「田植え研修って、正直めんどくさいよね!?」
はい、わかります。最初はそう思っていました。泥に足を入れてまで得られるものがあるの?普通にオフィスで仕事してた方が効率いいでしょ?って。
「土に触れると、なぜか心もやわらかくなる」
これは、私たちファストコムグループが開催する田植え体験研修の舞台、“誠農社”さんで学んだこと。デジタル化が進み、情報が高速で行き交う今の時代。そんな中で、私たちはあえて自然の中に身を置く時間をつくります。手間をかけること。自然と向き合うこと。一緒に働く仲間と、土の上で汗を流すこと。今回は、そんな私たちの学びの場である田植え体験研修について、少しご紹介させてください。
# 毎月届く、3キロのお米。それは「豊かさ」の象徴だ。
ファストコムグループでは7年前から、社員に毎月3キロのお米が届きます。特別なお米です。農家さんから直接届く、農薬や化学肥料を極力使わず、時間と手間と技術をかけて育てられたもの。福利厚生の一つ、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、この「お米のある生活」は、私たちが農家さんとパートナーシップを結びながら共に取り組んでいる、ひとつの“循環”です。
農家さんにとっては収入の安定、
社員にとっては「本当に美味しいお米」が届く。
お米を受け取ることは、「誰かの手によって育てられた命をいただく」こと。食卓に届くまでの背景に目を向けるきっかけを、会社として大切にしたいと考えています。それが、私たちの福利厚生のかたちです。
# 田植え体験が「めんどくさい」理由はコレ。
でもやっぱり、田植えって聞くとハードルが高い。泥に入る?虫いる?暑い?腰痛くなる?思いっきり共感できます。でもそれって、“体験の目的”が見えづらいからなんですよね。「楽しさ」や「意味」が伝わっていなければ、そりゃあ人は動きません。だからこそ、この記事で伝えたいのはこういうことです。
【田んぼで、何が得られるのか】
田植え研修は、単に“農業体験”ではありません。私たちが向き合っているのは、「食べること」「働くこと」「生きること」の根っこです。泥の上で、苗を1本ずつ植えていく作業。一見すると地味かもしれませんが、その中に“働く意味”を見出す瞬間があります。
● 効率とは真逆の、手間をかける価値
● 自然のリズムに合わせて進む、呼吸するような時間
● 仲間と同じ景色を見ながら働く、心地よい協働感
私たちは普段、ITや営業、バックオフィスなど様々な業務を行っていますが、どの仕事にも共通する本質が、この体験には詰まっているように感じます。
たとえば、都会のオフィスでPCに向かいながらやっている業務。そこにはいつも「速さ」や「成果」や「効率性」が求められます。だけど、田んぼに入ると、それらの価値観がいったんリセットされます。泥は、思うように動けない。苗は、一つひとつ、丁寧に。手間がかかる。汗をかく。腰も痛いかもしれない。でも、不思議と気持ちは整っていく。
ゆっくりでいい。丁寧でいい。ちゃんと根が張るまで、待てばいい。そんな時間の流れの中で、自分の「働き方」に対する感覚が、少し変わってくるかもしれません。
そしてもうひとつ、田植え体験の魅力は「人と人との関係性」です。普段は部署も違って、名前しか知らなかった社員と、同じ田植え足袋を履いて、同じ田んぼに足を入れる。それだけで、なんだか一気に距離が縮まります。チームでひとつの区画を担当して、「そこ、もうちょい右!」とか「いや、それ深すぎ!」とか言い合いながら、笑って汗かいて泥まみれになっていく。言葉じゃなくて、体験で生まれる一体感。それは、会議室のアイスブレイクじゃ得られない、深くてしっかりした“つながり”です。
# お米を「知る」ことで、仕事も変わる。
この田植え体験の舞台になるのは、埼玉県加須市にある「誠農社」さん。明治時代の古民家を改修した宿、無添加の加工品、裏庭のキャンプ場、カフェ…。「農業×観光×食×教育」を実践する、いわば“最先端の農家”。ただ土に触れるだけでなく、農業とビジネスをどう接続するか。第一次産業が、どんなふうに私たちの生活と結びついているのか。土を踏みしめて、苗を植えたその体で、話を聞く。これがまた、不思議なくらい腑に落ちる。
# ご飯が、ちょっと泣ける。
そして昼食。誠農社さんが手がけた漢方農法米を使った、炊きたての土鍋ごはんが待っています。もう、これは説明不要です。“さっきまで自分たちが植えていた苗未来形”が、今目の前にあるという実感。おかずなんていらないくらい、お米が美味しい。普段、何気なく食べているごはんが、どれだけ尊いものか。誰かが時間をかけて育てて、運んで、ここにあるということ。当たり前が、少し特別に感じられる瞬間です。
# 最後は、学びを自分の言葉に。
体を動かして、食べて、そして泥だらけの足袋を脱いだ私たちに、誠農社の藤田社長は語りかけてくれました。「何事もチャレンジすること。常識を疑うこと。それが、仕事でも人生でも大切なんです」
最後はチームに分かれて、今日一日を通して感じたことを共有します。なぜこの体験が必要だったのか。仕事に戻ったとき、何が変わるのか。この「振り返る時間」があることで、単なるイベントでは終わらず、それぞれの中に「種」がまかれるのだと思います。
グループワークでは、みんなの気づきが溢れました。
「思い込みを捨てるって大事だね」「泥の中でも、一歩ずつ進めば必ず結果が出るんだ」「田んぼの中で笑い合えるって、仕事でも必要な気がする」
自分自身の成長や、仕事への向き合い方にリンクさせて考える大切な時間です。こうした対話の積み重ねが、会社の文化をつくっていくと信じています。
さいごに。
田植え体験は、確かに初心者にハードルが高いかもしれません。でも、だからこそ、得られるものがある。普段の仕事では使わない感覚や感情が、全身で開いていく。効率を超えたところに、“人としての豊かさ”がある。泥に足を突っ込む。汗をかいて、誰かと笑う。炊きたてのご飯を、静かに噛みしめる。
そんな非日常の中に、「なんのために働くのか」「どう生きていきたいのか」そんな問いのヒントがあるような気がしています。
ファストコムグループが目指すのは、効率だけでは測れない“人の成長”や“働く意味”を見つめる組織づくり。その一歩として、田植え体験はとても有意義な機会になると私たちは信じています。次に田んぼに立つのは、あなたかもしれません。泥は、思ったよりも遠慮しないので気を付けて!