【社員インタビュー】「机上の6年より、現場1日。」設計図の“裏側”を支える、プロフェッショナルの仕事哲学
「机の上で6年間学んだことよりも、現場の職人さんが教えてくれたことの方が、ずっと多かった」
今回は、フロンティアコンサルティング(※以下、FC)のCM(コンストラクションマネジメント)部に所属する金谷にインタビュー。BtoCでの経験を経て、BtoBの世界で見つけた「チーム」という新たな可能性。オフィスの設計図面を現実の空間へと立ち上げる「施工計画」を担う彼女の独自の仕事哲学と、“チーム”で働くことの魅力に迫ります。
金谷 美苗子 / CM部
東北芸術工科大学 環境デザイン学科を卒業後、神奈川大学大学院 建築学を修了。住宅リフォーム業界で営業、デザイン、施工管理まで一貫して経験した後、オフィス構築の業界へ。CM/PMとしてキャリアを積んだ後、2021年にFCに入社。現在はCM部にて、主に施工計画・積算業務を担当。休日はキックボクシングで汗を流している。
「ものづくり」の原点。スケッチブックから、街の建築へ
ーーまず、金谷さんの「ものづくり」への関心の原点についてお聞かせください!
昔から絵を描いたり何かを作ったり、とにかく手を動かすことがずっと好きでした。中学・高校時代も、他の部活と掛け持ちしてでも必ず美術部に在籍しているような学生でしたね。
ーーそこから、大学で建築の道へ進まれたのは、どのような経緯だったのですか?
高校卒業のタイミングで「ものづくり」を仕事にしたいと考え、プロダクトデザインや舞台美術など幅広く調べました。その中で、扱えるスケールが一番大きい建築に惹かれ、東北芸術工科大学の環境デザイン学科に進学しました。一般的な設計課題に加え、美大らしく「街に出てスケッチする」といったアートに近い課題も多かったです。
ーー大学院に進まれたのは、どのような理由があったのですか?
一番は「このまま社会に出ても、自分は建築の世界を何も分かっていない」と強く感じたからです。4年間学んだからこそ、その世界の広さや奥深さを知り、純粋にもっとこの世界に浸かって勉強したい、という想いで大学院に進みました。
BtoCリフォーム業界での気づき。「企業」を相手にするBtoBの道へ
ーー大学院を修了後、住宅リフォーム業界からキャリアをスタートされていますね!
ご縁をいただいた会社に入社しました。民事再生を経た会社だったのですが、だからこそ「もう一度盛り立てよう」という熱意があり、面白そうだと感じて入社しました。職種は営業でしたが、社内にデザイナーがいなかったので新規営業からデザイン、現場管理まで何でもやっていましたね(笑)
ーーその後も住宅リフォーム業界で経験を積まれたのですよね?
はい、1社目で3〜4年ほど勤めた後、もう少し同世代が多い環境を求めて転職しました。2社目では社員数が1000名を超える規模の会社で組織の規模は大きくなりましたが、変わらず営業から現場管理まで、一気通貫でお客様に向き合う経験を積むことができました。
ーーそこから、なぜ「オフィス」というBtoBの領域へ挑戦しようと考えたのでしょうか。
きっかけは2つです。1つは、転勤(支店異動)が多く、お客様との関係が途切れてしまうことが辛かったためです。もう1つは、個人のお客様を担当する中で、よりロジカルな課題解決が求められるBtoBの仕事に新たな可能性を感じたからです。ちょうどその頃、Googleなど先進的なオフィスのデザインを見て、「こういうオフィスは誰が作っているんだろう?」と興味を持ち、この業界を調べ始めました。
競合として知ったFCの魅力。入社の決め手は「正直さ」
ーー前職でもオフィス業界のCMをされていたんですよね。
そうです。25名ほどの小規模なオフィス構築会社でプロジェクトの施工や品質・コストの管理を担うCMとして在籍していました。そこでは、営業とデザイナーがチームを組み、提案から完了までを担当していました。
ーーFCへの転職を考えたきっかけは何ですか?
その会社にいた当時から、FCはコンペで競合する名前の知れた会社でした。すれ違う社員の方々を見て、「若そうで元気があるな」「素敵な提案を持ってくるな」と漠然とした憧れを抱いていました(笑)。その後、もう少し違う環境も見てみたいと思うようになり、転職活動ではピンポイントで募集を探して応募しました。
ーー面接での印象はいかがでしたか?
すごく印象に残っていることがあります。当時の面接はコロナ禍で、社内が慌ただしい状況だったと思うのですが、面接官の方が「今、社内はまだ整備ができていない部分も多く、正直大変なこともあります。それがしんどくて退職してしまうメンバーもいます」と話してくださったんです。
「面接でそこまで!?」と驚きましたが(笑)、同時にその「正直さ」に強く信頼が持てました。キラキラした面だけでなく、大変な部分も隠さずに伝えてくれたことで、逆に入社したいという気持ちが強くなりましたね。
設計図を「現場のコトバ」に翻訳する。CMという仕事の奥深さ
ーー現在、FCではCM部に所属されていますが、入社時と今とで、業務内容は変わりましたか?
はい、大きく変わりました。入社当時は前職同様、見積もりから現場管理まで一貫して担当していました。現在は「施工の前段階を担当するチーム」と「現場で指揮を執るチーム(施工管理)」に分かれています。私は現在、前者のチームで、予算管理やパートナー選定など、工事が始まる前の段取りをメインに担当しています。
新入社員の方は、まずは「現場(施工管理)」からスタートします。図面がどう形になるのか、現場のリアルを知らないと正確な準備や予算組みはできません。まずは現場で基礎を固めて、将来的には上流工程へ進むなど、適性に合わせてより多様なキャリアパスを描ける環境を整えていきたいと考えています。
ーー具体的には、どのような役割分担なのでしょうか。
営業とデザイナーが練り上げたプランを「どういった工法が良いか」「どう見積もれば、このデザインが実現できるか」検討します。そのうえで積算と工程表を作成し、現場監督チームへ引き継ぐまでが私の役割です。
現場管理時代は、ものが「出来ていく」プロセスにやりがいを感じていましたが、今は「引き継ぎ」の難しさを感じています。
ーーその「引き継ぎ」の難しさについて、もう少し詳しく教えていただけますか?
自分が考えた工程やコストの”意図”は、資料を渡すだけでは伝わりません。「なぜこの工事が必要なのか」「どんな背景やリスクがあるのか」まで含めて、現場の担当者に伝えきる必要があります。伝える相手のスキルやキャラクターに合わせて、情報をどう翻訳して引き継げば現場が動きやすいかを考える。そこが今の仕事の難しさであり、模索中のやりがいです。
私の先生は、大学ではなく「現場の職人さん」だった。
ーー大学院まで建築を学ばれていますが、その知識が活きる場面も多いのでしょうか。
建築用語や建材の知識があることで、物事の理解が早いという側面はあります。ですが、本当に仕事を学んだのは「現場」でした。大学院まで6年学んでも、社会に出ると「自分は何も分かっていなかった」と思い知らされました。
私にとっての先生は、現場で働く協力会社の「職人さん」たちです。彼らにいかに気持ちよく動いてもらい、最高の技術を発揮してもらえるのか。そのために、まずは「なんでも聞く」姿勢を徹底しました。
ーー具体的には、どのようなことを心掛けていたのですか?
当たり前のことですが、毎日元気に挨拶をして、「今日ここはどうなるんですか?」と常にコミュニケーションを取り続けました。現場の職人さんたちにリスペクトを持ち、素直に教えを請う。そうやって信頼関係を築いていく中で、ある時から職人さんが私に直接「金谷さん、ここはこうでいいか?」と電話が来るようになったんです。
ーー金谷さんを指名して電話がかかってくるようになったんですね!
ええ。「この人に聞けば、答えが返ってくる」と認めてもらえた瞬間ですね。私は、現場のチームや協力会社の皆さんが「動きやすい」状態を作ることが、最終的にお客様の「使いやすさ」に繋がると信じています。そのために、コミュニケーションを通じて信頼関係を築くこと。それが私の仕事の核です。
個の力に頼らない。「チームで挑む」からFCは強い
ーーFCに入社して、最も驚いたことは?
「チームで仕事をしている」という実感の強さです。この業界、特に中途採用ではどうしても個人のスキルに頼りがちですが、FCはそうではありません。
例えば、CM部がビルオーナー様の案件に関わる際には、社内の不動産仲介部門(SOI事業部)と連携し、「今のテナント市場で何が求められているか」という知見を共有してもらいます。そのうえで、「このリニューアルならテナントが決まりやすくなりますよ」といった、より精度の高いご提案ができる。これは、部門横断の「チーム」だからこそできる強みだと、入社時は本当に驚きました。
ーー社内の雰囲気はいかがですか。
明るい人が多いですね。誰かに質問した時に、嫌な顔をされたり突き放されたりすることが本当に少ないです。もちろん、相手の状況を見て声をかける配慮は必要ですが、部門の垣根を越えたコミュニケーションが活発で、会社全体に一体感があると感じます。
ーー若手や女性が多いというのは、建設業界の中ではかなり珍しい環境なのでしょうか。
そうですね。建設業界は経験豊富なベテラン層が多く活躍されている世界ですが、その中で当社のCM部は20代、30代が非常に多くて活気があります。それに、東京本社のCM部に女性が多く在籍しているのも、業界ではかなり珍しいと思います。新卒の若手から経験豊富なベテランまで、現場の課題についてフラットに議論し合える。そうした知識を共有し合う文化が、FCの強さの源泉だと感じます。
会社の「好き」なところ。そして、未来へ
ーー他に「FCのここが好きだな」と思うところがあれば教えてください!
これは自慢でもあるんですが、「自社オフィス」そのものが格好良いことです。協力会社の職人さんたちが打ち合わせで来社された時に、「緊張するくらい格好良いね」と言われることもあります(笑)。自分たちが創っている空間の価値を、自社オフィスが証明してくれている。それは働く上での誇りにも繋がっています。
ーー今後の目標をお聞かせいただけますか。
チームとしての目標は、CM部全体の「実行力」をさらに高めることです。営業や設計のメンバーが素晴らしい案件をたくさん受注してくれる一方で、CM部のリソースが追いつかず、十分に応えきれない場面が出てしまうこともあります。だからこそ、部門全体でスキルアップし、どんな案件にも対応しきれる強いチームに成長していきたいです。
ーーその未来に向けて、どのような方と働きたいですか。
物事を細かく突き詰めて考えることが好きな人は向いていると思います。でも、それ以上に私が一緒に働きたいのは「明るく元気に挨拶ができる」人です。結局、現場はコミュニケーションがすべてです。知識やスキルは後からいくらでも学べますから。まずは、基本的な信頼関係を築けることが一番大切だと思っています!