みなさんこんにちは、FOLIO採用担当です!
今回は、「金融業界で働くって、実際はどうなの?」というテーマで、FOLIOで働くエンジニアのお三方に、この業界でエンジニアとして働く面白さや魅力、そしてキャリアについて 語っていただきます。
一般的に、金融業界というと、
「なんか堅そう」
「古い習慣とかルールに縛られて新しいことやらなそう」
みたいな印象を持っている方が多いかと思いますが、果たして実態は!?
ということで、FOLIOでの仕事の内情について根掘り葉掘り聞いてきました。意外な事実が満載の今回の対談、是非最後まで読んでいただけると幸いです。
【今回の対談参加者】
※写真左から來田、松林、澤田の順番
來田 一宣/Kazunobu Raita
略歴:2011年にサイバーエージェントに新卒入社後、コミュニティサービスなどの開発を経て2014年より同社アドテクスタジオにてDSPの立ち上げに開発者として参画。
2017年より、FOLIOに転職しバックエンドエンジニアとして証券システムの開発に携わったのち、2021年からBtoCプロダクト全般を扱う開発責任者兼テクニカルディレクターとしてプロジェクト全体をリードしている。
松林 祐/Yu Matsubayashi
略歴:ドワンゴにてメッセージングシステムの共通基盤(akka + Kafka)開発に従事。ScalaText執筆メンバー + 新卒教育に携わる。
2017年より、FOLIOでバックエンドエンジニアとして証券システムの開発に携わり、顧客の口座残高や注文を受けたりするシステムを管理している。
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澤田 正瑛/Masaaki Sawada
略歴:2015年にシンプレクスに入社。金融機関向けのシステム開発・運用にフロントエンド~インフラまで幅広く携わるほか、ジュニアメンバーのメンターやチームリードなども担当し、2018年度には社長賞を獲得。
2019年より、FOLIOでバックエンドエンジニアとして、テーマ投資サービスの開発・運用や、toBプラットフォームの設計・開発を担当。顧客基盤部という契約や個人情報を主に扱うシステムを作る部署に所属し、エンジニアとしての仕事をこなしながらリーダー的な業務もおこなっている。
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金融といっても実は千差万別
司会:
本日は「金融業界で働くって実際どうなの?」をテーマに、みなさんに色々な話を聞いていきたいと思います。
ぜひ世の中の人が思っているような誤解が解消されるようなお話が聞ければと思っておりますので、色々ざっくばらんにお話してください。
最初にみなさんへお聞きしたいのですが、入社前のこの業界のイメージと、入ってから業務を通して得た気づきなどがあったら教えてください。
來田:
僕の場合は入社前からFOLIOに対して、フィンテック系のスタートアップ企業というイメージをもっていたので、イメージに関しては入社後も変わりませんでした。
一方で普通のWeb系開発と金融系開発とのギャップは入社後に感じた気がします。
FOLIOの業務はお客様の資産を預かりそれを運用するというのが主なんですが、世の中にある普通の一般的なサービスって「顧客の資産を預かって管理する」という業務ってあまりないですよね。
澤田:
確かに、それはこの業界独特な業務の一つかもしれませんね。
來田:
それと、お客様個々人のアカウント管理も、たとえば普通のサービスの場合だと、使ってないアカウントは一定期間をすぎると失効するようなルールを作り管理する場合がありますよね、でも金融サービスはそうもいきません。
司会:
はい、資産を預けているのに一定期間を過ぎるとアカウント失効、なんて洒落にならないですよね。
來田:
なので、色々な状況に対応しないといけないんですよ。
たとえばユーザーの方が亡くなった場合、こちらは資産を預かっているという大きな責任があるので、遺族に相談してその方の資産を相続する、というようなことまでフォローする必要があるんです。
Web系の開発では、相続云々という対応はなかったので、そこはこの業界の特有さなのかなと思っています。
澤田:
僕の場合は、元々の会社が金融業界に近い職種だったので、入社前後のイメージの乖離はなかったですね。
ただ業務に関してだと、やっぱり実際に証券会社に入るとやってることが違うなぁと感じました。
司会:
具体的にその辺りの事を教えてください。
澤田:
元のSlerの仕事の場合だと、トレーディングやリスク管理のような、決まった狭いドメインに対してシステムを作っていくことが多かったんですが、実際に証券会社に入って金融機関としてのシステムを作るとなると、自社でやるべきことがすごく幅広いなと感じたんです。
証券システムというと、多くの方が金額や損益の計算などの業務を想像しますよね。
でも実はそれ以外にも、個人情報に関する業務や営業などの顧客獲得に絡んだ業務もあって、証券システムってものすごいグラデーションでできているんだなぁと感じます。
「当たり前」を維持することの難しさに取り組み続ける
司会:
少し話が変わりますが、みなさんはどういう部分がこの業界の面白いところだと考えています?
來田:
証券業界って結構古いシステムで動いていることが多くて、それが原因でたとえばUXの部分をはじめ色々なところに影響が出ているのは事実です。
そんな中で、まだ一般化されていない未知なものにチャレンジしていく、
古い体制が残る中で未知な部分を開拓していく感じはとても魅力的です。
またFOLIOはB2BとB2Cのサービス両方を手がけているのも魅力の一つです。
B2Cビジネスで大切な速度感で、サービスを直接お客様に届ける体験もできると同時に、B2Bのビジネスで企業同士が手を組んで一緒に開発をするフローを経験できるのも面白いですね。
澤田:
純粋にルールがとても多い業界ですので、エンジニアとしてルールを整理して実装することが必要で、開発もQAも設計も様々なプラクティスを取り入れて、きちんとやらないと大変なことになってしまうんですよね。
松林:
金融サービスは、もし何か事故が起きた時の復旧コストが高いですし、実際に何かトラブルが起きると一番困るのはお客様ですもんね。
だからそういうことが起きないように、「当たり前」を高いレベルで保つ必要があります。
また、扱うシステムの息が長いので、開発する際においても「ここって後になったら困るのではないか?」「この書き方だと意味が分かりにくくて3年後入社してくる人は困るかもしれない」というところまで考えて作る必要があるのが大変な所です。
ただ、一方でそういったシステム開発に携われるのを自分は面白いと思っています。
プロフェッショナル達と未知な部分を開拓していく面白さ
司会:
次の質問なんですが、FOLIOに入社して、仕事に対する姿勢等で、感心したことや驚いたことなどはありますか?
松林:
たとえば僕の場合ですと「法律周りのことはコンプライアンス部に任せればいいかな」と今までは感じていました。
でも完全におまかせするのではなくて、自分で意見を持って「これはこうすればもっと良くなると思います」ときちんと意見を言いつつ相手に委ねている人が社内にいることを知って、すごく尊敬しました。
それからは自分でも法律周りのことを勉強するようになりました。
澤田:
DDD(ドメイン駆動設計)文脈で語られる、ドメインエキスパートのような話を真剣に考えるようになりますよね。
松林:
本当そうなんですよ。
何か新しいプロジェクトが発生した時に、その全てに精通している人がいて、その人にお願いすれば全部解決するという状況はなくて、自分がそのプロジェクトに関わった時に、どれだけ自分がエキスパートになれる覚悟があるのか、自分で道を切り開いていくんだという意思があるのか、そういう姿勢が大切だと日々感じています。
司会:
いい話ですね!
松林:
弊社の提供しているサービスの裏側では、税金の計算や契約回りの話など、非常にたくさんの業務があるんですが、それら全てに精通した人はいません。
コンプライアンスのエキスパート、証券業務のエキスパート、UXのエキスパートという各分野のプロが意見を出し合って、それを上手く組み合わせながら最適解を目指していく手法で進めるのですが、これがFOLIOで仕事をする醍醐味の一つですね。
弊社のコーポレートバリューの一つに「背中を合わせる」というのがあるのですが、プロフェッショナル同士がお互いにリスペクトし合いながら何かを生み出していく過程は本当に魅力的です。
來田:
そうですよね。
でも「背中を合わせる」というコーポレートバリューは「背中を反りながら合わせる」と言った方がFOLIOでの仕事の進め方に合っている気がします。
相手に全部任せるのではなくて、反っている部分は相手の背中にぶつかるんですよね。
でもぶつかりながら業務を進めて、最終的には相手に任せるというのが一番ウチらしい仕事の進め方かなーと。
一同:
わかるわかる(笑)。
部署の垣根をこえて、プロダクトを作る経験からえられる成長
司会:
次の質問なんですが、FOLIOの仕事を通して、成長に繋がっているなと感じることはありますか?
松林:
FOLIOに入ってから、早く開発することよりいかにシステムを安定運用させるか、という目線でエンジニアリングを捉えるようになったと思います。
自分はサービスのフロントではなくバックエンドで税金等を確実に計算するような処理を担当することが多いのですが、どこが一番穴になりやすいのかを見極めてそれを防げるライブラリを選定すべきか、というような視点を持つようになりました。
金融業界ですと僕と同じような担当領域で働いている方は、同じように安定運用に重きを置いている方は多いんじゃないかと思います。
澤田:
僕の場合は、FOLIOに入って色々なノウハウを学びましたが、その中でも面白いなと思ったのがイベントストーミングです。
DDDでよくやるミーティング手法なんですが、ウチの場合だと大きなプロジェクトの時に関係者を集めておこなわれます。
これは業務で想定されるイベントや処理、そのために必要な事前準備などを皆でアイデアを出して付箋で貼っていって、最終的にそれができるようになるシステムや仕様について考えるのですが、これが結構面白いんです。
金融におけるシステムは考慮すべき幅が広くてなおかつ深いので、思わぬところにトラップがあったりするので、その複雑さと戦うための一つのツールとしてイベントストーミングはとても魅力的です。
松林:
コンプライアンス、カスタマーサービス、エンジニアなどいろいろな人が集まってそれぞれの視点で色々な意見を言うのがいいですよね。
そうしないときちんとしたものが作れない、というドメインの複雑さがベースにありますので。
なので、「それはどこかの部署のエンジニアがいい感じにやってくれるんじゃないの?」と考えている人はあんまりいなくて、関わる人が積極的に色々な意見を出し合ってシステムを築いていくという手法を取っているので、他の部署やチームとコラボレーションしやすいと思います。
澤田:
人それぞれ得意分野があるし、普段の業務の兼ね合いで知識の偏りが各人にありますしね。
だからそれぞれの目線を統合して、どうやれば上手く運用が回っていくかを考え込んでいく。当たり前だけど運用はシステムだけでなくて、サービス全部を含めて運用ですので、そういう部分も全部含めて、メンバーで同じ方向を向いて動けるのがFOLIOで働く魅力の一つだと感じてます。
思っている通りにはならないけど、思ってもみないことにはなる
司会:
これまで開発にフォーカスしてきましたが、今の仕事を踏まえて、今後のキャリアのことについて、どんなイメージを持っているかみなさんにお聞きしたいです。
澤田:
僕がFOLIOに入社した理由の一つは、高いスキルを持つ人がいる環境で自分の技術を磨くためです。
気づけば3年ぐらい経過しまして、色々な開発や設計を通して強くなったかどうかはわかりませんが、それなりに何とかできるようになったのかな、と感じています。
今後は、技術を突き詰めるのに適性があるとは思えないので、どちらかというと人をまとめてリーダーやマネージャーとして、技術力もソフトスキルも総動員しながらビジネスに貢献していくような道を進んでいきたいなと考えています。
松林:
FOLIOのようなスタートアップの場合、会社のフェーズに合わせて求められるものが変わっていくので、自分が自らゴリゴリ手を動かすのか、それとも実際に手を動かす人を増やすのがいいかを状況に合わせて判断する必要があります。
自分の年齢やキャリアよりも、会社のフェーズの変化がそれ以上に影響してくる。それに合わせていくと自然にキャリアになっていくという感じですね。
司会:
松林さんは今後も金融業界で働き続けるイメージを持ってるんですか?
松林:
いや、そこは金融業界含めてスタートアップで今後も働き続けるかは、正直わからないし、みなさんそうだと思います。
一同:
ですね(笑)
松林:
ただ、僕は、自分から率先して新しいことを初めたりキャリアを変えていこうとするのはあまり得意でないんです。
むしろ刻々と変わる状況の中で、それに適応していくことで、キャリアの幅が広がるところがスタートアップの面白いところだと感じています。
最近スタートアップへ転職を考えている友人に「思っている通りにはならないけど、思ってもみないことにはなる」って言ったのですが、これが個人的に気に入ってて、スタートアップにおけるキャリアの総括かなと思います。
來田:
自分はFOLIOに入ってからしばらくエンジニアで、その後会社から求められることや、落ちてるボールを拾ったりしてたら「なんでも屋」みたいなポジションになりました。
色々なことを経験できたのでいいのですが、でもふと自分のキャリアを考えた時に、「名前がつかない何かになる」ことに不安になる時がありました。
色々な経験はしたけれど、何かに特化したスキルは身についてない、みたいな。ただ、嫌になったらエンジニアに戻るのは選択すればいつでもできることなので、自分で選択できない仕事を優先してやってます。
そしてそんな働き方をしている中で「自分が歩んだ道を自分でキャリアにする」って考えでいると気持ちが楽になりました。
それに名前がないなら名前を自分でつければいいんだと。
そう思って今は「テクニカルディレクター」を自称しています(笑)。
澤田:
來田さんの、「落ちているボールを拾うマインドセット」は、組織の中では絶対生きますし、どの会社でもそういう人って多分重宝されると思います。
突き抜けた一面がある人も当然必要とされますが、特にスタートアップや小さい組織で働く上では、「落ちているボールを積極的に拾ってきた」という点がたとえば職務経歴書でわかるとオッってなります。
もし自分が面接する立場で、そういう人の経歴書を読んだらそこを高く評価すると思います。
みなさんへ本音のメッセージ
司会:
最後に、FOLIOで働きたいと思っている人にメッセージをお願いします。
來田:
それは本音ですか?建前ですか?
司会:
もちろん本音でお願いします!
來田:
はい(笑)。
FOLIOも創業から色々な方針転換、サービス拡充など会社内外の環境変化が多い会社かと思います。そういった中でもそういった環境の変化を一緒に楽しめ、プラスに変えられる方と一緒に働きたいと思っています。
松林:
では僕も本音で……(笑)。
FOLIOで働くと山あり谷ありなキャリアにはなると思います。
そういうところでサーフィンしながら揉まれて幸せになれるかどうかは自分次第といいますか、選んだ道を自分で正解にしていくぞ、と思える人はFOLIOで働くのはとても楽しいんじゃないかと思います。
澤田:
エンジニアとして将来プレイヤーとして活躍したいと考えている人にとっては成長できる環境だと思いますし、逆に何をすればいいかわかりませんがとりあえず何でもやります!という人にとっても楽しめる環境です。
そこが様々な役割の人が必要なフィンテックならでは魅力なのかなと思ったりします。
司会:
みなさんありがとうございました。