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こんにちは。コピーライターの高島です。
暑すぎる日が続いていますが、みなさん夏バテはしていませんか?
暑い夏の風物詩、祇園祭の熱気が冷めやらない7月末、京都支社にてフェンリル主催の“ゆるい”勉強会/交流会イベント『Design Techno(デザインテクノ)』が開催されました!
Design Technoとは?
Design Technoは、表面的な意味のデザインではなく、サービス/情報設計/コミュニケーション/プロジェクトマネジメントなど、広義の意味のデザインについて色んな業界、職種の方が集って気軽に話し合えるような場になればと立ち上げられました。
第2回となる今回は、“SaaS(サース)”と呼ばれるサービスの中で、“ユーザーから選ばれている”サービスを提供しているChatwork社、サイボウズ社、そしてフェンリルの子会社でもあるBrushupの3社にご参加いただき、「なぜ選ばれているのか?」について戦略などを語っていただきました。
“ゆるい”勉強会と謳っていることもあり、まずは乾杯からスタート!
スピーチと交流会を交互に行うスタイルで、飲み物や軽食を楽しみながら、ラフに参加していただけるイベントとなっています。
様々な業種の方にご参加いただいたDesign Techno。ご登壇いただいたみなさまのスピーチ内容を中心にレポートさせていただきます!
『リリースから丸4年、いまだSaaSのカテゴリーにない“レビューツール”のお話』
Brushup株式会社 代表取締役 水谷好孝
お客様の業務用レビューツールの共同開発がきっかけで生まれ、このシステムを元にフェンリルのプロダクトとしてリリースされたBrushup(ブラッシュアップ)。多くのお客様に支持され、事業を本格展開するため株式会社Brushupとして子会社化しました。
その機能と使い勝手、デザインにおいても高い評価を受け、グッドデザイン賞の受賞など躍進を続けているBrushupですが、ここに到るまでは様々な紆余曲折が。
今回の登壇ではそんなエピソードを交えながら、Brushup代表取締役の水谷がお話しました。
お客様との共同開発で生まれたプロダクトを、Brushupとして2015年3月にリリース。ベータ版ながらも、リリースから2日で登録企業200件という順調なスタートを切りました。
しかし、価格が安く売上の伸びが見えにくかったこともあり、共同開発案件に忙しいエンジニアやデザイナーを確保することができず、サービスの改善に着手できなかったため顧客数を伸ばせないという苦悩の日々を送ります。
状況を打開すべく、共同開発を行うメンバーが兼任で開発をするのではなく、専属のチーム体制を整えたことで、開発スピードは大幅にアップ。新規事業立ち上げの際には、専属メンバーで取り組むことの重要性を実感したそうです。
その後、水谷はじめチームのメンバーは、Brushupにふさわしいコンセプトを模索していました。
当初は、『デザインチームのためのプロジェクト管理ツール』としてアピールしていましたが、それは漠然としており、後に『コラボレーションツール』というコンセプトを打ち立てたものの、その当時のことを「全力で迷走していた」と振り返ります。
そしてもう一度このサービスに向き合い、現在の『レビューツール』というものに行き着いたそうです。
コンセプトを見直したことで、サービスの特徴をシンプルかつユニークに語れるようになり、2017年2月にBrushupを子会社化。まだSaaSのカテゴリーにはない『レビューツール』を誕生させたことで多くのお客様に支持され、順調に導入数を増やしています。
SaaSサービスにおける導入数ではChatwork社、サイボウズ社にはまだまだ届かないものの、このカテゴリーのサービスは他にはないので、「Brushupは(レビューツールとしては)No1です!」という、堂々とした宣言でスピーチは締めくくられました。
『Chatworkのサービス戦略』
Chatwork株式会社 デザインイノベーション室 マネージャー 新免タカノリ 様
Chatwork(チャットワーク)社では、メッセージのやりとりはもちろん、タスク管理、ファイル共有、ビデオ通話などが可能な、クラウド型ビジネスチャットツールを提供。2011年のリリース以降、現在では22万9000社以上(2019年7月末時点)に導入され、日本発のチャットツールとして企業利用を伸ばしています。
このように、多くの企業、ユーザーにChatworkが選ばれる理由を、デザイナーとして考えてみたというテーマでお話いただきました。
Chatworkの軸になっていることは、「ビジネスで使える」「みんなで使える」という2点であると新免さん。
チャットというリアルタイムなコミュニケーションながらも、仕事の邪魔をせずに使える様々な工夫がなされ、先日新たにリリースされたのが、“リアクション機能”。
複数の人が参加するチャット部屋では、メンバーそれぞれが「了解しました」など同じようなメッセージが続き、重要なメッセージが流れてしまうことがあるという課題から、そうした反応をコンパクトにまとめられるようにしたのだそうです。
リアクション機能として設定された絵文字は6種類。絞るのは苦慮されたそうですが、多様なシーンで使えることを採用の条件とし、ユーザーヒアリングや利用調査を経て選定されたとのこと。
受け取る側によって解釈が異なることがない「了解」や「ありがとう」などを選定し、絵文字にキャプションをつけることで齟齬が生まれないよう配慮したというエピソードなど、裏話(?)を聞けて楽しかったです。
Chatworkが選ばれる理由は、つくる側の一方通行ではなく、ユーザー目線で考えられるサービスあってこそなのだと実感しました!
『パッケージからクラウドへ / ビジネスモデルチェンジで変わったこと・変わらなかったこと』
サイボウズ株式会社 営業本部 副本部長 兼 西日本営業部長 玉田一己 様
クラウドベースのグループウェアや業務改善サービスを軸に、社会のチームワーク向上を支援しているサイボウズ社。
元々はパッケージとして提供されていたサービスがクラウドへとシフトし、ビジネスモデルが大きく変化するなかで、変わったこと/変わらなかったことについてお話いただきました。
クラウド版のリリース以降、パッケージ版の導入が減って売上も減少することが懸念されていたそうですが、予想に反して売上は倍以上に。すでにパッケージを導入されている法人のお客様がすぐに離れていくわけではなかったので、クラウドのリリース後もパッケージは横ばいだったと玉田さん。
ビジネスモデルチェンジに伴い、運営に必要なスキルセットも変化。機能説明やインフラ知識、業務知識やコンサル能力など、専門の知識を有する人の採用が増えていったのだそうです。
そうしたなかで、営業についても「変化と継続」が見られたようで、パートナー企業とともにサイボウズの製品を販売する、“パートナー営業”について触れられました。
直接営業するスタイルは、スケールするためには大量の営業人員が必要となりますが、パートナー営業では、少数精鋭でたくさんの対人顧客接点を持てるというメリットがあります。
創立当初からの営業経路であるWeb直販は続けながらもパートナー営業を拡大していくことで、クラウドシフト以降も導入数を順調に伸ばしているお話もしていただきました。
時代の流れを読み、様々な変化を重ねることで、ユーザーに支持され続けている同社。その強みをあらわすような、イギリスの自然科学者、チャールズ・ダーウィンの言葉を引用して締めくくられました。
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢いものが生き延びるわけでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。
新免さん、玉田さんのお話から感じた「ユーザーのために最善を考えること」「つねに変化をしていくこと」という仕事への向き合いかたは、フェンリルの理念にも通じることがあり大変共感しました。
また、フェンリルスタッフの私も知らなかったBrushupの歴史やサービスに対する想いを知るきっかけにもなりました。
余談ですが、今回の運営には今年の新卒デザイナーも参加し、会場の準備や受付などで活躍してくれました。参加者の方のご案内なども含め、細かなところにまで気を配っている新卒スタッフを見ていて、子の成長を見守る母親のような気分になりました。。ありがとう!
Fenrir Design Techno第3回はまだ未定となっておりますが、開催時にはフェンリルのコーポレートサイトにて告知しますので、ぜひご確認ください!
フェンリルでは、この他にも勉強会やセミナーを開催しております!
フェンリルのデザインと技術を社内外に広め、知識の共有や新たな体験をしていただける勉強会やセミナーを随時企画しています。
心よりご参加お待ちしております!