令和7年度試験の問題作成の方向性,試作問題等
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https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou/r7mondai.html
つらい。
SaaS (仕事 as a 趣味の延長)を提唱してる私が明日の仕事を休みたいくらい、つらい。
まず、お昼にケンタッキーフライドチキンを食べて、夕飯にアジフライを 2 枚食べたのがつらい。
もう 40 代やで。どんな食生活をしているんだと。明日の寝起きは胃がもたれてぜったいにつらい。
そして、書店で奮発して5千円のアートブックを買ったのですが、帰宅してバッグから取り出したら表紙がやぶれていてつらい。
確実にバッグの中でやぶれているので返品はできない。昨日、子どもの歯の矯正費用に 57 万円支払ってこれから霞を食べて生きていこうと決意した矢先の 5 千円…
(そして、霞を食べると言っているのにケンタッキーフライドチキンを食べているのはなぜ?)
こんな日に追い打ちをかけてつらいのが、今日の本題にまつわることです。
それでは本題いってみよう。
さて、令和 7 年度(2025 年度)から大学入学共通テスト(昔のセンター試験)に「情報Ⅰ」という科目が追加されるのはご存じでしょうか?
こちらのリンク先で試作問題が公開されています。
どんな問題が出るのかまったく予備知識がない状態。
いやいや、とはいえこちとら現役バリバリのソフトウェアエンジニアでい!なにが出ても余裕で解けるっしょ。
(そう思っていた時代が私にもありました…)
俺がやってやりましょうか?(斎藤裕 vs. 摩嶋一整の試合を解説していた朝倉未来風に)
じゃあ、予備知識がないまま解いてみましょう。
その結果やいかに。
これから解いてみようという人がいるかもしれないので、問題と解答に関する具体的なネタバレは避けます。
どんな内容が出題されたかには触れますので、私と同じように予備知識が一切ない状態で解いてみたい人はここでいったん読むのをやめて 60 分後に戻ってきてください。
はい。それでは私の採点結果です。
(厳密に時間を測っていなかったのですが、子どもたちの夕飯のしたくも入れて 60 分には収まっていました)
ふたつ間違えて 92 点という結果。
そのうち 1 問はマークミス的なミスなのですが、受験戦争において配点 5 点の問題をマークミスするって受験生だったら死活問題ですよね。言い訳できない。つらい。
問題はもうひとつのほう。
これは完璧に間違えてました。採点して間違いに気がついて見直してみると「あ、こうだ」とすぐにわかったのですが、問題を解いているときには頭の中がわちゃわちゃしていました。
完全に言い訳できない間違い。つらい。
それでは、どんな問題が出たか見ていきます。
第 1 問は、インターネットを使ったサービス利用に関する問題。
SNS や Web サイトの情報との付き合いかたなど。これは問題ないですね。
次に 2 進数がわかっていないと解けない問題。
論理回路の問題は知識ゼロでも問題を読むと解ける内容です。
情報整理について、超簡単な問題。
ということで、第 1 問は 2 進数の知識があればすべて解ける内容でした。
第 2 問。まずは QR コードについての問題ですが、知識は不要。ロジカルに考えれば満点取れます。
そして、お店の待ち時間と待ち人数についての問題。これもロジカルに考えれば大丈夫なのですが、わちゃわちゃしてしまう人もいそう。
第 3 問は、お待ちかね!プログラミングの問題です。
といっても、プログラミングの知識は不要。(たぶん)特定の言語に寄って不公平さが出ないように日本語ベースの疑似言語となっています。
これも、ロジカルに考えればプログラミングの経験がなくても解ける内容です。アルゴリズムを丁寧に説明してくれてるので。
一方、ふだんプログラムを書いている人なら瞬殺できます。
最後、第 4 問。統計(データ分析)の問題です。私がやられたやつ。
これも、統計の知識がなくてもロジカルに考えるとどうにかなると言えばなる。けれど、ある程度は雰囲気がわかっていないとロジカルシンキングに自信がある人でないとつらいかも。
超昔の教育課程から生物学に進んだので統計を通ってきておらず実務でも接していなかったため、わちゃわちゃしてしまいました。でも、ふつうに考えたら解けた内容。
あらためて見返すと、つまらないミスをしたと感じてしまいます。ただ、そう感じるというのが「情報Ⅰ」の問題の全体に言える特徴だと言えそうです。詳しくは総評で。
実際に解いてみた感想は「いい問題だなー」というものでした。
情報処理に関してまったく知識のない状態でもロジカル(この単語が頻出してますけどそれがポイント)な思考が超得意であればほぼ満点を取ることができます。(2 進数のとこ以外、いや、これもいけるかも)
一方でそこまでの思考ができなくとも、基礎知識が増えるにつれて求められるロジカルさが減るという内容になっています。
さらに、似たような問題を解いて練習をしていると、基礎知識が身について思考能力もアップするので対策が可能。
このあたりのゲームバランスがいい具合になっているような気がしました。
そもそも、いつでしたっけ?小学校でのプログラミング教育が必修化されるというので大騒ぎしていた時期がありましたね。
子ども向けのプログラミング教室が乱立して、世間の親も「子どもにプログラミングを!」とあわてていました。
けれども、文部科学省の資料を見てみると、育みたいのは「プログラミング的思考」であって「プログラムを書くスキル」ではないのです。
今回の試作問題では、それが体現されているように感じました。
知識があるとか経験したことあるとかではなくて、思考する力を試す問題。
そういう意味での「いい問題だな-」でした。
余談ですが、「文系」「理系」という言葉を駆逐したいと思っています。「文系だから論理的思考ができない」のような免罪符につかわれるケースが多くて残念な気持ちです。
一方で、文芸を含むアートだとかデザインだとか、センスとひとくくりにされがちな分野も結局はロジックなので「理系だから理解できない」といった言い訳もしたくないですよね。
そう考えると、ふたつにわける意味とは…
(最近は、文理をわけない大学も増えてきてるようですね)
で、冒頭の「つらい」はなしなのですが、満点をとれなかったのがつらい。
「あー満点取れなかったわー(でも 9 割以上取れてるけどね!)」といったステルスマウンティングではなくて、上記のようにわちゃわちゃせずにふつうに考えたら満点とれたはずの問題でミスしたというのがつらい。
現役のソフトウェアエンジニアなのだから、ちゃんとロジカルに考える能力だとかその「態度(重要!)」だとか身につけておかないと、そのために普段から「ちゃんと考える」ことから逃げてはいけないという自戒の念がふつふつと湧いてきているしだいです。
感覚で生きてるからな…
ロジカルに考えたら、昼にケンタッキーフライドチキン、夜にアジフライ 2 枚食べたりしないですよね…
(いや、直感で考えても食べないか)