株式会社フューチャーリンクネットワーク(以下FLN)では、人と地域の多様で継続的なつながりを提案する「関係人口創出」事業に取り組んでいます。
今回は、関係人口創出事業の立ち上げメンバーである佐宗勇志さんに、これまでの歩みを振り返っていただきました。
FLNが仕掛ける関係人口創出事業とは?その全容をたっぷりお伝えする記事になっていますので、ぜひFLNが取り組む事業について気になっている方はご一読ください。
今回の話し手
佐宗 勇志(さそう ゆうし)
執行役員
関係人口創出部 部長
2013年新卒入社
「FLN第三の事業の柱」をつくるという使命
私は2013年、新卒でFLNに入社しました。
気づけば、会社の歴史のちょうど半分にあたる13年間をFLNと共に歩んできました。
入社後の2年間は、公共ソリューション領域に所属。
官民協働のポータルサイトや観光プロモーションサイトの構築・運営に携わりました。
その後、地域情報流通事業の中核である、直営の『まいぷれ』編集部の責任者に就任。
約5名だった組織を、最終的には50名規模まで拡大していきました。
振り返ると、1年目から営業から受注後のディレクションまでを任され、
3年目からは組織マネジメントにも挑戦する日々。
試行錯誤の連続でしたが、20代のうちに多くの実践経験を積ませてもらったと感じています。
地域情報流通事業、公共ソリューション事業――
FLNの核となる2つの事業を経験した佐宗に、次に与えられたミッションは、
新規事業開発の担当者として「第三の事業の柱」をつくることでした。
中期計画を達成し、会社として次の挑戦へ進むためにも、
新規事業の成長は避けて通れないテーマでした。
新規事業の最初の挑戦──『まいぷれのご当地ギフト』
新規事業開発として最初に立ち上げたのが、
『まいぷれのご当地ギフト』 です。
地域情報流通事業や公共ソリューションの現場で多くの地域と関わる中で、私はある共通の課題を感じていました。
それは、
「地域には魅力的なモノ・コトがたくさんあるのに、それを届けるチャネルが足りない」
という構造的な課題です。
そこで考えたのが、
届ける手段そのものを増やし、地域の付加価値情報の流通を加速させること。
その解決策として、カタログギフトという形が自然とフィットしました。
試行錯誤の連続──60の事業案から学んだ決断力
FLNの主戦場は、これまでBtoB・BtoG領域。
『まいぷれのご当地ギフト』で挑んだBtoC事業は、ほぼ未経験の領域でした。
特に難しかったのは、どうやって届けるか(マーケティング)。
正解が見えない中、地域の販売パートナーと連携し、地場イベントに出店し、
自治体や商工会議所に足を運ぶ――
とにかく手数を打ちながら、仮説検証を重ねていきました。
その結果、
結婚・出産の内祝いや、法人企業のマーケティング活用といった
具体的な販路に手応えを見出していきます。
一方で、実地検証まで進めたものの、
結果的に断念した事業案も少なくありません。
越境EC、福利厚生、副業マッチングなど、
2年半で検証した事業案は60件を超えました。
現在取り組んでいる
『まいぷれのご当地ギフト』や
VTuberと協働したシティプロモーション事業『まちスパチャプロジェクト』は、
その中で生き残った事業です。
この経験を通じて強く実感したのが、
「続けるか、やめるかを早く決める」意思決定の重要性でした。
新規事業は変数が多く、判断を先送りにすると、
それ自体が事業停滞の原因になります。
何を始めるか以上に、
いつ決め、どう進退判断をするかが未来を分けると痛感しました。
点が線になる瞬間──非ゼロサムの関係をつくる
『まいぷれのご当地ギフト』に続き、
『まちスパチャプロジェクト』、
関係人口を正面から扱うサービス『チイオシ』、
さらに移住・定住情報を扱う『Nativ.media』の事業譲受。
これらが重なった頃、
それまで点だった取り組みが、線としてつながり始めた感覚がありました。
転機となったのは、
関係人口の受け入れに積極的な地方の農園の方から聞いた、こんな言葉です。
「参加者の皆さんは、あくまで“お客様”。これくらいの距離感がちょうどいいんです。」
当時の私は、
「もっと深く関わってもらうことが正解だ」と考えていました。
しかし、その農園では、
何度も訪れる人であっても、あえて“仲間”や“生産者”にはしない。
最初から心地よい距離を設計し、任せる範囲も明確にしていました。
その姿勢に、大きな気づきを得ました。
移住促進は、ともするとゼロサム(誰かが得をすれば、誰かが失う)になりがちです。
一方、関係人口は、一人が複数の地域と関われる概念。
関わり方に複数のレイヤーを用意することで、
非ゼロサムの関係が成り立ちます。
私自身、小学校の同級生が5人しかいない限界集落で育ち、
「場所によって選択肢が制限される」現実を実感してきました。
だからこそ、関係人口という考え方が広がることで、
人生の選択肢が増えていく未来に、大きな期待を寄せています。
着火点ではなく、火を絶やさない存在として
関係人口創出の取り組みを本格化させるため、
これまでの「新規事業開発室」は
「関係人口創出部」へと組織変更されました。
新規事業を模索するフェーズから、
FLNの第三の柱として育てていくフェーズへ。
その意思が、この「部」への変化に込められています。
その過程で、私は一つの気づきを得ました。
それは、自分は「点火役」ではないということ。
FLNの新規事業の多くは、代表・石井の発想が起点です。
当初は、ゼロから事業を生み出せていないことへの葛藤もありました。
しかし、対話と実務を重ねる中で腑に落ちたのは、
火種を生み出すことではなく、火を絶やさず育てることこそが、
自分の役割だということでした。
石井のアイデアを、現実の制約を踏まえながら形にし、
燃え広がる仕組みへと変えていく。
それが、私がFLNで担うミッションです。
「好きが続く地域は、あり続ける。私たちは、人と地域の関係をデザインする。」
着火点で終わらず、火を絶やさない存在として。
関係人口創出という第三の柱を、これからも確かに積み上げていきます。
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