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日本のFinTechの雛形を作る〜FOLIOエンジニアインタビュー〜

みなさんこんにちは、FOLIO採用担当です!

今回のインタビューは、2020年7月に入社されて半年が経過したエンジニアリングマネージャーの原さんにお話をうかがいます。FOLIOに入社した経緯や、具体的にどんな業務をされているのか?などをお聞きしたいと思います。

※本インタビューは2021年1月頃に行ったものとなります。

原 孝治 / Koji Hara
略歴:広告制作会社、印刷会社システム部に勤務の後、産業技術大学院大学を修了。株式会社識学 識学開発部開発責任者、株式会社GA technologies Project Manager、株式会社ランドネット 経営企画室副部長を経てFOLIOに入社。情報システム学修士(専門職)

役割としてのエンジニアリングマネージャー

司会:
今日はよろしくおねがいします。まず最初に今のFOLIOでの所属部署とご担当を教えてください。

原さん(以下原):
私はフィナンシャルテクノロジー本部の証券基盤部というところに所属しています。証券基盤部というのは証券取引の基盤の部分を開発する部署です。部内には3つのチームがあり、私の役割はエンジニアリングマネージャーです。

司会:
3つのチームとは、具体的にどのようなものですか?

原:
1つめが、主にアプリケーションのコードを書いて開発していくチームです。2つめは、SRE(Site Reliability Engineering)の部署とは別に、新しいプロジェクトで使用するプログラムを実行する基盤の部分を開発したり、データをプールして使用できるようにする仕組みを作ったりしているチームです。そして3つめが、取引の情報を管理しているシステムのチームです。

司会:
原さんの今の役割は、エンジニアリングマネージャーですが、FOLIOに入る時もエンジニアリングマネージャー志望で入社されたんですか?

原:
そうですね、求人はエンジニアリングマネージャーで募集がありました。エージェント経由で入社したんですけど、私の経歴を見てエージェントからFOLIOを提案いただいたんです。

司会:
キャリアについてお聞きしますが、原さんは元々エンジニアリングマネージャーのようなお仕事をされてきたんですか?

原:
プロジェクトマネージャーやプロダクトマネージャーとして働いたことはあるんですが、エンジニアリングマネージャーというロールは今回が初めてです。

司会:
プロダクトマネージャー(PdM)とプロジェクトマネージャー(PjM)って混乱しますよね。

原:
そうですね(笑)。これは私の理解ですが、PdMは、プロダクトを顧客に届く形にして価値を提供するのがゴールです。一方、PjMはプロジェクトを予算や期間内に完了させるのがゴールです。どちらも、ゴールにたどり着くためには、エンジニアのマネジメントという役割が必要になります。

これまで、エンジニアリングマネージャーが別にいたわけではないので、PdMやPjMの業務の中で、エンジニアリングマネージャーとしての役割も担っていました。ただ、エンジニアリングマネージャーという名称のロールについたのは初めてです。

司会:
そうなんですね。ところで、FOLIOは金融機関という、少々特殊な業界だと思うのですが、確か原さんは金融業界は初めてだとお聞きしています。今までどのようなお仕事を経てこられたんですか?

原:
最初は印刷会社のシステム部で働いていまして、10年ほど勤めたあと、退職して大学院に2年通いました。大学院では情報システム学を学びました。私の場合、仕事の中で独学や人に教えてもらいながら学んできたことが多かったので、それを整理したり、学び直したいと思い大学院に行きました。その後にHRコンサル系のベンチャー企業に入りまして、その後不動産関係のベンチャーに行き、FOLIOに入社した、という経緯です。基本的にどの会社でもシステム開発に携わってきました。

司会:
色々な業界で働いてこられたんですね。

原:
確かにそうですね。システムを開発する、というのが私の仕事のメインテーマであるんですが、サービスの開発やシステムの開発と何を組み合わせるか、というクロステックのテックと組み合わせる側は結構バラバラですね。不動産業界は2社経験していますので、不動産のビジネスドメインは他業界よりも強いですが、不動産は投資商品という側面もあるので証券業とも似た部分はあるかもしれません。

金融業界に共通のプラットフォームを浸透させる

司会:
色んな業界を経験されてFOLIOに入られましたが、金融業界というご自身にとって新しい分野で働いてみようと思ったきっかけなどはありますか?

原:
面白そうだなと思ったポイントは、大きく分けて2つあります。1つは事業への興味です。FOLIOはTo Cのプロダクトに加えて、証券取引のプラットフォームをTo B向けに提供する事業を始めるという話を聞いたんですね。証券業界に限りませんが、日本ってそれぞれの会社が個別にシステムを開発する傾向がありますよね。最近、会計システム等のSaaSが浸透しつつありますが、まだまだこのSaaSには伸びしろがあると思っていて、例えば不動産業界の場合ですと、これまでは各社でそれぞれ独自のシステムを開発をしていたんですけど、どんどんSaaSでシステムを提供するようになっています。


2021年1月14日リリースした金融機関向けのToB事業「4RAP」。ロボアドバイザー・ラップ運用などの一任運用基盤システムと一任運用サービスを提供するプラットフォームを提供。

司会:                             
なるほど。SaaSがもっと普及すると、色々なメリットを多くの人が享受できますよね。

原:
開発コストも抑えられますし、社内でメンテナンスする必要もないですし、SaaSがもっと普及すれば、たとえばある人が転職して他の会社に行っても、ゼロからその会社独自のシステムを学ぶという面倒なことをせずに、同じシステムなのですぐに仕事に馴染める等、メリットはたくさんあります。

アメリカだとTAMP(Turnkey Asset Management Platform)という資産運用基盤の事業支援プラットフォームが展開されていますが、日本の金融業界でも多分そういうプラットフォームが必ず普及すると考えています。そういう意味で、FOLIOがやろうとしていることがフィンテックのど真ん中だなと感じたのが、事業への興味の1つです。

司会:
フィンテックはアメリカがかなり先を行ってますから、アメリカのフィンテック業界には学ぶことが多いですよね。もう一つの動機を教えてください。

原:
もう一つは技術的な部分での興味です。証券会社ですから、技術や設計の手法について、堅牢であることはもちろん、新しい技術を検証しながら取り入れています。一般に理解が難しいと言われるモナドについても、実際的に有益な形で活用していて、学びが多そうだと思いました。

エンジニアのレベルもすごく高くて、みんなエキスパートなんです。そんな環境の中に身を置くというのは、今の自分に必要だなと思ったんです。

これまではWEB系の開発だったので、どちらかといえばサービス、プロダクトが主体で、早く作って改善していくことを重視していました。それはとても大切なのですが、その一方で技術的な知見を深めるというのは、仕事でそういう環境に置かないと、どんどん腕が落ちていくし必要とされない人間になってしまう気がしたんです。それっていつかエンジニアとして終わる日が来てしまうじゃないですか。だから当たり前のように高い技術を持って働いている人の中で仕事をすることは面白そうだと思ったのが、FOLIOの技術的な興味です。

司会:
今後の自分の人生設計であるとか、これからの仕事の手の広げ方などを考えると、FOLIOに入れば色んな技術も学べるし、優秀な人がいっぱいいるから学びになるということですね。

原:
はい、そうですね。ただ技術だけでなく、設計手法に関してもDDD(Domain-Driven Design)であったり、きちんと作っているんですよね。その「ちゃんと」具合が丁度いいなと思ったんです。大きな会社だと部品作りになっていくんですけど、部品作りになってしまわない、全体がギリギリ把握できるくらいで、かつマイクロサービスでちゃんと作っていたりしているポイントが、自分の興味にすごくフィットしました。

司会:
そういう動機で入社された原さんですが、エンジニアリングマネージャーとして、具体的にどのようなお仕事をしていますか?

採用の仕組みをつくる面白さ

原:
エンジニアリングマネージャーの仕事は、会社によって役割が結構違います。これは私の考えなのですが、役職に囚われるよりは求められる役割は何なのかと考えながら、チームが価値を発揮できるようにできる事をやっていくというのが、エンジニアリングマネージャーの大切なポイントです。

現時点で最優先のミッションは「組織作り」だと思っていて、それこそエンジニアリングマネージャーの基本的な仕事だと思うんですけど、To Bを始めていくにあたって純粋に事業が拡大されるので、組織作りは必ず必要になるんですね。でもそれはすごくリードタイムがかかるんです。

組織に人が入って、その人がワークするまでは時間がかかるので、採用広報活動をおこなったり、イベントをやったり、採用までの仕組みを作ったり、FOLIOのスタッフに協力してもらいながら、採用や入社後にパフォーマンスを発揮してもらえる仕組みを作り、強化していくことが喫緊の課題で今はそこに注力しています。あとは社内のシステムに関しては、まだまだキャッチアップが必要で勉強しているところです。プロジェクトを見ていくのにある程度の粒度にはなっていくと思うんですけど、内容を理解できていないとだめなので、そこもキャッチアップしている状況です。

司会:
採用の仕事にも仕組化することが大切だと思うのですが、どのような仕組みを作ることに意識していますか?

原:
採用は、上手くいく流れができると同じようなフローでやっていけるので、その流れを作ることに注力しました。仕組みを作って効率よく良い人材を採用できるような流れを作ることに、意識を向けました。

司会:
採用のお仕事は、どういう点が大変なのでしょうか?

原:
採用は頑張った分比例していい人を必ず採用できるかと言えば、そうではない世界なんですよね。会社側と採用される人側の「合う合わない」も関係してきますから。1つ1つの採用を丁寧に大切にしていくことも大切で意識しているのですが、逆に完璧にやったところで必ず成果が出るわけではないので、そこが大変な部分です。

ただ、採用は企業にとって必要不可欠な仕事ですから、そこにやりがいを感じています。またFOLIOはスタートアップですから、採用のノウハウが完璧に確立されているわけでないので、そこを作り上げたりFOLIOらしい採用プロセスはどうしたらできるのか?と考えながら構築していく部分は楽しいです。

司会:
他にも業務で面白い点はありますか?

原:
FOLIOは色んな面でトップダウンではなく、各自で考えながら仕事を進めていくことが求められる会社で、課題を見つける部分から各自で動いていく組織だと思っています。これまで自分が経験したこととはプロセスが違うため、自分が培ってきた同じ手法は使えません。今までの経験や学んだことをそのまま使うのではなく、今できる必要なことは何だろうと思案しながら新しい手法を考える必要があり、そこに面白みがあります。

FOLIOのいい部分は、「自分はこれをやります」と言った人の考えや発想をとても大切にする点です。ですから、課題を見つけてそれを解決していくことを重視している人にとってはとても面白い会社です。

司会:
なるほど、面白さという意味では、別の角度からもお聞きしたいのですが、原さんはエンジニアリングマネージャーというポジションですから、その角度でのチームの魅力や面白さについて教えて下さい。

原:
FOLIOという組織のチームという面での面白さですよね。FOLIOには色々な分野のプロフェッショナルが多いので、色々な職種において完成されていてクオリティーの高いものを発信できる人が多いというのが印象です。それはエンジニアに限らずビジネスサイドの方々もそうです。

エンジニアサイドの方々の話でいうと、積極的に勉強会に参加したり、色々なことを発信する人が多いので、そういう意味でも前向きに何かを吸収しょうとするモチベーションが強いプロのエンジニアが多いですね。さらに「自分が自分が」と自分のスキルを伸ばすことが最優先と考えている人よりも、「会社を成長させるのが自分のキャリアにとって一番プラスになる」と考えている人が結構多いという事実がとてもおもしろいです。

採用についてのMTG時の一例。FOLIOでは部署や職種を問わず、日常的に様々なシーンで活発な議論が行われております。

社会を変えることに楽しさを感じられるか?

司会:
なんとなく組織の雰囲気が伝わってきますね。原さんは、どういう人がFOLIOで働くことに向いていたり、働いていて楽しさを感じると思いますか?

原:
1つは、自分の職種についてプロフェッショナルであること。そして、新たに必要になったことを学んで、その分野に関してアウトプットを出せる方だと良いと思います。また同時に、FOLIOが今やろうとしていることが証券業界の中で新しいことにチャレンジすることなので、それがうまくいくことに意識を向けられる人や、メンバーにはこの金融業界を新しくしていきたいと思っている人が多く、私達のやっていることで会社が成功して世の中に価値を与えられたら面白いなと考えているので、そういうことを楽しめる人だと面白いと思います。金融の業務知識があればもちろん活用できますが、金融の知識はなくても、社会を変えることに楽しさを感じられる人は向いているんじゃないでしょうか。

司会:
入社されて6ヶ月ほど経過していますが、入社当初とギャップがあったりしますか?

原:
とてもコミュニケーション能力が高い人が多いことを感じています。言うべきことは言いつつも、お互いが気を遣い合う人が多いですね。あと、入社前はキラキラ系なメンバーが多いようなイメージだったんですが、入ってみたらギーク文化でした(笑)。特にslackを上手に活用していて、slackのカルチャーはギークですね。

司会:
別の方も入社されて同じことを言っていましたが、slackの活用度は本当すごいみたいですね。内部にいるとこれが当たり前なので実感ないのですが。

原:
すごいです。今FOLIOではほぼリモートワークなのですが、物理的に会わないのにコミュニケーションが取れてるのは、Slack上できちんとコミュニケーションが取れているからだと思います。私は入社した時にはもうリモートワーク体制でしたので、お会いしてない方がほとんどなのですが、仕事上でのタスクはきちんと遂行されていますね。リモートワークをする上でのメリットがきちんと得られていると思います。

ただ、これからリモートワーク下で入社される方がどんどん増えていった時に、きっと課題が出てくると思うので、その時には対応していかないといけないなと感じています。

Slackの他、Jira、Confluence、miroなどのウェブサービスを使用し、リモートワークでのコミニュケーションを円滑に進めています。

司会:
色々な方が入ってこられますから、そこは柔軟に対応していかないといけませんよね。本当にFOLIOには色々な個性の方がいらっしゃいますが、今後もし新しく入ってこられる方がいるとしたら、どういう方と働きたいですか?

原:
人柄がいい人がいいですね。昔は「仕事ができればいい」と思っていた時期もあったのですが、最近そうでもないなと思いはじめてきまして、人柄ってとても大切だなと感じています。チームワークを大切にしたり、思い悩んでネガティヴになる人よりもポジティヴな心構えが大切ですよね、ですから常に機嫌がいい人は素敵ですね(笑)。「絶対上手くいくんだ」というメンタルを持っている方と働きたいですね。そういう人って私の経験上結果として上手くいっている人が多いと思います。

司会:
結構ウチの会社はそういうマインドの人多いですね。CEOの甲斐がそうですしね。「絶対成功する」という気持ちでやっていますよね。

原:
スタートアップは常に予期せぬ出来事が起きますよね。大きい会社だと部署レベルの問題が、スタートアップだとそれが会社レベルになります。でもそれを上手く切り抜けていくのは、スキルもそうですが人間力が大切ですから、そういう人間力が高い人と一緒に乗り越えたら多分楽しいですし、自分もそういう存在でいられるよう心がけています。

司会:
原さんは今後FOLIOでこんなことをやってみたい、のようなチャレンジしたいことはありますか?

原:
自分の関わっている事業の成功に、エンジニアリングマネージャーとして貢献したいです。この事業が成功するということが、組織としても大切なことだと考えていますので、それをゴールとして取り組んでいきたいです。

司会:
最後に、FOLIOで働いてみたいと思っている方にメッセージをお願いします。

原:
今証券業界や金融業界にいらっしゃらない方は、FOLIOの業務がどのようなものか想像つかないかもしれません。でも少しでも事業に興味を持ってくださったり、システムで主に使っている言語であるScalaや堅牢なシステムの設計に興味があれば、カジュアル面談で話を聞いて知っていただくことができますので、本当にお気軽にお声をかけてください。

司会:
本日はありがとうございました。

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