入社7年目を迎え、堤さんがいればどんな案件でもなんとかしてくれると言われる程、メンバーから厚い信頼を得ているデベロッパーの堤大洋。
フロントエンドからCMSのカスタマイズを含むバックエンド構築まで、案件ごとに幅広い表現を得意とする技術力はもちろんのこと、「誰かが喜んでくれる」ことが自らのモチベーションであり価値提供だと語る堤に、インタビューを行った。
自分がつくるものでストレスを溜めてほしくない
デベロッパーとして一番意識していることは、最終的にユーザーが使いやすいかどうかということです。僕自身もそうなんですが、知りたい情報を調べるためにWEBサイトを見ているのに、そのブランドやページの内容に適していない過剰な演出があると、逆にブランドに対してマイナスの印象を持ってしまったり、情報に辿り着く前にイヤになってページを閉じてしまう。
レストランに行って、食べたい料理をすぐに提供してほしいのに、提供されるまでに余計な演出があったりすると、いやいや、そんなんええからはよオーダー通して料理作って持ってきてよ、ってなりますよね。
だから、自分のつくるものは体験する人を最優先に考えてつくっています。たとえばデザイナーから、このサイトみたいにリッチな表現をしたいと言われても、それがブランドに適した表現ではなかったり、ユーザーにとって不要なものだと思えば意見しますし、ブランドの価値を高められるような演出も含めて提案をしています。
それはCMSを構築する時も同じで、CMSを導入するということはクライアントの日々の業務に入力作業が発生するということなので、できるだけ負担にならないように設計してあげたいんです。
管理画面が直感的でわかりやすくないと、日々の業務に負担がかかって、残業が発生してしまったり、結局活用されなくなる原因となるので、そうならないために、多少工数がかかっても、使いやすい設計にすることを心がけています。
クライアントがしたいことを汲み取って、解決してあげることが大事
年間の運用を受け持っているクライアントとの窓口をやっていると、大きい会社だと1人の担当者が複数のサイトを担当していることも多くあります。そうすると、時間がない担当者にとっては、タスクをこなすだけになって、こちらに投げるオーダーの意図が明確ではないときがあります。特にWEBの知識の少ない担当者だと、言っていることがロジカルではなく、感覚的だったりします。
そういうときは、本当はどうしたいのかを聞き出し、GoogleアナリティクスなどWEB解析ツールを使ってデータを見ながら、クライアントの課題を導き出し、こちらから解決策を提案をしてあげることが大事です。クライアントのゴールを共有して、それに合わせたサポートをする。
そうすることで、担当者の社内の評判も上がって、結果的に効果の出るサイトに成長し、クライアントのビジネスに貢献することができると思っているからです。
直クライアントであることで、ダイレクトにクライアントの反応がわかるので、共に課題解決できたときは嬉しいですし、喜びが伝わるのでこちらのモチベーションアップにもつながりますよ。
データドリブンデザインの要はテクニカルディレクターである
京都オフィスではDDD(データドリブンデザイン)に取り組んでいますが、これまで以上にデータを元に改善しやすいWEBサイトが必要になってきます。
クライアントの課題に対して戦略を考えるのはプロデューサーですが、たとえばABテストツールを実行するには、デベロッパーがCSSやJavascriptを書かないといけない。
ただ指示通りに組むのではなく、PDCAをまわすうえで、ツールに対応するマークアップを心がける必要があります。
そのためにデベロッパーにも求められるのが、戦略を理解し、その戦略を実行するためにもっとも最適なソリューションを提案できるテクニカルディレクターの力です。デザイナーと連携して、円滑にプロジェクトを進められるようにする。改善しやすいWEBサイトの設計ができる知識が必須になってきます。
クライアントもチームの一員、ロイヤリティを高めてモチベーションへ繋げる
僕がFICCの社員でいることの価値は、やはり制作で発揮されると思うんです。今でこそ制作面では「堤さんに頼めばなんとかしてくれる」とチームから信頼されるほどにはなっていると思います。技術面は新卒から11年経っているのでいやでも磨かれていきますけど、仕事をするうえで大切にしていることって、結局僕の場合は「チームの誰かに喜んでもらいたい」ということに尽きます。
「この仕様にしたいんだけど、できる?」「CMSの投稿をこういう設計にしたいんだけど……」と言われれば、できるだけ要望に応えたい。そして実際にできたときはチームのメンバーが喜んでくれるし、それはクライアントのことを想って提案していることなので、結果的にクライアントも喜んでくれる。
自分がクライアントのチームの一員であるように考えることで、一番身近なチームのみんなを喜ばせるときのように、相手を想って仕事ができるんじゃないかと思うんです。自分のつくるもので、喜びの連鎖をこれからも生んでいきたいです。