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[社員対談] 2013年度新卒エンジニアが振り返るフォルシアの10年 ~そこにはいつもフェアネスがあった~

こんにちは!2022年度新卒入社エンジニアの宮本唯です。

転職が盛んといわれているIT業界の中で、10年も同じ会社で働き続けているエンジニアは珍しい存在かもしれません。今回のインタビューでは、フォルシアに10年前新卒で入社した2人のエンジニア、島本さんと西海さんに話を聞いてみました。

2人が見た景色、そして2人が築いたフォルシアの10年間を存分に語っていただいたので、ぜひ最後までご覧ください。

インタビューに答えてくれたのはこの2人

―まずは簡単な自己紹介からお願いします。

島本/2013年度新卒入社の島本晃平です。
今はwebコネクトのチームで新規顧客のフロントエンジニアをしています。

西海/同じく2013年度新卒入社の西海知洋です。
業務では画像認識の機械学習を用いた業務支援システムの開発の他、エンジニアのキャリア採用も担当しています。

西海さん(左)、島本さん(右)、お二人とも私の9年先輩にあたります

フォルシアの10年を2人が振り返る ~見た、感じた、そして変えた~

―私は昨年度フォルシアに新卒で入社しました。他の会社のことを知らないので比較はできないですが、開発マニュアルからオフィスの雰囲気に至るまで、仕事に快適に取り組める環境が整備されていて驚いたことを覚えています。お二人が入社したのは10年前になりますが、その頃はどんな雰囲気の会社でしたか?

西海/今とはだいぶ違うねえ。

島本/(うなずく)

西海/当時はもっとベンチャー感が強かったです。なんというか、「職人の工場」っぽい雰囲気がありました。エンジニアの人数は20人くらいだったのですが、それぞれが独立して別々のお客様を担当していました。上流工程からフロントエンド、バックエンドの開発まで、ECの商品検索ページの構築を一人で全て行うのが基本スタイルでした。

―エンジニアとして全ての領域を担当できるようになるにはかなりのスキルが必要なように思います。技術教育はどんな感じだったのですか。

西海/実践で学ぶことを重視した感じでしたね。

島本/いくつかの講義や、技術基盤であるSpookの基礎を学ぶためのアプリ開発の課題などがありました。ただしそれらは体系だっておらず、実際には配属された場で技術を身に着けていくスタイルでした。

―私の受けた教育では、汎用的な技術からフォルシア独自の技術まで様々な知識を講義で体系的に学ぶことができました。また、これらの知識を活用しながら練習用アプリを開発し、エンジニアとして自走できる力がだんだん身についてくる実感がありました。10年前とはかなり違うように思うのですが、実際大変だったんじゃないですか?

島本/そうですね。私はプログラミング未経験でフォルシアに入社したのですが、研修制度が十分ではない中で技術力を高めるのは正直大変でした。プロのエンジニアとしてよいコーディングをしてお客様に喜んでいただきたい、これからたくさんの社員に新卒で入ってもらいたいと思う上で、当時の教育体制には会社としての課題を感じていました。ちょうどそのころ、1年目の終わりくらいにフォルシアで教育チームを立ち上げようという動きがあり、私もチームに加わりました。

―教育チームでは具体的にどういったことに取り組んでいったのですか。

島本/研修制度を整備するうえでの大きな課題として、「技術を磨く場が個人の担当案件に依存している」ことが挙げられました。新人の技術経験領域を考慮した柔軟なアサインが出来る状況でもなかったので、SQLを書く業務に偏りが大きい人、運用保守の顧客対応の時間が長くコードを書く機会が十分ではない人などがいる状態でした。業務都合で一定の偏りが出ることは仕方がありませんが、当時の個人商店的なスタイルのフォルシアのエンジニアには最終的にフルスタックな能力が求められるわけで、必要な能力を一通り身に着ける道筋のイメージがなかなか湧かないところに課題を感じました。

そこで私たちは、3年目までに一人前の開発ができるようになることを目標とし、習得すべきスキルを整理したスキルマップを作成しました。また、スキルマップにそって研修コンテンツを制作していくことで、習得すべきスキルを可視化し段階的にスキルを高められるような道筋を示すことが出来ました。それだけではなく、新入社員のスキル・性格に合わせた配属チームの選定、配属され後に一人の新人エンジニアを複数人の先輩でフォローできるような体制構築など、現場業務でのスキル向上についてもより効果的に行えるように環境整備しました。

当時の島本さんが技術教育について語った記事はこちらをご覧ください。
⇒ 現場での経験が成長を加速させる 若手が活躍するフォルシア技術部の教育現場

―練習用アプリとしての名簿課題は今もありますが、どのように小課題を進めていけばよいか、各小課題でどのようなスキルを身に着けることが期待されているのかが明示されており取り組みやすくなっています。島本さんをはじめとする教育チームの活動が今につながっているのですね。


研修で作る名簿アプリの完成例
アプリに機能を少しずつ追加しながら、プログラミングの基礎やフォルシアの独自技術を学びます。

大型案件を推進するメカニズムとは? 〜チーム開発を変えていけ〜

―教育以外についてもお聞かせください。10年前とはどのようなことが変わりましたか。

西海/いろいろ変わったことはありますが、そのうちの一つは開発体制です。この10年間でチーム開発の体制を整備しました。

―たしかに、今のフォルシアではたいていのアプリケーションをチームで開発しますね。私の配属先ではエンジニア7名によるアジャイル流の開発スタイルがとられているのですが、各々の役割が明確かつ適切に連携できているので、チーム開発を当たり前のように進められています。これも10年前から変わったことなのでしょうか?

西海/最初に話したように、2013年のフォルシアは一人ひとりが別々のお客様を担当して開発をしていたわけですが、2015年頃から状況が変わりました。いくつかの大型のお客様でシステム刷新の時期を迎え、短期間に同時並行で複数のアプリケーションを開発していくような大型案件に取り組み始めました。お客様からの信頼を得ていったことで、これまでよりも大きな仕事を任せて頂けるようになったわけです。

島本/当然1人では対応できない仕事量になったため、複数人でチームを組みます。ただし実態としては案件をいくつかの領域に分割し、各々の領域をチームの各個人が担当するというスタイルでした。現在のフォルシアのチーム開発には程遠かったのです。

―これまでの「個人商店」方式とは変わらなかったのですね。

島本/はい。短期的な開発効率で言うと個人商店方式に分があるため、このやり方に一定の合理性がありましたしね。ただ、この方式ではクリアできない問題に直面しました。テストの段階に入るとお客様からの問い合わせがどうしても増加します。しかし、その領域を開発したエンジニアが一人しかいないと、問い合わせに素早く回答できず高いサービスレベルを維持するのが難しくなったのです。また、一時的とはいえ、当人にハードワークを強いる事にもなります。こういった経験を踏まえて、どんな問い合わせに対しても複数人で『面』として対応でき、長期的な目線でサービスレベルを高く維持できるチーム体制に変えていかなければいけないと強く感じました。

―そこからどのような工夫をされましたか?

島本/1つのアプリケーションを複数人で開発するスタイルに変えていきました。まず、コアとなる設計や要件整理を行うリーダーエンジニアを一人決め、リーダーが責任をもって各メンバーに対してタスクをアサインしていきます。私自身もあるプロジェクトのリーダーエンジニアでした。そして、それぞれの担当個所に関する知識をチームのメンバーで頻繁にシェアすることで、課題だった個人への依存を解消しつつ、複数人で開発してもベースの設計からはブレないような良い開発チームを組織全体として作れるようになっていきました。

島本さんが取り組んだことの記事はコチラ
⇒ FORCIA Meetup #3 巨大プロジェクトにおけるオンボーディング

島本/また、CI導入などの運営効率化や品質担保の仕組み作りについてもチーム内で意見を出し合い、現在のフォルシアのチーム開発の礎を作っていけたと感じています。

フォルシアの多くのプロジェクトでは、MR(マージリクエスト)が提出されるとエンジニア2名以上がコードレビューを行い、thums upが2個つくとマージが可能になります。
複数人が目を通すことでコードの品質を担保しています。

西海/開発時の効率性を重視したスタイルから、長い目で見てサービスレベルを高く維持するスタイルに転換したのは、我々にとって大きな変化でしたね。

2人が語るフォルシアのイズム ~そこにはいつもフェアネスがあった~

―10年間で大きく変わったものがある一方、逆に10年間変わらなかったものはあるのでしょうか。

西海/ そうですね、『フェアネス』は昔から変わらず大切にし続けています。

―フォルシアでは『フェアネス』という言葉を何度も聞く機会がありますね。意味を解釈するのが難しい言葉なように感じますが、どのように捉えるとよいのですか。

西海/会社の公式サイトには「フェアネスとは価値そのものが認められ、公正な評価が得られている状態のことである」と書かれています。解釈は人それぞれあると思いますが、社会がまだ気づいていない価値を自分たちで主体的に明らかにしていく、それがフェアネスを実現することであると私は解釈しています。

そして、我々が長く取り組んできたSpook事業は、『高度な検索技術をもってすればユーザーが本当に必要としている情報に素早く辿り着ける、そんな社会を実現することができるんだ』と示すことにより、フェアネスの実現を追求してきました。


Spookについて、詳しくはこちら
⇒ 「Spookって何ですか?」第一弾:そもそも編~ 採用面接時によく出る質問について聞いてみた~


―なるほど。では島本さんにとってフェアネスとはどのようなものでしょうか。

島本/私は「裁量と責任をセットで与えてくれるもの」としてフェアネスを捉えています。自分の責任範囲のもと、自分の判断でやっていく裁量を会社が与えてくれるということです。教育体制や開発体制を整えたことは私にとってのフェアネスの実現だったのかもしれません。これらは上長からの指示ではなく、自分で必要性を感じ仲間と共にチャレンジしていったことです。「やっていくぞ」という気持ちを尊重して裁量を自分にゆだねてくれるのがフォルシアのフェアネスだと私は思っています。

西海/フェアネスには、会社として社会に新しい価値を示す軸と、個人として組織に新しい価値を示す軸の2つがあります。これらを共に追求していくのがフォルシアの働き方であり、それは10年前も今も同じではないでしょうか。

―お二人のキャリアは、フェアネスを追い求め、それを実現するためのメカニズムを作ってきたということなのですね。


webコネクトで描くフォルシアの未来とは? 〜新たな価値の追求へ〜

―フォルシアではフェアネスを変わらないものとして追い求め続けているということですが、いま力を入れているwebコネクトの事業についても同じなのでしょうか。

西海/はい。webコネクトもフェアネスの実現を目指した事業と捉えています。webコネクトのことを少し紹介させていただくと、フォルシアの最初の主要事業であるSpookとは異なる点が2つあります。

1つめは検索以外のサブシステムを備えていること。Spookは高速検索に特化していましたがwebコネクトは、予約や商品造成、電子クーポンなどのサブシステムを携えた大きなシステムであるため、各旅行会社のニーズにオールインワンで応えられるようになりました。

もう1つはSaaS型であること。Spookは大手の旅行会社様に対しての受託開発で引き合いが多かったのですが、webコネクトはSaaS型の提供により導入費用を抑えることで中小の旅行会社様に採用いただく事例が増えました。その実績によって今度は大手の旅行会社様からもSpookでなくwebコネクトを導入したいという声もいただくようになっています。

webコネクトのプラットフォームには、ホテルの空室在庫や飛行機・新幹線の空席在庫などの旅行商材が集まっているイメージです。各旅行会社はそれらをベースにしながら自社独自の要素、例えばレンタカーや現地スポットのチケットを付け加える事で、独自の旅行商品を簡単に販売することができます。ホテル・飛行機・新幹線・独自要素といった素材を全て旅行会社が自前で調達するという従来のビジネスとは異なり、webコネクトを利用することで旅行会社は独自要素の磨き込みに集中することができる、そのような新しい業界の在り方を志向し、社会に対して訴えかけているのがwebコネクトだと解釈しています。

島本/ただし、SaaSプロダクトの実現はフォルシアにとって大きなチャレンジでもありました。従来旅行業界では各社ごとのビジネスやデータ構造の独自性を活かすため、受託によるシステム開発が主流でした。その中で独自性を生かしつつもシステムを共通化することは非常に難易度が高いです。

しかし私たちは長くSpookを通じて培ってきた旅行業界の業務知識やシステム設計のノウハウをフル活用することで、この難しいシステムを作り上げ、無事サービス稼働にたどり着くことができました。そして現在はいくつもの旅行会社にご導入いただいています。勿論、まだまだ改善すべきこともありますが、技術的に困難に思えることでも私たちには実現可能であると証明できたことはエンジニアとして素直に嬉しく感じており、もっとよいプロダクトにしていきたいという思いで日々の開発に取り組んでいます。

webコネクトがこの先に描く未来については、ぜひ以前に書かれたブログをご覧ください。

webコネクトについて、詳しくはこちら
⇒ 「webコネクトって何ですか?」 ~(前編)フォルシアだからこそ実現できた旅行業界向けSaaSプロダクト~


―大きな事業となると、またチーム開発の体制にも変化がありそうですね。

島本/はい、23年度からはwebコネクトの開発は大きく4つのチームに分かれています。

  • 【1】オペレーションエンジニアリングチーム
    • 日々発生する運用タスクへの対処と根本的な仕組化・システム化に取り組み、運用効率を高めプロダクトの安定運用を目指すチーム
  • 【2】ソリューションエンジニアリングチーム
    • フォルシアが得意とする高速検索を中心に技術を磨き顧客課題と向き合いながら、新たな旅行検索を実現していくチーム
  • 【3】プロダクト開発チーム
    • プロダクトラインナップの拡充のための開発を担当。商品登録・予約など高速検索とは異なる技術領域の知見を獲得しながらwebコネクトのフロンティアを開拓するチーム
  • 【4】SREチーム
    • 主にKubernetesを中心としたクラウド周りを担当し、コストの最適化や更なる利用拡大に向けたスケーラビリティの確保を担うチーム

役割は別れましたが、共通しているのは顧客のビジネスに貢献したいというマインドをもって仕事に取り組んでいることです。お客様との間のフェアネスは、ビジネスモデルがSaaSになったとしても私たちが変わらずに大切にしたいものだからです。

幸いにもたくさんの開発案件を頂いており、どのチームでも新メンバーを絶賛募集しています。

フォルシアで使用している技術スタック
23年度からはSRE(Site Reliability Engineering)チームも発足し、個々人の興味関心に沿って専門性を深めることのできる体制が整えられつつあります。


―フォルシアではエンジニアの採用が活発化していますよね。

西海/2022年度は新卒7名、キャリア7名のエンジニアが入社してくれました。皆さんそれぞれに役割を持って活躍されていますが、業務後に集って食事会をしたり、音楽祭などの社内イベントに参加されたり、業務外でも仲良くいきいきと活動されていて、来ていただいて良かったなと感じています。

我々はここに長くいるものとして、ここで働く皆さんがより楽しく過ごせる・より活躍できるための土壌を整えながら、また新しい方をお迎えしてビジネスを広げていきたいなと考えています。

―お二人ともありがとうございました!

「ラーメン屋っぽい写真」
新宿のオフィスの近くにはおいしいラーメン屋さんがたくさんあります。

おわりに

高い技術力を持ちながらも未知の領域に対しては謙虚であり、自らの力を高めていこうと貪欲に努力しているお二人は、私が入社したころからの憧れです。今回のインタビューを終えて、その姿は自分たちの価値を社会に示すため、自分たちの手足で動き続けた10年間で培われたものなのではないかと感じました。

これからの10年もフォルシアはフェアネスを追い求めながら変化し続けるでしょう。そうした変化にただ飲み込まれるのではなく、自ら求めそして動き、自分なりの方法で大きな価値を発揮することが、この会社で働く意義なのだと思います。

フォルシアでは新卒採用、キャリア採用を募集しています。この記事で紹介した島本さんや西海さん以外にも熱意をもって仕事に取り組む仲間がたくさんいます。私たちと仕事がしてみたいと思った方は下記フォームよりカジュアル面談にお申し込みください。皆様とお話しできることを社員一同楽しみにしています!

この記事を書いた人

宮本 唯

2022年4月新卒入社。
私にも2023年度新卒入社の「後輩」ができました。
教えることも教えられることもたくさんあり、毎日楽しんでいます。

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