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【Meetupレポ】Nature Bath vol.4 マッキンゼー、カーライル、三井物産出身。海外MBA卒の彼らが語る「ベンチャーで働く魅力」

What's Nature Bath ?

「Nature Bath」とは、毎回様々なゲストをお呼びして各回のトピックについて語り合うMeetupです。カジュアルな雰囲気でインタラクティブに参加者のみなさまと親交を深められるような会にしたいと思っています。森林浴(Forest Bath)からとった「Nature Bath」はMeetupを通して、Natureについても少しでも理解を深めてもらえればという思いで命名しました。

第4回目のNature Bathは、SmartHR 取締役 COO 倉橋 隆文さん、10X 取締役 CFO 山田 聡さんをゲストに迎え、「ベンチャーで働く魅力」をテーマにディスカッションを行いました。

なぜ、マッキンゼー、カーライル、三井物産を経て、米国経営大学院のハーバード、ウォートンでMBAを取得した彼らがスタートアップを選んだのか?

株式会社SmartHR 取締役 COO 倉橋 隆文

外資系コンサルティングファームのマッキンゼー&カンパニーに入社後、ハーバードビジネススクールにてMBAを取得。 その後、楽天に転職し、海外子会社の社長や社長室を経てSmartHRに参画。

倉橋さん:私は大学院を卒業した後に、マッキンゼーに入社し、経営コンサルタントとして働いていました。そして、入社して二年半ほど経ってから、MBAを取得するために海外の大学に留学しました。その背景には、リーマンショックがあります。マッキンゼーに入れば世界中を飛び回れると言われて入社したものの、リーマンショックの影響で海外プロジェクトが全てストップして国内から出られませんでした。当時は若さゆえ漠然と海外への憧れがあったのですが、自分の力で海外へ行こうと考え、留学をすることを決めました。

コンサルの仕事は私にとって天職だと思っていたので、今後もコンサルを続ける前提で、会社にお金を出してもらう社費留学を利用しました。ただ、この留学を通して私自身の価値観がガラッと変わりました。コンサルでは”バリュー”を重要視するのですが、本当に”バリュー”を出すためには事業会社へ行く必要があるのでは?ということに気がつき、楽天に転職をしました。ただ、MBA取得が社費留学だったため、1000万円くらいの留学費をそのまま借金として抱えることになり、これを返済してから楽天に入社しております。たぶん、1000万円払って入社したのは楽天史上私だけだと思います(笑)。留学後にそのままマッキンゼーに戻って二年間働けば返済できたのですが、当時の私の二年間は将来的に1000万円以上の価値があると信じて、借金を抱えて転職しました。

楽天では5年ほど働きました。社長室という名の何でも屋をしたり、海外子会社の社長に任命いただいたりと、いろいろな経験をさせていただきました。最後の半年間は、新規事業を担当したのですが、これが非常に楽しかったんです。その後、別の部署に異動が決まったのですが、新たな価値を作り出す仕事をもっとしたいと考えスタートアップに挑戦することを決意して、お声がけいただいた中からSmartHRを選び、COOとして働いております。

SmartHRは最近結構なお金をかけて広告を打っているのでご覧になった方もおられるかもしれませんが、労務管理クラウド事業を行っており、この業界ではシェアNo.1です。労務管理クラウドが何かというと、会社の人事部との紙のやり取りを全てデジタル化するものです。例えば毎月の給与明細データなど、従業員のデータベースを作ることで、どの部署で給与が増えているのか、退職率が高い部署はどこか、などの分析もできます。社員数は近年かなり増加していて、現在300人程です。私が入社した時は従業員数が30名弱くらいでした。社長の言葉と借りると、弊社は、”エリートと野武士の融合”だと言われていて、様々な経験をもった人がシナジーを生み出し、成長をしている会社です。

株式会社10X 取締役 CFO 山田 聡

三菱商事株式会社でロシア・カザフスタン向けの自動車販売事業・現地販売会社のM&A及びPMIを経験。 その後、米系PEファンドであるCarlyle Groupに参画し、おやつカンパニーやオリオンビールの投資・PMIを実行。 Wharton MBA(2017年)。10X以外にもVoreas北海道を始めとするスポーツチームの経営支援に関わる。

山田さん:私は2008年に新卒で三菱商事に入社して、自動車事業本部というところで海外向けの日系メーカーの販売事業をやっていて、海外の販売代理店のM&Aや、買収後に現地でPMIを行うなどの業務を7年ほど担当していました。そこから、倉橋さんと同じく社費でMBA取得のためにウォートンへ留学して、そこでの経験を通して、いろいろな刺激を受けました。

留学へ行く前は、帰国後は三菱商事の事業投資先に経営者として出向してバリューアップに貢献したいと考えていたのですが、留学をしてみて、外へ出た方が成長する機会が大きそうだと考え、思い切って1500万円くらい借金をしました(笑)。その状態でカーライルという米系のプライベートエクイティファンドへ転職しました。カーライルではConsumerセクターの案件が多く、おやつカンパニーやオリオンビールなどの買収の案件に従事させていただき、約3年勤務しました。その後、投資家サイドでなく、より経営者サイドに移りたいと考え、今年3月のコロナ真っ只中に10Xに転職しました。半年たった9月にCFOに昇格し、現在に至ります。

10Xという会社自体はまだまだ小さな会社で、社員は18名で創業3年目です。日本は食品・飲料のEC化率が非常に低いのですが、この領域のEC化率を上げるイネーブラーになれるよう事業をしています。小売のDXが騒がれているますが、リアル店舗型ビジネスに慣れている事業者がオンラインにチャネルをシフトしていく際、システム面やデータ面、ユーザー獲得においてギャップがあり、そのギャップを事業者さんと一緒に埋めることに取り組んでいます。我々と一緒なら、サービスレベルやオペレーションの質の高いネットスーパーの立ち上げができる。システムベンダーではなく、全体の戦略設計や店舗のオペレーションのあるべき形を提案させていただきながら、システムを導入しています。また、サイト立ち上げ後のエンドユーザーの獲得まで、一気通貫でやることで、デジタル人材がいない小売業者さんでもデジタルを立ち上げられるよう取り組んでいます。

最初のクライアントはイトーヨーカドーで、アプリを使ったエンドユーザーからオーダーを受ける部分を10Xでやらせていただいております。より使いやすいネットスーパーをエンドユーザーさんに提供しており、ヨーカドー以外にも数社立ち上げを支援しています。今までは大手のSierがシステムを提供して終わりでしたが、我々は戦略、オぺレーション、エンドユーザーの獲得にまでに携わるモデルで、ネットスーパーが日本に本格的に浸透していくお手伝いができればと考えています。そのため、かなりエンジニアドリブンな会社で、社員の半分以上がソフトウェアエンジニアです。強いプロダクトチームを武器として、いかにパートナーとの事業立ち上げを実現するかといった点を事業サイドの部隊が担っています。

Nature株式会社 代表取締役CEO 塩出 晴海

13才の頃にインベーダーゲームを自作、2008年にスウェーデン王立工科大学でComputer Scienceの修士課程を修了、その後3ヶ月間洋上で生活。三井物産に入社し、途上国での電力事業投資・開発等を経験。2016年ハーバード・ビジネス・スクールでMBA課程を修了。ハーバード大在学中にNatureを創業。

塩出:起業のきっかけからお話しさせていただくと、もともと、僕の父は自分で事業をしていて、サーキットビートというプレーステーションのゲームを作っていました。子どもながらに開発のためのユーザーフィードバックを求められたり巻き込まれる中で、自分で事業をすることの楽しさを感じました。それと同時期に、おんぼろのPCでインベーダーゲームを自作していました。そこからプログラミングの面白さに魅了され、この二つの経験から将来は自分で会社をやりたいと思うようになりました。

その後、大学ではコンピューターサイエンスの勉強をし、新卒で三井物産に入社しました。三井物産では電力の事業に携わり、実際に炭鉱の現場を見る中で、電力が大きな歪みの上に成り立っているということを痛感しました。そこで、もっと分散電源を普及させ、クリーンな電源に置き換えることができる事業をしたいと考えたのが今の会社の原点です。今までの石炭火力・ガス火力で電力供給を賄っていた世界から、最近ではIoT機器の普及によって電力の需要側にもタッチできるようになっています。需要を制御することを事業に繋げられたらと思い、IoTプロダクトを開発しました。
Natureは、「自然との共生をテクノロジーでドライブする」をコーポレートミッションとしていて、今はその第一弾としてIoTプロダクトでクリーンエネルギーへのシフトを加速させることを行っています。IoTがどうクリーンエネルギーに繋がるかというと、Nature Remoがエアコンに繋がることで、需要側の電力制御が可能になります。また、昨年末にNature Remo Eというエネルギーマネジメントのデバイスを発売開始しており、最終的にはこれらの機器を統合することで、電力の調整力として、バーチャルパワープラント(仮想発電所)を構築したいと考えています。

「Talk session」 ご質問にお答えします!

ご参加いただいた皆様からの疑問や質問にお答えするトークセッション行いましたので、その一部をご紹介します。

Q.ベンチャーに参画する際に、この事業だと決め手になったことは何ですか?

倉橋さん:私の場合は二点ありました。一つ目は、SmartHRの事業が成功するイメージが持てたからです。転職するにあたり、スタンフォード大学が公開している起業の授業を全部見ました。その時に印象的だったのは、ベンチャーは基本的に死ぬのであって、死ぬ前にいかに軌道に乗せられるかが勝負だということ。その観点で企業選びをする中で、選考企業にはデューデリジェンスをさせてほしいと偉そうに根掘り葉掘り聞きました(笑)。そこで、SmartHRはかなり将来性があると感じました。もう一つは、社長との関係性ですね。SmartHR社長の宮田は、かなり放任主義で、自分にオーナーシップを持たせてくれるので、その経営スタイルが私に合っていると思っていたこともポイントです。

Q.MBAで学んだことがどのように役立っているか教えてください。

倉橋さん:実際にMBAで学んだ理論や実践的なスキルはかなり役立っています。特に、役に立っているのは「交渉術」と「戦略論」の授業です。スタートアップは交渉することが多いのですが、その時の頭の整理の仕方を学ぶことで場当たり的な対応がなくなりました。また、スタートアップは小さいので大手に目をつけられたら潰されてしまいます。ですので、大手がマネできないような戦略や、大きくなって真似をされた時にどう対応するかなどを考える時は当時学んだ戦略論を実際に活用しています。

Q.過去の経験がどのように生きていますか?頭の使い方の違いはありますか?

山田さん:商社の経験ですと、この人やこの案件を落とすと決めたときにはどんな手を使ってでも落とすという力は生きていますね。商社出身の人はこの手の「何とかする」のが総じて得意だと思います。
また、違いとしては、ファンドの時は過去から蓄えてきたベースの知見やネットワークなどを上手く使って価値創出することが多かったのですが、現在はスクラップ&ビルドでやるので、過去にとらわれずに今のベストを考え続けています。頭の使い方として面白いですし、かなり新鮮ですね。

倉橋さん:コンサル時代は何が正しいのかなど、戦略を考えることにほぼ100%頭を使っていました。一方、ベンチャーで経営をしていて戦略考えている時間は10-20%になりましたね。残りの時間の半分は、どうしたら目の前の人がこちらを向いてくれるか、どのようなプロダクトが刺さるのかと言った「実」をとることを考えています。残りはいかに組織を強くするかについて時間を割いています。コンサル時代にはなかったですがそれが経営の面白さや醍醐味だと思っています。

おわりに

いかがでしたか。各社ともに人材を積極採用中です!
ぜひ、Natureに興味を持っていただいた方はお気軽にご応募ください。

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また、年内は毎週Meetupを開催予定ですので、ぜひイベントへのご参加もお待ちしています!

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