なぜ友達に?というほど正反対
"2人が引き起こす化学反応"
ー友人同士での共同創業についてはどうですか?
秋野:石山は私にはない能力を持ってるんですよ。その部分で補完というか強化してもらえるので、一緒にやれてすごく良かったなと素直に思えます。
石山:よく友達になったというくらい、出来ることが正反対だよね(笑)。
秋野:本当に真逆。やりたいこととか目指すところのベクトルは一緒だけど、そこに辿り着く方法が全然違う。
石山:でも、違うからこそ今の会社があると思う。本来なら10人くらいで埋めていかなくちゃいけないところを、2人で埋められてしまった。ちょっとでもどっちかに偏っていたら足りない部分がボロボロでてくるはずだけど、それが出なかったというのはあるよね?
秋野:あるね。得意な領域がすべて違って、かつそれが全領域をカバーできてるのは大きかったと思う。
石山:飲食店に例えると、秋野が良い素材を見つけてメニューを考えて料理して、私がソースを作るという感じ。あとはおもちゃのオマケをつけるとか、オリジナリティーを加える。で、(共同経営者の)萩原はひたすらそれを売っていく。
秋野:まさにそういう感じだね。僕だけだったら、料理は出来るけどいつも同じ味付けになってしまう。ある程度やれても、そこからどう差別化するの?っていうところが難しいはず。だからこそ強化し合えてるって感じるよね。
ーそんなお2人でも苦労したこと・大変だったことはなんですか?
秋野:思いつかないなぁ。なにかある?
石山:うーん…無いよね?「コロナ禍で展示会をやったので、想定していたよりは来場者さんが少なかった」とかはあるけど。
秋野:まぁ自分たちも出展社さんたちも「コロナだしこんなものだよね」っていうだけだったし。当時かなりオフラインでリードを獲得する場が無くなっていて「来場者が少なくても展示会できるだけで」っていう出展社さんも多かったから、それも納得していただけたしね。
石山:もしかしたら、人によってはうわ〜っていう場面もあったのかもしれないけど、それも含めて楽しくできたという感じですかね。これは創業するときにかなり細かく時間をかけて事業計画を作ったのも大きいかもしれません。良いケースも悪いケースも全部その範囲内に収まっていたから。
ーしっかり事前準備した結果ということですね。では逆に嬉しかったことはどうですか?
石山:向こうがどれだけ本気かはわからないですけど、うちが使っているシステムの会社の社長から「うちは石山と一緒に心中する」と言ってもらえたことですね。
ーそれは嬉しいですね。一体どんな関係性を作ったらそんな言葉が?
石山:多分、彼らは彼らでイベントをITの力を使ってよくしていきたい、だからこういう開発がしたいというものがあるんですよね。でもずっと変化がない業界ということもあって、イベント業界って保守的な人が多いんです。だから、その提案に乗ってくれる会社がない。そんななかで、僕らは彼らと同じようにITを使って展示会を良くしたいと考えてその提案に乗る。同じベクトルを向いていると実感してもらえているんじゃないかな。どれだけ本気で言ってくれてるかは分からないですけどね。
秋野:でも全然思ってなかったら言わないよね。凄いことだと思う。
ーそうですよね。では、秋野さんはいかがですか?
秋野:うーん…
ー無かったら無いでも…
秋野:いえ、そうじゃなくて逆なんです。出展社さんから「過去イチいい展示会だった」とか「1億円の受注が1ヶ月で決まって感謝している」とか、毎日のように言われるので、どれが一番嬉しかったか選べないなぁって…
石山:そういうの前の会社じゃ無かったってこと?
秋野:なかったなかった。稀にすごく感謝されることがあって、それを何年も何回も何回もこすって話すくらい(笑)。
ーそれが日常になるなんて凄い変化ですね!どうしてなんでしょう?
秋野:来場者さんをたくさん集められているというのはもちろん、その質を確保できているというのが大きいと思います。だから出展社さんが心から感謝してくれる。
この質の部分はそれこそ石山の“ソース”のおかげなので、私が持っているノウハウと、石山の味付けがうまく融合しているという証拠ですよね。それによって出展社さんに満足してもらえている、自分たちがゼロから生み出して価値提供できている。これが私の喜び、一番のやりがいなんですよね。
毎日生まれる「1番嬉しい」
そんな組織で"経験より重視されるもの"とは
ー会社としての今後の展望をお聞かせください。
石山:「展示会といえばエバーリッジ」っていう世界線を作っていきたいです。結果、それが展示会事業として拡大していくという形が出来たらいいですね。
秋野:展示会もそれ以外の展開でも「BtoBのマッチングだったら、ナンバーワンはエバーリッジ」というのは2030年くらいには実現したいよね。そこに人が集まるのであれば、そこに付随するサービスを提供したり、そこから発生するデータを活用してなにか新たな価値を与えたり、いろんな発展の方向性があると思うんです。それが実際2030年かどうかは分からないけど、どこかのタイミングでは確実に実現できるはずです。
ーそんな組織の一員として求めるのはどんな人でしょうか。
秋野:自発性はかなり重視しています。どうしても人数が少ないので、先手先手で想像をして自発的に動かないといけない環境ではあるんですよね。だから、言われたことを完璧にこなすというより、問題点を見つけて「それを改善していきたい」とか「こうなっていきたい」とかいうような、自発的な向上心があることがすごく重要だと思います。
石山:まったく一緒ですね。引かれているレールがあるわけではないので、自分でレールを引いていくという気概がある人がいいですね。経験や能力はあとから付いてくると思うので。
<編集担当日野の編集後記>
友人から共同創業者となっても、仲の良さは健在。それでも馴れ合いではなく、お互いを信頼・尊重し合っている様子が印象的でした。
ビジネスに対する抜群のセンスと嗅覚、培ってきた経験と自信。
高いレベルでバランスのとれたお2人が引っ張っていくエバーリッジは、間違いなく業界の牽引者となるのだろうなと、お話しを伺いながらワクワクする対談となりました。
次は、石山さんの会社代表としての想いを掘り下げます!