この度フォルシアは、お題となる Web サービスの高速化でその技術を競うコンテスト・ISUCON13 にゴールドスポンサーとして協賛しました。さらに、スポンサーになるだけではなく、10名の社員が実際にコンテスタントとして競技に参加しました。
実はスポンサーもコンテスタントとしての参加も、フォルシアにとって初めてのことではありません。
過去には ISUCON10, 11 でもスポンサーでした。
またコンテスタントとしても、ISUCON7~ISUCON11 までの5回、フォルシア社員が参加しています。
しかし今回の ISUCON はフォルシアにとって、今までの回とは違った印象深い回になりました。
特に、下記の3点がこれまでの回とは違っていました。
- 今まではシルバースポンサーだったが、初めてゴールドスポンサーとして協賛
- 社員からの参加人数が初の2桁に
- やるからにはチームで練習する、社内でもそれをバックアップする、という機運の高まり
そんなフォルシアにとって熱い回となった ISUCON13 に向けての、社内での取り組みについて紹介します。
なぜ ISUCON なのか
フォルシアには以前から、「技術イベントの開催や協賛を通して、社内のコミュニティも社外の技術コミュニティも盛り上げていきたい!」という志を持ったエンジニアが多くいました。
そういった社員たちは、以前は個々人の熱意でそれぞれ活動していました。しかし最近は技術広報チームとして組織を作り、継続的に活動しています。
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私自身は技術広報チームに所属してはいませんが、会社公認の組織となった後も、個々人の熱意を組織的に後押しする体制ができており、チーム外から見てもとても良い取り組みだと感じています。
実際に技術広報チームは、関連するコミュニティのイベントへの協賛、時にイベントの主催など積極的に行ってきました。
先日のブログに記載された 「PostgreSQL Conference」 や、フォルシアの主催する TypeScript 好きのための LT 会 である「Shinjuku.ts」 などがその一例です。
また、イベント開催ノウハウは社内の競技プログラマ有志が年に1~2回実施しているオンサイコンテスト「ゆるふわオンサイト」などにも生かされています。
そんな中で技術広報チームのメンバーたちは、ISUCON への協賛を「もっと力を入れてやるべきだ」と考えたそうです。
ISUCON は限られた時間の中で、アプリのソースコード、DB、インフラなど 様々なレイヤーの知恵をチーム全員で出し合い、Web アプリケーションを限界まで高速化することを目指すコンテストです。
ISUCON は Web サービスに関わるエンジニアにとって貴重な技術研鑽・交流の機会と言えるでしょう。
一方、フォルシアは高速検索技術を軸にやってきた Web 開発の企業です。
DB 設計を中心に、高速化にはこだわり続けてきました。
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しかしフォルシアの高速検索技術も、フォルシアの力だけで開発できているわけではありません。
技術コミュニティの中で育てられた多くの知見や OSS などに支えられています。
そこで技術広報チームのメンバーたちは ISUCON に注目し、ISUCON への協賛は下記のような意義のあるものと考えました。
- 関わる全てのエンジニアの高速化の技術を磨く機会となる
- 普段は異なる所属で業務を行う社内エンジニア間の交流を図ることができる
- 協賛、参加を通じてISUCONを盛り上げることで自分たちが普段お世話になっているコミュニティの活性化・育成に寄与することができる
この、技術広報チームでの議論から協賛が決まるまでの流れを間近で見ていた私は、自分も前のめりに挑戦してみようと参加を決めました。
実は ISUCON には新卒1年目に参加し、何もできずに終わった苦い思い出があります。それもあって、今年も特に参加しようとは考えていませんでした。しかし、社内を盛り上げるため、またお世話になっている技術コミュニティのためにやるべきことを考えて実践する技術広報チームのメンバーを見ているうちに、その熱意に応えたい! と思うようになりました。
(もちろん、技術的興味やリベンジマッチをしたいという気持ちもありましたが......!)
スポンサー活動以外の社内での取り組み
ISUCON 定例
毎週月曜日に30分間、社内の ISUCON 参加者を集めて定例ミーティングを実施していました。
今年の参加者は全員が裁量労働制のエンジニアだったため、もちろん業務は優先させつつ、コンスタントに知見を共有できる機会を設けられるよう調整しました。
個人の趣味の集まりではなく社内での取り組みになるので、共有しあったことはすべて社内の情報共有ツール上に残し、ISUCON に向けた対策で得た知見を全社的に還元できるようにしていました。
この件もそうですが、フォルシアでは以前から「社内への還元や技術コミュニティへの貢献ができる取り組みをエンジニア自ら推し進める」という文化がありました。
最近ではそれに加えて、そういった取り組みは業務外の取り組みでも全社的に応援していく、という文化ができているなと一社員として感じます。
↑ ISUCON 参加者による定例ミーティングの議事録
練習会
定例ミーティングとは別に、練習会も実施しました。
チームごとに、11月休日に2-3回、社屋の会議室や設備を借りて ISUCON の過去問を解きました。
また、11/23 (木・祝)には社内の複数のチームが集まり合同練習会も開催され、ISUCON10 予選を解きました。
ISUCON11 までは個々に練習していることが多かった社内の ISUCON 参加者ですが、同じイベントに参加する者同士互いに声を掛け合って、チームの垣根を越えて技術力を切磋琢磨するように変化しました。
ISUCON13 を終えて
こうして4チーム10名で挑んだ ISUCON13 ですが、社内最高スコアは 46,534 点(36位) でした。
社内最高スコアを取ったのは、サマーインターンの検索アプリケーション高速化コースのメンターも務めている社員のチームです。さすがに社内でも圧倒的でした。
皆でお寿司を食べながらの感想戦では、「DNS 水責め攻撃の対策に手を付けられなかったのが悔しかった」「N+1問題には何とか対処できた」など今年できたことできなかったことを互いに語り合いつつも、来年どうしていくかについての前向きな声が上がりました。
一参加者としても、普段は別々の業務に取り組んでいる同僚たちと同じ問題を考え、感想や解法を語り合える時間は、貴重で楽しいものでした。
社内の他の参加者も皆悔しさもありつつ充実した時間を過ごした様子で、アプリケーションの高速化に興味のあるエンジニアのフォルシア社内における層の厚さを感じました。
フォルシアはこれからも、ISUCON をはじめとする技術イベントの協賛・参加を通した技術コミュニティの発展に微力ながら貢献していきたいと考えております。
また、フォルシアでは検索アプリケーションの高速化に興味のある仲間を募集しています。
ISUCON に参加された方もそうでない方も、検索の高速化にご興味のある方はぜひフォルシアのカジュアル面談にいらしてください。
皆さんと DB 設計やアプリケーション上のボトルネックの解消について語り合える日を楽しみにしております。
この記事を書いた人
吉成 未菜里
DX プラットフォーム部所属のエンジニア。2020年新卒入社。
普段は MRO 業界向けのアプリケーションの開発や運用保守を担当。
ISUCON ではインフラ周りやミドルウェアの設定を担当。