採用について | フラー株式会社
フラーは『世界一、ヒトを惹きつける会社を創る。』というユメに挑戦し続け、アプリとデータをテーマに事業を展開するIT企業です。柏の葉キャンパスと新潟に拠点があります。
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フラーには、社の技術力の中心として大きな信頼を寄せられ、さまざまな局面で活躍するCTOがいます。
そんなフラーCTOがこのたび、創業以来約10年で初めて、新たなメンバーに交代することとなりました。
そこで今回は、前CTOと新CTO、そして代表取締役社長に「CTO交代の経緯、理由」「新CTOの強み」「前CTOの新たな挑戦」などについて、話を聞いてみました。
山﨑(代表取締役社長):
フラー社長の山﨑です。今日はよろしくお願いします。
藤原(技術顧問・前CTO):
よろしくお願いします、前CTOの藤原です。2021年11月1日付で、CTOから技術顧問になりました。
フラーでは共同創業者として、それこそ数人規模でアパートの一室で共同生活しながら開発していた頃から約10年間、CTOとしてずっと第一線でやってきたのですが、今回すこし立ち位置を変えることになりました。
伊津(新CTO):
フラーの開発チームであるフラースタジオ代表の、伊津です。このたび、藤原さんから引き継ぐ形で新CTOになりました。今日はよろしくお願いします。
山﨑(代表取締役社長):
早速ですが、どうして今回、CTO交代となったのかについて。
これは、社長の僕や新CTOの伊津が言い出したことではなくて、一年ほど前から……。
藤原(技術顧問・前CTO):
僕から提案させてもらっていたことですね。
フラーは一年前に、代表取締役社長が交代になりました。創業者の渋谷が代表取締役会長になって、山﨑に代表取締役社長を託した形です。
そして、そのタイミングで僕も改めて、「新しいフェーズに入ったフラーにとって、最適なCTOは誰か、どんな人物か」について考えたんです。そして結論、それは自分ではなくなったんじゃないかなと思った。
その大きな理由は、フラーはすでにかなり組織として大きくなっているので、そのCTOには、自分自身が手を動かすことを一番に考える人間より、周りに動いてもらうための工夫ができる、マネジメントレイヤーに得意を持った人間を立てた方がいいんじゃないかと思ったこと。
僕はとにかく、自分で手を動かしたくなってしまう性格です。なにか創ろうという話になったとき、「よし、俺がやる!」とすぐに思ってしまう。
何でもできてとにかく手が動く……それが、創業期からこれまで意識してきた理想のCTO像。でも、今のフェーズに達したフラーでは、もう違うなって。100人を超えたこれだけの人数で動くなら、CTOは「自分が創る」ことを優先するべきじゃないし、そうしたくなる人間が務めるべきでもない。
なので、山﨑が新社長となった一年前、そのあたりについて、1on1でいろいろ話をしました。山﨑新社長の創りたい組織や目指すゴール、それはどんなものかを確認し合って、じゃあそのためのCTOって僕のままでいいのかな? っていう話を。
山﨑(代表取締役社長):
正直な話をすると、去年に藤原さんからこのCTO交代の提案をもらったとき、最初は断りました。藤原さんの言っていることもわかるし、言ってくれるその気持ちもすごく嬉しいんですが、藤原さんは創業時から会社を率いていた実績とその高い技術力で、エンジニアたちから圧倒的な信頼を寄せられているんです。
だから本当に正直なところ、藤原さんがCTOを降りたら会社の運営が厳しくなるんじゃないかと思ってしまって。
藤原(技術顧問・前CTO):
でも、今考えてみると、社長交代すぐのあのタイミングでCTOも交代するというのは、やらなくてよかったなと思います。同時にやってたら社内混乱してたかもね。
山﨑(代表取締役社長):
そう思います、あの時の判断はあれでよかったと思っています。
で、一旦交代しないということにして、じゃあいつかは交代すべきなのかについてずっと悩み続けました。
自分もデザイナーとして手を動かす側の人間だったから、やはりCTOにも、これまでと変わらず自分で手を動かす力が強い藤原さんに居てもらった方がいいんじゃないかな、なんて、最初は思っていました。
でも、その気持ちが一年間社長を続ける中で変わってきたんです。
というのも、僕自身、自分としては現役のデザイナーでもあるつもりだけど、現実的には、社長になってからは現場に出て自分の手を動かすということはどんどんできなくなったし……動かさない方が総合的にはいいんだな、とも思えるようにもなりました。
藤原(技術顧問・前CTO):
自分が手を動かせなくなって、それでも安定した結果がちゃんと出せるようになったって、なんか寂しくもあるけど、会社が組織としてしっかりしてきたという意味で嬉しくもあり、だよね。
山﨑(代表取締役社長):
本当にそうですね。
今のフラーならもう、自分が関わらなくても、メンバーに任せればきちんと綺麗なアプリが出てくる。以前までなら「自分もやっぱり手を出したかったな」なんて寂しく思ったこともありましたが、今は素直に嬉しいです。
そして一年でそういう意識を持てたことで、改めてCTOについて考えたとき、たしかに藤原さんの言う通り、マネジメントに強みを持ったメンバーにその役目を任せるのがベストだなと決断できました。
山﨑(代表取締役社長):
じゃあ具体的に誰がいいのかと考えたとき、伊津が適切だなと判断できました。
今会社の中で一番社員が多いのは、伊津が代表を務めているフラースタジオなんですよ。フラースタジオはデザイナーとエンジニアが全員いて、データサイエンティストもいて、……もう何人規模だろう?
伊津(新CTO):
社員だけで数えても60人とかですね。
山﨑(代表取締役社長):
60人、これはフラーの中で最大規模のチームです。エンジニアとして、同じエンジニアを含めたさまざまな職種のメンバーで出来た、これだけの人数のチームをすでに率いてくれている伊津なら、今のフラーにとって一番いいCTOになってくれるんじゃないかと思いました。
実際に伊津はこれまで、大きくて複雑なプロジェクトであっても、うまく皆をまとめて段取りを進め、案件を正しく前へ進めてきてくれました。
だから、すごく安心して任せられましたね。
伊津自身は、話を受けたときにどうでした?
伊津(新CTO):
正直なことを言うと、自分でいいのかなみたいな気持ちは少しありました。
CTOと聞くと、自分自身の手で何でもやれる、それができる力のある藤原さんのようなエンジニアをイメージします。社内からも社外からも技術のトップとして見られますし。
なので、改めて「エンジニアとしても、これからもちゃんとやっていこう」と気を引き締めました。こういった話をいただいたっていうのは、すごくありがたいなとも思っているので。
一方で、山﨑と藤原さんの話にもあったように、フラーのフェーズ的にはCTOは「いかに自分の手を動かさないまま事を進めるか」も大切になってきます。特に、フラーはエンジニアが人数としては一番多い会社でもあるので、そのマネジメントは重要です。
CTOとして、皆をきちんとまとめてしっかり引っ張っていかなきゃなと思います。
山﨑(代表取締役社長):
伊津には、CTOになってもらう前のこの一年間で特に、開発体制の安定化をやってもらっていました。依頼として来た案件を、メンバーがきちんと受けて正しくこなしていく——というフラーの中での流れを、よりしっかりとしたものにしてもらえるように。
それに向け、メンバー構成や会議体はどうするか。さらに、実際に提案が通った後、どういう風にメンバーをアサインするか。エンジニアやデザイナー、データサイエンティストたちが作った成果物をどこにどう管理するか……などなど、そういうことの決め方を、もっと仕組み化しておきましょうというのを僕の方で考えながら、いろいろなプロジェクトを進めています。
山﨑(代表取締役社長):
ご依頼が来てから伊津が土台を整えて、メンバーに渡していく。そんな形が整った。
だから、新規案件っていうのはもう全部伊津が入ってくれてるよね。
伊津(新CTO):
そうですね、少なくとも最初は全部自分が入っています。
最初って本当、まず何をしたらいいかわかんないってメンバーも、やっぱり多いですから。その点自分は、フラーの中では長いことアプリを作っている方でもあるため、最初にこれとこれとこれを決めて……というノウハウはある程度持っています。
なので、それを皆に伝えながらプロジェクトのスタートを進めています。
一方で、技術面での判断でちょっと確信が持てないなと思ったところについては、CTOだからといって自分だけで決めようするのは避けていて、VPoEとVPoPに都度都度頼るようにしています。
VPoEはいいエンジニア組織づくりに、VPoPはいいプロダクトづくりに責任を持つという役職です。
この2人はフラーの中でもすごく技術的に優れているので、「今回の場合、何を使ったらベストかな?」なんて相談させてもらい、力を借りています。
藤原(技術顧問・前CTO):
自分がCTOを辞そうと思ったのは、これからはよりマネジメントの得意な人間に任せた方がいいという気持ちの他に、もう一つ理由があります。
それは、単純に、今のフェーズに達したフラーが自分とは必ずしもマッチしなくなったこと。
フラーはもう、一から事業を興してそれを形にするまでがむしゃらに走る、いわゆるゼロイチのフェーズではなくなっています。ある程度安定的、持続的に事業を継続・拡大するフェーズです。
ですが、自分の得意な領域はゼロイチなんですよ。なにもないところから始める、創っていくっていう。
ゼロイチはブレーキがぶっ壊れている世界で、だから好きなんです(笑)
でも、フラーは今やそういう会社ではない。事業の面もそうだし、働き方の話をしても、仕事だけじゃなくてプライベートの時間も大事にしようという、ワークライフバランスを考えた形になっています。
それは、もちろんすごくいいことです。でも、自分個人のことをいうと、僕はプライベートと仕事の境がないタイプ。ブレーキなしに走りたい。そう考えると、やっぱり今のフラーと自分はマッチしないなって。
山﨑(代表取締役社長):
自分も、個人的にはプライベートと仕事がだいぶ曖昧なタイプ。だから社長になったんですけど(笑)
でも、会社をもっともっと大きくして正しく運営し続けるためには、自分はともかくメンバーには、プライベートを大事にできる、家族の時間と仕事の時間をちゃんと分けられる働き方を選択肢として提供することが大切です。
……昔のフラーを考えたら、この会社もずいぶん変わったなと思いますが(笑)
藤原(技術顧問・前CTO):
ほんと、フェーズの違いですね。これからのフラーは、そうしていくべきだと思います。
山﨑(代表取締役社長):
藤原さんには、今後は技術顧問という形でフラーに関わってもらいます。
藤原(技術顧問・前CTO):
技術顧問として、これからは後方支援的な立ち位置で動ければいいかなと考えています。
具体的なタスクとしては、今は、教育連携の部分がメインになっていますね。高専との連携だったり、新潟県を始めとしたさまざまな地方との連携だったり。
教育機関や地方のソフトウェアエンジニアリングの力を底上げして、最終的には、そこでスキルを身につけた人たちにフラーを紹介できたらなと思っています。
伊津(新CTO):
実際にもう効果は出ていて、現役高専生が何人かアルバイトをしてくれていますし、高専卒業後にフラーに入ってくれた例もあります。
優秀な人が来てくれるので、現場としてはすごくありがたいですね。なので、これからさらに増えてくれたら嬉しいです。
山﨑(代表取締役社長):
採用に関して、フラーでは短期的なものだけでなく、長期的な目線での施策も継続中です。
今すぐにどうこうとはならないけれど、数年後に良い人が採用できたらいいなぐらいの気持ちで、教育機関と連携をしていろんな取り組みを行っています。
こういうのはしっかりと丁寧に続けていかなければ切れてしまうものなので、藤原さんに大きく任せています。
藤原(技術顧問・前CTO):
種まきというか、フラーチルドレンみたいな子たちを育てられたらいいなと。
特に、高専との教育連携はすごくうまくいっていますね。地方創生の文脈で非常に具体的・現実的な課題解決を授業の一環で行っており、それは、規模は小さいですが方向性としてはまさに、フラーがデジタルパートナー事業でやっていることそのものです。
すごく力がつくので学生の皆さんにとってはスキルアップにとても役に立ちますし、僕たちにとっても、フラーでの仕事を実際に体験してもらうようなものなので、その面白さややりがいをわかってもらえるという嬉しさがあります。
そういった教育連携以外では、技術顧問を相談役として使ってもらえたら嬉しいなと思っています。今僕はフラーの経営から一歩引いた立ち位置になった、つまり当事者ではなくなったので、だからこそ現場のことや経営のことについて、見えてくるもの・言えることがいくつかあるかなと。
山﨑(代表取締役社長):
最後に、藤原さんは今、フラーとは別のところでまた新たな挑戦を始めましたよね。
藤原(技術顧問・前CTO):
はい。新潟に居を移し、会社を立ち上げました。
ビアパイントという名前で、新潟の佐渡島に本社を置いて、クラフトビール文化の輸入を行っています。
株式会社ビアパイント佐渡島でゆったりとクラフトビール醸造を行いながら、醸造業務を支援するソフトウェアを開発する会社です。www.beerpint.beer
直近で行ったブルワリー(ビール醸造所)設立のクラウドファンディングでは、ありがたいことに達成率が250%を超えました。
そして実は、今日みんなでいるこの場所は、そのクラウドファンディングにより作られたブルワリーです。
t0ki brewery (トキブルワリー)t0ki brewery は佐渡ヶ島にあるマイクロブルワリーです。その時にだけ飲める特別なクラフトビールをお届けします。www.t0ki.beer
伊津(新CTO):
ありがたくビールをいただいています!(笑)
山﨑(代表取締役社長):
今日はもう仕事できないかもしれない……(笑)
藤原(技術顧問・前CTO):
ビールに関する事業を始めたのは、もちろんビールが大好きだから。そして新潟に来たのは、新しいことがしたかったからです。
今の時代、新しいことはもう都会の中にもインターネットの中にもなくて、地方にこそあると思っています。
10年前、かつて自分たちがフラーとしてスマホに関する事業を興したとき、まだまだそこには何もなかった。フロンティアでした。そのさらに10年前は、インターネット自体がそんな感じだった。
今、かつてのスマホ界隈、インターネット界隈と同じような、ITによる大きな可能性が眠っているのは、地方です。ネットと繋がらないところで事業を展開している会社やビジネスをDXすることによって、日本独特の新しくて大きな価値が生まれるはず。
地方にはすごく価値のあるものがたくさんあって、実際にそこではとても大きなヒト・モノ・カネが動いているんですが、まだITの力による効率化はされていません。
だから、それをやっていきたいですね。
山﨑(代表取締役社長):
それはまさに、フラーでやっていることと同じ道ですよね。まだDXをされていないところに、ITでお力添えするという。
藤原(技術顧問・前CTO):
そう、自分個人がこれから新潟でやっていくことと、今までフラーでやってきたことは、方向性で言えば同じです。
ただ、大きくなったフラーで皆でやるのではなく、またゼロイチで自分の手でやりたくなったという話ですね。
佐渡で美味しいビールをご用意してお持ちしていますので、よろしければぜひ遊びに来てください!
フラーでは、新メンバーを随時お迎え中。ご興味お持ちいただけましたら、こちら↓の採用ピッチ資料もぜひご覧ください。
採用ページ↓もぜひ覗いてみてください!
(インタビュー:松岡・坂詰、文章:平山、写真:KENTO Broadcasting inc.)
なおこの記事は、フラー公式note「フラーのデジタルノート」に掲載中の記事を転載したものです。