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みなさんこんにちは。
FANTAS technology 編集部の田中です。
突然ですが、今このストーリーをお読みのみなさんは、企業法務という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
なんとなく言葉は聞いたことあるけれど、具体的には何をしているかはわからないと思われる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、FANTASをあらゆるリスクから守り抜くことを仕事としている、リーガルチームの川口美穂(かわぐち みほ)にお話を聞きました。
前職は法律事務所に所属し、過去には司法試験受験にも挑戦したという川口さんが、なぜ業界の異なる不動産業界への転職を決めたのか、また、法律事務所と企業法務の働き方の違いなどについて聞いてみました。
宅建をお持ちで法律事務所に勤めている方や、企業法務に興味をお持ちの方はぜひ最後までご覧ください!
大学首席卒業でも派遣社員!?派遣社員で部署異動を経験した 川口さんがFANTASに出会うまで。
ーーまずは川口さんの経歴についておうかがいしていければと思います。
大学ではどのようなことを学ばれていたのですか?
大学では法哲学を専攻していました。
あまり耳なじみのない学問かもしれませんが、刑法や民法などのみなさんがイメージしやすい「実定法学」ではなく、実定法学の底にある考え方や、法はそもそも何のために存在するのかなどを考える「基礎法学」に分類される学問です。
それ以外にも、一般教養で受講した哲学の教授から「ただ突き進むだけが、人間の芸ではない。勇気を持って撤退することも大切。」というような言葉をいただいたり、大学時代は価値観も含め、さまざまな学びがありました。
それがありがたいことに首席卒業 という結果に結びついた形です。
ーーそんなたくさんの学びがあった大学を卒業後は、どのようなキャリアを歩まれたのでしょうか?
いわゆる新卒での就職活動はせず、1年半ほど司法浪人をしていました。
ただ、3年である程度の結果が見えなければ無職を辞めるという両親との約束もあったので、司法書士の事務所にアルバイトとして勤め始めました。
ーーそこではどのようなお仕事をされていたのですか?
ボス書士の食事の準備や書類の事務処理が主な業務で、その他、登記済証を法務局まで取りに行く仕事がかろうじて、司法書士事務所に勤めているなと感じる瞬間でした。
それに、当時はまだ司法試験に合格するという野心が消えていなかったのもあり、結局半年で辞めることにしました。
ーーその後は、また別のお仕事などをされていたのでしょうか?
当時は不景気真っ只中なこともあり、就職経験のない私には正社員の途は難しかったため、派遣社員として不動産ポータルサイトの運営会社で総務として働いていました。
そこでは、非常に珍しい派遣社員での部署異動を経験しました。
ーー確かに派遣社員の部署異動はあまりなさそうですよね。
どのような経緯があったのでしょうか?
今だから言える話ですが、当時、頑張ってはいるけどなかなか仕事が進められない、少し問題のある社員(笑)でした。
そして、その働きぶりを知った当時の上司が、仕事をきっちりこなすということを学ばせるために部署の異動を手配してくれました。
その異動先が物件審査をする部署で、仕事の進め方や他部署への連携の仕方など、仕事の基礎を叩き込まれるという感じで2年ほど過ごした結果、最後の方は、正社員が確認するべきこと以外は全て任せられるくらいにまで成長できました。
そこで、やっと社会人1年生になれたと思っています。
ーーそのような経験もされたのですね。
そこからどのようにしてFANTASにたどり着かれたのでしょうか?
そこから、2社ほど挟んだのちに前職の法律事務所に勤めました。
前職の法律事務所では、「ボス弁」が行う頭脳仕事以外の全ての仕事を担当していましたね。
そこで7年勤めた後に、FANTASに入社をしたという流れになります。
法律事務所から不動産業界へ。業界を変えて転職をした理由とは。
ーー法律事務所からなぜ業界を変えての転職を考えられたのでしょうか?
法律事務所時代は労働関係を含む企業法務がメインだったのですが、「事業」というものをもっと身近に感じたいなと思ったことが大きな理由です。
ーー業界を変えて転職をする中で、不動産の業界を選ばれた理由は何があるのでしょうか?
大きくふたつの理由があります。
ひとつ目は、派遣社員として不動産関係の会社で働いていた時に、さまざまな不動産事業者の方と関わりましたが、そんなに嫌いじゃないなと感じていたからです。
そして、ふたつ目が宅建の資格を取得していたことです。
不動産業界で働くのであれば、持っていた方が良い資格だと思うので、それを持っていたことも理由のひとつになっています。
ーーこれまでのご経歴から、不動産業界に勤められていたのはわずかな期間にもかかわらず、宅建を取得されていた理由は何があるのでしょうか?
前職では不動産会社の案件を取り扱わせていただくことが多く、少しでも当時のボス弁の力になりたいなと思ったのがきっかけです。
そして、私にとって宅建取得は自分の人生の中で大きな転機でもありました。
ーー人生の転機ですか!
詳しく教えていただいてもよろしいですか?
簡単に話しますと、私自身が決めた目標を達成するということをやっとできたのが、宅建取得でした。
実は大学の法学部を卒業してから、宅建を受けるまで12回ほど司法試験を受けて落ちています。
働きながら受けていたり、一度諦めたり、司法試験に未練があることに気づいて再度受け始めたりと紆余曲折ありましたが、司法試験に挑戦し続けていました。
それこそ、司法試験は私の人生のカルマだとも思っていたんです(苦笑)。
ただ、12回落ちた後、とある人に「今、本当に司法試験に受かりたいって思ってる?それって自分の人生を生きてるのかな。どこかで自分に嘘をついているってわかってるんじゃないの?」と言われたのが、どうしても頭から離れなくなりました。
そして、散々考えた結果、司法試験に挑戦することをやめることにしました。
昔、哲学の先生に教わった言葉、「撤退する勇気」の実践でしょうか。
その後、何か新しい目標を立てようと思い、当時の職場で使えそうな資格である宅建取得を目標に掲げて勉強を始め、なんとか自分で立てた目標を達成することができたという感じです。
FANTASには「いい人」が多い?!企業法務だから感じるFANTASの魅力とは。
ーー素敵なお話ですね!
ちなみにご転職の際に、不動産業界でたくさんの企業がある中で、FANTASを選ばれた理由はなんでしょうか?
面接の際に、一緒に作り上げて欲しいというメッセージを強く感じたことが一番の理由です。
当時の上司、現執行役員の秋戸さん、そして國師社長と面接をしました。
その際に、これから会社が大きくなっていく中で、会社の「守り」として、法律に関わる面を強くしたいから一緒に作り上げていってほしいというようなメッセージをいただいて、ぜひ一緒に取り組ませていただきたいなと思いました。
ーー入社されて、最初はどのようなお仕事をされていましたか?
契約書の修正業務など、「守り」に関わる社内の環境・ルールの整備が主な業務でした。
今だから言えますが、当時使っていた契約書を見せられた時に、これはまずいと思って2日で修正したのも良い思い出ですね(笑)。
ーー今では社内で利用する契約書の全てが川口さんのご尽力によって、健全に保たれています。
ちなみに、法律事務所と企業法務の業務でギャップなどはありましたか?
法律事務所と企業法務では役割が全然違うなと感じています。
法律事務所などの弁護士側は、法律に即して法の解釈や、裁判所の見解、関連する役所の見解などを踏まえて、アドバイスをするという仕事です。
それに対して、企業法務は法に背くことはしないという前提のもと、弁護士側が提供されるアドバイスと事業部側の要望をすり合わせて新たなものを生み出すという仕事になります。
なので、同じように法を扱う仕事をしていますが、やっていることは大きく違うなと感じています。
ーー企業法務という仕事の中でご自身が成長したと感じることなどはありますか?
先ほどの「役割の違い」に気づけるようになったこともそうですが、「リスクを考えた上でどうすればケアできるか」という考え方を得ることができたのは大きな成長だなと思っています。
初めの頃は、「この条文が問題になりそうだから、ダメじゃないですか。」という感じで、どちらかと言えば弁護士的な目線で仕事をしていました。
ただ、当時の上司に企業法務の基礎から教えていただいたことで、前職とはまた違った視点で法律と向き合うことができているなと感じています。
ーー働いている中でやりがいなどを感じる瞬間はどのような時でしょうか?
相談が来た案件に対して、こう対応したら良いのではないかというように思案した時に、
「納得しました。ありがとうございます。」と言ってもらえるその時が一番やりがいを感じますね。
「ありがとう」という言葉はやはり、原点かつ頂点だと思っています。
ーー昨年から新たにリーガルチームにもメンバーが増えましたが、その時は率直にどのように思われましたか?
最初は正直不安でした。
新しいメンバーは新卒社員で、仕事という、彼の人生の内での大きな要素を引き受ける責任感みたいなのを感じて、戸惑いはありましたね。
ただ、彼が「いい人」だったのもあって、チームとして多くの仕事をこなしていくうちに、徐々にチームワークが生まれてきたなと感じています。
ーー今期は本格的にリーガルチームを引っ張る形になるかと思いますが、意気込みなどはありますか?
年初に副社長の河野さんから、「優秀な『担当者』から卒業しなさい。」と言っていただきました。
そのようなことを言っていただいたこともあるので、周りの人にどのような影響を及ぼせるのか、ひいては社内に対してどのようにしていい影響を及ぼせるのかを考えて、仕事に取り組んでいきたいなと思っています。
ーー素敵な目標ですね。
ちなみに、FANTASで働いて3年以上たつと思いますが、FANTASで働く魅力はどんなところでしょうか?
やはり「いい人」が多いところです。
法務という立場上、どうしても困りごとに関しての仕事の依頼が多くなります。
それでも、折れずに続けられているのは、この人たちのためだったら頑張ろうと思えるようなメンバーがたくさんいることが大きな理由ですね。
ーーありがとうございます。
最後に今後、企業法務として、FANTASで共に働いてみたい人はどんな人でしょうか?
どの部門においても、素直さと好奇心がある方が理想ですね。
いくらこちら側が真心を込めて言っているつもりでも、曲がった解釈をされてしまったら円滑に仕事を進めることができないと思います。
法務の立場でも、素直さがないと、法の解釈や裁判所の判例などの考え方を自分の見方で曲げてしまって、それを事業部側に伝える可能性すらあります。
それでは企業法務として機能しないことになるので、やはり素直であるということはとても大切です。
また、法律は改正されることが多々あるので、そのような改正に関してしっかりとキャッチアップできるような好奇心や、世の中への興味が必要かなと思いますね。
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いかがでしたでしょうか?
企業法務という、法と事業部との結節点となる業務の魅力が伝わったかと思います。
法律事務所に属していながら、もう少し事業というものに触れてみたい方はぜひ企業法務という仕事も検討してみてはいかがでしょうか。
次回もFANTASの魅力的な社員のSTORYをお届けする予定です!
お楽しみに!