皆さん、こんにちは!出雲オフィスでエンジニアをしている石井です。
先月、出先で見かけた中古カメラ屋さんにふらっと立ち寄ったところ、予定外の買い物をしてしまいました。
ショーケースの片隅に並んでいたのは、往年の銘玉と呼ばれるオールドレンズ。 「Pentax Super-Takumar 55mm F1.8」と「Canon FL 50mm F1.8」の2本です。 値札を見ると、なんと2本合わせてほぼ1万円。 手頃な価格につい背中を押され、気づけばそのままレジへ向かっていました。
手持ち50本の中で、オールドレンズは意外にも「5本」だけだった
家に帰ってから手持ちの機材を棚から引っ張り出して整理してみたのですが、ちょっとした発見がありました。 手持ちは全体で50本程度あるのですが、改めて数えてみると購入したオールドレンズは今回買った2本を含めてもわずか「5本」。 あれこれ手を出してきた感覚の割には、オールドレンズの比率は意外と低い状態でした。
ボケの癖とコーティングの差:2本の実写で見えたキャラクター
私がオールドレンズに惹かれる一番の理由は、何よりも「ボケの癖」の面白さにあります。
今回手に入れた2本は、どちらも昭和の標準レンズにおける王道構成である「ダブルガウス型」をベースにしています。 そのため、開放付近で背景に芯や独特の輪郭が残りやすいという基本的な骨格は似ています。しかし、実際に持ち出して撮り比べてみると、「レンズごとのボケの輪郭の出方」と「当時のコーティング設計の違い」によって、全く異なる表情を見せてくれました。
Pentax Super-Takumar 55mm F1.8
逆光気味に光を入れると、鮮やかな「虹色のサークルゴースト」が綺麗に走ります。これは当時の単層膜(モノコーティング)が強い光を抑えきれず、レンズ内部の曲面で反射・分光して現れるオールドレンズならではの現象です。 さらにピント面より後ろのボケは輪郭がしっかりと主張して残り、背景の光の粒がリズミカルに浮かび上がってくるような独特の硬さと面白さがあります。
Canon FL 50mm F1.8
Super-Takumarに比べるとボケの輪郭の主張はぐっと控えめで、落ち着いたトーンを持っています。ただし、現代レンズのように「ふんわりと優しく背景が溶けていく」ような感触ともまた違い、輪郭の角は取れつつもダブルガウスらしい芯を残した描写をします。 また、逆光時の光の回り方も対照的で、Takumarのようなクッキリした虹色ではなく、全体をふわりと包み込むような「白っぽいハレーション」として光が広がります。この柔らかな光の滲みが、テーブルフォトの被写体をどこか懐かしく温かみのある空気感に仕立ててくれます。
まだまだこれから、2本の癖を掴んでいく
手元に迎えたばかりということもあり、光の当て方や背景との距離感など、この2本の癖はまだまだ掴みきれていません。
同じ光学設計の系譜にありながら、コーティングや設計思想の違いでこれほど光の料理法が変わるのがオールドレンズの奥深さです。 「この角度で光を入れたらどう転ぶか」「この被写体ならどちらのボケが映えるか」と試行錯誤しながら、それぞれの個性をじっくりと引き出す撮影を楽しんでいきたいと思います。
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