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ディーリング部は、お客様への取引価格配信とカバー取引という、デリバティブ取引において極めて重要な2つの業務を担う。各部門の努力が結実する収益部門でもあり、その責務とやりがいは大きい。世界中のあらゆるニュースを飲み込んで、価格に反映されるマーケットを相手にするおもしろさも格別だ。3交代勤務で24時間マーケットに臨むディーリング部を紹介する。
店頭FXに不可欠なカバー取引とお客様への取引価格配信を担う
「デリバティブとテクノロジーで資産運用の未来を変える」とミッションに掲げるインヴァスト証券。ミッション実現のために、お客様にマーケットを提供し、お客様の注文を元に収益を上げるという極めて重要な役割を担っているのがディーリング部だ。主たる業務は、お客様への取引価格配信とカバー取引の2つだ。
インヴァスト証券はオンライン専業の証券会社で、主にFXとCFD(Contract For Difference、差金決済)という店頭デリバティブを取り扱っている。店頭デリバティブとは、インヴァスト証券が相対でお客様と取引するもの。取引により会社に発生するリスクをヘッジするために、金融機関などを相手に同じ内容の取引か近い内容の取引を行うカバー取引を行うことになる。リスクを減じつつ、収益を狙ってカバー取引を行うことがディーリング部の責務だ。
「収益を上げること、リスクを減らすことにはこだわりを持っています。利益はテクノロジーや資産運用の研究開発に投資できることになり、お客様によりよい投資環境を提供できる。一方で損失が発生することが無いようリスクを確実に減らすことが重要で、会社に損失が無いことがお客様にメリットもたらすと信じています。」と話すのは、ディーリング部長の綿引耕一郎だ。IT部が中心となって『マイメイト』『トライオート』といったサービスを開発し、マーケティング部が集客。管理部が口座を開設すると、CSチームのサポートなども受けながら、お客様の取引がスタート。ここで初めて、カバー取引が発生し、インヴァスト証券としてやようやく収益を上げる機会を得ることになる。資金管理(経理部)やインフラ面(システム管理部)のバックアップもある。各部門からバトンを受け取り、最後に収益に結実させるのがディーリング部であり、それを自覚するからこそのコミットメントだ。
ディーリング部のもう一つの重要な仕事、取引価格配信とは、お客様とインヴァスト証券との間の取引価格を決め、提示することだ。お客様がいつでも取引を行えるように安定的に価格を配信し続けることがディーリング部の任務となる。FXでは同じ通貨でも金融機関ごとに為替レートは異なるため、それらの価格を比べて、最も適切なレートを抽出してお客様との取引価格を決める。この価格はお客様の投資収益に直結するので、適正な価格を決めることは非常に重要な業務だ。
取引は、24時間休みなく行われる。お客様サイドもディーリング部のカバーも、朝7時にスタートし、翌朝7時に締めるというスケジュールだ。お客様への取引価格も24時間、刻々と動くマーケットの動向を反映しながら提示し続ける。カバー取引も取引価格配信も、プログラムを組んで、システムで自動的に実行する。従って、通常時はモニタリングに徹していればいいが、マーケットに異常が起きた場合などは、ときには手動に切り替えるなどの緊急対応も発生する。
この2つの主要業務のほか、カバー取引先に対する金融資産の持ち高を調整するポジション管理、日々の決済金額を管理する資金管理、国内外の様々な情報を収集・分析する市場分析、日次の取引状況のレポーティング、より良い価格をお客様に届けるためカバー取引先金融機関とのやりとりや関係構築などが、ディーリング部の日々の業務だ。
朝7時に始まって翌朝7時に終了。ディーリング部の24時間
現在、ディーリング部は部長の綿引のほか6人。6人が朝番、午後~夜番、深夜番の3交代で、24時間対応で業務にあたる。朝7時に、『マイメイト』や『トライオート』などを通してFX取引がスタート。お客様からの注文が入ると、カバー取引もスタートする。日中、夜、深夜と両取引は続き、翌朝7時までに、お客様からの注文をすべてカバーし終え、ポジションをゼロにして1日の取引が終了となる。これが大まかなディーリング部のスケジュールだ。
システム設定は毎日、市場の状況を反映して細かく調整している。朝番の役割は、その日のシステム設定を行い、取引価格配信とカバー取引の業務を開始すること。その傍らで、前日終了時点の数字を確認して日次のレポートを作成し、関係各所に報告する。資金管理業務も朝番の役割だ。
午後~夜の時間帯は、比較的落ち着いて作業ができるため、市場分析やルーティン以外の業務にも取り組みやすい。深夜番は、欧米のマーケットが開く時間のため、情報収集に注力する。各国政府機関による各種経済指標の発表など事前にわかっているイベントごとは、そのタイミングのマーケットの動きに特に注視することなどが、重要な業務となる。
どの時間帯も、例えばカバー取引先が配信するレートのバラツキが大きいなど、おかしなことがあれば原因を探り、システムへの対応も必要となる。「ディーリング部の業務は、ジェット機のパイロットをイメージするとわかりやすいかもしれません。平常運行時は、システムに任せて自動操縦していますが、天候が荒れるなど異常事態が起きるとマニュアルに切り替えます。我々も同じ。滅多にはありませんが、私の経験の中でも、市場が荒れて、自動だと危険なので手動に切り替えたことがありました。さすがに、それは本当に緊張しました」と綿引。このような事態も想定し、日頃から細心の注意を払ってモニタリングを行っている。
マーケットは生き物。うまくさばいて利益を上げることがディーリングの醍醐味
ディーリング部はチームプレーで業務を行う。部門の利益目標はあるが、個人のノルマはない。取引価格配信とカバー取引のベース業務を、3交代制でみんなでやりながら、そのほかの業務は、得意・不得意に応じて分担する。分析業務が得意な人もいれば、経験からカバー取引先の金融機関とのやりとりが得意な人もいるので、得意な人が中心的にやっていく形だ。
これらの通常業務に加え、システムの定期的なアップデートや、先頃リリースした『マイメイト』のように、新サービスへの対応もある。すべてのサービスがカバー取引につながるため、開発段階から担当部門と協業していくのだ。会社の根幹をなす業務ばかりのため、関係先は多く、業務も幅広い。得られるスキルは多く、やりがいも充分だ。
「でも、まず何といってもマーケットに最も近いところで触れられることが醍醐味です」と綿引。仕事のやりがいや手応えはもちろんだが、シンプルにマーケットの躍動感や金融取引がおもしろく、またそこに魅力を感じる人が、この仕事に向いているだろう。「マーケットは生き物。直近ではウクライナや急激な円安などもありましたが、あらゆるニュースを飲み込んで、それが価格に表れます。それをうまく乗りこなして利益を上げていくことが、この仕事のいちばんのおもしろさだと思います」
インヴァスト証券では、今後は取り扱う金融商品も広げていく。実装の過程では、ディーリング部も準備が必要だ。綿引は言う。「例えばFXと同じCFDでも、金融資産が異なればそれに合わせたディーリングを組み立てていかなければなりません。例えば株式や暗号資産などを扱うとなると、カバー取引先はFXとはまったく違うところになります。情報収集やリスクの検討、取引先の開拓なども、我々サイドで進めることになります」
多様な金融商品の値動きを見ることになり、大変さは増すが、おもしろさも増しそうだ。「システムで取引するとはいえ、そのベースにあるのは我々の分析なので、考えた結果がプログラムに反映され、収益という形でフィードバックを得られることは、本当におもしろいです。思うように成果が出なければ、PDCAを回しながら改善するクリエイティブな仕事でもあります」(綿引)
現在、ディーリング部には、新卒もいれば未経験からの中途メンバーもいる。いずれも仕事を覚え、今ではすっかり活躍している。個人ノルマこそないが、業務の性質上、数字のプレッシャーは避けられない。だが、チームワークよく、適度な緊張感の下、仕事に打ち込むのがディーリング部のカラーだ。
綿引は言う。「自分たちが行った取引が収益に直結する緊張感から、市場分析や情報収集などは、どこまでも探究したくなります。逆に言うと、その好奇心、探究心が乏しい人、数字に苦手意識がある人には厳しい職場でしょう。個人的には、マーケットでもディーリングの業務でも、「なぜそうなるのか」ということを1つ1つ意識していくと、点と点が線でつながって大きな面になるのがわかる瞬間があり、そうなると、より楽しく感じるのではと思います。ディーリングに興味があれば、恐れずにチャレンジしてほしいです」
仕事は幅広く、そして間違いなくおもしろい。未経験からディーラーに挑戦できるチャンスも滅多にない。この貴重な機会を逃さず、興味ある人は訪ねてみてほしい。