【エブリーと振り返る2018年】vol.4 – 偶発的な買い物体験をオンライン化する。今年8月にリリースしたライブコマースアプリ「CHECK」を先導するメンバーのお話
(写真左から)
取締役 CTO 兼 CHECKカンパニー長 梶原大輔
新卒でヤフー株式会社に入社。その後グリー株式会社に転職し、エンジニアとしてゲーム・インフラ・技術基盤の開発に従事。2014年より同社執行役員に就任し、インフラストラクチャ本部長、開発本部長を歴任。2016年からは複数の子会社の代表取締役・取締役として新規事業の立ち上げを行うなど、10社以上の企業の社外取締役・技術顧問・出資支援を行いスタートアップ企業の成長支援に携わる。2018年5月、株式会社エブリーに入社。
CHECKカンパニー マネージャー 佐藤弘毅
新卒で株式会社コロプラに入社し、ライトゲームの開発や人気タイトルのディレクター業務などを担当。2016年、エブリーにジョインし女性向けライフスタイル動画メディア「KALOS」のコンテンツ企画制作やSNS改善、ECの立ち上げを経験。2018年4月からはライブコマースアプリ「CHECK」の立ち上げメンバーとして参画し、現在はライブコンテンツの企画制作チームのマネージャーを務める。
シリーズでお送りしている「エブリーと振り返る2018年」。連載最終回となる第4弾は、今年8月にローンチしたばかりのライブコマースアプリ、CHECKの事業担当2名とクロストークを行いました。会社としても新たな領域の事業となるライブコマースサービスに、ひたむきに取り組み続けた日々を振り返っていきます。
―今日はよろしくお願いします!CHECKはライブコマースのサービスですが、それまでは動画メディアを中心に運営していたエブリーにとっては、新たな領域での事業展開ですよね。そもそもなぜライブコマースに参入したのですか?
梶原:ライブコマース事業においては、エブリーがこれまで培ってきた動画メディア事業でのノウハウを最大限活かすことができると考えて参入を決めました。現在エブリーでは2-30代の働く女性向けにメイクやファッションなどの情報を提供するKALOS、ママ向けに妊活や育児・子育て情報を届けるMAMADAYSと、2つの女性向けの動画メディアを運営しています。見てくださるユーザーが、商品やサービスなどの情報を認知し、興味関心を持ち、内容理解・価値認識をするという段階までの購買フェーズをサポートするメディアです。そこからさらに商品購入といった行動までをワンストップで提供できるようなサービスになることができたら、より多くのユーザーの生活をサポートができると考えました。エブリーのミッションである「動画を通じてもっと楽しく、もっと充実した毎日にする」ことにも共鳴する事業だと感じ、KDDIさんとの協働の元、CHECKというサービスが立ち上がりました。
佐藤:具体的にはCHECKを通じて、アプリ・ネットの世界で”目的のない買い物”を実現させるプラットフォームを作りたいなと思っています。ユーザー側からすると、目的のある買い物、つまりは買うものが決まっている場合はアマゾン・楽天・ヤフーなど大手ECサイトで検索して買うと思うんです。ですが、街中で一目惚れして衝動買いしてしまった!とか、実演販売をみて興味を持って購入した!とか、そういった偶発的な買い物はまだオンライン化されていない体験だと思います。また先述の通りECサービスは日本でもかなり浸透していますが、現在のECサイトの多くでは文字と画像のみでしか商品情報を発信することができていないと思います。技術が進歩し5Gの整備も進んでいる時代、動画やライブを用いることで、ユーザーがより多角的に商品の魅力や価値を理解できることは当たり前になってくると考えています。そんな新たなオンラインショッピングの世界を作るのが目標です。
“リアル感”のあるライブ配信を目指して
―動画メディアとライブコマースとでは、プロダクトを作っていくにあたってどのような違いがありましたか?
佐藤:僕は以前KALOSのディレクターをしていたので、情報を伝える動画コンテンツ作りは経験していましたが、そこから商品を買ってもらうところまで設計するのは難しいなと感じています。常に大事にしているのは、”リアル感”です。CHECKでは毎日18時から生放送で動画コンテンツを配信していて、男女問わず様々なモデルさんに出演いただき、商品を紹介・販売しています。それら1つ1つの番組は、アーカイブにして後日見られるようには設計していますが、コンバージョン率はライブ配信の方が圧倒的に高いです。ライブ配信を見ているユーザーの目線になると、コメント欄に書き込みをすればモデルが反応してくれて、自分もそのライブ配信に参加しているという主体性が生まれるのだと思います。そして、オンタイムで視聴しているユーザー数もわかるので、自分以外の他人の存在も、オンライン上で感じることができます。先日リリースしたのですが、ライブ視聴中に誰かが商品をカゴに入れたら、全ユーザーにその情報が通知されるような機能を作りました。例えばスーパーやアパレルの実際の店舗でも、周りに人だかりができているような商品があれば、人気のものさしとなって購買意欲にも影響しますよね。そのような盛り上がり感をオンラインでもリアルに体感できるように、今後も色々な施策や機能を模索していけたらと思っています。
梶原:CHECKは、動画メディアよりも多くの要素が掛け合わさって作られるプロダクトだと感じます。動画のコンテンツ作り、モデルのキャスティングなどは動画メディア事業にも必要な要素ですが、ライブコマースではそれらの要素がライブ配信に耐えられるような設計になっている必要があります。例えば、ユーザーからの質問にモデルがすぐに答えられるように、商品情報をカンペにして見える位置に出しておくといった細やかな現場対応をしていたりします。またモデルさんにも、ほとんど台本がない状態でライブ配信の進行を任せているので、コミュニケーションスキルの高い方にオファーをしています。そしてそのような生配信対応のみならず、肝心な商品の仕入れ、カスタマーサポートなども重要な要素となるため、様々な職種と役割のメンバーが関わって作られる事業だなと感じます。どの要素も欠かせませんが、中でも商品選びはかなり大事なポイントです。商品によって、動画映えするモノとしないモノに分かれます。例えば家電や調理グッズ、コスメといった、How Toが見せられる商品はライブコマース向きです。写真や文字だけでは使い方がわかりづらく、動画にするとより商品の良さを立体的に伝えられるものが良いですね。食品なども積極的に販売しています。食べた人の感想を、噓っぽくなく伝えられるという点や、あまりテキスト化しづらい味や見た目の表現が可能となる点がライブコマースに合致するのかなと思います。
佐藤:確かに、動画映えする商品の方が企画も作りやすいですね。平面の写真を見ただけで商品理解ができるようなものは、ライブにしても反応がよくなかったりします。こういう使い方をするよとか、こんなテクスチャーだよ、といった商品のディテールを見せてあげると、コンバージョン率が高いなという実感があります。
ライブコマースで求められる、マーチャンダイジングとは?
梶原:商品のところでいうと、今年9月にロフトさんとコラボさせていただいた際は、ユーザーからの反応がかなりよかったです。(詳細はこちら)これはロフトで販売される限定商品をCHECK上で先行販売させていただくような座組みになっていました。ライブ配信の翌日からは全国の店舗でも買えるけど、その当日はCHECKでしか買えないというような設計です。おそらく、そのライブ配信に参加している人だけが体験・経験できる”プレミア感”のある買い物体験が提供できた点がよかったのではないかと思います。その事例から考えても、現在のCHECKはどれだけ良い商品を取り扱うことができるか、品揃えの良さが求められるフェーズだと考えています。
佐藤:例えばECサイトだと、商品を仕入れてきたら、写真を撮ってテキストを書いてサイトにアップロードしますよね。これからライブコマースにおけるMD職が求められるのは、仕入れた商品を掲載するのみならず、どんなバックグラウンドのモデルが、どんな演出で商品情報を伝えたら、ユーザーに高い訴求ができるのか。ここまでの商品展開を描けないと、売れる商品を作れないのかなと思います。実際にライブ配信を見てくれるユーザーを第一に考え、仕入れを調整する感覚が求められます。ユーザーが商品に対してどんな部分を追究し、どんな商品が人気になるのかもコメント欄などを通じてダイレクトに見えるので、その反応を見て試行錯誤を繰り返す必要があるのかなと。
佐藤:現在は、番組ごとに取り扱う商品のカテゴリを分けています。大きく分けるとライフスタイルやコスメ、ファッションといったジャンルになりますが、それぞれ商品特性によってライブの作り方も変わってくるので、番組ごとにインテリア・背景を変えてそれぞれのカラーを打ち出すようにしました。背景にこだわることで、それぞれの番組がリアルなお店っぽくなって、オンライン上に”店の間仕切り”みたいなものができるのかなと思っています。現在はアプリにザッピング機能が付いているので、ユーザーの好みの番組をすぐに判別できるようになれば、リテンションレートの向上にも繋がってくれることを期待しています。
全てのユーザーが、自分の“欲しい!”に出会えるように
―年末年始もCHECKでは見どころの多いコンテンツが盛りだくさんと聞きました。もう間も無く2019年ですが、来年はどんな展開を予定していますか?
梶原:まずは、CHECKでしか買えない商品を集めていきたいです。現在は全ての撮影・配信をエブリーオフィスにあるスタジオで行っていますが、スタジオを飛び出しても面白いですよね。協力してくださる企業さんの実際の店舗に行って、生配信をしてみるとか。CHECKのアプリを通じてオンラインでライブを見ている人もいるし、実際に店舗にいるお客さんもライブを見ているみたいな、オンラインとオフラインの融合があっても楽しいと思います。出演者のところでも、モデルさんやタレントさん、芸人さん以外の方々にも出ていただきたいです。例えば協力企業さんの”中の人”が実際に出てしまうとか、やってみたいですね。やはり正しい知識を持っている方が話すと、圧倒的に説得力が増すので、商品理解を促すためには信頼が担保された方に出演いただくのも良いなと感じます。アプリ自体も色々とベースの機能が整ってきたので、そこから一歩差別化を図るためにも、より多くのユーザーと楽しめる機能をもっとリリースしていきたいです。やることが盛りだくさんです!
佐藤:正直、CHECKはまだ認知度が足りないプラットフォームだと理解しています。出演タレントの影響力、商品数、演出方法、どれをとっても様々な試行錯誤が必要な段階です。CHECKは実は、ターゲットとなるユーザーを特に設定していません。多種多様なジャンルの商品を取り揃え、出演モデルもバラエティ豊かな方々にご協力いただいています。どんなユーザーが訪れても、自分が欲しい!と思うものに出会える、開かれたプラットフォームにしていきたいです。CHECKのアプリを開くと他のサイトでは買えないものや、自分にぴったり合う商品が見つかる、といった体験を提供し続けることで、繰り返し使ってくれるアプリになっていくのかなと思います。現在はアプリのリテンションレートを指標として追っていますが、継続して使ってくれるCHECKのファンを少しずつ増やしていって、とにかく楽しんでもらえるサービスにしていきたいです。
『CHECK』のダウンロードはこちら
https://check.tv/
4回に分けてお送りした、「エブリーと振り返る2018年」。最後までお付き合いいただきありがとうございました。より多くの人に寄り添えるようなプロダクトづくりを、2019年も従業員一同必死になって頑張ってまいります。来年もどうぞ、よろしくお願いします!