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ACC AWARDSを獲得した'SPACE LIGHT SHUTTLE'の開発秘話に迫る(後半)

2019年3月にイメージソースが発表した完全自社開発インスタレーション「SPACE LIGHT SHUTTLE」(以下、SLS)が2019 TOKYO CREATIVITY AWARDS「ACCブロンズ」を受賞。その受賞を記念して、SLSの開発・制作にあたった社内のメンバーらと祝賀会を開催しました。前半は、SLSが生まれた背景や空間や体験として実現できるとチームメンバー皆が確信を持った経緯までをお伝えしました。後半は、開発の経緯や苦労、ACC受賞を受けての感想などお伝えします!

チームにおけるそれぞれの苦労

石川(テクニカルディレクター/リードエンジニア):
トラッキングシステムやムービングライトの制御など、全般を通して担当しました。SLSは、色々なデバイスや技術を多く使用しているので、それぞれを連携させるという点で、各パーツが正常に通信・可動しているかを確認しながら実装するのが大変でした。また、会社のスペースで本番環境と同じ環境を作り出すことができなかったため、理論上では正常に動作するはずと思っていても、現場でのテストが直前まで試せないことから、検証作業の精度をどうあげていくかということにも非常に苦労しました。しかし、ポジティブに捉えると、会社のR&Dワークであるから精度がある意味100%でなくとも許される部分やチャレンジできるところがあります。これが仮にクライアントワークだとしたら、検証作業にはもっとシビアになりますし、ミスは絶対に許されません(苦笑)。だから、イメージソースのR&D活動は常にクライアントワークに還元できるのだと思う節もあります。


木村(デザインエンジニア):
僕は、シャトルの疾走感や飛んでいく感じ、どういう街にしたらいいのかを悩みましたね。始めはgoogle earth studioを使用して映像を書き出したものを表示させるのかなど、かなり試行錯誤しましたが、最終的にはリアルタイムCGを使って制作することにしたものの、処理が重いので、そこをどう軽くしていくとかとかですね。やはり、スポーツがテーマでしたからスピード感やリアルに魅せるという点で、事前に書き出した映像ではなく、その場で描画しているCGにこだわりました。


高野(R&D/インスタレーションデベロッパー):
ラケットのデバイス制作とデザインエンジニアリングを主に担当しました。一番苦労した点は、ゲーム体験にならないようにしなければならなかったので、それをどのようにラケットデバイスへ実装していくかを考えることが難題でした。ラケット(デバイス)を振った際に、ただ音が出て光っているだけではあまり面白くないので、実際のバドミントンの競技体験に近づけるために、本物の風切り音を出したり、物理的な音は繊細な振動として還ってくるなど、触感的な部分を緻密に体験として感じてもらうような感覚を、どれだけフィットさせるかに重きを置きました。


佐々木(ディレクター):
デバイスの振動音と、音と感覚のフィードバッグを担当しました。振動デバイスは、ただ振動が発生するだけですので、体験者がなにをしているのかが感じにくいのです。そこで、ラケットを振ったときの感覚に対する人へのFBが欲しいので、音を直接モジュールに変換してくれるデバイス導入を高野と一緒に時間をかけて検討しました。振動をどうリアルにするか、音を作っていくにあたって、よく聞こえるようにデフォルメするのかあるいは、リアルな音に近づけた方がいいのかなどの方向性にも悩みましたね。音を振動させるには、人が聞こえない帯域まで下げなければいけないので、とにかく、音の出方の表現にこだわりました。光の交点を打った時の音は、リアルな音とデフォルメした音をミックスさせて作りましたが、ファイル形式によってはノイズが乗ってしまって振動として拾ってしまったり…。



ACCを受賞した喜び


木村(デザインエンジニア):
獲ったんや!ありがとうございます!!もうこれに尽きます(笑)

石川(テクニカルディレクター/リードエンジニア):
初めに受賞したと聞いたときには、まったくピンときませんでした(笑)。え?なんのACC?と驚きのあまり、頭からアワードだということがすっぽりと抜けていたので、会場での受賞式に参加するまで、本当に実感がわきませんでした。また、SLSはAIといった超最先端の技術が入っているわけではないけど、既存にあるひとつ一つの技術の組み合わせで、全体として面白い体験になっているということは審査員の方々にも感じてもらえたと思います。


高野(R&D/インスタレーションデベロッパー):
イメージソース社以外に受賞をされたものを見てみると、どちらかというとサービスやプロダクトが多く、SLSのようにコンテンツに寄ったものはなかったんですよね。まだプロトタイプの状態であるにも関わらず受賞をしたということは、制作(コンテンツ)自体が評価されたのかなと個人的な印象を持っています。非常にありがたいです!


佐々木(ディレクター):
みんなと同じ感想なのですが、単純に嬉しいです!ありがたいです!!


加藤(プロデューサー):
受賞がクリエイティブイノベーション部門ということですが、誰もやったことのない技術を使っているわけでもなく、スポーツという分野の中で、今までにないアプローチであったと評価されたのだと思います。プロスポーツ選手ではない一般の人からしてみれば、競技スポーツはみんなで観て応援するものと、自分がライフワークとして取り組むスポーツに区分されがちですが、SLSは、離れた場所でできるデジタルスポーツであり、ゲームセンターにあるものではなく、リアルとデジタルのいい塩梅の融合によって、なんか見たことあるようで、なかったよね。という印象を与えられたのではないかなと。

目指すSLSの進化系とは?

加藤(プロデューサー):
やはり、本当はリアルと同じバドミントンコートのサイズで展開したいと思っています。SLSをプロの選手にも体験してもらいたい!(笑)。そして、一般の方にはまだお披露目できていないので、たくさんの方に体験してもらって、実際にムキになって何回もやりたいと思ってもらえるコンテンツにしていきたいですね。

木村(デザインエンジニア):
そうですね。僕は、街と街を繋ぐというコンセプトにならって、本当に離れた都市同士を繋いでプレイできるようにさせたいです。外国と日本でもおもしろいし、もちろん、東京の渋谷と品川とかでも(笑)。

石川(テクニカルディレクター/リードエンジニア):
トラッキングシステムやムービングライトの台数や技術精度を高めて、体験をもっとリッチにしたいと思っています。今回制作した我々のチームは、本当に制作者同士が実際にプレイを繰り返して、ある意味遊びながら楽しんで創れたことが非常に良かった点です。



いかがでしたでしょうか。ACC審査員の方からも、今後の5G時代においての可能性の広がりや進化についての期待などコメントをいただきましたが、これからも実際に離れた拠点での対戦や、他ラケットスポーツへの応用など挑戦を続けてまります。

ご興味ある企業様はぜひ弊社までお問い合わせください!また、SLSに限らず、企画から実現まで熱い想いを持ってものづくりをしてみたい仲間を募集中です。これからも、イメージソースのR&D活動にご期待ください。(前半記事はこちら


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