官能評価のプロからAIエンジニアへ。安定を捨ててでも解決したかった製造現場の課題とは【社員インタビュー Vol.11】 | AI Engineer
小川 洋平 / エンジニア神奈川県出身。学生時代に空気圧制御ロボットの製作及び制御について研究、卒業後は工作機械業界にて主にNC制御盤の製造を担当。 退職後は技術請負として、新型車両の実験開発業...
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小川 洋平 / エンジニア
神奈川県出身。学生時代に空気圧制御ロボットの製作及び制御について研究、卒業後は工作機械業界にて主にNC制御盤の製造を担当。 退職後は技術請負として、新型車両の実験開発業務に従事。その後機械学習の勉強を始め、エッジデバイスを用いた検知システムの開発などに取り組む。 2021年12月よりフツパーに参画。
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まず、入社してすぐに現場の仕事に関われたというのがフツパーならではの嬉しいギャップかなと思います。
そのうえで実際に現場に行ってAIを作ってみて驚いたのは、意外とAIの精度が高いということです。
元々AIのことはとても面白い技術だと思っていて、ゆくゆくは製造業の事業継承に役立つものだと感じたのでスクールに通ってAIを学びましたが、フツパーに入る前は現場ではまだまだ使えないと思っていました。なのでそこはギャップでしたね。
産業用カメラや照明の選定といった光学設計が想像以上に重要だということです。
僕が入社した当初は「はやい・やすい・巧いAI」を実現するためにカメラも安さ重視で選んでいました。それでも当時から精度は99%以上を出してはいたんです。
でもその後、光学設計のスペシャリストでもある山本さんが入社して、カメラや照明の選定方法がガラッと変わって、それによってAIで判別できる不良品の幅がぐっと拡がりました。
そこからさらにフツパーにとって光学設計の技術が重要な強みになったと思っていますし、そこからデータの品質の重要さをより理解できるようになりました。
あとは、お客さん自身でも曖昧な良品と不良品の判定基準を整えることも重要ですね。分かりやすい良品と不良品もありますが、その間というか、人によってあやふやで、明確に言語化・数値化できていない領域まで最初のうちにはっきりさせておくということです。例えば、何mm以上の焦げだとNGなのかとか、どのくらいの色から焦げと判断するのかとかです。
やっぱり人間の能力はすごくて、ちょっと判定が厳しすぎたり緩すぎたときに、指摘したらすぐ修正できるじゃないですか。AIにそれができないというわけではないけど、すぐに切り替えるのはまだ難しい部分があるので、その基準を最初にお客さんと一緒に突き詰めて考えるようにしています。
AIチームといってもまだ専任しているのは1人しかいないですけどね。他の担当とAI部分を兼任しているメンバーが何人かいるので、関わるメンバーの統括をしているというイメージです。
チーム別での作業というより、全員がリーダーというイメージのほうが正しいかもしれません。
笹口君は来年4月に新卒で入社予定ですが、それまでインターンをやってもらってます。メンターではありますが、主に行っているのはタスクの割り振りくらいです。なので一般的なメンターのイメージとは違うかもしれません。フツパーでは、教えてもらうのを待つというよりも、自分から調べて動いていくのが基本だと思います。
そもそも入社してくる笹口君は学生ながら非常に優秀な素晴らしい方なので、教えることは特にないんですよね。
誰かに教えてもらうという姿勢ではなく、全員がリーダーで、全員で目標に向かってモノを作る。そういう職場が良いなと思います。
入社時期が早いからフォローしているだけですよ!
フォローというのも、僕が誰かの困りごとに代わりに対応するというわけでもなく、声を掛けて話を聞いて、相手のひらめきを待つという感じです。誰かと喋るとひらめきますから、話し相手になるだけです。
最先端の技術を製造業に届けることができる。これが一番の魅力ですね。企業の規模の大小に関わらず製造業の問題をAIで解決できるというのが決め手で自分は入社を決意しました。
入社後もすぐにものづくりの現場に携われたというのもフツパーの魅力だと思います。これはもう前回のインタビューから変わってないですね。
先日、錦城護謨さんとの技術開発で「KANSAI DX AWARD 2023」の近畿経済産業局長賞を受賞したのですが、いろんな現場で経験を積みながら自分が関わった案件でこういった賞をとることができるというのもいいところですね。自分の技術が現場に影響を及ぼしているということを実感できる会社だと思います。
新しい技術を知って、それを製造系のものづくりの現場でどうしたら使えるかを考えているときが一番面白いです!
AI業界から見たら最先端の技術とは言えないかもしれないけど、既にある技術を加工して、現場で使えるものにしていくというのが僕たちの使命だと思いますし、自分のやりたかったことなので、テンションが上がりますね。
今は既存の工場のラインにAIを導入して不良を見つけるという案件がメインですが、これからは工場を作る前の段階から参加して、ラインを作ったときにはそもそも不良が出ないということを突き詰めた工場を作ってみたいですね。
あとは、今まで以上に現実的に日本の製造業を支えていきたいということです。
AIで人が要らなくなるんじゃないかっていうことが心配されるけど、そうじゃなくて今AIを導入しないともう間に合わないというか、人手不足でどうにもできなくなってしまうという現場をたくさん救っていかなければいけないと思っています。