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クライアントワークこそがデジタル戦略の壁を打開する。強い責任感と主体性を持つデジタルパートナー事業の信念

フラーのデジタルパートナー事業はアプリやウェブに関わる支援を通じて“ヒトに寄り添うデジタル”をパートナーと共に創り、未来を育む全く新しい枠組みの事業です。

この『フラーのデジタルノート』でもその取り組みや社員の活躍を紹介してきましたが、この記事では「そもそもデジタルパートナー事業とはどのようなことをしているのか」をさらに深ぼってお伝えできたらと考えています。

書き手はデジタルパートナーグループ長の林です。

林 浩之愛知県出身。同志社大学在学中にITベンチャーを創業。同社を6年間経営し、BtoCプロダクトを複数展開し、事業を売却。その後株式会社ドワンゴに入社、月額制コミュニティサービスの運営に携わりアプリチームの統括リーダーとして2年在籍。2018年8月フラーに参画し開発する全アプリの戦略を担当、組織拡大にも貢献。現在は執行役員デジタルパートナーグループ長。ユメは世の中の「あたりまえ」を少しでも変革すること。

はじめまして、フラー株式会社でデジタルパートナー事業を推進している執行役員の林です。

フラーに入社してから4年余り、事業と組織の両輪を伸ばし続けることに全ての時間を投じてきました。1つでも多くの企業のデジタル戦略を進めるために、そしてフラーに入ってくれた人たちが前を向いて頑張ってくれるために。

目下成長を続けているフラーのデジタルパートナー事業が世の中においてどのような世界を描こうとしているのか、事業の特徴から可能性まで、この記事でお伝えできたらと思います。

目次

  1. フラーのデジタルパートナー事業とは?
  2. デジタルパートナー事業と従来型の受託開発との違いとは?
  3. 全てがフラーで完結するワンストップなスキーム
  4. デジタル戦略すべてを担うことで得られたもの
  5. ワンストップのスキームに立ちはだかる壁
  6. 言語化する大切さ
  7. リリース後もしっかり向き合う
  8. パートナーとの共創のためやっていること
  9. 終わりに

フラーのデジタルパートナー事業とは?

昨今、デジタルに手を伸ばそうとしている企業は日本中で加速度的に増えてきています。小売業やメーカーというデジタルに比較的近い領域の企業から、学校や病院、そして農業などの一次産業まで。日本中でデジタルの必要性がピークを迎えています。

しかし多くの企業はデジタルの必要性は感じつつも、全く手を出せない大きな壁に直面しています。それは「デジタル戦略を構築し推進する人材がいない」ということと「プロダクトを開発しようとしても開発人材がいない」ということ。この壁は一朝一夕で乗り越えられるものではなく、企業によっては打つ手なしの現状です。

日本を今まで支えてきた企業たちがデジタルという新たな一歩を踏み出す事ができるよう、フラーのデジタルパートナー事業は生まれました。

デジタルパートナー事業はクライアントとともに「戦略を考える」「プロダクトを考える」そして「プロダクトを創り伸ばしていく」というデジタル戦略をワンストップで提供する事業です。

プロダクトと言ってもレジのシステムや券売機など、本来はとても広く存在します。フラーでは手広く手を伸ばすのではなく、まずは「スマホアプリ」と「ウェブサービス」に焦点を当ててソリューションを提供しています。

大事にしていることは5つ。

  • クライアントの事業背景・目的・課題と向き合った戦略検討
  • クライアントを含めたチーム構築
  • 開発からグロースまでのコミット
  • 質を追求し続ける
  • 明確な当事者意識

言うのは簡単なんです。これらを掲げている企業は多く存在すると思います。ですが、どれ1つをとっても実現し続けることが本当に難しいです。会社が大きくなるにつれて細部まで行き届かなくなりそうなこともあります。それでもフラーでは会社が拡大を続け、1,000人、10,000人になってもこれらを絶対に実現し続けたいと思っています。それが果たされた時、フラーは日本において従来のクライアントワーク企業の枠組みを超え、唯一無二な会社になれると信じているからです。

前述の通り、現在の世の中では空前のデジタル需要が押し寄せてきています。デジタルの必要性を感じているのはほぼ全ての企業と言っても過言ではないです。そんな中でフラーのデジタルパートナー事業は従来のシステム開発会社やコンサル会社とは大きく違う形で、デジタル分野の開発シーンを塗り替えようとしています。

巨大な市場に対してどのような形で立ち向かっていて、その先に目指しているものは何なのかをお伝えしたいと思います。

デジタルパートナー事業と従来型の受託開発との違いとは?

全てがフラーで完結するワンストップなスキーム

デジタル戦略を実現するには多くのステップを踏む必要があり、専門性が必要な領域も多くあります。

そのため、ここ数年間でも各領域に対してフォーカスした企業がいくつも台頭してきました。

  • デジタル戦略立案にフォーカスしたコンサルティングファーム
  • デザインにフォーカスしたデザイン企業
  • 開発にフォーカスした受託開発企業
  • マーケティングにフォーカスしたマーケティング企業
  • 分析ソリューションを提供するデータ分析企業

各領域の細分化が数年かけて起きたことで、デジタル人材を抱えていない企業は自社に足りない各領域に特化した企業に発注することでデジタル戦略を推進しようとしています。

例えば、フラーのソリューションのひとつ「スマホアプリ」で考えてみます。

おそらく、今みなさんが使っているアプリの上位10個のほとんどが「自社で開発したプロダクト」です。いわゆるIT企業が自社の人材で作り上げ、磨き上げたアプリがほとんどです。逆の見方をすると、土台となっている戦略に「デザイン、開発、分析、改善といった全ての工程」は紐づくべきであり、各工程が企業ごとに分断していては支離滅裂なプロジェクトになり、良いもの・ユーザーに受け入れられるプロダクトは作れないということです。

そこでフラーは「デジタル戦略に必要な全ての機能を一社にまとめきる」という壮大なビジョンに挑戦し、数年かけ「戦略立案」「デザイン」「開発」「データ分析」この4つの機能をフラーという会社に備える事ができました。これがフラーを唯一無二にしている大きな特徴のひとつです。

この戦略は正解でした。クライアント目線では戦略を一緒に考えるという最上流からフラーのデジタル人材がしっかりとデジタル戦略を推進し、そしてそのままシームレスに開発に向かうことが出来る最大のメリットがあります。要するに依頼する側はデジタル分野に詳しくなくても大丈夫という、触れたことのないデジタルを進める上では最大の安心感を生み出します。

デジタル戦略すべてを担うことで得られたもの

これはフラーの社内にも非常に良い効果をもたらしました。

フラーでは「ディレクター」「デザイナー」「エンジニア」「データサイエンティスト」の4職種が同時にプロジェクトにあたり、デジタルプロダクト制作の工程をワンストップで実現します。

フラーの4職種の人数構成は以下のとおりです。

フラーでは各領域の人材がその他の領域においても経験と知識をしっかりと吸収し、ハイブリッドな人材に育っていく土壌が備えられています。

これまでのIT業界では各領域に特化した人材が時代を拓いてきましたが、今後のデジタルシーンにおいては「主領域を持ちつつも、隣接領域の理解があるハイブリッドな人材」が市場で必要となってきます。要するに特定の領域だけを極めても足りない世界に突入しているということです。フラーでは一社に全ての領域を備えたことで、そのハイブリッド人材を輩出しやすい環境を作り上げることが出来ました。

ワンストップのスキームに立ちはだかる壁

この「全ての機能を一社に備える」という戦略には大きな壁が2つあります。

1つ目は「特定領域にフォーカスした会社より”規模”が必要になる」ということ。スモールカンパニーではなく、巨大な規模を要する会社にしていく必要があります。これは様々な課題に向き合う覚悟が必要です。例えば採用がライフラインになること。人を抱えることを求められるため、採用市場において全力を投じる必要が出てきます。更には規模を拡大していく上で組織づくりも課題としてはとても大きいです。20人の会社における機敏さと100人、200人と増えていく会社における組織づくりは前提条件が何もかも異なります。この組織作りという観点においても求められるものが多くなります。

そして2つ目の壁は「品質の維持」です。当社はワンストップでありながらも高品質なものを提供できるという品質面での強みを持っています。この高品質とはプロダクトそのものにおける品質はもちろんですが、クライアントとの関わり方や戦略の深さなどにおいてもです。それらを規模を大きくしながらも維持するのは非常に難しいです。加速度的に大きくなる組織・人の中で品質意識をいかに維持できるかというのは会社が伸びるか否かの分岐点です。ほとんどの会社は規模を求める代わりに品質を犠牲にするシーンも出てくるかと思います。フラーは絶対にそこは諦めず、どれだけ大きくなっても品質を維持できる組織、文化、人材を構築していきたいです。

言語化する大切さ

プロダクト開発において重要な観点はとても多いですが、その内の一つとして「言語化」があります。プロダクトをどうしていきたいのか、何を解決したいのか、何を大事にしているのか。考えていく上での指針や方針の言語化です。これがなぜ重要かと言うと、作りきり伸ばしていく過程で非常に多くのステークホルダーとともに進めていく必要があるので、考え方の根っこの部分がしっかりと言語化されていないとプロダクトはちぐはぐになってしまうからです。

例えば「アプリでの売上を重視する」という考え方と「売上よりもファンの体験を重視する」という考え方があります。プロダクトを作り上げていく上でこの2つの方針のどちらを選択するかによって機能の選択、開発の順序、ユーザーへの訴求の仕方、事業計画、全ての観点において全く別のものになるのです。プロダクトを作り上げる上では様々な職種が大小問わずとても多くの意思決定を行っています。その中で考え方が定まっていないと出来上がるものに統一性も存在せず、当然目的を果たすことも難しくなってしまいます。

この前提に立った時、クライアントとのものづくりは非常に慎重に取り組まねばなりません。発注者であるクライアントと外部の企業である我々という組織上で分断されているチームがこの意思疎通、認識合わせを怠ると途端にプロダクトは破綻してしまいます。もしくはプロジェクトが頓挫するかも知れません。そのために我々は文字通りの共創を理念に掲げ、クライアントと同じ組織であるかのようにプロジェクトを推進していきます。言うのは簡単ですが、実現するのは容易ではありません。クライアントは特定の業種におけるプロフェッショナルです。まずはクライアントの分野に素人の我々が事業に対して同じ理解度、解像度を持つところがスタートだと思っています。この考えは全社に浸透しており、全ての職種が心がけています。

リリース後もしっかり向き合う

従来の受託開発では開発会社の責務は「作りきる」ところにありました。納期に間に合うように求められたものを作りきることです。これは間違いなく必要で、最優先だと思います。そんな中でフラーはもう一歩先に行こうとしています。「作ったプロダクトを伸ばし事業として結果をもたらす」というところまでやり遂げる責任感を持っています。

その理由は大きく2つです。

1つ目は「アプリは改善し続ける性質である」ということ。みなさんが普段使っているアプリで開発が止まっているものはほとんどありません。従来のパッケージシステムとは異なり、アプリはアップデートし続けることで、よりユーザーの課題を解決し続けることを前提としています。よって、アプリを主としているフラーは「アプリをより良くし続ける」ことに明確に責任を持っています。

そして2つ目は「上流工程にフラーが関わっているから」です。自分たちの関わった戦略が順調に推移しているのか、そしてプロダクトがその戦略に沿っているのかをリリース後こそ重要視しています。

この2つの理由からフラーのモノづくりは決して作って終わりではなく、むしろ作ってからに対して責任を持たないといけないと思っています。現在30を超えるプロジェクトに取り組んでいますが、そのどれをとってもこのスタンスを貫いています。リリースは確かに一つの大事な区切りですが、そこからいかに伸ばして結果を出すかを重視します。結果を出すのはクライアントだけのミッションではありません。共に一つのチームでやっていくからこそ、我々はそこにも強い責任感と主体性を持って臨みます。

フラーが「デジタルパートナー」という事業名にしている所以がここにあります。プロダクトを伸ばしていく上での責任をクライアントだけにあるものと考えず、同じ視点で共に喜んで、共に苦しむ方針を取りました。作ったことで責任を果たしたと考えるのは「パートナー」ではないという覚悟です。パートナーとしてクライアントの事業が上手くいくところまで伴走します。これが従来の受託開発企業とは大きく異なるところでもあり、実現がとても難しいことからもフラーの一つの優位性となっていると感じています。

パートナーとの共創のためやっていること

最後に、フラーがパートナーとプロジェクトを進めるときに行っていることをご紹介します。

先述した最も大事な「事業の解像度を上げる」ために行っている施策は多いですが、その中でも特徴的なのはユーザー体験です。

クライアントの事業を理解する上で、資料を読むだけでは表層しか理解できません。実際にプロジェクトチームが足を運び、ユーザーの1人として体験するのが最善だと考えています。そして事業に対して関心をさらに深めます。

このユーザー体験は多大なる恩恵のある取り組みでした。まず、何よりユーザーの抱えている課題、感じている感情など多くの情報をインプットできます。そして課題や情報を自分ごとに出来るんです。これはどんなに資料を読んでもたどり着けないものだと確信しています。

そして事業の構造を理解することが出来ます。例えばクライアントの一社であるスノーピーク様は、製品の価格は決して安くはなく、ハイエンドなものが多いです。なぜ金額だけ見ると高いと感じられる製品がここまで人気を博しているのか、それは実際にキャンプをしてみると手にとるように理解できました。そして自分も欲しいと、ファンになりました。

ここまで理解が深まってやっとプロダクト開発に着手できるのではないでしょうか。ユーザーのことを理解し、事業のことを理解し、その上でのプロダクトのビジョンや機能を考えるというフローを大事にしています。これがフラーの考える「共に創る」という姿勢です。受発注のような契約上の仕切りは一切関係ありません。共にプロダクトを作り上げていく上で、チーム全員が同じ視点を持つことは最も大事だと考えています。

終わりに

フラーのデジタルパートナー事業について、引き続きこの『フラーのデジタルノート』で書いていきますのでフォローしていただけるとうれしいです。

フラーのデジタルノート『世界一、ヒトを惹きつける会社を創る。』を経営理念に掲げ、事業成長に”本当に必要なデジタル推進”を支援するフラー株式会社のnote.fuller-inc.com

現在、フラーでは共にデジタルパートナー事業に取り組む仲間を募集しています。

自らクライアントであるパートナーに寄り添い、共にプロダクトを創っていく想いや考えに共感してくれる仲間と一緒に日本のデジタル分野を盛り上げていきましょう。

ご興味ある方はぜひこちらからのエントリーをお待ちしています。

なお、この記事は、フラー公式note「フラーのデジタルノート」に掲載中の記事を転載したものです。

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