“持続可能型コミュニティが生み出す価値”
コロナ禍において、人の住み方と働き方、不動産の在り方、街のあり方、といった要素が大転換期にある今、持続可能性を柱にした街づくりは、地方都市やコミュニティとって未来型の都市モデルとともに、魅力的な価値をもつコミュニティ創生の絶好の機会ともなり得ています。
コロナ禍を経て、ワーケーション、勤務地の分散化、在宅ワークといった新たなコンセプトが急速に普及する中、『共感』という要素は従来の『利便性』という不動産の立地選びにおける核要素に代わるものとなりえる可能性を見せ始めています。
特に大都市圏の住宅、オフィス、商業施設はこういった変化への対応が問われていくなか、地方の都市やリゾートにおいてはこの変化は大きな成長の機会と言えます。
街・都市の価値を高める鍵となる、持続可能性のトレンド
下記のトレンドは、地方都市やリゾートが次世代型の持続可能モデルを実現し、グローバルにその価値を高めることのできる大きな機会でもあります。
・人々の住み方・働き方・旅の仕方
毎日の通勤といった概念が薄れる中、優れた人材がこれからの時代に重視する要素とは、「利便性の高い都市中心部」から「共感を持った生活スタイルをもつ場所」へと変わりつつあります。高いレベルの教育を受け、専門的な知識を持った優秀なグローバル人材は、環境、自然、食事、コミュニティといった面での持続可能性へ高い関心を持つ傾向があります。 また、旅するという要素においても、「共感できるコトやヒト」への需要は、グローバルに年々高まりを見せており、自らが旅先で関与できる持続可能型コミュニティは、繰り返しその地に訪れる強い動機となります。
・企業のあり方
企業における拠点の選定戦略は、優れた人材の確保と定着が基となります。優れた人材から企業の取り組みにおける「共感」を求める傾向はミレニアム世代を中心に高まっています。グローバル企業にとっても中小企業にとっても、持続可能型コミュニティを形成することが優れた人材の獲得と定着という競争力を保つ上での根本となります。
・不動産(コミュニティ)の価値
ESG不動産投資の世界的なリーダーであるベントール・グリーンオーク社によると、高いレベルでのESG施策をされた不動産(オフィス)は、より高い賃料とテナント定着率、より低いリーシング費用、といった経済的効果を享受することができ、同様の規模でESG施策レベルの低いビルに比べて、年間収益ベースでは8%~10%高い効果が確認されています。これは不動産の価値も8%~10%高まっていることにも置き換えられ、また不動産利用者やテナントは持続可能性を備えた不動産にはより高い需要と賃料を払う意欲があることを示唆しています。
・気候変動
世界的な気候変動による実生活への影響は、数年前に人々が考えていたよりも急激に顕在化しているかもしれません。天災による被害、気候変動による地域の変化、海面上昇による沿海部への影響など、今後、人々が住み・働くために選ぶ場所は、より持続可能性を備えた場所へとシフトしていくことは想像に難しくありません。
・健康環境
コロナ禍において東京都心などの大都市中心部は、健康環境の面では最も敬遠されてしまった地域となりました。大都市中心部は優れた医療サービスが揃っていますが、伝染病やメンタルケアにおいてのライフスタイルの中での予防といった面では、人々の新たな生活様式は違ったモデルを求めるかもしれません。
衣食住、移動、ツーリズム、建物、消費、教育、コミュニティといった分野で SDGs / ESGへの取り組みの選択肢を備えた持続可能型コミュニティは、国、宗教、人種といった垣根を越えて、グローバルに人々と企業を引き付ける価値を創り出します。
私たちは、持続可能性を持った街づくりにおいて、重要な鍵となる点は不動産と考えています。世界の温室効果ガス排出量の実に約40%を占める不動産分野におけるESGの導入は、単純にエネルギー効率の改良や温室効果ガス排出量の削減などに限りません。
先進的で優れた不動産アセットマネジメントにおけるSDGs/ESGの運用は、都市化、人口動態の変化、気候変動、テクノロジー、労働形態などといったグローバルな環境の変化やトレンドに適応しながら、不動産・コミュニティ・街・都市の価値を高める要因となります。
不動産ESGテックサービス「EaSyGo」は不動産オーナーや運用者へ適切なツールを提供することにより、個々の不動産という「点」の枠を超え、その他の点と繋ぐ「線」との連携により、不動産を舞台とした人々にとって持続可能性への共通の取り組みとなる行動変容を促します。
人々の能動的な持続可能性への行動変容を促すため、EaSyGoは不動産の利用者へ動機、手段、評価、共有、共感といった、持続可能性への取り組みに必要な要素と選択肢を提供します。
個人からコミュニティへ、コミュニティから街へ、街から都市へ、持続可能性を拡げます。