インクワイアでは昨年12月から月に1回、いつも仕事をしている環境から離れ、朝から夕方までゆっくり業務以外のことを話す「オフサイトMTG」を実施しています。2月は赤坂の路地裏にある古民家で開催。この日は北海道や愛知いるメンバーなど、普段画面越しに顔を合わせているメンバーもリアルで集結しました。
今回はNPO法人soar代表の工藤瑞穂さん(https://twitter.com/mimimizuho)にファシリテーターをお願いし、
ーチェックイン
ー直近1ヶ月の振り返り
ーランチ
ーここ3ヶ月の仕事について
ーこれは「すごい!」と感じた仕事について
ーSignifiant Event Analysis
ーチェックアウト
という流れで進行しました。
◎最近の出来事から、気づきを得る
まずはチェックインから。インクワイアのMTGでは、冒頭に参加者全員がその日の気分や最近あったいいこと、気になったニュースなどをシェアしています。これをやると一人ひとりが話す機会を最初に作れるので、その後の会話がスムーズに。近況も知れて一石二鳥です。
続いて、ここ1ヶ月の振り返りを実施。3〜4人1組になり、「1ヶ月の過ごし方と個人的なハイライト」「最近の興味関心」「1ヶ月で得られた成長や学び」をシェアしました。「シェアハウスに入居したけど、人間関係がつらい」といった具体的な出来事から、徐々に内容を深堀り。中でも盛り上がったのは、喜怒哀楽の感情をどうコントロールするのがよいのか、「行為」と「関係」はどちらが先なのか、プライドをどうやって捨て去るかといった、人との関係性や内省についての話題でした。「喜怒哀楽の特定の感情だけを押さえ込もうとすると、感情の総量も下がって、何も感じなくなってしまう」といった意見もでてくるなど、内面についての気づきが多く得られました。
◎ネガティブな感情にどう向き合うか
その後、赤坂のイタリアンで美味しいパスタとピザを食べ、午後の部へ(ご飯が美味しすぎてランチの写真は撮り忘れました...)。
午後の部では私たちが日々行っている、「仕事」について向き合う時間に。お題は、「この3ヶ月間で一番気持ちがポジティブになった瞬間」「ネガティブになった時間や乗り越えるのが難しかった時間」について。まずはそれぞれお題について思ったことを書き出し、みんなに共有。その後、気になったトピックについて話をしました。
でてきた話としては、
「ネガティブになったとき、休んだら元気になるという成功体験をいかに積めるかが大事」
「人間はよくない状態を脱するのに、3日必要」
「原稿が思うように進まないときは、不完全でも一度書き出して、後から修正していく方が楽だし結果的にいい原稿になる」
「本当に辛いことがあったときに頼れる人を、属性別(家族、恋人、友人、仕事仲間など)に4人見つけておくとよい」
など。それぞれの仕事の進め方で悩んでいることをどう解決するとよいか、体調やメンタル面に不調がある時に、どう対応するのがよいのかについての話が盛り上がりました。ネガティブな話でも、それを否定するのではなく、「どうするといいのか」という前向きな視点で話せるのがインクワのいいカルチャーだなと改めて感じました。
◎「いい仕事」って何だろう?
仕事に関する2つ目のお題は、「あなたが『これはすごい!』と感じた仕事」について、憧れや悔しさを覚えた人やプロジェクトのことを話し合いました。
「圧倒的な個がありつつ、個だけではできないことをやっている仕事を見て悔しかった」
「分断を煽るのは楽だけど、それをつなげる取り組みをしている人がいて、自分もやりたいと思った」
など、メンバーが憧れた仕事や悔しいと感じたプロジェクトを通して、それぞれが考える「いい仕事」や目指したい姿が浮き彫りになり、とても面白かったです。
◎組織のトラブルにみんなで向き合う
最後は、「Signigicant Event Analysis」という手法を用いたワークショップを実施しました。何やら聞きなれない名称ですが、これは実際に起きた出来事を取り上げ、特に重要だと感じた点について掘り下げていく方法です。もともとは第二次世界大戦中、アメリカの空軍向けに心理プログラムとして開発されCritical incident technique から発展した手法とのこと。最近は医療の現場でも活用されることがあるそうです。
今回は、実際にインクワ内で起きたトラブルを事例に、それぞれが感じたことを共有しどうすればそういった事態を防ぎことができたのか。トラブルを踏まえ、よりよい組織にしていくにはどうしたらよいか、意見を出し合いました。
トラブルが起きた際、一部のメンバーで解決策を練って対応してしまいがちでした。今回、全員が一つのトラブルについてしっかり向き合ったことで、いい意見や発見も多く出て、チームとしてのまとまりも強くなったように思います。
最後はそれぞれ1日の感想をシェアしてチェックアウト。
「組織にとって辛い出来事をみんなで共有する(Significant Event Analysis)の時間を通して、各々が何を感じているのか、どのような組織を目指すべきかを再確認でき、靄が晴れた気持ちになりました。定期的にやっていきたい」
「『今の自分の関心ごと』や『どんな人になりたいか』は、状況によって答えが変わると思うので、逐一自分を見つめ返せる点で継続してやりたい。個人的に心に響いたのは瑞穂さんの『嫉妬はしてもいい』という言葉。嫉妬はあまり良くないものだと思っていたので、ちょっとポジティブになりました。今後は、心理的により働きやすい組織にするにはどうしたらいいか考えられる機会をどこかで作りたい」
といった感想が出てきました。インクワは基本的にはフリーランスの集合体で、ギルド型の組織です。時には「弱さ」を共有しながら、よりよい組織を創っていきたいと思います。