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『個の時代』と新しい世界地図 | FISMが見つめる社会課題とソリューション【後編】

本記事は、COO白枝へのインタビューの後編です。(前編はこちら

前編では、FISMが現在手掛けている事業の概要と、そこから生まれた新たな課題、そして課題解決に向けた新規事業の着想について伺いました。後編では、新規事業「SHOW」の内容についてさらに深掘り。どのような未来を描く事業なのか、詳しく伺っています!


当社オフィスでインタビューに答える COO 白枝

インフルエンサーの “消費者的人格” を支援するアプリ

―早速ですが、前編で語っていただいた新規事業について教えてください

白枝:前編で「アパレルブランドの展示会」をヒントにしたと言いましたが、まさしくこの展示会と同じような構造をアプリ内に落とし込んだサービスを新規事業として展開していきます。

消費者の代表であるインフルエンサーのためのショースペースということで、「SHOW」と名付けました。

仕組みとしては、まず企業が展示会に出展するように、インフルエンサー限定の優待条件をアプリ内に掲出します。優待条件というのは、例えば特別価格の提示や限定品の先行販売などですね。インフルエンサーは気に入った商品があれば、アプリを通して購入や予約が可能です。そして、SNSへの投稿義務もありません。

インフルエンサー向けのプレスリリース

―なるほど。企業についてはどのようなメリットがあるのでしょうか?

白枝:SNSに投稿する義務はありませんが、もちろん禁止しているわけでもなく、良いと思ったものはぜひ積極的に発信してもらいたいと思っています。そして、そこで生まれた投稿は、消費者の一人としてインフルエンサーが発信した生の声で、企業側が本来求めているものでもあります。

企業の目線では、「インフルエンサーへのプレスリリース」と考えると良いかもしれません。

例え話ですが、一般に「新聞に取り上げられた」と言うと、記者の方が書いた取材記事を指すことが多いように思います。しかし、広告費を支払って掲載されるのは、所謂広告欄に無機質に並べられた広告です。このような広告を否定しているわけではないのですが、インフルエンサーマーケティングの領域では、インフルエンサーの意思によって自然に生まれた投稿を期待しながら、広告としてPR投稿を作り出していることが多々あります。

新聞の場合、プレスリリースを見た記者が気になったものを取材し記事になる、ということがよくあると思いますが、インフルエンサーの場合は、このプレスリリース配信のようなサービスが思い当たりませんでした。SHOWへの優待掲載は、企業とインフルエンサーとの関係において、プレスリリース配信のような役割を担っていくと考えています。

SHOWが作り出すインフルエンサー「個」の未来

―SHOWは今後、FISMにとってどんな影響を与える存在になるのでしょうか。

白枝:前編で、当社が手掛ける領域のほとんどは化粧品と食品だとお伝えしました。これは私たちが積極的にその領域にアプローチしているというよりは、市場の構造が必然的に招いた結果だと考えています。国内消費財のWeb広告における業種別の構成比率を調べたことがあるのですが、化粧品が約37%、食品が約21%を占めているそうです。つまり、国内消費財のWeb広告の半分以上は、この2つの領域から配信されているということになります。

一方で、市場規模は個人消費市場全体で300兆円もあるのに対して、Web広告費1位の化粧品業界は3兆円、つまり1%しかありません。これはクライアントサイドのコスト構造的に、化粧品会社や食品会社が広告費を捻出しやすい業界であることを意味していると思います。

言い換えると、私たちのようなインフルエンサーマーケティング会社が広告モデルで事業を展開する限り、その他の業種の生産者はインフルエンサーの影響力を戦略的に活用しにくいということになりますSHOWは広告モデルではないため、すべての個人消費市場に対して価値提供できると思っています。

― 今後のFISM全体の展望についても教えてください。

白枝:会社全体としては「インフルエンス・データで新しい世界地図をつくる」と謳っていますが、もう少し解像度を上げると、我々のテーマは、価値観やライフスタイルが多様化する「個の時代」において、課題を解決するソリューションや仕組みを創造することです。

インフルエンサーは「個の時代」を象徴する存在としてSNSを中心に活躍してきました。

創業以来、インフルエンス・データやプラットフォームの開発を通じて、「個の時代」が抱える課題の本質が少しづつ言語化できるようになってきました。長い歴史を振り返ると、今は間違いなく時代の転換期です。まだまだ道半ばではありますが、引き続きミッションを成し遂げるために邁進していきたいですね。


―今後、ミッションを成し遂げるためにどんな方と一緒に働きたいですか?

白枝:FISMが掲げているテーマに共感していただける人と一緒にチャレンジしていきたいと思っています。

FISMは社会が抱える本質的な課題の解決に取り組んでいる会社です。簡単なことではないですし、実際「SHOW」のリリースに関しても、多くの壁が存在し乗り越えてきました。

我々がやっていることは難易度が高く、「思考」も「行動」も高い水準を求められます。「個の時代」という言葉は良く耳にするようになりましたが、まだ定義が曖昧だと思いますし、我々はその先の課題にまで踏み込んでいるので、自ら問いを決め、解を創り出すしかないんです。

だからこそ、「何のために」というミッション・ビジョンの共感がとても大切だと思っています。

時代の転換期に生きていることはとても幸運なことです。人生は有限だからこそ、この本質的な課題の解決にチャレンジしたい、と思える人と一緒に成し遂げていきたいですね!

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