こんにちは!広報のたばてぃー(田畑)です。
突然ですが…私は五箱という会社が大好きです!
好きなものは推したくなるのが人の性…今回は大好きな五箱をもっとたくさんの人に知ってもらいたい!ということで、代表の粕谷さんに直撃インタビューをしてみました。
既に五箱を知っている人はこの記事を通して、「五箱ってこんな思いや経緯があったんだ!」と、もっと五箱を知ってもらいたい。
そして、この記事を通して初めて五箱を知ってくださった方が少しでも多くなると嬉しいです!「なんか、この会社も社長も面白そう!!」と思ってもらえたらと思います。
それでは、創業10年という節目を迎えた五箱の今後の姿についてご紹介します。
目次
- 独立した理由はなんとなく勢いで?!
- 大切にしていることは【相手の期待値を少しでも超えること】
- 会社を理想像に近づけられなかった中で気が付いた事
- 起業して自分が全ての責任を持てる環境の大切さを学んだ
- 今後もIT業界に関わり続けたいが【五箱の粕谷】は一旦終了?
- 取材後記
独立した理由はなんとなく勢いで?!
‐今日はよろしくおねがいします!今日は粕谷さんが五箱を創業した想いや仕事への取り組み、今までやってきたことや粕谷さんの周りの人たちが知りたかった事などをたくさんお話してもらおうと思います。(笑)
粕谷:
はい、よろしくおねがいします!
‐さて早速なんですが五箱を起業したきっかけを教えていただけますか??
(※朝ごはん食べてないようで少し不機嫌な粕谷)
粕谷:
実際はなんとなく勢いで独立したっていうのが本音です。
26~27歳の時にインターネットの広告営業としてIT業界に入り、6年間で2社サラリーマンをした後に起業しました。
サラリーマン時代は検索エンジン周りのSEOなどが全盛の時代で、僕はSEOの事業をやっていました。
そんな中、既に独立して僕より先輩の経営者や20代前半の若い経営者の方がこの業界にはたくさんいらっしゃって、僕みたいにサラリーマンで事業部長的な役割よりも年齢関係なく責任を持って、仕事に取り組んでいる方たちを見る機会が非常に多く、刺激を受けたということがありました。
そんな環境の中で自分も独立して、【お客さんと向き合う機会】を一度作ってみようと思い、勢いでやってみようと思ったのが五箱設立のきっかけです。
そして、周りにいる先輩の経営者達に色々相談した時に結構みんな口を揃えて、
「やってみてダメだったら、またIT業界はどこでもはいれるし、仕事はできるし、サラリーマンでもう一度やり直せるからそんなに難しく考える必要はないんじゃない?」と言ってくれました。
そこで思ったのが、「起業って思っているよりハードル高くないんだな」ということ。
なので、起業しちゃいました。そんな感じです。
また、起業までの準備期間が1年弱くらいあったんですけど、会社の登記から資本金とは何ぞやみたいなところ、どういう会社にしたいとか、社名を決めたり、ドメインをとったり、あとは…どんな成長プロセスを進んでいくのかっていう「10カ年計画」を1年くらいかけて作ったり、昼間はサラリーマンの仕事をして、夜から朝にかけて自分の会社の準備期間という形でたくさん準備しました。
特に高い志があったわけではなくて、自分の意志決定でお客さんと向き合う環境を作る手段として独立した感じです。
‐フリーランスとして始めたわけではなく、最初から五箱として会社を設立したのですか?
粕谷:
はい、最初から法人を立ち上げて代表取締役として独立したっていう経緯です。
なので、フリーランス期間っていうのは一切なかったです。
設立にあたっては元手資金が不安で妹に200万借りて起業しました。(笑)
‐貸してって言って200万出せるのすごいですね・・・
粕谷:
そうだね(笑)
気軽に妹に相談したら「いいよ」って言うから甘えちゃいました。(笑)
あとは、2011年の4月に創業したんだけども、2011年といえば東日本大震災の年。登記する予定の1か月前に東日本大震災が来ました。
広告業界やインターネット業界も広告を全部ストップするとか、起業のタイミングとしては最悪の船出だったし、最終的に震災後の1~2週間はこのタイミングで起業するべきかすごく悩みました。
周りからも、「今はタイミングじゃないから、もう少し待ってみたら?」というアドバイスをたくさんもらった。
ただ、スタートがどうあれ、最初が最悪だったら上がるしかないので、予定通りに会社を設立しちゃいました。
あと、きっかけでいうと当時Twitterを始めて2~3年くらいだったんですけど、当時のTwitterはチャットみたいにリプライで「あ、じゃあ今度お会いしませんか?」とか「僕もその飲み会参加させてください。」みたいな業界界隈でリプライとリツイートでコミュニケーションを取ってた時代でした。
当時、僕は検索エンジン周りの集客事業の仕事をしてました。範囲としては自然検索最適化の事業だけだったんですけど、その時にリスティングやアフィリエイトなどの広告周りの方や制作系のディレクター、デザイナーの方たちとも出会うことができ、実際にお会いして刺激を受けて起業のきっかけをもらったりしましたね。
ちなみにうちの取締役の3人のうち2人はTwitter繋がりで五箱に来てもらいました。
もう一つ補足すると、「渋谷SEO呑み会」という10年以上続いている集まりがあって、SEOに知見のある方たちが集まって毎月定期的に情報共有をする会があるんですけど、そのコミュニティに参加させて頂けてたというのもきっかけの1つです。
前職からお世話になっている木村さんという方に誘っていただいて、そのSEO呑み会に参加させてもらったのですが、たくさんの素敵な人たちにお会いできました。人として商売人として尊敬できるなー、という方々と交流を深める事ができ、既に創業されている方々と一緒に時間を過ごすことで、当時サラリーマンの僕としては非常に刺激を受けました。そんなこんなで自分もこのタイミングでやったるで!って勢いで起業しちゃった感じです。(笑)
大切にしていることは【相手の期待値を少しでも超えること】
‐会社としてこれだけは譲れない、起業した時に「こんな会社」にしたいという【大切にしている事】は何かありますか?
粕谷:
五箱の経営理念とほぼ同じだけど、五箱に関わってもらえる人たちの期待、「なぜ関わってもらえるのか」という点をきっちり考えて、期待を超えられるようにすることは創業当時から心掛けています。
(※話に熱がこもってきた粕谷)
ステークホルダーというか、一緒に働いてくれるメンバーや仕入れ先、パートナーの会社さん、フリーランスの方。お客様が何を期待値として僕らが求められているかをちゃんと想像して期待値を必ず少しでも超えられるように、どうやったら自分達が仕事の中で行動できるかというところを心掛けています。
まぁ、それだけです。(笑)
期待を超えられるようにっていうのは、五箱の経営理念でもあるんだけど、10年後もこの想いをずっと持ち続けていけるようなチームや組織にしていきたいなと思います。
会社を理想像に近づけられなかった中で気が付いた事
‐起業するときに理想の会社像はありましたか?また、当時と今で考えが変わっていたりはしますか?
粕谷:
理想の会社像はありました。チームの形というか…
もともと五箱は少数精鋭で、各セクションの仕事を高いレベルで提供できるメンバーの集合体を作りたいと思っていたんです。
社員数もイメージいうと30人以下くらいで、それぞれの分野のスペシャリストが集まった会社を作りたかったっていうのが当時の考えでした。
そして、フリーランスの方とも連携取りながら上手く会社として機能できる体制と状態を作りたかったのですが、今は少し考え方が変わってきました。
なぜかというと、期待を超える仕事を一緒にする人たちとの意思疎通やコミュニケーションがどうしても自分が考える理想のイメージに近づけさせることができなかったからです。ここはたくさん試行錯誤、行動しました。
各セクションのスペシャリストが集まる独立したチーム体制を実現する形っていうのを模索しながら、挫折も含めて実行はしていたんだけど、お客さんの期待値を超える仕事をちゃんとできる体制を作るためにはどうしたらいいんだろうと考えた時に、改めて会社としてどうあるべきかを方向性として少しずつ変化させていくべきだと感じました。
今は、それが固まってメンバーと一緒に作り上げている段階です。
‐粕谷さん自身色々な経験を経て、今の考えがあると思うのですが、今後作り上げたい理想像を教えていただけますか?
粕谷:
(※インタビュー中にも関わらず昼ごはん何たべようかな、と考えている粕谷)
うーん・・・
組織の形って有機的に変化していくべきだと思っているので、最終系は常に変化し続けていると思います。
全般言えることは、五箱に関わる人たちが「もっと関わりたいな」と思ってもらえるかを追及するための組織を作っていくしかないという事。
具体的にどこが五箱の強みでダメなところか。どうしていこうとかっていうのは、すごい細かいところではあるので・・・4~5時間話すことになっちゃうから(笑)
一旦そこは別の機会にします。
‐こんな会社は作りたくない!これだけは嫌だ!みたいなものはありますか?
粕谷:
お客さんに嘘はつかないでほしいな。
それでいうとあんまりないかな。
良い会社って相対的なもので、結局「良い会社」って言われている会社にもどこかしらに悪いところはあるし、表面化していないだけで、表向きはすごい良い会社だなって思われていることもあると思います。
100人に対して100人が良い会社ってなるのはほぼあり得ないと思っているんですね。
なので、こういう会社にだけはしたくないっていうのを考えた時に、誰かから見た時に悪い会社っていうのはどうしても発生すると思うんです。
僕らとしては、求められているものをちゃんと超えて行けるような組織であれば、ぶっちゃけいうと法に触れなければ…悪いことをしないっていうところだけちゃんと抑えておけばいいんじゃないかなっていう気がしてますね。
起業して自分が全ての責任を持てる環境の大切さを学んだ
‐起業してみて良かったな、五箱作って良かったなと思うことはありますか?
粕谷:
はい、あります。
一番は「悪いことも良いことも、全部自分で責任を持てる環境になったこと」
それしかないと言っても過言ではない。
起業する前はサラリーマンだったので、悪い事があれば、上司や会社が守ってくれたし、良いことがあっても結果会社の看板背負ってるところもあったので、全て自分の責任でめちゃくちゃ良い体験をしたとか、すごい嫌な思いとかした時でも「ああ、自分がこうすべきだったんだな」みたいに全部自責に置き換えながら、未来に向けて活動できたのは多分一番起業してみてよかったことかなと思います。
あとは、パートナーの方たち、担当者、あとお客さんもそうなんだけど、その人達が五箱と関わってくれてすげーありがとうみたいに喜んでくれた時、「超助かったわ」みたいな時は求められてた事以上に自分が行動した結果が伴ったんだと思うし、自分の中での振り返りができた時には、自分で起業してみて良かったなっていう実感ができたタイミングです。
‐逆に起業して大変だったとか、辛かった経験はありますか?
粕谷:
そうですね・・・創業してすぐっていうのはやっぱりすごい大変でした。
最初の3年間とかは・・・結構大変だった気がします。
まずやっぱり、売上がないと理想を掲げられなかったので、毎日睡眠3時間くらいで休みなしで企画書を作っては提案しまくって、代理店さんの営業に「こうやって売るんだよ」みたいな研修をさせていただいて、Facebookで業界の方達に個別で連絡して、五箱の粕谷は今こんなことしてるので、何かあればいつでも声かけてくださいみたいに営業的に種まきしたりとかをひたすらやりきりまくって、やりまくって、気づいたら3年くらい経過してた(笑)
‐その3年間は一人でやってらっしゃったんですか?
(※途中緊急の対応が入ってメールを返信する、粕谷)
粕谷:
ほぼ1人でした。
厳密にはアルバイトが1人いましたけど、管理部では外部のサポートメンバーの方に助けてもらいつつって感じです。営業面では外部のフリーランスの人と連携とりながら、今の取締役の長尾さんとかにフリーランスとして発注をかけて、パートナーとして一緒に行動してもらったりとかっていう感じで常に動き回っていたんです。
4年目以降から社内メンバーがちょっとずつ増えてきて4、5、6年目あたりもすごく大変でした。
プレイヤーとしてずっと全力で動き回ってた時期、まぁ今も半分そうなんですけど、
結果、仕事に対して「権限」と「役割」をちゃんと一緒に働くメンバーに僕自身が落とせずに自分で動き回って、無茶苦茶なぶん投げみたいな指示出してたのがほとんどだったので、まぁ自分自身で「どうすれば良いのかな・・・」ていう、どういうふうにコミュニケーション取ったら良いのかな、上手く進まないなぁ、上手く動いてくれないなっていうすごくもがいていた時期がありましたね。
‐それはメンバーが増えてきたくらいの時期ですか?
粕谷:
そうです、そうです。
5年~6年くらい前。
当時のメンバーが今も辞めずに一緒に仕事してくれているんですけど、よく辞めなかったなと・・・(笑)
自分だったら理不尽すぎて転職してます(笑)確実に。
だからホント感謝しかないです。
‐私が粕谷さんに出会ったのが多分落ち着いてきたくらい・・・?かなっていうイメージなので、もがいているところとか全然見てないから、そういう粕谷さんもあったんだっていうのが今の話を聞いてびっくりです。
粕谷:
たばてぃーに当時会ったのって4年前くらいだっけ?
‐そうですね。
粕谷:
その時、実は一番もがいてたよ(笑)
(※ぶっちゃけ始める、粕谷)
この10年間で振り返ると、その時が一番不安だったし、辛かったね。
会社の人数が増えてくると、伝達する情報の範囲が広くなってくるから経営者が力技で持っていける部分が限られてくるし、どうしても体系化していかないといけなかったりとか、伝えないといけない事を細かいレベルできっちり伝えていけるように仕組み作りをしたりしないといけないんだけど、それらがほとんどない状態で人数だけが増えていったというところがありますね。
なので、そのときはすごく悩んでいました。
‐私は気づいてなかったです(笑)
粕谷:
気付かないようにさせてました僕は(笑)
ホントに。。。
隠してました。
‐不安だったっていうのは何に対して不安だったんですか?みんなが辞めちゃうのが不安でしたか?
粕谷:
えっと、それは全くなかった。
基本的に誰かに依存することはしないので、辞めるんだったら自分の意志で辞めるんだろうっていう感覚は常に持っていないといけないなとは思っています。
なので、そこの不安はなかったね。
自分が設計した未来のあるべき姿との乖離が現時点でお客さんに影響が少し出始めて来ていると感じていて、さっき言った自分がお客さんに提供したい品質だったり形がうまくお客さんに提供できないジレンマみたいなところへの恐怖の方がすごく大きかったです。
もう完全に経営者が悪いんだよね・・・ここは。
メンバーの能力とかの話ではなくて、ここは会社としてどうあるべきかっていうのを僕がみんなにちゃんと伝えきれていなかったっていう事が一番不安だったところかな。今考えると。
‐一番辛かった時期の不安だったりとかはどうやって解消、改善するための努力はしたと思うんですけど、どこを意識したのですか?
粕谷:
直近まで改善してなかったですよ。(笑)
取締役の小島さんが常勤で入ってくれるまでは結構もがいてましたね。
まぁ、いろんな人に相談もしたし、世間一般的にそういう会社規模になってきたんだよねみたいなアドバイスはもちろんもらえるんだけど、じゃあ具体的になにをすべきかみたいな所に行動を落とし込む時に今までずっと一人親方でやってきたから、全部自分で意思決定する状態を作ってしまっていたので、実は僕の中で改善できる手段がなかったんです。
そこで、小島さんがちゃんと常勤として入って整備していくところにコミットしてくれたので、そこから粛々と小島さんの意志を尊重しながら、優先度を高く推進していって、今は少しずつ回り始めたかなっていう実感はあります。結果良かったかなと思います。
今後もIT業界に関わり続けたいが【五箱の粕谷】は一旦終了?
-何歳まで働きたいですか?10年後20年後のビジョンはありますか?
粕谷:
働かないと生活できないから働きますよ!(笑)働くの好きだし。
(※、Uber Eatsのインターホンがなった時の空腹全開の粕谷)
IT業界にはずっと関わり続けたいと思っています。
会社としては今期10期目なんだけれども、この先10年どうやって進めていこうかはある程度見通せてます。100年続く会社とか大きなことは言えないけれど、僕自身が主役で活躍するフェーズは一旦終了でいいのかなとも思います。
お客様の前に出ないとか、引退するとかのネガティブな話ではなくてどっちかというと、これからは一緒に働いているメンバーがちゃんと主役になって、一人一人が活躍できる土台を五箱として作りながら自分自身で何ができるかを模索していきたいと考えています。それがこれからの僕の一番の仕事になりそうな予感です。引退はしないよ。(笑)
-五箱に居続けるかというのもまだ考えてないですか?
粕谷:
そこも結局手段で、五箱っていう会社が五箱としてのあるべき形をちゃんと今のメンバーを中心に実現して継続していけるような型がちゃんとできていれば、僕がいるとかいないとかはあまり重要ではないと考えています。
前は【五箱=粕谷】
これは僕だけの話ではなくて、関わる人たちの意識を改革していかなきゃと思ってる。
取引先やパートナーにとってもそうだし、何より今一緒に働いているメンバーもずーっと『粕谷の五箱』であるべきではないと。
なので僕がいる、いないで言うと、もしかすると居なくなる確率のほうが結果高いと思うし、僕がいないことによってそれが実現できる可能性が高いのであればそっちを選択しないといけないんじゃないかなという感じです。
今までの10年もコツコツ、毎月、毎日、一年一年を丁寧に大切にしながら積み上げて来ているんで、100年続くためにという目標はすごくいい目標でかっこいいなと思うんですけど、どっちかというと結果としてボトムアップの積み上げた結果、100年継続したよね!っていう考え方がいいかなと思います。
僕は営業なのでどちらかというとブレイクダウン思考、目標を設定してそれを達成するためにどうするかっていう基本の思考は持っているのだけれども、五箱っていう会社で10年後20年後どうすべき?っていうビジョンで考えると、お客さんと向き合っていくところを今まで通りコツコツと積み上げて行ければいいかなって思ってます。まー、10年後はある程度イメージできるけど20年後はわかりません。(笑)
-ありがとうございました。
~後編に続く~
取材後記
前編は五箱を作り上げた時のきっかけやエピソードについてお話ししてもらいました!
私は約4年前から五箱に関わらせてもらってますが、代表が悩んでいたり不安に感じている部分があったなんて思ってもいませんでした。
(いつも陽気なオーラが滲み出ているので・・・(笑))
そして、今回のインタビューを通して、五箱ができた理由などを教えてもらうことができました!
後編もお楽しみに。
【後編はコチラ】
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