大月アウトドアフィールドKASHINISHI 公式Web
高知県大月町に位置する海の見えるグランピング施設です。
https://kashinishienchi.jp/
エメラルドグリーンの海が有名な高知県大月町を舞台に、「事業づくりのプロセスを学ぶ」現地滞在実践型プログラムを実施しました。
大月町は高知県の西南端の人口約4,400名の町。
FoundingBaseは、「樫西園地」という国立公園のスペースを利活用し、新たな滞在型観光拠点をつくる「グランピング事業」を計画。開業に向けて準備を進めてきましたが、令和6年3月23日にアウトドア施設としてついにオープンしました。
「令和5年度大月町関係人口拡大事業支援業務」として実施した今回のプログラムでは、「大月町内での観光消費額を増やす」ことが目的。
新たな観光滞在拠点となるアウトドア施設を舞台に、付加価値となる食メニュー・体験を考案することがゴールとなります。
大月町を舞台にした実践型プログラムは昨年に続いて2回目。今年度も、全国各地から集まった8名の大学生がまちに飛び込み、様々な体験をともに分かち合い、まちの課題と向き合って解決に取組みました!
大学生が約半年間にわたって開発に取り組み、考案した大月町の魅力を伝えるメニューは、リニューアルした町内アウトドア施設で実際に提供されます!大学生が開発したメニューはこちら!
「自分で焼ける!手作りデザートピザ!」
「こじゃんと大月てまり」
▼メニューが提供される「大月アウトドアフィールド KASHINISHI」
▼昨年度実施内容はこちら
世界的にも有数のダイビングスポットでもあるエメラルドグリーンに輝く透明度の高い海。船の影が海底に映し出され、「船が宙に浮いて見える」ため、まるで楽園のようとSNS上で注目を集める柏島を有する高知県大月町。
夏の間はこの綺麗な海を目的に、全国各地から非常に多くの観光客の方々が町を訪れる一方で、観光客の多くは「海水浴をして終わり」「海を見て終わり」と海のアクティビティ単体で帰ってしまったり、ご飯はコンビニ食で済ませてしまっており、「大月町の魅力」を存分に体験をしないまま帰ってしまう人が多く、その結果、町の方々の所得に繋がっていない現状にあります。
大月町 柏島の綺麗な海
今回、大学生たちが取り組んだ内容は大きく以下の流れとなります。
・現地プログラムin大月町(2023年9月)
①大月町について知る・魅力を見つける
②メニュー・食体験を企画する
③プレゼン
・メニュー案ブラッシュアップ(2023年10月〜2024年1月)
・メニュー発表会in大月町(2024年2月)
大月町の町の総合計画やその他HP、SNSなどの情報をリサーチした上で、町の人からお話しをお聞きしました。
過疎化による人口減少や高齢化、産業面では中心地以外の商店や飲食店などの減少が問題となっている一方で、柏島を中心に観光地としての認知度の高まりや海の魅力を理解しました。
大月町まちづくり推進課の久松課長より、町の現状と町の取組について説明いただきました。
大月の魅力を理解するため、町内各所も歩き回りました!
今回考案するメニューが実際に提供される樫西園地。知名度が高まっている柏島。そして町内の産品が一同に集まる「道の駅大月」。
道の駅では、産品を納品しにきた事業者の方々や、買い物に来た町の方へ、食材の魅力についてヒアリングさせていただきました。(ご協力いただいた皆さまありがとうございました!)
さらに、大月町ふるさと振興公社 山本様、谷鮮魚食堂 谷様、苺氷り本舗 野村様、海辺の自然史研究者 中地様からは、大月の観光資源や食の魅力や商品開発における事例紹介などのお話しをお伺いしました。
中地様には大月町随一の観光スポット柏島を案内いただき、
大月の観光資源・海の魅力を説明いただきました。
山本様より、町内の産品が一同に集まる「道の駅大月」にて
大月の食の魅力について紹介いただきました。
「道-1 グランプリ2019」でスィーツ部門グランプリを受賞された
苺氷り本舗の野村様にお話しを伺いました。
谷鮮魚食堂 谷様には、カツオを目の前で捌いて、藁焼きを見せていただいたほか、
商品開発に関するお話を伺いました。
また、メニュー・食体験を考える上で、実際にその食材を知らなければいけない!ということで、町内の飲食店を回ったり、道の駅の食材を購入し、滞在先でみんなで自炊したりして、大月の食を食べ尽くしました!
滞在中は毎日のように道の駅で地元の食材を購入!この日は大月の食材で作ったカレー!
まちの方々からのお話しや町内散策、食の魅力探しを通じて得られた情報を整理し、いよいよメニュー・食体験の企画に挑みます!
また、大月町プログラムの前年度参加者とオンラインで交流しました。初めて高知県大月町に訪れ、仲間と一緒に魅力を必死に考えた同じ大学生。彼らにとっての「大月の魅力」の説明や、滞在プログラムを過ごす上でのアドバイスなどをいただきました。
前年度の参加者も大月でとても濃い時間を過ごしたそうです。
「よりよいものをつくりたい」
参加者1人1人の思いは一緒。でも対立を恐れてなかなか意見が言えなかったり、考えがぶつかったり、沢山悩みながら、各個人が自身の課題と向き合い、それを乗り越えて、最終プレゼンに向けて準備を進めて行きます。
各チームが考え抜いた、大月町の魅力を発信するメニューは以下の通り。
こじゃんと大月てまり
「こじゃんと」とは土佐弁で「すごく」「たくさん」という意味があり、このメニューに大月の魅力を詰め込んだことを表しています。
大月町の滞在期間中の食事では初めて食べる魚やこだわりの詰まった食材に何度も感動しました。その感動は今でも忘れられません。
私たちが味わった感動を多くの人に「こじゃんと」味わってほしいという願いが込められています。
自分で焼ける!手作りデザートピザ体験
大月に訪れ、「食」と「景色」の魅力に触れたわたしたち。この2つの魅力を最大限活かしたメニューにしたい!ここでしかない体験をしてほしい!「もう1度来たい!」と思えるメニューにしたい!
「おいしいものは記憶に残る」という考えをもとに、「食×体験×景色」がコンセプト。
季節の大月のフルーツを好きな形に載せて焼ける!また月形にすることで、「大月」をイメージさせるものにします。
プレゼンは、大月町まちづくり推進課の久松課長に向けて発表。1週間大月町に滞在した実体験をもとに考え抜いた案を伝え切りました。久松課長から、今後のメニュー実現に向けて楽しみにしているとの言葉をいただきました。
全国から大月町に来てくれて、1週間を通して大月に思考してくれたこと、感謝します。味だけでなく、大月町の場所がもつ雰囲気やおもてなしも含めて内容を考えられている点が非常に参考になった。メニューの実現を楽しみにしている!
久松課長からのコメント
自分たちの考え抜いた案を伝え切りました!
現地プログラム終了後、参加者は各々の地域に戻ったあとも、オンラインでミーティングを重ねました。「ターゲット」「提供したい価値」「オペレーション」などの協議を重ね、開発メニューをブラッシュアップしていきます。
そして2024年2月、大月町に再度集まった大学生。
改善を進めていたメニュー案を、大月町の食材を用いて試作しました!
さらに、自分たちの企画の制作過程やコンセプト、メニュー内容に関して、大月町役場にて改めて発表の機会をいただきました。聞いていただく方々は、2023年9月の現地プログラムで、大月町の魅力やメニュー開発についてレクチャーをいただいた、大月町役場の久松課長と谷鮮魚食堂の谷様。
改めて、この半年間のプログラムにおけるメニュー・食体験の開発、その行動と思いの軌跡を発表し、プログラムを終了しました。
・大切な仲間と出会うことができるとともに、素敵なまちの方々や景色・場所に出会うことができました。そして自分自身もプログラムを通して大きく成長できたと思います。
・この一週間で学んだことは沢山ありますし、自分自身も成長出来たと思うので、参加して本当に良かったです。
・土地や暮らしに愛着のある人の話を聞くことで、大月のことを詳しく知れて、より多くの人に届けたいという思いが芽生えました。
・1日の密度が尋常ではないほど濃かったこと(1時間ごとに景色が変わっていた)や、実際にまちに住んでいる人の思いや声が聞けたことがよかったです。
・プログラムでお話いただいた方々の人柄が素晴らしかった。大月のリアル、大月の日常の雰囲気を感じることができ、自分の中で企画考案に大きな影響を受けた。さらに、「消費者が求めているものとは」「食材のストーリー」「体験」など、お話の中で企画を進める上で、ヒントになりそうなキーワードを多く感じとることができ、貴重なお話しだった。
・大月町のまちづくりの一部として、このような素敵な場所で関わらせていただけたことは、私にとって、とてもかけがえのない時間となりました。参加できて良かったです。
・難易度は高かったけど、楽しかったというのが素直な感想です。考え方の違いでグループ内ですれ違いが起きたり、詳細を詰められていなくて白紙に戻りかけたり、夜中まで話し合いをしてどうにか企画を完成させましたが、1週間一緒に生活してみんなのことを知る中で印象が変わっていき、このメンバーでこの経験ができて本当によかったです。
今回、大学生が開発したメニューは令和6年3月23日に開業した高知県大月町の「大月アウトドアフィールドKASHINISHI」にて、実際のお客様に提供いたします。
「大月アウトドアフィールドKASHINISHI」は、太平洋を一望できる絶景を目の前にグランピング宿泊やキャンプ、マリンアクティビティなどのアウトドア体験を満喫することができる施設です。
リニューアルオープンした施設にて、大学生が開発したメニューを大月町の魅力の1つとして、多くのお客様に届けていきます。
大月アウトドアフィールドKASHINISHIからの夕焼け