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挑戦する土台は整った。 奇跡のような縁で入社し、インヴァストのインフラを一新

EA(Enterprise Architecture)チームを率い、インヴァスト証券のあらゆるサービスの基盤となるインフラを支えるSteve。アメリカ出身で、スイスのグローバル旅行関連企業で活躍した後、奇跡のような縁でインヴァストにジョインした。この2年間で、Steveは社内インフラとトレーディングサービスのインフラをすべて近代化。チームのメンバーとともに、今後のインヴァストの挑戦と飛躍の土台をつくっている。

数々のビッグプロジェクトを経験後、奇跡のような縁でインヴァストに参画

Steveは金融サービス、電気通信、医療、旅行など様々な業界を渡り歩き、クラウド、DevOps、コンテナなどの最新技術に精通したITリーダーとして活躍してきた。数々のビッグプロジェクトを手がけてきたが、その一つが、グローバルに事業展開する旅行会社でのWindowsXPからWindows7への移行プロジェクトだ。また、ヨーロッパに位置するの約150ほどのオフィスにVDI(仮想デスクトップ)を導入するプロジェクトも主導した。1万人以上の社員が各国の拠点に散らばり、拠点間の異動も頻繁にあるなかで、Steveはチームを率いて、その煩雑な全社の移行プロジェクトを成功させた、ほかにも数々のプロジェクトを手がけ、地理的にも文化的にも多様なチームをまとめあげてきた。

インヴァスト証券に来る直前は、Steveは兄とともにAWSをはじめとするクラウドコンサルティング会社を立ち上げた。クラウド、なかでもコンテナ管理のKubernetesを自分の強みとして確立しようと考え、数々のプロジェクトを通じて知見、ノウハウを身につけていたのだ。

このように、マネジメントと現場の開発・構築の両面で豊富な経験を持つSteve。彼がインヴァストに参画したのは、奇跡のように様々なタイミングが一致したからだ。旅行会社時代に日本を訪れ、いずれは日本で働きたいと思っていたSteve。2018年、Steveはその思いを実現すべく、日本に転職先を探しにやって来た。そのタイミングで、兄から電話が入る。それは「インヴァスト証券へ行ってくれという用件でした」とSteve。何かというと、当時のインヴァスト証券のCTOが、インターネットで最新テクノロジーを取り扱っている会社を探しコンタクトを取ったところ、Steveらのコンサルティング会社に問い合わせをしていたのだ。そこで、ちょうど日本にいたSteveが訪問することになったという経緯だ。

「すぐに向かい、そのまま2カ月のプロジェクトの話がまとまりました。内容は、KubernetesとCI/CDの最初のデプロイを含むAWSでのベースインフラの構築。そのプロジェクトが終わったとき、まだ数々の改善すべきポイントがあったため、私は自分を雇ってやらせてほしいと提案したのです」と、Steveは振り返る。インヴァストにとっても、願ってもない提案だっただろう。

もちろん、日本の会社であればどこでもよかったわけではない。「インヴァストの、新しいテクノロジーを導入する意欲がとても伝わってきました。金融業界は、レガシーなシステムを守ろうとする会社が多いなかで、インヴァストはリスクを取って新しいテクノロジーに変えようとしている。その心意気を魅力に感じ、一緒にやりたいと思ったのです」(Steve)


クラウドへの全面移行を実施。5つのデータセンター廃止など成果を上げる

入社後、早速、取りかかったのは社内インフラおよびトレーディングサービスのインフラをクラウドへの全面移行の計画立案だった。インヴァストとしてのクラウド戦略を策定した後、すべての社内インフラおよびトレーディングサービスのアプリケーションを、クラウドに移行した。「以前のインフラでは、例えばちょっとした環境変更にも数週間かかり、それに伴ってお金もかかれば、ベンダーとの何回ものミーティングなど労力もかかります。これでは、あらゆるイノベーションの取組が困難な状況でした。これがクラウドなら数秒で済む。時間もコストも桁違いです」と、Steveは当時、直面した問題点を指摘する。会社側はSteveを信頼し、任せた。結果、2年間でクラウドへの全面移行を完了し、社内外の5つのデータセンターをすべて廃止することができた。会社全体のコスト削減額は莫大で、同時にパフォーマンスも飛躍的に向上した。

成功裏に終わったが、もちろん大変なタスクだった。使った技術は、AWSリソースのすべてのほか、コンテナエンジンのDocker、コンテナホスト管理のKubernetes、Infrastructure as Codeなど。これにより、すべての新規開発はクラウドネイティブとなり、Kubernetesでコンテナ化されたワークロードとして実行されるように開発されることになった。

一方、この頃、社内では主力サービスのリデザインと新規開発が進んでいた。自動売買サービスの『トライオート』と、新サービス『マイメイト』だ(一人でも多くの人に夢のある投資を!AIを搭載したマスコットが自己学習する画期的なトレードサービス『マイメイト』)。『マイメイト』は紆余曲折があり、2021年5月に開発体制を刷新。2022年1月のリリースに向けて、急ピッチで開発を進めているところだった。EAチームは開発チームと密接に連携し、アーキテクチャーの設計にあたった。そして、その設計をAWSのインフラに適合させ、様々な環境を実装した。

AIをフル活用する『マイメイト』はデータの処理量が格段に多く、その対応が肝だった。Steveが選んだ技術は、Kubernetesのオートスケーリング機能と、AWSのスポットインスタンスだ。「この2つを駆使し、負荷に合わせて柔軟に容量を増減させることで、コストを削減しつつ、処理スピードも維持できています。このように、品質を保つうえで最適な方法を模索し、導入してきました」(Steve)


クラウド全面移行を完遂。達成感とともに次のフェーズへ。最先端の技術にも挑戦

2022年1月、『マイメイト』は無事にリリースにこぎつけ、同時期にクラウド移行も完遂した。Steveは入社以来、ノンストップで走り続け、今、ようやく一息ついたところだ。振り返って言う。「クラウド移行、『トライオート』のリデザイン、『マイメイト』のリリースと、ほかのチームとも常に連携しながらノンストップで取り組んできました。忙しく過ごしてきましたが、振り返るとコスト削減など目に見える成果を上げることができ、楽しさや達成感も感じています。今後は、これらをアップデートしていくフェーズに移ります。そこにはまた別の楽しさが待っているでしょう。これまでは、じっくり落ち着いて考えるよりは、とにかく突き進んできましたが、これからは少し時間に余裕をもって、いろいろな手を打っていけると思います」

懸命に取り組んでいた2年の間には、コロナ禍の緊急事態宣言で、急遽、全社リモートワークになる事態もあった。わずか一週間で、様々な設定を行わなければならなかった。そんな難所も乗り越え、Steveとチームのメンバーがつくったこの強固な基盤で、インヴァストはさらなる挑戦に向かう。

EAチームとしても、今まで以上に果敢に、新しい技術に挑戦していく決意だ。「例えばサービスメッシュ」とSteveは一例を挙げる。無数のマイクロサービスの集合体であるインヴァストのサービスを、サービスメッシュの技術で可視化し、管理しやすくすることで、全体最適化を実現していく。

現在のEAチームは、Steveを含めて3名の超少数精鋭部隊。たった3人で、大きなインフラ基盤を支えていることは驚きだが、その分、手応えも大きい。少人数で回すには自動化不可欠で、必然的に、最先端の技術を駆使した環境に身を置くことにもなる。「少人数だからこそ得られる経験があります。大きな会社では、その中の小さなパートしか体験できないかもしれませんが、ここではすべてに関わり、手を動かす。これから仲間になる方は、AWSやKubernetesのあらゆる側面に触れ、私たちが使用している技術とサービスのエンドツーエンドの理解をすぐに得ることができると思います。ここは常に学び、成長できる素晴らしい場所です」

技術選定も、チームのみんなで話して決める。入社したばかりの人も含めて誰もが自由に提案し、優れていれば採用されるフラットなチームだ。コロナ禍前は折々にイベントなどもあり、楽しく仕事をしてきたという。今はできないが、そのよき空気は健在で、いずれ落ち着いたら再び楽しい時間をともにできるだろう。「IT部門はとても活気があり、誰もが仲良く、継続的な革新と改善という共通の目標に向かって働いています。常に新しい技術に触れ、それを取り入れようとする意欲がある方の参画をお待ちしています」。Steveからのメッセージだ。


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