会社です。これらの新規事業は、上手く立ち上がれば、一つの組織、いずれは会社に成長していきます。ですから、新規事業の立ち上げに携われば、いずれ経営職の役割を担う事になるのです。
当社に入社した時の役割がどんな職種だとしても、いちから事業を立ち上げて全てを経験できるアントレプレナー的な想いがある人は、ぜひうちの会社に来て、何個か会社を立ち上げたりとか一緒にやれたらすごい財産になると思うんですよね。このように、将来、経営幹部を目指す方にとっても、当社は面白い会社なのではないかと思います。
また、財産規模とか会社の規模の割に、人は少ないので僕や他の経営幹部との距離も近いのも特徴だと思います。(オフィス内を指差して)あそこの一番奥が僕の席なんですけれども、そのとなりが専務でその前が新規事業開発担当の常務ですから。僕の前は財務担当の取締役なので、普通に「これどう思います?」といえばその場で経営会議がはじまります。
稟議書にずらっと印鑑が並ぶ会社ではなく、そういう意味では風通しが良くスピード感があって具体的に新しいサービス・事業を立ち上げている会社です。なんか、スタートアップのセールストークみたいなノリに聞こえてしまうかも知れませんが、紛れもない上場会社ですから、しっかりとした経営基盤と安定感もあります。そんな環境で、一緒に挑戦してみませんか?という感じですね。
それからやはり、Invast Financial Services Pty Ltd.(IFS)ですね。ここはギャビン(ホワイト)というオーストラリア人が社長をしているんですが、(インヴァスト株式会社の取締役も兼務)彼は本当に優秀な投資銀行出身の経営者です。大変な情熱家であり、会社を本当の意味で、自分の会社だと思って経営しています。だからこそ、彼の想いがシドニーの仲間たちに伝わり、優秀な人材が集まってきてくれています。
ここで面白いのが、実はギャビンの長男、次男、長女が入社してるんですよ。それも、皆、新卒で。特に長男は、入社して5年位だと思いますが、入社当時はまだまだ小さい会社でしたから、まさに、父ギャビンとともにIFSを立ち上げて来た創業メンバー人材です。最初は、インターンシップ的に、バイトでちょっと手伝うくらいの感じでしたが、ギャビンの情熱と、会社の成長を間近で見聞きし、大学卒業後、そのまま入社してしまいました。彼はマーケティング部門で大活躍し、現在では役員手前まで来ています。まだ27歳なんですけれどね。
IFSは今では45名くらいの会社になっていて、子会社をキプロスに作って、他の地域への進出も狙っています。ですから、海外赴任があったり、投資銀行の業務の一部分をやっている会社なので、うちは本当にグローバルという意味でも強いと思うんですよね。海外で働きたい、英語を使う金融ビジネスをやりたいという場合でも海外のプロジェクトがありますので、そういった仕事に興味を持つ方にもぜひ入社していただきたいですね。
前編はこちらからご覧ください。
(取材日:2022年3月7日 聞き手:垣本陸)